ラマン分光器についての概要、用途、原理などをご説明します。また、ラマン分光器のメーカー18社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。ラマン分光器関連企業の2023年08月注目ランキングは1位:ライカマイクロシステムズ株式会社、2位:株式会社堀場製作所、3位:日本分光株式会社となっています。
ラマン分光器 (英: raman spectrometer) とは、物質に光を照射したときの散乱光を測定することで、化学構造の解析や物性の評価が可能な装置です。
散乱光には様々な波長の光が含まれており、入射光と同じ波長をレイリー散乱光、異なる波長をラマン散乱光と呼びます。ラマン分光器はラマン散乱光を検出することで解析・評価を行います。
ラマン分光器の構成はレーザー光源、回折格子などを用いた分光器微弱なラマン散乱光を検出するための好感度の検出器です。気体、液体、固体に依らず、ほとんどの物質の構造を前処理なしで測定することができます。
また、ラマン分光器は非接触・非破壊で分子を識別可能なため、多くの分野で利用されています。
ラマン分光器は有機・無機材料によらず、化学構造や分子構造を分析する装置として、電池やディスプレイ、食品科学、医療・医薬品分野など非常に多くの分野で利用されます。
電池の寿命や性能、劣化状態などの解析、食品中に含まれるたんぱく質や脂質、食品色素などの定量解析を行うことが可能です。医薬品では、ラマン分光で結晶構造を調べることができるため、溶解性や効能などを判断する際に利用されます。
ラマン分光器は、物質から散乱したラマン散乱光を検出することで、物質の構造や物性を評価する装置です。散乱光のもととなる光源、散乱光からラマン散乱光を取り出すための分光器、ラマン散乱光を検出するための検出器で構成されています。
光源には単一の波長で、光強度の高いものが用いられます。光源の線幅がせまいほど高分解能で解析できること、ラマン散乱光が微弱な信号であることが理由です。多くの場合、固体レーザーが用いられます。
単一波長の光を出射するモノクロメーターや、一定幅の波長を出射するポリクロメーターが用いられます。分光器に含まれる回折格子により分光します。回折格子は微小な溝が等間隔に彫られたガラス基板で、光の回折現象を利用して分光する素子です。
ラマン散乱光は微弱なため、高感度な検出器が用いられます。検出時には分光された多数の波長を同時に検出することが望ましいです。そのため、リニアイメージセンサが利用されます。
ラマン分光器とよく比較されるものに赤外分光器があります。両者とも分子の振動スペクトルに基づいて、化学構造の解析や物性の評価が可能な装置です。しかし、測定できるスペクトルには違いがあります。
ラマン分光器では散乱光、赤外分光器では物質の光吸収に基づいた解析を行うため、両者で測定可能なスペクトルが異なります。その他の比較した特徴を下記に示します。
ラマン分光器の特徴
赤外分光器の特徴
ラマン分光器は物質に光を当て、散乱した光を検出することで物質の解析・評価を行います。散乱光には、弾性散乱によるものと非弾性散乱によるものの2種類があります。
弾性散乱では、散乱前の光と同じ波長の散乱光が生じ、非弾性散乱では散乱前と異なる波長の散乱光が生じます。ラマン分光器で検出する光は非弾性散乱により生じたラマン散乱光です。ラマン散乱光は物質の振動準位、回転準位に基づいて生じます。
これらの準位は分子固有のエネルギー準位であるため、ラマン散乱光は分子固有のスペクトルとなります。このため、ラマン分光器はラマン散乱光を検出することで、入射光との波長のずれを測定し、分子の特定が可能です。
参考文献
https://www.horiba.com/jp/scientific/products-jp/raman-spectroscopy/what-is-raman-spectroscopy/
https://www.jasco.co.jp/jpn/technique/internet-seminar/raman/raman3.html
https://www.phototechnica.co.jp/1440/
https://www.nanophoton.jp/lecture-room/raman-spectroscopy/lesson-1-2
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsfe2000/1/2/1_2_31/_pdf
https://www.hamamatsu.com/jp/ja/applications/analytical-equipment/raman-spectrophotometer.html
https://www.an.shimadzu.co.jp/ftir/support/lib/ftirtalk/letter17/qa.htm
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ラマン分光器のカタログ一覧はこちら企業
株式会社アントンパール・ジャパン レニショー株式会社 株式会社テックアナリシス 株式会社東京インスツルメンツ メトロームジャパン株式会社 エンドレスハウザージャパン株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年08月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | ライカマイクロシステムズ株式会社 |
9.4%
|
2 | 株式会社堀場製作所 |
9.4%
|
3 | 日本分光株式会社 |
8.7%
|
4 | 株式会社テックアナリシス |
8.1%
|
5 | レニショー株式会社 |
8.1%
|
6 | 日本電子株式会社 |
8.1%
|
7 | 株式会社アントンパール・ジャパン |
7.4%
|
8 | 株式会社池田理化 |
6.0%
|
9 | サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社 |
6.0%
|
10 | 株式会社相馬光学 |
4.7%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年8月のラマン分光器ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
ラマン分光器5製品が登録されています。
エンドレスハウザージャパン株式会社
24時間365日のプロセス/品質監視を保証する堅牢性と信頼性に優れたRamanアナライザ ■アプリケーション KaiserのRamanテクノロジーを搭...
