アルミケース加工

アルミケース加工とは

アルミケース加工

アルミケース加工とは、アルミ板からアルミケースを製作する、あるいは既に製品化されているアルミケースに穴あけなどの加工を施すことです。アルミケースは、プラスチック製品と比較し、耐ノイズ性能や耐衝撃性およびデザイン性が評価されています。

アルミケース加工の難易度は高く、専用の工具や技術が必要です。このことから、PCなどの自作パーツ製作においては、必要なサイズのアルミケースを購入し、加工することが一般的です。また、1点の製作からアルミケースの特注に対応している金属加工業者もあります。

アルミケース加工の使用用途

アルミケースは、軽量かつ頑丈であり音響機器や電子機器に用いられています。また、内部機器のノイズからの保護や外部への高周波ノイズの発信を抑制する目的でアルミケースを使用します。

このほか、アルミケースは、キャリーバックの素材として利用されています。アタッシュケース、工具箱、医療機器や楽器を収納するケースが代表的な製品例です。また、アルミニウム合金の一種であるジュラルミンは、現金輸送箱や旅行用トランクに利用されています。

アルミケース加工の種類

アルミケース加工には、切断・曲げ・穴あけ・接合と4つの加工があります。それぞれの特徴は、次のとおりです。

  • 切断加工
    切断加工に用いる道具は、アルミ板の厚みにより異なります。薄い場合は、カッターで十分ですが、厚みがある場合は、金属切断用ノコギリ、電動工具に取り付けた切断砥石で切断します。業者であればレーザー加工機を使用します。
  • 曲げ加工
    一般的にはベンダーマシンを使用して曲げ加工を行います。アルミ板の厚みにより加工方法が異なります。薄い場合は、直角に曲げ、厚みがある場合は、角に丸みを持たせて仕上げます。曲げ加工は、アルミの弾性を考慮する必要があり、一定の技術が必要です。
  • 穴あけ加工
    穴あけ加工は、ドリルで寸法より小さい穴をあけた後、寸法通りの大きさに加工します。シャーシパンチやホールソーなどを用いて穴を広げます。角穴加工を施す場合は、で切る方法やドリルで開けた穴と穴をニッパーで繋げる方法があります。最後にやすりで所定の寸法に仕上げます。
  • 接合
    アルミ板の接合には主にリベットを使用します。アルミ板が厚い場合は、溶接やネジ・ナットで接合する場合もあります。

5軸加工

5軸加工とは

5軸加工とは、X・Y・Zの3軸に、回転軸および傾斜軸を組み合わせて加工を行うことです。従来の3軸加工機械においては、加工面の変更を人力で行っていました。NC工作機械に2軸を追加することで、加工面の変更が自動制御可能となり、加工時間の短縮や精度の向上につながりました。

5軸加工機には、テーブルタイプと工具タイプがあります。テーブルタイプは、加工材料をセットするテーブルに2軸を追加したタイプです。一方、工具タイプは機械側に工具を2軸追加したタイプです。このほか、テーブルに1軸、工具に1軸を追加したタイプもあります。

5軸加工の使用用途

5軸加工機は、3軸加工では難しい連続した3次元曲面やアンダーカット(加工部分が隠れて見えなくなる部分)など、複雑な形状の部品の加工に用いられています。

5軸加工機で製作されたインペラ(羽根車)、ブリスク(統合回転翼)、タービンブレードは、航空機をはじめ、液体・気体用の遠心力ポンプ、発電機などに使用されています。このほか、精密機械、金型、医療器具、人工関節、義歯と、幅広い分野の製品や部品の加工に利用されています。

5軸加工の種類

5軸加工には、割り出し5軸加工と同時5軸加工の2通りの方法があります。それぞれの特徴は、以下のとおりです。

割り出し5軸加工

割り出し5軸加工とは、テーブル側に追加した2軸により加工面を割り出し、機械側の3軸で加工する方法です。テーブルタイプの5軸加工機に採用されています。加工材料の大きさや重量が、テーブルのサイズに依存することから、加工材料に合わせたサイズの5軸加工機が必要です。また、アンダーカットにおいては、複数回にわたり加工面の調整が必要になります。その反面、同時5軸加工の機械と比較し、各軸におけるズレの調整が容易です。

同時5軸加工

工具に2軸を追加した工具タイプの5軸加工機で用いられる加工方法です。工具を追加するため、機械のサイズが大きくなるものの、加工の自由度が向上し、かつ加工範囲が広くなります。また、割り出し5軸加工では不可能な3次元曲面の加工ができます。加えて、アンダーカットにおいては、5軸が同時に加工を行うことからワーク角度の調整が不要です。

