アルミレーザー加工

アルミレーザー加工とは

アルミレーザー加工

アルミレーザー加工とは、アルミニウム材をレーザーで穴あけや切断を行うことです。

一般的にアルミニウム材のレーザー加工は、鉄やステンレスの加工と比較して難しいとされています。その理由は以下のとおりです。
アルミニウムは、鉄などの他の材料と比較してレーザー光の反射率が高く、照射したレーザーが反射して加工レンズや機器の損傷につながる可能性があります。
・穴あけの場合、穴がテーパー(先細り)になり、厚みが増すにつれて入口と出口の径の差が大きくなります。

以上のほか、ケガキができない、鉄やステンレスと比較してバリが多く発生するなどの問題があります。

アルミレーザー加工の使用用途

アルミニウムは、鉄などの他の金属と比較し、軽量であることや溶接性や耐食性、成形性、熱伝導に優れています。このことから、自動車、鉄道車両、航空機や船舶の構造材料や部品、あるいは電気機器の筐体、台所製品など幅広く用いられています。

JIS記号別のアルミニウム材の特徴は、以下のとおりです。

  • A5052
    マグネシウムが添加されており、中程度の強度と耐食性、溶接性があります。車両のボディーやホイールに使用されています。
  • A1050
    純度99.50%以上のアルミニウムで、加工性、反射性、導電性が高い点が特長です。電気機器のフレームやケースに用いられています。
  • A2017
    一般的にジュラルミンと呼ばれています。鋼材に匹敵する強度を有しています。航空機やロケットの部品に使用されています。
  • A1100
    純度99.00%以上のアルミニウムで、溶接性、耐食性に優れています。各種容器や建材、家庭用品から電子機器まで幅広く利用されています。

アルミレーザー加工の種類

アルミニウム材のレーザー加工には、主に炭酸ガスレーザー加工機、およびファイバーレーザー加工機が用いられています。それぞれの加工機の概要は次のとおりです。

  • 炭酸ガスレーザー加工機
    炭酸ガスを充填した発振器内でレーザー光を励起し、反射ミラーを通して加工ヘッドに伝送し、レーザーを照射しています。なおアルミレーザー加工には、反射されたレーザー光を遮断する機能が付いている加工機を使用します。
  • ファイバーレーザー加工機
    複数の発振器ユニットから出力したレーザー光を、1本の光ファイバーにまとめて加工ヘッドに伝送し、レーザーを照射しています。他の方式のレーザー加工機と比較してレーザーの照射面積が小さく、かつ高エネルギーで加工できることが特長です。その結果として、加工時間の短縮につながるとともに、バリや歪みが少なくなります。加えて、エネルギー効率が炭酸ガスレーザー加工機より3倍以上も高いといわれておりランニングコストも優れています。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です