メタルシール

メタルシールとはメタルシール

メタルシールは、一般的に樹脂やゴム系素材が用いられるOリングなどに対して、より過酷な条件下での気密性能を発揮する為の金属製ガスケットです。
樹脂やゴム系素材のリング、ガスケットが使用に耐え得る状件以上の高温、極低温、高圧、超高真空環境で機密性能を維持、発揮させます。
メタルシールは断面形状や構造、素材に数多くの種類があり、使用する場合は封止構造や環境条件、要求仕様、接触する流体などを考慮し、慎重に選定する必要があります。

メタルシールの使用用途

ポリマー系Oリングやガスケットでは耐える事の出来ない条件下で用いられます。 ポリマー系では320℃程度の温度環境が上限となりますが、メタルシールの場合、1800℃近く
まで耐える事が出来ます。また、-270℃以下の極低温環境や、600MPaを超える超高圧環境、1×10^10Pa以下の超高真空環境などの過酷な条件下で使用されます。
超高真空設備、超臨界等の超高圧設備、ヘリウムや水素等の低分子ガスの保存設備等で用いられます。

メタルシールの原理

メタルシールは断面形状によって複数の種類があります。

  • C字型 : メタルCリング
  • O字型 ; メタルOリング
  • 平面型 ; メタルガスケット

    その他フレアチューブに用いるフレア型や、より高機密性能を持つ複雑な断面構造を有したレジリエントシール、ネジと相手側の気密に用いるボス型などがあります。
    メタルCリングや穴あきタイプのメタルOリングは流体圧力が内部まで働きかける為、より密着性が高まる効果を持っています。セルフシールタイプとも呼ばれます。
    また、コイルバネやC型のインサートが挿入された複合型や、外層に異なる素材をコーティングしたハイブリッドタイプもあります。

    メタルシールはポリマーシールと比較して優れた性能を持っていますが、その反面、メタル元素の漏出や、再利用が出来ない、相手側のシール面の平面粗度に高精度が要求される、
    耐薬品性、耐特殊ガス性が限られる、シール面積が大きい場合、均一な締め付けトルク管理が要求されるなど、運用面での注意点や制限も多くあります。

 

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