研磨加工

研磨加工とは

研磨加工

研磨加工とは、加工対象物の表面を研磨材を使って研磨して精度を微調整し、品質や外観・質感を向上させるために行う方法です。

製品加工では、最終工程に導入される場合が多いです。加工対象は金属だけでなく、宝石、大理石、刃物、半導体、電子部品などの、さまざまなものに適用されます。

研磨には砥石などの研磨材を使用し、徐々に表面の凹凸や異物を除去可能です。研磨された金属は鏡のようになり、鏡面仕上げとも呼ばれています。

研磨加工の使用用途

研磨加工は、各種製品の仕上げ工程で導入されています。ミクロン (μm) 単位での調整が可能であり、精度が求められる製品に用いられます。光沢のある状態へ仕上げ、外観・感触の向上、サビや汚れの付着防止など、あらゆる目的で研磨加工を使用可能です。

例えば、宝石の輝きや美しさ、デザイン性を高めるために、レンズなどの光学部品は光を綺麗に反射させる際に使われます。身近な例では、包丁を砥石で砥ぐことも研磨加工に含まれます。

研磨加工の原理

研磨加工は、下地、ならし、つや出し、鏡面仕上げの順に行います。

1. 下地

加工物の表面にある大きな凸凹を、目の粗い砥石で除去します。砥石には砥粒のサイズで数字が割り振られており、小さい数字ほど砥粒が大きいため、目が粗くて削りが大きくなります。

2. ならし

下地で用いた砥石より目の細かい砥石を使います。下地工程で異物を落とした表面を、さらにならします。

3. つや出し

平らになった表面に光沢を出します。つやを出すために目が細かい砥石を使って、表面を削りつつ磨きます。鏡面仕上げの前処理として、必要な工程です。ヘアライン加工やバイブレーション研磨など、表面をわざと傷つける加工方法もあります。

4. 鏡面仕上げ

仕上げ工程で、鏡のような光沢を出します。研磨剤を柔らかい布などに付けて、目が細かい砥石を使って徐々に研磨します。

研磨加工の種類

研磨加工には複数の種類があり、加工物の材質や形状、仕上げの品質の程度によって選定されます。代表的なものを以下に示します。

1. 砥石研磨

砥石研磨は回転する砥石を加工対象物に接触させ、表面を磨く研磨法です。固定した砥石に対象物を動かしながら、押し当てる方法もあります。砥石は小さな粒である砥粒と結合剤によって形成されており、砥粒が次々と表面に出てくるため、継続して研磨が行えます。

2. バフ研磨

バフ研磨はポリシング研磨とも呼ばれ、加工物をフェルトなどの柔らかい素材に擦り合わせて磨き上げる方法です。細かい砥粒を使用するため、表面に光沢が生まれます。主に研磨加工の最終工程で、ツヤ出しや鏡面仕上げのために用いられます。

3. 電解研磨

電解研磨は砥粒を用いず、加工物を電解研磨液に浸して電流を流すことで、表面を溶かす処理方法です。細かい表面の研磨が可能で、汚れが残りにくく、医療や食品分野に用いられます。ただし、適用できる金属がステンレスやアルミなどに限られ、他の研磨方法に比べてコストが高いです。

4. ラッピング研磨

ラッピング研磨ではラップ台に加工物を置いて、上から力を加えて研磨剤が含む砥粒や加工物を擦り合わせます。湿式法では液体研磨剤を流し入れ、乾式法では砥粒がラップ台表面に埋め込まれています。

砥粒が固定された砥石と違って、砥粒が転がって削るため、平滑化効果が高いです。研削速度が遅く、仕上げ加工に向いています。

5. 研磨布紙加工

研磨布紙加工ではまるで紙やすりで磨くように、砥粒が付いた研磨布紙を使って研磨します。研磨布紙を装着したベルトを回転させて、対象物へ押し当てて研磨します。

6. バレル研磨

バレル研磨では研磨石や加工物とともに、洗浄作用や潤滑作用を有する研磨剤や水を、大型の機械に加えます。機械の回転や振動によって混ぜ合わせて、加工物の表面を削って磨きます。一回で大量に加工でき、主にバリ取りに使用される方法です。

