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ギアポンプについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ギアポンプのメーカー63社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。ギアポンプ関連企業の2025年2月注目ランキングは1位:株式会社荏原製作所、2位:株式会社イワキ、3位:ギヤーエス工業株式会社となっています。
早稲田大学大学院でMBE法による窒化物半導体成長に関する研究に従事。2016年に大学院を修了後、非鉄金属系メーカーへ入社。金属製錬工場における設備保全・エンジニアリングの業務に従事。2022年に化学系メーカーへ転職。同様の業務に従事。
ギアポンプとは、ギア (歯車) のかみ合わせ部分を利用して油などの流体を移送するポンプです。
ギア1回転にごとに一定量の流体が吐出されます。圧力上昇に伴う吐出量の変化が少なく、定量性が良いことが特徴です。
使用する際はエンジンや電動モータなどの原動機にギアポンプの軸端 (シャフト) を結合させます。これらの原動機の動力でギアを駆動させて流体を押し出します。
他の回転容積式ポンプにないギアポンプの特徴として、構造上は正転・逆転を切り替えて吸引・吐出方向を切り替えられるという利点があります。製品によっては正転・逆転切り替えが可能な物もあり、液体の移し替えなどで方向を切り替える必要がある場合に便利です。
ギアポンプは産業で広く使用されるポンプです。
油圧ショベルをはじめ、フォークリフトや農業機械などの油圧系統を持つ機器に使用されます。移送対象液体は油、樹脂、塗料、接着剤、溶剤などが挙げられます。
歯車とケーシング以外で触れるところが少なく分解が比較的容易であることから、化学業界はじめ食品業界や薬品業界などにも用いられます。ある程度の固形物含有液にも使用可能です。
ギアポンプはギア、ケーシング、吐出口・吸込口、シール部分などで構成されます。
ギアは内歯車と外歯車で構成されます。取付箇所や個数に応じてポンプの構造が異なります。吸込口から入った液はギアとケーシングによって圧力を加えられ、吐出口から送出されます。
ギアポンプ軸部の密閉には、オイルシールもしくはメカニカルシールが使用されます。オイルシールとは、シール自身の弾性で密閉性を確保するもので、メカニカルシールとはコイルバネの力を利用して密閉性を確保するものです。
一般的には、メカニカルシールの方が漏れが少なくメンテナンスがしやすいという特徴があります。しかし、流体の種類、ポンプの仕様、使用条件を考慮して設計することでメンテナンス頻度や設備の寿命が改善されます。また、適切なクリアランスが維持されているか、漏れに変化がないか定期的な確認が必要です。
ギアポンプは歯車間の隙間に入った液体を送り出す機構であり、こうした一定容積を順次送り出すポンプは容積型ポンプと呼ばれます。ギアポンプは回転容積式ポンプの一種であり、同じような回転容積式にはベーンポンプやネジポンプなどが挙げられます。広義には回転容積式を総称してロータリーポンプと呼ぶため、ギアポンプはロータリーポンプの一種とも言えます。
実際には用途によって呼称が異なります。特に、真空引き用の油回転ポンプのことをロータリーポンプと呼ぶ場合が多いです。油回転真空ポンプの機構はベーン式、カム式、揺動ピストン式などの種類があります。
また、ギアポンプには外接歯車型と内接型があります。
ポンプ内部で2つの外歯歯車が隣り合って取り付けられています。エンジンや電動モータなどの原動機が動作することでポンプの軸が回転してポンプ吸込口より流体を取り込みます。
このタイプのポンプでは、外接する歯車が回転しているときにわずかな隙間が生じます。その隙間に流体が充満してポンプの内周に沿って流れ、最終的に吐出口から流れます。
ポンプの内部で1つの内歯歯車と1つの外歯歯車がケーシングの内部に取り付けられています。内接型は内歯歯車と歯数が1枚少ない外歯歯車から構成しており、外歯歯車を駆動軸により回転させることで、内歯歯車に沿うようにして外歯歯車が回転します。この回転により流体を吐出口から押し出します。
ギヤポンプの故障原因はさまざまですが、キャビテーションやエア噛みが代表的です。
キャビテーションはケーシング内で部分的な圧力差が生じ、その圧力低下が液体の飽和蒸気圧まで低下することで発生する現象で、ギヤポンプ吐出圧力不足の原因の一つです。この現象が起こると、気泡消滅時に大きな衝撃圧力が発生します。この衝撃圧力の影響で異音が発生し、継続すると振動が発生して故障の原因となります。
キャビテーションの対策は配管内径を太くする、吸込側配管を短くする、ポンプ吸込み条件を可能な限り押し込み条件にするなどです。これらは、設備設計の段階で考慮する必要があります。
エア噛みはポンプにエアが吸い込まれて内部にエア溜まりが生じる現象で、吐出圧力や流量低下に繋がります。対策はポンプを流体液面よりも下に設置すること、配管を曲げる個数を減らすこと、配管を下り勾配にしないことなどです。設備のレイアウト変更する際には注意が必要です。
参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tvsj/26/4/26_4_27/_pdf
http://eb-cat.ds-navi.co.jp/jpn/jtekt/tech/ej/img/no1001/1001_17.pdf
http://gearpump.co.jp/gearpump/index.html
http://gearpump.co.jp/trouble/index.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kakoronbunshu1953/25/2/25_2_131/_pdf
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社荏原製作所 |
11.3%
|
2 | 株式会社イワキ |
6.8%
|
3 | ギヤーエス工業株式会社 |
5.3%
|
4 | 大東工業株式会社 |
4.9%
|
5 | 株式会社大阪ギャーポンプ製作所 |
4.5%
|
6 | 株式会社タツノ |
4.5%
|
7 | 株式会社島津製作所 |
4.2%
|
8 | 株式会社工進 |
4.2%
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9 | 大晃機械工業株式会社 |
3.8%
|
10 | 日本オイルポンプ株式会社 |
3.8%
|
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