ラマン分光器についての概要、用途、原理などをご説明します。また、ラマン分光器のメーカー17社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。ラマン分光器関連企業の2022年4月注目ランキングは1位:レニショー株式会社、2位:メトロームジャパン株式会社、3位:株式会社エス・テイ・ジャパンとなっています。
ラマン分光では、物質に照射した光の散乱光から、物質の化学構造を調べることができるため、その性質を利用した装置がラマン分光器です。
散乱光には様々な波長の光が含まれており、入射光と同じ波長をレイリー散乱光と呼び、異なる波長をラマン散乱光と呼びます。
ラマン分光器はレーザー光源と回折格子などを用いた分光器、さらに微弱なラマン散乱光を検出するための好感度の検出器から構成されています。
気体、液体、固体に依らず、ほとんどの物質の構造を前処理せずに測定することができます。
ラマン分光は、有機・無機材料によらずその化学構造や分子構造を分析する手法として、電池、ディスプレイ、食品科学、医療・医薬品分野など、その使用例は非常に多岐にわたります。
食品科学では、食品中に含まれるたんぱく質や拡散といった生体分子の定量解析を行うことができます。
医薬品では、ラマン分光により結晶構造を調べることができるため、生物学的な使用能を判断することができます。
あるいは電池の充電・放電時における電極の構成物質のモニターにも利用できます。
ラマン分光とは、物質からの散乱光と入射光の波長のずれから、物質の化学構造などを特定する手法です。
ここではなぜ波長がずれるのかについて解説します。
物質からの散乱光の波長が初期の波長からずれていると言いましたが、同じ波長が散乱される場合もあります。
これは「レイリー散乱」と呼ばれ、散乱光の強度の大部分を占めます。
一方で、波長がずれる場合を「ラマン散乱」と呼びます。ラマン散乱は一種の非弾性散乱で物質にエネルギーの一部が吸収されることで引き起こされます。
エネルギーの一部は、分子の内部エネルギー(振動や回転、電子エネルギー)へと変換されます。
振動・回転といったエネルギー準位は分子固有なため、分子種によってエネルギーの吸収量は変わります。
そもそも光の波長とエネルギーには相関があるため、エネルギーが吸収されたということは光の波長が変化することに対応します。
したがって、波長のずれから吸収した分子を特定することができるというのがラマン分光の原理となります。
参考文献
https://www.horiba.com/jp/scientific/products-jp/raman-spectroscopy/what-is-raman-spectroscopy/
https://www.jasco.co.jp/jpn/technique/internet-seminar/raman/raman3.html
https://www.hamamatsu.com/jp/ja/applications/raman-spectrophotometer/index.html
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ラマン分光器のカタログ一覧はこちら企業
メトロームジャパン株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年4月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | レニショー株式会社 | 13.3% |
2 | メトロームジャパン株式会社 | 11.7% |
3 | 株式会社エス・テイ・ジャパン | 8.3% |
4 | 株式会社堀場製作所 | 8.3% |
5 | サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社 | 6.7% |
6 | 日本分光株式会社 | 6.7% |
7 | 株式会社池田理化 | 6.7% |
8 | 株式会社ティー・イー・エム | 5% |
9 | 株式会社アントンパール・ジャパン | 4.2% |
10 | MSHシステムズ株式会社 | 4.2% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年4月のラマン分光器ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
Metoreeに登録されているラマン分光器が含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
株式会社相馬光学のIND-1001は、重量650gの超軽量かつコンパクトなハンディラマン分光計です。
光学仕様は、レーザー(励起)波長:785nm、波数範囲:320-2400cm-1、分解能:約10cm-1を有し、リチウムイオン内蔵バッテリーを搭載しているため、約4時間の連続使用が可能です。
IND-1001には、未知のサンプルを既存ライブラリーに参照して識別する「識別モード測定」と、特定サンプルとの一致を検査する「立証モード測定」のの2パターンの測定モードを搭載しています。
株式会社東京インスツルメンツのStellarNet社製ポータブルラマン分光器は、ラマン分光器、レーザー、ラマンプローブ、モジュールを組み合わせることで構築される簡易型ファイバーマルチチャンネル分光器です。
光学仕様は、レーザー(励起)波長:785nm、波数範囲:200-3200cm-1@785nm波数、分解能:4cm-1(または8cm-1)を有し、電子冷却により低ノイズを実現するEnhanced-CCDセンサーを搭載しています。
日本電子株式会社のinViaシリーズは、高感度かつ広帯域の測光に対応可能な顕微ラマン分光装置です。
光学系には、焦点距離250mmの分光光度計(単色光に分光するシングルモノクロメーター)とレイリー散乱光をカットするエッジフィルターを採用し、センサーには-70℃まで冷却可能な低ノイズ高感度CCDセンサーを搭載しています。
高効率な分光システムを実現することにより、低出力レーザーでも微弱なラマン散乱光を高感度で検出する事が可能です。
NRS-4500は、ビームエキスパンダーや焦点距離の短い分光器を搭載しており、卓上型ながら高分解能・高感度など優れた機能を備えているラマン顕微鏡です。
コンパクトサイズで専用の架台なども不要なため、設置スペースの確保に悩まされる心配がありません。試料室の電動扉は上下開閉方式であり、扉を開閉する際のデッドスペースが排除されていることも特徴的です。
標準装備されている532nmのレーザーに加えて、波長が異なるオプションレーザーが8種類用意されているため、これらを使い分けることで多彩な用途に対応できます。
三洋貿易株式会社のNanoRam-785は、高感度で非破壊分析が可能な携帯型ラマン分光計です。
光学仕様は、レーザー(励起)波長:785nm、波数範囲:175-2900cm-1、分解能:9cm-1を有し、電子冷却により低ノイズを実現するリニアCCDアレイを搭載しています。
分光計を18℃の一定温度に自動コントロールしているため、測定時の環境温度に影響されることなく、再現性のある高精度な測定が可能です。
Thermo Fisher SCIENTIFICのDXR3シリーズは、高性能なイメージング機能および3Dソフトフェアを搭載したラマン分光器です。
本機はリニアモーター駆動方式サンプルステージとEMCCD検出器による連続した高速スキャンにより、高いS/Nによる高解像度のイメージングの積算を実現しています。
また、光学調整機能を装備することで、熟練した経験を必要とせずに誰もが直観的に使用できるシンプルな操作性も特筆すべき特徴です。