ステンレスヘアライン加工

ステンレスヘアライン加工とは

ステンレスヘアライン加工

ステンレスヘアライン加工とは、ステンレス板の表面に髪の毛のように細い直線状の模様をつける加工です。

金属表面はつや消しの効果を持ちつつ、光沢と質感を残すことができます。特徴は、周囲の物を映り込みにくくする反射抑制効果と、傷が目立ちにくい仕上がりとなる点です。

一般的な表面処理として、鏡面仕上げもありますが技術的に難しく、傷がつくと修復が困難です。一方で、ヘアライン加工は傷が目立たず、実用性と美観を持ち、耐食性を向上させる役割もあります。特に、オーステナイト系SUS300番台が加工に最適です。

ステンレスヘアライン加工の使用用途

ステンレスヘアライン加工は、その美しさと実用性から、さまざまな分野で利用可能です。鉄道車両や建築材料、精密機械、家電製品、キッチン用品、そしてインテリア製品など、たくさんの用途があります。最大の利点は、傷が目立ちにくいことです。自動ドアのフレームや腕時計のフレームでは、使用中につく小さな傷が気になりにくく、長期間にわたって美観を保つことが可能です。

つや消し効果を活かして高級感を演出したい装飾品にも使用されています。指輪やブレスレットといったアクセサリー分野では、デザイン性を高めるために研磨方法を変えることも可能であり、独自の模様や仕上げができます。

また、加工に必要な手間をベルト研磨機などの機械で軽減できるため、製造コストを抑えることが可能です。この経済性の高さも、ステンレスヘアライン加工が多くの分野で採用される理由の一つです。

ステンレスヘアライン加工の原理

ヘアライン加工は、ステンレス板の表面に細かい凹み傷をつけることで、光沢を抑えた質感と模様を与える加工です。

1. 仕上げ方法

仕上げは、旋盤や研削盤、ベルト研磨機、さらにはサンドペーパーや研磨剤を用いた手作業など、さまざまな方法があります。加工の際に使用される研磨剤は、アルミナ系、青棒系、グリーンライム系などがあります。これらは製品の使用目的や求められる仕上がりに応じて選ぶことが必要です。また、バフ研磨剤は固形と液状があり、特にエマルジョン系液状バフ研磨剤が一般的に用いられています。

さらに、高度な仕上げが求められる場合には、電解研磨やバレル研磨といった方法も使用されます。これらはそれぞれ異なる特徴を持ち、用途やコストに応じて使い分けが可能です。

2. 手作業

ヘアライン加工のもう一つの特徴は、手作業で行える点です。紙やすりや特定の番手の研磨道具を使用することで、DIYでも比較的簡単にヘアライン仕上げを再現できます。この特性は、コストを抑えたい小規模プロジェクトや試作品の製作において特に有効です。

ステンレスヘアライン加工の種類

ステンレスヘアライン加工は、模様の粗さや方向性、加工手順の違いによっていくつかの種類に分類されます。以下が代表的な種類です。

1. ヘアライン

最も一般的な仕上げ方法で、一方向にまっすぐな線状の模様をつけます。シンプルでありながら洗練された外観を持つ仕上げです。

2. スクラッチヘアライン

通常のヘアラインよりも短い線状の模様を施した加工で、表面にやや粗い印象を与えます。

3. ヘアライン・クロス

ヘアラインの模様を交差させて加工する方法で、和紙のような独特な質感を生み出します。

4. デザインヘアライン

織物のような模様を加えることで、装飾性を高めた仕上げです。メーカーによってさまざまなデザインがあります。

5. ウェーブヘアライン

模様を波状の曲線で加工する方法で、柔らかな印象を与えるデザインが特徴です。

6. アングルヘアライン

矢羽根状の模様をつける加工で、製品にスタイリッシュで動的な印象を与えます。

いずれの加工も、単一方向に規則正しく加工する必要があるため、高い技術力が求められます。製品の用途やデザインに応じて最適な加工方法の選択が重要です。

ポリカーボネート板加工

ポリカーボネート板加工とは

ポリカーボネート板加工

ポリカーボネート板加工とは、ポリカーボネート板の切断、曲げ加工、接着などのことです。ポリカーボネートは、一般的に「ポリカ」または「PC」とも呼ばれています。また、5大汎用エンジニアリングプラスチックのひとつでもあり、さまざまな用途に使用されています。

ポリカーボネイトは、透明性が高く、かつ耐久性、耐侯性、耐衝撃性に優れ、さらに自己消火性を有している点が特長です。また、射出成形や押出成形などにより容易に成形できます。一方で、傷が付きやすい上に、有機溶剤や界面活性剤に侵されやすいデメリットもあります。