ムサシノ電子株式会社
■特長 ・uRamanシリーズおよびuSightシリーズは、Technospex社製のラマン顕微鏡・小型分光器です。 ・小型のラマン分光器はニコン、オリ...
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ラボからプロセス環境まで、アプリケーションをつなぐRaman Rxn2アナライザ ■アプリケーション Raman Rxn2アナライザを使用することで...
エンドレスハウザージャパン株式会社
化学組成の定量測定においてターンキーソリューションを提供するRamanアナライザ ■アプリケーション KaiserのRamanテクノロジーを搭載...
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Cora 100は携帯型のラマンアナライザーです。ボタンにタッチするだけで、物質を同定する自動測定に理想的な装置です。熟練した化学者でなくても、危険物質、...
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ハイエンドラマン分光システムです。
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2022年10月9日
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2022年10月9日
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2022年11月7日
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2023年5月14日
本研究では、コーティングを施した市販薬や原料の異なるカプセルに原薬を充填したカプセルをモデル製剤とし,前方散乱(透過) ラマン分光法を用いて,錠剤また...
2023年5月14日
非接触の測定が可能で粉末X線回折と同様に結晶多形の識別に使われているラマン分光法を使って,環境要因の1つである「湿度」に着目し,モデル製剤のカフェイ...
2023年7月26日
分光器・分光計分野における当社取り扱い製品カタログです。【内容】高感度高性能分光器(ラマン分光測定用含),ハイパースペクトルイメージング, 検出器内蔵小...
2023年1月24日
自動滴定装置、イオンクロマトグラフ、カールフィシャー水分計、電動ビュレット、近赤外分析計、ラマン分光計、電気化学測定装置、プロセス用分析計の価格入り
2022年4月22日
受け入れ原料合否判定などに最適なメトロームのラマン分光計(携帯型ラマン分光計)Mira P は、わずか705gで、FDA 21 CFR Part 11 準拠、医薬品や化学品の原...
2022年4月26日
ラマン分光器のカタログ23件分をまとめてダウンロードできます!お迷いの方は便利な無料の一括ダウンロード機能をご利用ください。
企業
株式会社アントンパール・ジャパン レニショー株式会社 株式会社テックアナリシス 株式会社東京インスツルメンツ メトロームジャパン株式会社 エンドレスハウザージャパン株式会社株式会社相馬光学のIND-1001は、重量650gの超軽量かつコンパクトなハンディラマン分光計です。
光学仕様は、レーザー(励起)波長:785nm、波数範囲:320-2400cm-1、分解能:約10cm-1を有し、リチウムイオン内蔵バッテリーを搭載しているため、約4時間の連続使用が可能です。
IND-1001には、未知のサンプルを既存ライブラリーに参照して識別する「識別モード測定」と、特定サンプルとの一致を検査する「立証モード測定」のの2パターンの測定モードを搭載しています。
株式会社東京インスツルメンツのStellarNet社製ポータブルラマン分光器は、ラマン分光器、レーザー、ラマンプローブ、モジュールを組み合わせることで構築される簡易型ファイバーマルチチャンネル分光器です。
光学仕様は、レーザー(励起)波長:785nm、波数範囲:200-3200cm-1@785nm波数、分解能:4cm-1(または8cm-1)を有し、電子冷却により低ノイズを実現するEnhanced-CCDセンサーを搭載しています。
日本電子株式会社のinViaシリーズは、高感度かつ広帯域の測光に対応可能な顕微ラマン分光装置です。
光学系には、焦点距離250mmの分光光度計(単色光に分光するシングルモノクロメーター)とレイリー散乱光をカットするエッジフィルターを採用し、センサーには-70℃まで冷却可能な低ノイズ高感度CCDセンサーを搭載しています。
高効率な分光システムを実現することにより、低出力レーザーでも微弱なラマン散乱光を高感度で検出する事が可能です。
NRS-4500は、ビームエキスパンダーや焦点距離の短い分光器を搭載しており、卓上型ながら高分解能・高感度など優れた機能を備えているラマン顕微鏡です。
コンパクトサイズで専用の架台なども不要なため、設置スペースの確保に悩まされる心配がありません。試料室の電動扉は上下開閉方式であり、扉を開閉する際のデッドスペースが排除されていることも特徴的です。
標準装備されている532nmのレーザーに加えて、波長が異なるオプションレーザーが8種類用意されているため、これらを使い分けることで多彩な用途に対応できます。
三洋貿易株式会社のNanoRam-785は、高感度で非破壊分析が可能な携帯型ラマン分光計です。
光学仕様は、レーザー(励起)波長:785nm、波数範囲:175-2900cm-1、分解能:9cm-1を有し、電子冷却により低ノイズを実現するリニアCCDアレイを搭載しています。
分光計を18℃の一定温度に自動コントロールしているため、測定時の環境温度に影響されることなく、再現性のある高精度な測定が可能です。
Thermo Fisher SCIENTIFICのDXR3シリーズは、高性能なイメージング機能および3Dソフトフェアを搭載したラマン分光器です。
本機はリニアモーター駆動方式サンプルステージとEMCCD検出器による連続した高速スキャンにより、高いS/Nによる高解像度のイメージングの積算を実現しています。
また、光学調整機能を装備することで、熟練した経験を必要とせずに誰もが直観的に使用できるシンプルな操作性も特筆すべき特徴です。