スターラー

スターラーとは

スターラー

スターラーとは溶液を撹拌させるための装置で、一般には装置本体の磁力変化によって装置上の溶液に入った撹拌子を回転させるマグネチックスターラーのことを指します。スターラーの種類は多種多様であり、試験管やフラスコビーカーなど実験で用いる容器の形状やサイズ、撹拌する溶液の粘度、加熱の有無などの実験条件から適切な装置を選定する必要があります。

また、スターラー本体だけではなく撹拌子の形状、材質も多種多様です。撹拌子を選ぶ際も溶液中の沈殿物の有無や撹拌中のコンタミ抑制の必要性、溶液の粘度や容器の形状などの観点から適切なものの選定が必要です。

スターラーの使用用途

スターラーは水や有機溶媒などの各種溶液を撹拌するために使用する装置です。スターラーの種類としては、撹拌子を用いて撹拌する「マグネチックスターラー」と装置本体につながった撹拌翼を用いて撹拌する「撹拌機」があります。この記事ではマグネチックスターラーに絞って説明します。

スターラーは装置本体や撹拌子の種類を変えることで試験管、ビーカー、フラスコなど様々な器具に入れた溶液の撹拌に使用可能で、化学、生物を中心とした幅広い実験作業で用いられます。また1つの装置で複数の試料を撹拌できる多連式のスターラーや、撹拌中の加熱が可能なホットプレートと一体になったスターラーもあります。

スターラーの原理

一般的なマグネチックスターラーは装置本体にモーターと磁石が入っており、磁石を回転させることで装置の上に置いた撹拌子を回転させます。通常、スターラーの磁石にはフェライト磁石が使われますが、磁力が強いネオジム磁石や加熱しても磁力が落ちないサマリウムコバルト磁石が使われることもあります。

また磁石とモーターを用いる代わりに、コイルへ電気を流すことで生じる磁場を利用した電磁誘導式スターラー(電磁スターラー)もあります。電磁スターラーは内部磁石の劣化による性能低下がない、本体が薄いなどの特徴があります。

スターラーと撹拌子の種類

容量や回転数、サイズ、撹拌点の数、ホットプレートの有無などが異なる様々なスターラーが販売されています。ご自身の実験において用いる容器のサイズ、形状、溶液の粘度(撹拌しやすいか否か)、加熱が必要か否か、費用などの観点から適切な装置を選定する必要があります。

スターラーと攪拌子の主な仕様

図1. スターラーと攪拌子の主な仕様

スターラーだけではなく、様々な形状、サイズの撹拌子も販売されています。代表的なものとして標準的なシリンダ型、回転数や容器形状の影響を受けにくいラグビーボール型、沈殿物を分散させる十字型の撹拌子などが挙げられます。

なお、撹拌子の外装には耐薬品性が高いPTFE樹脂が一般的に使われていますが、回転中の摩耗によってサンプルへの汚染 (コンタミ) が生じる可能性があります。コンタミを防ぎたい場合はPVDFやPEEKから作られた撹拌子を使います。

パワーモーラー

パワーモーラーとは

パワーモーラー

パワーモーラーとは駆動モーターと減速用のギアを内蔵したローラーのことです。物流センターの倉庫や工場の生産ラインなど、主に搬送目的で使用されます。

通常の搬送コンベアのように、駆動モーターや駆動チェーンスプロケットといった他の駆動部品を使用せず、ローラー単体で回転させることが出来るため、コンベアの省スペース化を図ることが出来ます。

ベルトコンベアの駆動用として、もしくはローラーコンベアの一部に組み込まれ、フリーロールと連結させるなどして使用されます。

パワーモーラーの使用用途

主に搬送コンベアの部品として使用されます。ベルトコンベアの末端に内蔵され、駆動プーリーとして使われる他、ローラーコンベアと呼ばれる無数のローラーを一定間隔で並べたコンベアにも取り付けられます。
     
ローラーコンベアに内蔵される場合はパワーモーラーとフリーロール(コロコンロール)をVベルトなどの駆動部品で繋ぐことでパワーモーラーの駆動トルクをフリーロールへと伝導させ、他のロールを回転させます。     