ポリカーボネート板加工の使用用途

ポリカーボネイトは、DIYから工業製品まで幅広く使用されています。ポリカーボネイト板には、平板、中空板、波板の3種類があります。それぞれの特徴と用途は以下のとおりです。

  • 平板
    1枚板のようなタイプで、無色透明や色付きなど種類が豊富です。汎用性が高く、看板、パーテーション、サンルームの屋根材などに用いられています。
  • 中空板
    板と板の間に空洞があり、断熱性と保温性の高さが特長です。建物の採光窓などに採用されています。
  • 波板
    1枚板を波型に成形することにより、平板と比較して強度を高めています。屋根材などに利用されています。

このほか、メガネやスマートフォンカメラのレンズ、スマートフォン用のケースにも使用されています。

ポリカーボネート板加工の種類

用途に合わせて切断や曲げなどの加工を施します。加工方法を以下に示します。

  • 切断加工
    アクリルカッターを用いてポリカーボネイト板を切断します。カッターで設けた溝が浅いと、折り曲げ時に割れる可能性があります。また、切断後の端部は鋭利になっていることから面取りを施します。
  • 曲げ加工
    棒ヒーターやヒートガンを用いてポリカーボネイト板を曲げます。加工時の温度調整が難しく技術を必要とします。
  • 穴あけ加工
    アクリル用もしくはプラスチック用のドリルで加工します。ボルト穴の場合は、温度変化による伸縮を考慮して2〜4mm大きめにあけます。端部での穴あけ加工は、板の縁から穴径の2.5倍以上内側で行います。また、適切な間隔で穴をあけるなど強度の低下に注意を要します。
  • 接着・シーリンング
    一般的にポリカーボネイトの接着は難しく、加工にはポリカーボネイト専用の接着剤を用います。溶剤接着は強度を損なう可能性があり使用を控えます。また、シーリングにはシリコン系アルコールタイプを使用します。

アルミレーザー加工

アルミレーザー加工とは

アルミレーザー加工とは、アルミニウム材をレーザーで穴あけや切断を行うことです。

一般的にアルミニウム材のレーザー加工は、鉄やステンレスの加工と比較して難しいとされています。その理由は以下のとおりです。
アルミニウムは、鉄などの他の材料と比較してレーザー光の反射率が高く、照射したレーザーが反射して加工レンズや機器の損傷につながる可能性があります。
・穴あけの場合、穴がテーパー(先細り)になり、厚みが増すにつれて入口と出口の径の差が大きくなります。

以上のほか、ケガキができない、鉄やステンレスと比較してバリが多く発生するなどの問題があります。

アルミレーザー加工の使用用途

アルミニウムは、鉄などの他の金属と比較し、軽量であることや溶接性や耐食性、成形性、熱伝導に優れています。このことから、自動車、鉄道車両、航空機や船舶の構造材料や部品、あるいは電気機器の筐体、台所製品など幅広く用いられています。

JIS記号別のアルミニウム材の特徴は、以下のとおりです。

A5052

マグネシウムが添加されており、中程度の強度と耐食性、溶接性があります。車両のボディーやホイールに使用されています。

A1050

純度99.50%以上のアルミニウムで、加工性、反射性、導電性が高い点が特長です。電気機器のフレームやケースに用いられています。

A2017

一般的にジュラルミンと呼ばれています。鋼材に匹敵する強度を有しています。航空機やロケットの部品に使用されています。

A1100

純度99.00%以上のアルミニウムで、溶接性、耐食性に優れています。各種容器や建材、家庭用品から電子機器まで幅広く利用されています。

アルミレーザー加工のその他情報

アルミレーザー加工に使われる機械の種類

アルミニウム材のレーザー加工には、主に炭酸ガスレーザー加工機、およびファイバーレーザー加工機が用いられています。それぞれの加工機の概要は次のとおりです。

炭酸ガスレーザー加工機

炭酸ガスを充填した発振器内でレーザー光を励起し、反射ミラーを通して加工ヘッドに伝送し、レーザーを照射しています。なおアルミレーザー加工には、反射されたレーザー光を遮断する機能が付いている加工機を使用します。

ファイバーレーザー加工機

複数の発振器ユニットから出力したレーザー光を、1本の光ファイバーにまとめて加工ヘッドに伝送し、レーザーを照射しています。他の方式のレーザー加工機と比較してレーザーの照射面積が小さく、かつ高エネルギーで加工できることが特長です。その結果として、加工時間の短縮につながるとともに、バリや歪みが少なくなります。加えて、エネルギー効率が炭酸ガスレーザー加工機より3倍以上も高いといわれておりランニングコストも優れています。

