インペラについての概要、用途、原理などをご説明します。また、インペラのメーカー4社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。インペラ関連企業の2022年4月注目ランキングは1位:川端プロペラ株式会社、2位:株式会社西日本ネクスト、3位:ナカサンプロジェクトとなっています。
インペラ(impeller)とは、渦巻きポンプ及び遠心ポンプなどの様々なポンプやファンなどの中心で用いられている、主軸に固定されて、主軸と一体で回転する羽根車のことを示しています。
ポンプなどにおいては、この回転する羽根車は、ケーシングと呼ばれている、ポンプの内部に設置されていて、羽根車が回転することにより、ポンプの周囲の流体を、攪拌し続け、周囲を流れる流体に、遠心力を与え続けることで、周囲の流体を動かし続けます。
また船舶などに設置されているスクリューも、インペラの一種と言え、このスクリューが回転することによって、船舶の周りに存在する流体である水を動かして、船舶が前進あるいは、後進をする際に必要な、動力を生み出しています。
この船舶の例のように、インペラの羽根車の部分が、外部にそのままの形で、剥き出しの状態になって使用されているものは、オープンインペラと呼ばれるものであり、それに対して、ポンプにおけるインペラのように、側板などで羽根車の部分が覆われて使用されているものは、クローズドインペラと呼ばれるものです。
インペラとして使用されているものの中でも、特に羽根車の部分が外部にそのままの形で、剥き出しになった状態のオープンインペラは、船舶などでの輸送の他、扇風機、換気扇、風車、エアーコンディショナーなどファンの一部での送風、洗濯機などでの攪拌、そして発電機のタービンやポンプなどに使われています。
そのファンの中でも、ターボファンとは、主に遠心送風機のファンになっていますが、その送風を行うためにインペラを利用します。
ここでのインペラは、回転方向に対して羽根車を後ろ向きにすることで、空気抵抗を減らし、エネルギー効率を良くしたうえで、回転による騒音も低くすることが出来ます。
つまりターボファンは、風量や静圧とも広範囲に使用できて、ファンの中では最も効率が良い優れものです。
用途としては、風量・風圧を必要とする、空調機器としてのレンジフードやダクトや、液体をポンプに吸引するために使用されています。
一方、側板などで羽根車の部分を覆い隠している、クローズドインペラも、ポンプの一部で使われています。
一般的に、小型の装置用に用いられるポンプに対しては、オープンインペラが適していて、中型の装置用に用いられる以上の、プロセス用のポンプに対しては、クローズドインペラが適しておりますが、それぞれ用途に応じて使い分けられることが多いです。
特に、インペラで攪拌する流体が、液体の場合は、用いるインペラの形状は、その液体の特徴によって形状を変えて用います。
まず、清浄な液のときは、クローズドインペラを使用したほうがよいのですが、例えばスラッジなど摩耗成分を含んだ液体の場合には、オープンインペラもしくはセミオープンインペラを使用したほうがよいでしょう。
また、異物が混入しているような液体の場合は、無閉塞形インペラを用いたほうがよいでしょう。
インペラには以下に上げるような、多種多様な形状があります。
半径流形は、インペラ内を通過する水が半径方向に流れ、羽根の形状は二次元の単純な曲面です。
混流形は、入り口から軸方向から半径方向に序々に変化し3次元の湾曲面を持ちます。
斜流形は、さらに羽根流線は湾曲し、出口も斜めに傾いています。
軸流形円筒断面での形状は、飛行機翼と同じ形(プロペラ形)をしており、軸方向に流れる。大型機では可変翼もあります。
クローズは、羽根の両側に側板(シュラウド)が有りポンプ効率が良く最も一般的です。
セミオープンは、スラリーや繊維物などを含む液を送るもので、前面シュラウドがありません。
フルオープンは、さらに、前面だけでなく、後面シュラウドも取り除いたインペラです。
ノンクロッグ形は、羽根枚数は少なく、羽根入り口先端を厚くし、丸みをつけて繊維その他の異物がひっかかりにくいように設計したインペラです。
ブレードレスは、インペラ入り口から出口まで通路幅を極めて大きく、ポンプ吸い込み口に匹敵するような大きな異物でも容易に通過するインペラです。
ボルテックス形は、洗濯機に羽根のような形で、固形物を壊さないで送液します。
アステロイド形は、真空ポンプの羽根のような形状で、エアーの巻き込みに対し排出しやすい。フルオープンインペラーの一種です。
