オペアンプについての概要、用途、原理などをご説明します。また、オペアンプのメーカー34社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。オペアンプ関連企業の2022年6月注目ランキングは1位:日本テキサス・インスツルメンツ合同会社、2位:東芝デバイス&ストレージ株式会社、3位:ルネサスエレクトロニクス株式会社となっています。
オペアンプとは、2つの入力端子と1つの出力端子を備え、入力側の電気信号を増幅して出力することができる集積回路です。
正式名称のオペレーション・アンプリファイヤー(Operational Amplifier)の略語です。
オペアンプの電源にはプラスとマイナスの電圧が使えるものと、プラスの電圧のみしか使えないものがあります。前者と両電源タイプといい、後者を片電源タイプといいます。
どちらも用途に応じてコストや性能に見合った使い分けが必要です。
オペアンプは出力先の部品や機器に合わせて、入力信号の増幅を行うために使用します。
センサーなどのアナログ信号はそれ自体では信号レベルが小さすぎて、そのままではデジタル回路で使用することができないため、オペアンプで信号レベルを増幅させて演算に使用します。
そのため、オペアンプを単独で使用することはなく、その他の電子部品と組合わせて回路を形成することで使用されます。
オペアンプの増幅率は大きく、理論上は無限大の増幅率を得ることができます。
オペアンプは回路の抵抗値の大きさで増幅率を変化させることができ、その動作原理は+側と-側の2つの入力端子の電位差を無くそうという働きからくるものです。この動作原理は差動増幅と呼ばれ、オペアンプの基本的な特性です。
増幅回路では、電源電圧を入力端子の一方に接続し、もう一方の入力端子はGNDに接続します。GNDに接続した入力端子と出力端子は、間にR2の値を持つ抵抗を入れて直結します。GNDに接続した線はR2の抵抗線と接続します。このとき、接続点とGNDの間にR1の値を持つ抵抗を入れます。この回路に電気を流すと、出力端子は+側と-側の電位差を増幅させた電圧を出力し、入力電圧と出力電圧は増幅率R2/R1の比例関係にあります。
入力端子のうち、-側を入力電源とした場合は極性が逆になるので反転増幅回路と呼ばれ、+側を入力電源とした場合は入力と出力の極性が同じになるので非反転増幅回路と呼ばれます。
反転増幅回路の場合、出力電圧は-となり、入力電圧が増加するほど出力電圧は低下(-側に増加)します。
オペアンプは、その特徴より幾つかの種類に分類できます。
プロセスから見るとバイポーラタイプとCMOSタイプに分類されます。
バイポーラタイプは一般に入力バイアス電流が大きく、消費電流も大きいですが、耐圧を高くすることができます。また入力部の初段をJ-FETの差動構成にすると、バイアス電流が少なくかつスルー・レートが大きいオペアンプが実現できます。
一方CMOSタイプのオペアンプは、耐圧が比較的低いものの入力バイアス電流は漏れ電流程度の極めて小さなレベルであり、回路全体の消費電流を少なくすることが出来ます。更に、入出力のダイナミックレンジが広く、大きな振幅の信号を扱えることも特徴の一つです。
一方、オペアンプの電気的特徴に着目した分類では、汎用タイプ、高精度タイプ、広帯域タイプ、ローノイズタイプ及びRail-to-Railタイプに分けられます。
汎用タイプは、様々な使用を想定した使い易さ(例えば、発振を起こしにくい、単電源でも使えるなど)を優先したもので、比較的廉価なことも特徴の一つです。
高精度タイプでは、特に開ループゲインが大きい上、センサーの出力信号など微小電圧を扱うためにオフセット電圧や熱によるドリフト特性を改善しています。
広帯域タイプは、無線通信や映像信号などの高い周波数まで使用できるものを指し、利得帯域積(GB積)が大きいことや高スルー・レートが特長ですが、増幅度をあまり大きくすることはできません。
ローノイズタイプは低雑音を目指したオペアンプで、帯域を広げ歪率特性を改良したものです。主な用途はオーディオ、無線、産業用など雑音が少ないことが求められる用途向けです。
Rail-to-Rai タイプとは、入力信号や出力信号のレベルが電源電圧付近まで動作可能なものを指します。特に低い電源電圧で動作させる場合には、ダイナミックレンジが広がるので有利です。
オペアンプの基本的な回路構成は反転増幅器と非反転増幅器ですが、それを発展させて様々な回路が考案されました。ここでは代表的な回路例を紹介します。
オペアンプの反転入力端子と非反転端子に与えられた信号の差分を出力端子から取り出すように構成した回路です。コモン・モード・ノイズの除去にも有効な回路です。