パイプ穴加工

パイプ穴加工とは

パイプ穴加工

パイプ穴加工とは、パイプに穴をあけることです。

加工対象物の材質、穴あけ位置、加工ロットに応じて、求められる精度に合わせて加工方法を選択します。加工の種類は、プレス加工、ドリル加工、レーザー加工放電加工があります。

円形の丸穴、四角形の角穴、長方形の両端が丸い長穴が、穴の形による主な分類です。また、穴をあける位置による分類では、片側のみに穴をあけた片穴、反対側に貫通させた貫通穴、穴をあける配列を変えた千鳥穴、およびパイプの両端まで穴をあけたスリットなどがあります。

パイプ穴加工の使用用途

パイプ穴加工は、DIYから工業製品まで幅広く用いられています。また、加工する対象物は、ステンレスやアルミニウムなどの金属パイプ、塩ビパイプ、コンクリート製品など、さまざまです。以下にパイプ穴加工を使用した製品例を挙げます。

1. 金属パイプ

椅子・机、家具、棚、電気配線・水道・空調の配管、住宅や建物の構造材、自転車・バイク・自動車・トラックの部品、工場配管などが挙げられます。

2. 塩ビパイプ

水道やエアコンの配管が挙げられます。

3. コンクリート製品

下水管、排水管などが挙げられます。

パイプ穴加工の種類

代表的なパイプ穴の加工方法は、プレス加工、ドリル加工です。このほか、レーザービームで穴をあけるレーザー加工や放電現象を利用した放電加工があります。以下で、プレス加工、ドリル加工について説明します。

1. プレス加工

金型を用いてプレス機でパイプを加工する方法です。金型は、パンチとダイにより構成されており、パンチが穴をあける役割を担っています。ダイは、対象物を支えながらパンチを受け止める役割があります。プレス加工の長所は、加工スピードの速さ、異なる穴ピッチや穴径に対応可能な柔軟性、加工制度の高さです。そして、ドリル加工のようにバリやカエリが生じないことが挙げられます。ロットの大きな製品の加工に向いています。

2. ドリル加工

ボール盤に装着したドリルを用いてパイプに穴をあける方法です。穴あけ加工時に、バリやカエリが生じるため、これらを取り除くための作業が必要になります。また、プレス加工と比較し、加工精度が低い点がデメリットです。とはいえ、プレス加工では対応できない部分やさまざまな材質のパイプの加工が可能なこと、および機械の購入費用が安価な点がドリル加工のメリットです。

金属切削加工

金属切削加工とは

金属切削加工

金属切削加工とは、素材を刃物などの切削工具で削ったり、穴をあけたりして目的の形に成形・加工し、その際に切粉が出る加工のことを言います。

金属加工を大きく3つ(除去加工成形加工・付加加工)に分けた場合、「除去加工」に分類されます。加工には、「マシニングセンタ」などの工作機械を使うことが一般的であり、高い精度が得られることが特徴です。工作物を固定して工具を回転させる「転削」と、工作物を回転させる「旋削」との2つに大別できます。

金属切削加工の使用用途

金属切削加工の特徴は、コンピューター制御により設計が比較的簡単ながら、材料を様々な大きさ、厚さ、形状に加工でき、サイズなどの微調整もしやすい点が挙げられます。

このため、鋳造とは異なり、金型が不要であり、複雑かつ精密な加工ができることから、様々な機械部品に使用されます。例えば、ステンレス鋼を用いたものであれば、ねじや配管部品に、鉄を用いたものは自動車部品や船舶部品に、また非鉄金属であれば人工関節や航空機部品に使用されております。

金属切削加工の種類

金属切削加工は、切削加工のうち工作物が金属であるものを指します。また、切削加工は大きく「転削」と「旋削」の2つに分けられます。

「転削」の代表としては「フライス加工」が挙げられます。「フライス加工」は、工具(フライス盤)に回転運動を与え、固定した工作物を目的の形に加工します。工作物を固定したうえで刃物が動いて加工を行っていくため、加工の自由度が高く、複雑な形状の加工ができるのが特徴です。平面加工、側面加工、穴あけ、溝切りなど多彩な加工ができます。