この他にも、スクリュー渦巻形、ノンクロッグ高効率形、バランス形、両吸い込み、カスケードポンプ、ギアポンプ、ベーンポンプなどの様々な形状があります。
インペラが設置されている渦巻きポンプあるいは、遠心ポンプなどでは、インペラが回転することで、液体が攪拌され、遠心力が加えられることで、外側へと向かって動かされます。
もしここで、液体や気体、すなわち流体に遠心力を加えたときに、壁などの側面があったとします。
側面があると、それ以上は、流体は外に逃げることはできなくなるため、流体は、上に逃げようとします。
するとポンプ内部の側面の近づくにつれて、流体に加えられる圧力が上がっていくために、流体の液面も外側の側面に向かって大きく盛り上がり、逆に中央に向かって流体の液面が低くなります。
この遠心力を用いることで、効率よく液体を吐出した後、その分の新たに液体を吸い込んでいるのが、渦巻きポンプや遠心ポンプの原理です。
実験室のビーカー内部や、またはプロセス工程中においても、タンクなどの内部でかき回す、撹拌そのもの自体を目的とした場合は、オープンインペラを用いた方が、容器の内部の隅々の液体まで、インペラによる攪拌が及ぶため、効率的であると言えます。
次に、ポンプにおいてもクローズドインペラを利用したほうが良い場合がある理由を説明します。
ポンプの内部では、インペラが回ることで、液体に遠心力を与え、吸い込んで吐出し、吐き出した分の液体を外部から吸い込む、という作業を繰り返し行っています。
このように、渦巻ポンプや、遠心ポンプにおけるインペラとは、液体にエネルギーを付加するという、最重要な役割を持つ機能的な部品と言えます。
しかし、ポンプ内の液体の一部は、回転を続けるインペラの羽根車の高速なスピードに付いて行けなくなり、永遠にポンプの外に出られず、インペラの羽根車の付近に巻き起こされる、無限に続く回転の渦にはまり回り続けながら、滞留してしまいます。
この無限に続く回転の渦に巻き込まれる液体が多いと、ポンプでその回転に費やされる分のエネルギーの無駄が生じるだけでなく、ポンプを通して流れる液体の流量が、プロセス設計時のものとは変わってしまい、プロセス工程中の、全体の色々なところに障害が生じる原因に繋がります。
このエネルギーの無駄や流量の減少などの問題を解決するために、インペラの羽根車にカバーを設置することが考案されました。
このカバーを装着する事により、インペラの羽根車から、流体の漏れがなくなるため、無限回転の渦を激減することができます。
ただし、側板による円盤摩擦があるため、クローズドインペラを用いた場合でも、回転渦は完全には無くならないため、無限回転の渦を0にはできません。
しかし、クローズドインペラ内の、ほぼ全ての液体をまんべんなく撹拌し、効率よくインペラに吸い込んで、インペラから吐出することは可能になりました。
渦巻きポンプにおいて、液体の流量と揚程の関係に着目して、オープンインペラ及びクローズドインペラのポンプを比較すると、まずオープンインペラは液体の流量が、かなり多い代わりに、圧力(すなわち揚程)は、それほどは要求されないという場面に向いています。
一方で、クローズドインペラは、ある程度高さがあるため、高い揚程が求められる場所、または入り組んでいるため、液体を送るのに要求される圧力が大きい場所に向いています。
参考文献
https://www.iwakipumps.jp/blog/naruhodo/19/
https://www.miw.co.jp/column/post-208/
https://www.kodama-tec.com/case/use/microwelding/003957.html
http://www.kubota-kikou.co.jp/vision/knowledge-1.html#navitop
http://www.sanwapump.co.jp/special/story/01_09.html
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年4月の注目ランキングベスト5
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 川端プロペラ株式会社 | 37.5% |
2 | 株式会社西日本ネクスト | 25% |
3 | ナカサンプロジェクト | 20.8% |
4 | 有限会社小松鋳型製作所 | 8.3% |
5 | アイコクアルファ株式会社 | 8.3% |
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