PWMについての概要、用途、原理などをご説明します。また、PWMのメーカー13社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。PWM関連企業の2022年4月注目ランキングは1位:STマイクロエレクトロニクス株式会社、2位:日本テキサス・インスツルメンツ合同会社、3位:ユニソニックテクノロジー株式会社となっています。
PWMとはpulse width modulationの略で、様々な幅を持ったパルス波を生成する技術です。
パルス波はデジタル信号ですが、いろいろなパルス波を組み合わせることで正弦波を始めとする様々な疑似アナログ信号に変換することができます。
PWMは、一定の周期でパルス幅を変調させる技術ですが、パルス幅は一定で周波数を変調させるPFMという技術もあり区別されますが、どちらも通電・非通電のスイッチングに利用されます。
PWMは一般に電源の電圧制御や半導体に対する通電・非通電のサイクルの制御に使用されます。
特に、DCモーターを効率的に制御する目的で使われます。モーターに対する電圧印加時間をコントロールすることで、実行電圧を制御することができます。
また、インバーター回路において変調した交流電流を生成する際に、PWMを用いて様々な幅を持ったパルス電圧を生成し、これを合成することで直流-交流の変換を行うことができます。
パルス幅変調を行うPWM回路は、トランジスタを利用して回路のスイッチオン・スイッチオフを繰り返すことで様々な幅を持ったパルス波を生成しています。
PWMでは、周期は一定でパルス幅を変調するので、デューティサイクルを変化させています。デューティサイクルとは、パルス幅を周期で割り算したもので、パーセンテージで表されます。電圧制御においてはパルス電圧とデューティサイクルを積算したものが実行電圧となり、デューティサイクル100%の場合、直流電源を使用したときと同じになります。
PWMを用いて電圧制御を行う場合、電源がオフになる時間が生じるため、定常的に働く直流電源を使用するよりも電力効率がよくなるという特徴があります。
また、マイコンなどのデジタル回路において、パルス波を合成するだけで疑似アナログ信号を生成することができるので、D/Aコンバータなどを使用せずにデジタル回路だけで構成されたアナログ変換回路を構築することが可能です。
電子回路で負荷を動的にコントロールする場合、負荷を定電圧で制御する方法、負荷を定電流で制御する方法のほかに、負荷をPWMで制御する方法があります。
最近では環境問題、エネルギー問題などから、よりエネルギー効率のいい方法がトレンドです。
定電圧制御や定電流制御のいわゆるリニア方式の駆動回路では、
から、とても効率のいい方法とは言えません。例えば最大電圧10V電流容量2Aの安定化電源を5V2Aで使用する場合、電源回路のパワー部で消費されるロス電力は、パワー部の入力電圧を12Vとすると、
(12V-5V) x 2A = 14W
負荷で消費される電力は
5V x 2A = 10W
負荷で消費される電力の1.4倍の電力が回路内でロスとして消費されます。無駄な電力消費であるうえに、使用部品も大きくなり、コスト、サイズ、重量がアップしてしまいます。
一方、PWM制御では出力電圧は変えず、パルスの幅を出力に応じて可変する制御法であり、例えば10Vでデューティー比50%のPWMだと、見かけ上の駆動電圧は5Vとなり、理論上の損失はなく、実際の効率は非常にいいです。
PWM制御ではデューティー比という言葉がよく出てきます。これは、パルス幅 / 周期で、デューティー比50%のPWM波形ではHとLは同じ幅です。
デューティー比を変えると見かけ上の電圧が変わります。
例えば、10VのPWMでデューティー比を0%→25%→50%→75%→100%と変化したとき、負荷への見掛け上の電圧は0V→2.5V→5V→7.5V→10Vとなります。
マイコンなどでアナログ信号を出力するにはD/Aコンバーターを必要としますが、PWMを使えば疑似的にアナログ信号を作り出すことができます。PWMのスイッチング周波数を適度に取り、マイコンなどでプログラマブルにデューティー比を加減すると、マイコンのI/O端子で、デジタル信号レベルまでの任意のアナログ信号を作り出すことが可能です。この場合、I/O端子に適切なLPFを挿入し、PWMのスイッチング周波数成分およびその高調波成分を取り除く必要があります。
参考文献
https://synapse.kyoto/glossary/pwm/page001.html
http://www2.denshi.numazu-ct.ac.jp/mirs/m3db/kaihatu/document/team/mirs94/data/seika_05/other/pwm.html
https://dotstud.io/docs/pulse-width-modulation/
https://www.sist.ac.jp/club/mcf/Umeta_lecture/PWM.html
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年4月の注目ランキングベスト7
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | STマイクロエレクトロニクス株式会社 | 30% |
2 | 日本テキサス・インスツルメンツ合同会社 | 20% |
3 | ユニソニックテクノロジー株式会社 | 10% |
4 | インフィニオンテクノロジーズジャパン株式会社 | 10% |
5 | Intel Corporation | 10% |
6 | ルネサスエレクトロニクス株式会社 | 10% |
7 | 富士電機株式会社 | 10% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年4月のPWMページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
NCP12700は、固定周波数、ピーク電流モードで駆動するPWMコントローラで、制御に必要な機能が全て含まれたオールインワンタイプです。
高電圧スタートアップに対応しているので9-120 Vの幅広い入力範囲で動作が可能で、最小20 mAの電流を供給できます。
入力電圧が低下すると、回路全体の電源能力に制限がかかる設計のため、システムの温度制御が容易に行なえます。
またシャットダウンコンパレータを搭載しているので外部入力からの信号で自動的にスイッチングやコントローラの制御ができます。
LLCレゾナントモードコントローラはPWM方式の共振モードスイッチング電源回路です。
ソフトスイッチング方式を採用することでゼロ電流・ゼロ電圧スイッチングが可能で、スイッチング損失を大幅に低減しています。
このため二次側でフィルタインダクタを使用する必要がなく、適切な整流ダイオードを使用できるので同期整流コントロールICを使用せずに二次側の損失も抑えることができます。
一次側の過電流や二次側の過負荷保護など、内蔵保護機能も充実しています。
L5991は固定周波数の電流モード制御が可能なDC-DC電源アプリケーションに適したPWMコントローラです。
過電圧保護や電源管理に利用できるディスエイブル機能を搭載し、正確なデューティサイクル制御、100 nsのリーディングエッジブランキングが可能です。
ソフトスタート介入により、過電流保護やコンバータの負荷状態によってスタンバイ状態を制御することで発振周波数を低減させるスタンバイ機能などを搭載しています。
使いやすいデザインツールと豊富なリファレンスツールを元に柔軟で光度に統合されたPWMコントロールシステムです。
正確な電流・電圧制御が可能で、スケーラブルなデザインアプローチを様々なプラットフォームに組み込むことができます。
高度に統合されたデザインのため、基板への実装コストを削減することができます。
ウェアラブルデバイスやスマートホームアプリケーションのバッテリー寿命を延ばすために最適なシステムです。
CM6805BOはデスクトップPCや高密度AC電源アダプタに最適なPFC/PWMコンボコントローラです。
バルクコンデンサの小型化、低コスト化を実現し、電源ラインやスイッチングFETへの負荷を低減しています。
通常のPWM制御に加えて、入力電流整形技術であるブースト型PFC機能を搭載しています。
同一周波数の100 kHzで動作し、負荷の急激な低下を検知しシャットダウンする機能を搭載し、ピーク電流制限機能により、システムの信頼性を高めています。