一方、「旋削」の代表としては「旋盤加工」があります。「旋盤加工」は、最も基本的な切削加工であり、工作物に回転運動を与え、刃物状の工具(旋盤)を工作物に添わせて削り取り、加工する方法です。金属を回転させて削るので、形状は基本的に円または円錐状になります。細かく分類すると、工作物の外周を加工する外形加工や、ドリルを使った穴あけ加工、穴を広げる中ぐり加工、溝入れ工具を用いた突っ切り加工などがあります。

スチール加工

スチール加工とは

スチール加工

スチール加工とは、スチール素材に施される各種の加工技術を総称するものです。

金属加工の基本的な工程を幅広く含んでいます。スチールとは、純鉄と鋳鉄の中間に位置する鋼を指します。純鉄はほぼ100%鉄で構成されており、一方の鋳鉄は炭素を2.14%以上含むものです。鋼には炭素以外にもケイ素やマンガン、リン、硫黄などを含む普通鋼(炭素鋼)と、クロム、ニッケル、モリブデンなどの非鉄金属を加えた特殊鋼が存在します。

産業分野においてはその重要性が認識されており、長年にわたり改良が重ねられ、用途に応じた加工技術が活用されています。

スチール加工の使用用途

スチール加工は、金属加工の基礎としてさまざまな手法が用いられ、さらに素材の特性を向上させるための改良も行われています。そのため、用途に応じた適切な素材の選定が、加工精度や仕上がりに大きく影響を与えます。

現在生産されているスチールには、普通鋼と特殊鋼があり、普通鋼の代表的な種類としてSS材(一般構造用圧延鋼材)、SR材(溶接構造用圧延鋼材)、SPC材(冷間圧延鋼板・鋼帯)などが挙げられます。一方、特殊鋼には、合金鋼(SC材、SCr材、SCM材)、工具鋼(SK材、SKH材、SKS・SKD材)、さらには特殊用途鋼(ばね鋼、軸受鋼、ステンレス鋼)などが存在します。

これらの略称はJIS規格に基づいており、最初の「S」はSteel(鋼)を示します。その後のアルファベットは規格や用途に応じた分類を表し、例えば「S」は構造(Structure)、「P」は板(Plate)、「K」は工具(Kogo)、「C」は鋳物(Casting)、「R」は圧延(Rolled)を意味しています。

スチール加工の原理

スチール加工は、鉄を主成分とする鋼材を切断、成形、接合、表面処理することで、目的の形状や機能を持たせる技術です。加工の基本原理は、物理的・化学的な力を加えることで鋼材の特性を変化させ、用途に応じた部品や製品を作り出すことにあります。

代表的な加工方法には、切削加工、圧延加工、溶接、表面処理などがあります。切削加工では、旋盤やフライス盤を用いて不要な部分を削り取ります。圧延加工は、熱や圧力を加えて鋼板や棒材を薄く延ばす方法です。溶接は、高温で金属を溶かして接合する技術で、建築や自動車製造などに広く用いられます。さらに、防錆や耐久性向上のために、亜鉛メッキや塗装などの表面処理が施されます。

スチール加工の特徴

スチール加工は、強度や耐久性に優れた鋼材を目的に応じた形状に加工する技術であり、建築や自動車、機械部品など幅広い分野で利用されています。

1. 高い強度と耐久性

最大の特徴は、高い強度と耐久性です。スチールは、圧縮や引張に対する強度が高く、長期間にわたり安定した性能を維持できます。

2. 加工の多様性

加工の多様性も大きな特徴です。切削、圧延、溶接、曲げ加工など、さまざまな加工方法を組み合わせることで、複雑な形状や精密な部品を作ることが可能です。さらに、熱処理や表面処理を施すことで、耐摩耗性や耐食性を向上させることができます。

3. リサイクル性

環境面では、スチールはリサイクル性が高いというメリットがあります。一度使用された鋼材も再利用が可能で、持続可能な素材としての重要性が高まっています。

スチール加工の種類

スチールの加工には、小型の部品を精密に仕上げるためのマシニング加工や旋盤加工がよく使われます。一方、大型のスチール部品を加工する際には、溶接やプレス成形、大型機械を用いた板金加工が主流となります。

加工方法の分類としては、切断、曲げ、溶接、切削などの金属加工技術が広く活用されています。切断では、従来のプレスによる加工に加え、レーザーを用いた精密な切断技術も発展しています。曲げ加工においては、コンピュータ制御による三次元的な加工技術が進歩し、より複雑な形状の成形が可能になっています。

