ポリカーボネート板加工とは
ポリカーボネート板加工とは、ポリカーボネート板の切断、曲げ加工、接着などのことです。ポリカーボネートは、一般的に「ポリカ」または「PC」とも呼ばれています。また、5大汎用エンジニアリングプラスチックのひとつでもあり、さまざまな用途に使用されています。
ポリカーボネイトは、透明性が高く、かつ耐久性、耐侯性、耐衝撃性に優れ、さらに自己消火性を有している点が特長です。また、射出成形や押出成形などにより容易に成形できます。一方で、傷が付きやすい上に、有機溶剤や界面活性剤に侵されやすいデメリットもあります。
ポリカーボネート板加工の使用用途
ポリカーボネイトは、DIYから工業製品まで幅広く使用されています。ポリカーボネイト板には、平板、中空板、波板の3種類があります。それぞれの特徴と用途は以下のとおりです。
- 平板
1枚板のようなタイプで、無色透明や色付きなど種類が豊富です。汎用性が高く、看板、パーテーション、サンルームの屋根材などに用いられています。 - 中空板
板と板の間に空洞があり、断熱性と保温性の高さが特長です。建物の採光窓などに採用されています。 - 波板
1枚板を波型に成形することにより、平板と比較して強度を高めています。屋根材などに利用されています。
このほか、メガネやスマートフォンカメラのレンズ、スマートフォン用のケースにも使用されています。
ポリカーボネート板加工の種類
用途に合わせて切断や曲げなどの加工を施します。加工方法を以下に示します。
- 切断加工
アクリルカッターを用いてポリカーボネイト板を切断します。カッターで設けた溝が浅いと、折り曲げ時に割れる可能性があります。また、切断後の端部は鋭利になっていることから面取りを施します。 - 曲げ加工
棒ヒーターやヒートガンを用いてポリカーボネイト板を曲げます。加工時の温度調整が難しく技術を必要とします。 - 穴あけ加工
アクリル用もしくはプラスチック用のドリルで加工します。ボルト穴の場合は、温度変化による伸縮を考慮して2〜4mm大きめにあけます。端部での穴あけ加工は、板の縁から穴径の2.5倍以上内側で行います。また、適切な間隔で穴をあけるなど強度の低下に注意を要します。 - 接着・シーリンング
一般的にポリカーボネイトの接着は難しく、加工にはポリカーボネイト専用の接着剤を用います。溶剤接着は強度を損なう可能性があり使用を控えます。また、シーリングにはシリコン系アルコールタイプを使用します。