精密な基準電圧源を非反転端子に接続しオペアンプを非反転増幅器とすることで、オペアンプの出力端子からは基準電圧源の電圧をベースとした安定した電圧が得られます。
反転増幅回路のフィードバック抵抗RfをコンデンサCfに変更すると、積分回路が形成されます。反転端子への入力電流IsがコンデンサCfに蓄積され、出力端子の電圧VoはΔt×Is/Cfとなります。但しΔtは蓄積時間です。
オペアンプと抵抗器、コンデンサを組み合わせて、様々なアクティブフィルタを形成することが可能です。
その他に、コンパレータ、発振器、サンプルホールド回路など、多様な回路をオペアンプで構成することが出来ます。
参考文献
https://www.ablic.com/jp/semicon/products/analog/opamp/intro/
https://www.marutsu.co.jp/pc/static/large_order/1104opamp
http://www.mech.tohoku-gakuin.ac.jp/rde/contents/course/mechatronics/analog.html
https://d1d2qsbl8m0m72.cloudfront.net/jp/products/databook/applinote/ic/amp_linear/common/opamp_comparator_tutorial_appli-j.pdf
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年6月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 日本テキサス・インスツルメンツ合同会社 | 9.5% |
2 | 東芝デバイス&ストレージ株式会社 | 9% |
3 | ルネサスエレクトロニクス株式会社 | 8% |
4 | ローム株式会社 | 7.5% |
5 | STマイクロエレクトロニクス株式会社 | 7% |
6 | アナログ・デバイセズ株式会社 | 6.5% |
7 | 新日本無線株式会社 | 6.5% |
8 | ユニソニックテクノロジー株式会社 | 5% |
9 | オン・セミコンダクター | 4% |
10 | TTM Technologies | 3.5% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年6月のオペアンプページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
ELM842xC は、A級動作出力段を備えた準レールツーレール入力や出力の低消費電流CMOSの シングルオペアンプです。
位相補償回路を組み込んでいるため、少ない部品点数での回路設計が可能となります。
特徴としては1.2V の単一電源からの動作が可能で、出力段はA 級動作で電流ソース能力が90μA、消費電流が140μA 程度と低い値になっています。
消費電流が140μA 程度と低い値なので携帯機器等の用途に適しています。
NJM2730は1.8Vの低い電圧から動作する単電源1回路の入出力で、電源電圧まで広いダイナミックレンジを持っています。
単電源オペアンプの特徴は、グランドセンスに加えて電源電圧の検出を可能にします。
また低ノイズと高位相余裕の特徴があり、超小型パッケージのSOT-23-5に組み込まれているため、バッテリー・ポータブルオーディオ機器等、各種アプリケーションへの応用が可能となっています。
NCS2008 シリーズのオペアンプはレール・ツー・レールの入力や出力動作、1.2 MHz 帯域幅を提供してシングル/デュアル/クワッド構成となっています。
温度範囲 は、−40°C ~ 125°C で電源範囲 1.8 ~ 5.5 V で動作することができます。
電源が 1.8 V のときのデバイスの高帯域幅のスルー・レートは 0.4 V/µs で、チャネルあたりの静止電流消費はわずか 42 µA です。
さまざまな信号センサーとのインタフェースの利用に最適です。
MAX40660およびMAX40661は、LiDARアプリケーションの光測距レシーバ用のトランスインピーダンスアンプです。
重要な特徴として2.1pAの入力換算ノイズ密度(MAX40660)、端子で選択可能な25kΩと50kΩのトランスインピーダンス、および広帯域幅(MAX40660は0.5pFの入力容量などがあります。
低電力/スタンバイ制御入力は消費電流を80%以上低減し、パルス間の平均電源電流の削減に役立ちます。
自動運転システムや光距離測定などのアプリケーションに最適です。
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