ひずみゲージについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ひずみゲージのメーカー12社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。ひずみゲージ関連企業の2023年5月注目ランキングは1位:株式会社東京測器研究所、2位:株式会社共和電業、3位:株式会社エー・アンド・デイとなっています。
1987年~1991年昭和電線電纜勤務 高分子材料研究室にて電線の被覆材の研究に従事
1991年~1997年小池国際特許事務所にてパテントエンジニアとして勤務
1997年~2005年GE横河メディカルシステムにて知財部員として勤務
現在、ライターとして活動。
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鈴木裕子のプロフィール
ひずみゲージは、物体のひずみを測定する装置です。ひずみを測定し、圧力や荷重などを算出できるため、圧力計やフォースゲージにも使用されています。
ひずみゲージの使用用途としては、ひずみが直接強度に影響するような製品のひずみの測定や、生産工場における荷重測定、金型などの変形度合いの測定などがあげられます。ただし、ひずみケージを正しい方向で取り付けなければ、測定誤差が生じるので注意が必要です。
具体的な使用例としては以下のようなものがあります。
下記では、ひずみゲージの原理と種類を解説します。
ひずみケージは、測定対象に取り付けられて使用され、測定対象と一緒にひずみ、内部の電気抵抗が変化します。そして、この電流が変化する変化量を測定することによって、ひずみを算出する仕組みです。
ひずみケージの種類は非常に豊富です。最も広く流用されている箔ひずみゲージや線ひずみゲージ、半導体ひずみゲージなどがあります。
この他にも、低温・高温環境に適したものや、より微細なひずみを測定できるもの、各種被測定材料に応じた材質のものなど、用途によって使い分けができるのもひずみゲージの特徴です。
下記では、「箔ひずみゲージ」と「半導体ひずみゲージ」の構造をそれぞれ解説します。
ひずみゲージの中で最もポピュラーな箔ひずみゲージの構造は、絶縁体のベースの上に、ジグザグに金属の箔を貼り付け、その金属の箔から2本の配線が出ている構造です。この2本の配線は、ホーインストンブリッジ回路という回路につながっています。
ホーインストンブリッジ回路は、3つの既知の抵抗値を持つ抵抗と、ひずみゲージの4つをブリッジ状に配置し、その中央の電位差を測定することによって、ひずみゲージの抵抗値を測定できる回路です。
そして、ひずみゲージが取り付けられた測定対象がひずむと、取り付けられたひずみゲージの箔が伸縮し、電気抵抗の値が変化するので、その抵抗値の変化量をホーインストンブリッジ回路の電位差から求めます。ここで、ひずみゲージにはゲージ率という、ひずみに対する抵抗値の変化量の固有値があるため、ゲージ率と抵抗値の変化量から測定対象の物体のひずみを算出することが可能です。
半導体ひずみゲージは、箔ひずみゲージの箔の部分に半導体を利用したひずみゲージで、応力が半導体に作用すると半導体の電気抵抗率が変化するという性質を利用します。
ひずみゲージによるひずみ測定の精度は、ゲージの設置方法(多くの場合は接着)に強く依存します。そのため、ひずみゲージを測定対象に貼り付ける際は、充分慎重に作業することが必要です。手順としては、最初にゲージを貼り付ける測定対象の表面をきれいに洗浄します。
洗浄には油性洗剤等を使用して油分を徹底して除去することが好適です。これをしないと、貼り付け時に表面研削または研磨した際に、油分がより深い材料内部にまで浸透してしまうことになります。洗浄が終わったら、ゲージをピンセットで持ち上げ、慎重に測定対象表面に接着していきます。
この時、表面とゲージの間の空泡はすべて確実に押し出すように貼り付けることが重要です。その状態で接着剤が固まるまで数分待ちます。数分経過したら、最後に全体に絶縁テープを巻きつけて破損しないように保護し、貼り付け完了です。
ひずみゲージは測定対象に接着するだけで簡単にひずみ測定ができるのがメリットですが、実際には複雑な要素が絡み合い、測定をより難しくしています。たとえば、応力の問題もその一つです。
ひずみは外部から加えられた力と材料内部に生じる内部応力との相互作用によって変化します。そのため、2方向あるいは3方向のひずみを解析するには、複数のゲージを組み合わせた「ロゼットひずみゲージ」を使用することが必要です。
また、測定対象を構成する材料の熱膨張係数によって、実際にはひずみがなくてもひずみが生じていると判断される場合もあります。これを防ぐためには、ゲージの材質を測定対象の材料と合わせることが必要です。
ひずみゲージによるひずみ測定では、こういった物理的あるいは機械的特性をよく理解した上で、数ある種類の中から最適なものをピックアップしなければなりません。
測定対象に接着したひずみゲージへの影響の大きな要因は、外力によるひずみと、温度変化の影響です。温度変化が生じると、測定対象とひずみゲージの線膨張係数の違いや、ひずみゲージの温度による抵抗値変化の影響を受けます。
温度変化によりあたかもひずみが生じているかのように計測されることをみかけひずみと言います。自己温度補償型ひずみゲージを使用することがみかけひずみへの最も有効な対策です。自己温度補償型ひずみゲージとは、測定対象に適合するようにひずみゲージの抵抗温度係数を調整し、温度によるみかけひずみ量を最小にしたひずみゲージです。
測定対象に適したひずみゲージを選択することは最良の選択ですが、誤差が残る場合があります。場合によっては非線形の特性を有するものもあります。ほとんどの場合、この誤差はひずみケージのデータシート上に記載されており、より精密な測定が必要な場合はデータシートから算出される誤差を見込んだ補償演算が可能です。
一定の温度条件下において、一定の加重が作用するとき、時間とともにひずみが増大する現象をクリープ現象といいます。ひずみゲージにおいて、クリープ現象は天敵で、これが生じてしまうと測定誤差に直結しかねません。
ひずみゲージのクリープ現象は、ほとんどの場合はベース材料・グリッド形状・接着剤に起因しています。そこで、これらの要因が引き起こすクリープとは逆位相の起歪体を材料クリープとして用い、そこにひずみゲージを貼り付けることによってお互いのクリープ現象の影響をキャンセルする方法が一般的です。
