パイプ穴加工とは
パイプ穴加工とは、パイプに穴をあけることです。
加工対象物の材質、穴あけ位置、加工ロットに応じて、求められる精度に合わせて加工方法を選択します。加工の種類は、プレス加工、ドリル加工、レーザー加工、放電加工があります。
円形の丸穴、四角形の角穴、長方形の両端が丸い長穴が、穴の形による主な分類です。また、穴をあける位置による分類では、片側のみに穴をあけた片穴、反対側に貫通させた貫通穴、穴をあける配列を変えた千鳥穴、およびパイプの両端まで穴をあけたスリットなどがあります。
パイプ穴加工の使用用途
パイプ穴加工は、DIYから工業製品まで幅広く用いられています。また、加工する対象物は、ステンレスやアルミニウムなどの金属パイプ、塩ビパイプ、コンクリート製品など、さまざまです。以下にパイプ穴加工を使用した製品例を挙げます。
1. 金属パイプ
椅子・机、家具、棚、電気配線・水道・空調の配管、住宅や建物の構造材、自転車・バイク・自動車・トラックの部品、工場配管などが挙げられます。
2. 塩ビパイプ
水道やエアコンの配管が挙げられます。
3. コンクリート製品
下水管、排水管などが挙げられます。
パイプ穴加工の種類
代表的なパイプ穴の加工方法は、プレス加工、ドリル加工です。このほか、レーザービームで穴をあけるレーザー加工や放電現象を利用した放電加工があります。以下で、プレス加工、ドリル加工について説明します。
1. プレス加工
金型を用いてプレス機でパイプを加工する方法です。金型は、パンチとダイにより構成されており、パンチが穴をあける役割を担っています。ダイは、対象物を支えながらパンチを受け止める役割があります。プレス加工の長所は、加工スピードの速さ、異なる穴ピッチや穴径に対応可能な柔軟性、加工制度の高さです。そして、ドリル加工のようにバリやカエリが生じないことが挙げられます。ロットの大きな製品の加工に向いています。
2. ドリル加工
ボール盤に装着したドリルを用いてパイプに穴をあける方法です。穴あけ加工時に、バリやカエリが生じるため、これらを取り除くための作業が必要になります。また、プレス加工と比較し、加工精度が低い点がデメリットです。とはいえ、プレス加工では対応できない部分やさまざまな材質のパイプの加工が可能なこと、および機械の購入費用が安価な点がドリル加工のメリットです。