溶接技術に関しても、火花がほとんど発生しないレーザー溶接の導入が進み、その活用範囲が拡大しています。さらに、切削加工の分野では、金属3Dプリンターが実用化され、従来の製造プロセスとは異なるアプローチによる加工が可能になりつつあります。

スチール加工の選び方

スチール加工を選ぶ際は、用途や必要な性能に応じて最適な加工方法を選択することが重要です。

1. 使用目的

使用目的を明確にすることが基本です。例えば、建築用の鋼材なら強度と耐久性が求められ、自動車部品なら軽量化と精密加工が必要になります。

2. 加工方法

次に、加工方法の選定が重要になります。切削加工は高精度な仕上げが可能で、溶接加工は強度のある接合を実現できます。圧延加工は大量生産に適し、曲げ加工やプレス加工は形状の自由度が高いのが特徴です。また、錆や摩耗を防ぐために、メッキや塗装などの表面処理も考慮する必要があります。

3. コストや納期

コストや納期も重要な要素です。大量生産向けなら効率的な加工方法を選ぶことでコスト削減が可能になります。

PDFソフト

PDFソフトとは

PDFソフト

PDFソフトとは、PDFの作成や編集を行うアプリケーションソフトウェアのことです。現在では、さまざまなメーカーからPDFソフトに関連する製品が販売されています。

*PDF: 「Portable Document Format」の略称で、アドビシステムズ社(現:アドビ社)が開発した電子文書のファイル形式です。2008年に国際標準化機構(ISO)によって標準化されました。

PDFソフトの使用用途

PDFソフトを使用すると紙への出力が不要となるため、圧迫している書類の保管場所を紙使用時と比較して大きく削減できます。

2022年現在においては、コンピューターやスマートフォン、タブレット端末があれば、ウェブブラウザーやオペレーティングシステムなどにとらわれることなく、PDFソフトを利用することが可能であり、PCのみならず、端末のアプリ上でiOSやAndroid端末でPDFソフトは比較的多く利用されています。

PDFは「長期保管用のPDF/A」「エンジニアリング用のPDF/E」「印刷用のPDF/X」など、さまざまな種類があり、特定の目的に対応した規格にも適合しています。

また、障がいがあるユーザーが使いやすいように、あらゆるアクセシビリティ標準に準拠したPDFを作成することも可能です。PDFを作成する上で、セキュリティーは非常に重要な要素です。PDFは比較的利便性が高いため、公式な文書にも使用されています。

そのため、情報の漏えいや文書の改ざんなどに非常に注意しなければなりません。セキュリティーの例としては、パスワードによる文書の保護や公開鍵証明書(デジタルID)による文書の照明、電子封筒による暗号化、秘匿情報の削除、受信者側のセキュリティー対策などがあります。

PDFソフトのメリット

最近ではテレワークを推進する上で、文書の電子化が課題となりました。課題を解決するために最も安全な対策の一つは、紙文書のPDF化です。下記では、PDFソフトを活用するメリットを3つ解説します。

1. テレワークを推進する上で発生する問題を解決できる

PDFソフトの活用により、テレワークを推進する上で必要となる円滑なコミュニケーションやソフトウェアからの独立、セキュリティーに対する問題を解決できます。例えばPDFは、仮想のプリンターを用いてMicrosoft Wordなどの印刷機能から作成ができるため、極めて利便性に優れており、早急に資料を準備できるほか、PDFを共同で編集することも可能です。

また、円滑なコミュニケーションを妨げまげず、作成したPDFはソフトウェアに依存しないため、PDFリーダーがあれば、どこからでもPDFの閲覧と印刷ができます。

2. セキュリティー対策に効果的

PDFは、セキュリティー情報として、さまざまな設定をファイルに付加することが可能です。PDFは配布と閲覧が比較的簡便なため、重要な書類に対して閲覧や変更、複製、印刷制限を設定する必要があります。

これらを設定し、意図しない閲覧者を制限することで、重要な機密情報を守ることができます。さらに、PDFは電子署名を付加することも可能で、改ざんを防ぐ仕組みを取り入れられます。

3. 既存書類をPDF化できる

PDFは、既存の紙による書類も手軽にPDF化することが可能です。まず、印刷機のスキャン機能を利用して書類のデータを画像化し、PDFソフトウェアの光学文字認識機能(OCR)を用いて画像データから文字情報を抽出します。この2ステップにより、文字の検索や比較編集が可能となります。