重要なのは材料の組み合わせで、クリープ現象が逆位相にもかかわらず、その絶対値が大きく異なる場合は、キャンセルしきれずに片側方向に影響が出てしまいます。なお、材質にもよりますが、温度が高いほどクリープ現象が顕著に現れる場合がほとんどです。クリープ現象によるひずみ増大を考えるとひずみゲージに加わる応力が大きいほど、破断に至るまでの時間(寿命)が短くなる点には留意してください。
参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sicejl1962/45/4/45_4_323/_pdf
https://www.jp.omega.com/technical-learning/strain-gage-quality-control.html
https://ednjapan.com/edn/articles/0909/01/news147.html
https://tml.jp/knowledge/strain_gauge/transducer_gauge.html
https://www.keyence.co.jp/ss/products/recorder/testing-machine/material/creep.jsp
https://www.aandd.co.jp/products/loadcell/introduction/cell_intro02.html
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ひずみゲージのカタログ一覧はこちら企業
株式会社共和電業 スペクトリス株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年5月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
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1 | 株式会社東京測器研究所 |
23.6%
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2 | 株式会社共和電業 |
13.7%
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3 | 株式会社エー・アンド・デイ |
12.4%
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4 | 株式会社富士テクニカルリサーチ |
11.8%
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5 | ミネベアミツミ株式会社 |
9.9%
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6 | 東洋測器株式会社 |
7.5%
|
7 | 株式会社昭和測器 |
6.8%
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8 | 日本キスラー合同会社 |
5.0%
|
9 | スペクトリス株式会社 ホッティンガー・ブリュエル・ケアー(HBK)事業部 |
3.1%
|
10 | 株式会社ロジカルプロダクト |
3.1%
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注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年5月のひずみゲージページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
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株式会社東京測器研究所の扱う一般用ひずみゲージはFシリーズとFシリーズGOBLETがあり、後者は前者のFシリーズを根幹にRoHS指令に適合し、CEマークを付した製品シリーズです。
一般用ひずみゲージシリーズの主な対象材料は、金属、ガラスやセラミックで、使用温度範囲は-196 ℃~+150 ℃(温度補償範囲は+10 ℃~+100 ℃)で、ゲージベースは温度補償対象材料別に色分けされています。
ベースには絶縁性の高い特殊プラスチックをその厚さ約0.03mmのものを使用し、抵抗素子にCu-Ni系合金箔を用いています。
KFB ボルトの軸力用箔ひずみゲージは、ボルトの締め付け応力の測定等に対応し、ボルトの表面にゲージの接着が困難な場合には頭頂部にφ 2の孔をあける事で測定が可能です。
製品の種類は二種類で長さ別に1.5 ㎜と3 ㎜があり、リード線はφ 0.14ポリエステル銅線5 ㎝が付いています。
ベース先端からグリッド中心までの長さは、それぞれ1.75 ㎜、2.7 ㎜です。
抵抗素子の材質はCu-Ni系合金箔で、ベースの材質はポリイミドです。
センサーひずみゲージ式加速度変換器は、被測定物にどの位の加速度が作用しているかを重力加速度を基準に測定します。
小型・軽量で安定性に優れている本製品は、加速度の絶対値を測定します。
静的・動的・衝撃加速度測定が可能な為、構造物の振動、走行車の加速度や物体が衝突した時の衝撃加速度等の測定に適しています。
変換器の種類は、単軸形とX・Y・Zの三方向が同時に測定できる三軸型があり、容量は20 m/S²~10 ㎞/S²と幅広くあるので用途に合わせて機種を選ぶことができます。
東洋測器株式会社のひずみゲージは、様々な産業分野で応用されるセンサーの心臓部に各種対応した製品です。
応力計測用ひずみゲージに加えてロードセル用のひずみゲージが揃っており、需要に応じて、荷重、トルク、圧力や変位等のセンサーにふさわしいひずみゲージを設計・製作されています。
フォイル材質はCu-Ni系合金箔で、ゲージベースはポリイミド、フェノールやエポキシがあり、ゲージの長さも0.5 ~3 ㎜の取り扱いがあります。
その他、単軸~3軸、ダイヤフラムやトルクなどのパターン形状や、リード線方向(グリッドに対して水平・垂直方向)、ケーブルの種類等、用途に適した製品を多様に組み合わせて選ぶことができます。
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