磁気センサーのメーカー39社・231製品を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
磁気を検知する機器を磁気センサーと呼び、磁石や電場から生じる磁気、地磁気を検出する際に用いられます。磁気センサーでは磁気のベクトル(大きさや向き)を検知できます。
磁気センサーはホールエレメントを用いたホールセンサーと磁気抵抗エレメント(MR)を用いた磁気抵抗エレメントセンサーに大別されます。ホールセンサーは垂直磁束に生じたローレンツ力がエレメントに発生させるホール電圧を測定するのに対して、MRセンサーでは水平磁束に生じたローレンツ力がエレメントに発生させるオーム抵抗を測定します。
磁気センサーは磁気・磁束を発生させる物質の検査・検知に使用されます。地球から放出される地磁気や岩盤に埋もれた鉱物が発生している磁束、筋肉や脳が発生させる生体磁束、紙幣の偽造を防ぐための磁性インク、構造物の非破壊検査に使用される磁束、電流が生み出す磁束など多くの磁気・磁束を検知できます。
具体的には地磁気を利用したコンパス、回転・角度センサーや、生体磁束を利用したLow field MRI(低磁束核磁気共鳴画像法)用の磁束センサー、非接触型電流計などに利用されています。
磁気センサーは磁束で発生するローレンツ力がエレメントに及ぼす力を電気的信号に変換して磁気のベクトル(大きさ・方向)を検知します。磁気センサーには仕様が異なる種々のものがあり、ホールエレメントを用いたホールセンサーと磁気抵抗エレメント(MR)を用いた磁気抵抗エレメントセンサーに大別されます。
ホールセンサーはホールエレメントと垂直磁束の間に生じるホール効果を利用して磁気のベクトルを検知します。ホール効果とは磁束に対して直角の電流が生じたとき、磁束と電流に90度の方向に起電力が生まれることを指します。
MRセンサーに使用される磁気抵抗エレメントは半導体磁気抵抗エレメント・異性磁気抵抗エレメント・巨大磁気抵抗エレメント・トンネル磁気抵抗エレメントの4種類があります。どの磁気抵抗エレメントも水平磁束に生まれるローレンツ力がエレメントに発生させたオームを利用して磁気のベクトルを検知します。
コンパスは、方位を知るための道具で、磁石の作用を用いた方位磁針の代わりに磁気センサーを用いて電気的に地磁気を測定して方位を算出する電子コンパスがあります。
電子コンパスは、スマートフォンにも搭載されています。スマートフォンでは、方位を知るためのコンパスとして利用するだけではなく、地図アプリでのナビゲーションにも大きな役割を果たしています。
地図アプリでは、地図上の位置を把握する為に、GPSを用いますが、GPSの位置を検出する精度は、数メートル単位なので、行先案内のナビゲーションとして使う為の位置検出には、十分ではありません。数メートルの誤差で、曲がる角を間違えたり、目的地の建物がずれてしまいます。また電波状態の悪いエリアでは、GPS信号が受け取れない場合もあります。更に静止した状態では、位置が分かっても方向がわかりません。
電子コンパスと組み合わせることで、方位や進行方向を検出し、GPSの誤差を補正することができます。また、常に自分の進行方向が上を向くように地図の表示を調整することができます。
なお、電子コンパスは、磁気センサーによって微弱な地磁気を計測して方位を算出する為、スマートフォンに搭載されているスピーカーなどの磁性パーツの影響を補正する技術も搭載されています。
車の安全性や快適性を高める制御システムを実現するために様々なセンサーが搭載されています。磁気センサーは、車速、エンジン回転速度の制御や、ABS(Anti-lock Breaking System)、パワーステアリング、ナビゲーションなど、信頼性とコスト面の利点がある為、数多く搭載されています。
また近年、自動運転技術が注目されており、AI技術を活用して実現に向けての技術開発が進んでいますが、実用化に向けては、まだまだ多くの課題を解決しなければならない状況です。そのような状況の中、磁気マーカーシステムが注目されています。
完全自律型の自動運転とは異なり、誘導型のシステムで、道路に設置した磁気マーカーからの磁力を車両に取り付けた磁気センサーが検出して位置を高精度で特定し進路を自動的に制御するいわゆる運転支援システムです。特定の区間を走行する路線バスの自動運転実現に向けて実証試験が開始されています。
参考文献
https://www.akm.com/jp/ja/technology/technical-tutorial/basic-knowledge-magnetic-sensor/magnetic-sensor/
https://go.alps.jp/l/506151/2018-09-03/sx9dz
https://www.akm.com/jp/ja/products/electronic-compass/technical-resource/
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1805/30/news038.html
https://jidounten-lab.com/u_autonomous-udo
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspe/84/9/84_769/_pdf/-char/ja
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
Metoreeに登録されている磁気センサーのカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
株式会社村田製作所の「MRMS201A-001」は位置検知、回転検知が可能な汎用のAMR磁気センサーです。
動作磁界を印可すると出力がON/OFFする磁気スイッチで、本機の特徴は小型かつ低消費な点です。
シリンダースイッチなど産業用、ノートPC/タブレットなどデジタル機器、冷蔵庫など家電製品などに用いられます。
本機以外に電源電圧や応答周波数が異なるグレードがラインナップされており、使用用途にあった最適な製品を選択可能です。
旭化成エレクトロニクス株式会社の「AK09940」は世界最高クラスの超低ノイズを実現した高精度三次元磁気センサーです。
バッテリーでの長時間駆動を想定した低消費電流が本機の特徴で、特に小容量電池を使用するウエアラブル機器やIoT機器などでの3軸磁気測定にも最適です。
拡張現実・仮想現実端末(AR・VR)、ウエアラブル機器、磁気式金属探傷装置、磁場マッピングなど様々な用途で使用可能です。
日本セラミック株式会社の「NHE520F」はInSb蒸着膜を用いた高感度タイプのホール素子磁気センサーです。
InSb蒸着膜は特徴のある部材で、高感度、低磁界動作、製品小型化が可能です。
本機はCD-ROM、DVD用などの小型モーターへの利用に最適です。
それ以外にも様々な用途があり、DVDドライブ、CD-ROMドライブ、非接触センサ、位置検出センサ、回転数検出センサ、電流センサ、その他各種磁気センサにも用いられます。
ローム株式会社の「両極検出(極性判別用出力)ホールIC-BU52422NUZ-Z」は両極検出(極性判別用出力)が可能なホールIC磁気センサーです。
本機はS極検出用出力とN極検出用出力の2出力を持つため、極性判別が可能です。
他にもLDO搭載で電源ノイズを軽減、間欠動作により低消費電流化、超小型パッケージ、Nchオープンドレイン出力など特徴のある製品です。
磁石と併用することで、タブレットやスマートフォンなどのカバー開閉検出、デジタルビデオカメラなどの液晶パネルの表裏検出や回転方向検出が可能です。
センサテック株式会社の「形MSS-SDI(L)/SAI(L)小形磁気センサ」はリードスイッチを用いた有接点方式の磁気センサーです。
電源電圧がDC12V~24V(使用電圧範囲:DC10V~30V)と電源電圧がAC100V(使用電圧範囲:AC70V~100V)の2種があり、それぞれについて水平タイプと垂直タイプがあるため計4種のラインナップがあります。
シリンダーの位置検出、リレー、プログラマブルコントローラの制御、磁石の検出などに用いられます。
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