以上のメリットはPDFソフトのクラウド化との併用により、より効果が期待され、昨今のソフト開発メーカーにおけるおすすめとなっています。

PDFソフトの選び方

PDFソフトを選ぶ際には、PDFファイルをどのように編集したいのかについて検討することが大切です。例えばPDFを社内で共有しながら共同で編集したいといった場合には、共同編集機能が付属した製品を選ぶ必要があります。

また、PDFを直接編集できるのかといったこともポイントになります。なぜなら、業務の効率化を図っているはずが、PDFに画像を差し込みたいのに画像を差し込めないといった問題や文字を直接入力できないといった問題が生じるからです。

さらに、おすすめのPDF編集ソフトとして販売されていても新しくテキストを追加するだけのような製品もあるため、機能面の確認はその詳細な内容を含めて、実際に何ができるのかを必ず比較しチェックすることをおすすめします。

最後のポイントとして、パスワード保護機能やOCR機能の付属有無が挙げられます。パスワード保護機能は、PDFファイルを暗号化して権限を付与する機能です。この機能により第三者への情報の漏洩リスクが減少します。

そして、OCR機能は、ファックスで受信した資料やPDFを画像化した資料などをPDFファイルとして編集できるようにする機能です。この機能があることで、メールで送られてきた資料などもPDFファイルとして編集可能になります。

PDFソフトのその他の情報

1. PDFソフトの価格

PDFソフトの価格は、オンライン版かダウンロード版かによって異なります。一般的にオンライン版は、月額課金方式の支払いで、価格は1,000円から1万円ほどです。

一方で、ダウンロード版はソフトウェアをコンピューターにダウンロードして利用するため、買い切り方式の支払い方法が一般的です。価格は、1,000円から5万円までと月額課金方式と比較して値段に差があり、内包しているおすすめ機能によって大きく異なります。

2. PDFソフトの機能

PDFソフトの機能には、主にPDF内の文章を修正する編集機能やPDFファイル同士を結合する機能が組み込まれています。そのほかにもPDFソフトには、さまざまなおすすめ機能が付加されている製品があります。例えば、PDFを分割する機能やPDF本体を圧縮する機能、PDFの順番を入れ替えたり、差し替えたりする機能などです。

PDFの分割に関しては、標準機能として備わっていることが多いです。しかし、PDF本体を圧縮する場合には、専用のPDF圧縮機能により、PDF容量を圧縮する必要があります。

一般的なZIP形式にする場合には、専用ソフトを使用せずに圧縮できますが、この方法では、PDF自体の容量を圧縮できません。また、多くのPDFソフトは、PDFをまとめることができてもPDFの順番を入れ替えたり、差し替えたりすることができないため、PDFの順番を変更できる機能があることで利便性が向上します。

3. PDFソフトのクラウド化

先に述べたようにコロナ対策なども含め、昨今のテレワーク化の推進に伴い、在宅勤務でのPDFソフトの活用が増えています。テレワークにおいては会社のLANやサーバー環境にアクセスする場合の利便性の向上とソフトウェアを使用するためのセキュリティー確保が課題の一つであり、この課題解決のため、ソフトウェアのクラウド化を進める企業も増えています。

なぜなら、クラウド化によってデバイスやネット環境などの外部環境に左右されずに、WEBにさえ接続できていれば、基本的にはどこででもセキュリティーに守られた環境下でソフトウェアの活用ができるためです。つまり、PDFソフトのクラウド化は、ソフトウェアの提供サービス全般における流れの一つと言えます。

よって最近ではクラウドを利用しデバイスにソフトをインストールすることなく、ブラウザのみでPDFを閲覧するだけではなく、PDFの作成や編集、OCR機能や共有まで備えテレワークでの使い勝手を向上させたPDFソフトウェアの製品も出てきました。

4. PDF SDKについて

クラウド化とともに、PDFソフトのもう一つの流れとしてPDF SDKがあります。SDKとは(Software Development Kit)の略であり、PDFソフトをWebソフトや自社のツール等に組み込みたいときにソフト開発キットとして活用されます。

PDF SDKでは、ソフト開発キットの機能としてプラグイン(機能拡張)機能や、外部ソフト間の通信でのPDFを制御する機能、Javaなどのスクリプトサポート、署名や検索および注釈、自社ソフトへのPDF編集埋め込み機能など、多彩な機能を豊富に用意されたアプリケーションライブラリやサンプルコードなどから活用することが可能です。

以上述べたようにソフト開発メーカーの昨今のPDFソフトのおすすめは、PDF SDKとクラウド対応版です。