モ-ターが内蔵されているので、センサーなどの制御機器と組み合わせることが可能です。荷物がコンベア内に投入された際、センサーがそれを感知し、コンベアを動かす、もしくは止めるといった制御を組むことも出来ます。

パワーモーラーの原理

ロール内に駆動用のモーターと減速ギアが内蔵されています。用途別に様々なタイプがあり、防水型、ブレーキ内蔵型、カーブコンベア専用などがあります。
   
ロールのシャフト部分からはモーター用の電源線が伸びており、その電源線に電圧を印加することによってロール内部のモーターに電源を供給出来ます。DC電源用、AC電源用とがあり、ブレーカから直接AC電源を供給することも可能ですし、パワーサプライからのDC電源で動かすことも出来ます。 
   
ベルトコンベアの駆動プーリーとして使用される場合は、ベルトに一定のテンションを掛けてロールに密着させることでロールとベルトを噛み合わせ、駆動トルクをベルトに伝えますが、ローラーコンベアでフリーロールを連結させる場合はVベルトを使用するので、Vプーリー付きのパワーモーラが使われます。Vプーリ付きのパワーモーラーには片側にプーリー溝が形成されており、そこにVベルトを引っかけることによってフリーロールへと駆動トルクを伝達します。

参考文献
https://www.youtube.com/watch?v=UjILDN56WNE
https://www.itohdenki.co.jp/wp-content/uploads/acpm_catalog.pdf

ロボットケーブル

ロボットケーブルとは

ロボットケーブル

ロボットケーブルとは、ロボットアームや産業用ロボットへ電力・信号を伝えるためのケーブルです。

汎用ケーブルと比べて、繰り返し曲げ・ねじれの耐久性が非常に高いことが特徴です。様々な製品のケーブルが発売されており、大電流に対応する製品や、径が小さい製品、電源線と信号線を一本のケーブルに束ねた製品などがあります。

ロボットケーブルの使用用途

ロボットケーブル

図1. ロボットケーブルの使用用途

ロボットケーブルは、ロボットコントローラとロボットアーム(マニピュレータ部)をつなぐ部分や、ロボットアームの内部などで使用されます。ロボットアームが使用される業界としては、自動車、精密機器、家電、機械部品など多岐に渡ります。選定する際は、使用するロボットの動作から繰り返しの曲げ・ねじれの度合いや回数が生じるかを分析し、その要求を満たす製品を購入する必要があります。

また、サイズ (直径・長さ) や電流・電圧、信号の伝送速度、対ノイズ性能などの仕様も考慮する必要があります。

ロボットケーブルの原理

ロボットケーブルの構造

図2. ロボットケーブルの構造

ロボットケーブルは絶縁膜で覆われた導線が複数の束になっており、その周りを遮蔽テープと外膜で覆われています。

4芯のロボットケーブルの構成要素は次のような役割があります。

  • 導体:電流や信号を伝える銅線です。
  • 絶縁体:導体に流れる電流が外に漏れないように絶縁する被膜です。
  • 遮蔽テープ:一本一本の電線を束ねるテープです。
  • シールド:外部からのノイズを防ぐ部分で、やアルミのジャケット状のものです。
  • 外皮 (シース) :外傷や油などからケーブルを保護をするための外膜です。

ロボットケーブルの接続箇所は、一方の接続端子はロボットコントローラ、もう一方の接続端子はロボットの動作部になります。ロボットコントローラからの信号や電流をロボットへ伝達することでロボットを動作させます。

ロボットアームの動きに応じて頻繁に屈曲するので、疲労強度や耐摩耗性の要求が高くなります。疲労強度を高めるために耐久性の高い素材 (PVCなど) を使用したり、耐摩耗性を高めるために特殊加工のビニルやフッ素樹脂などのコーティングを使用します。

ロボットケーブルのその他情報

1. ロボットケーブルの規格

ロボットケーブルの規格は国ごとに異なるため、ロボットケーブルメーカーはそれぞれの国に合わせて規格を遵守しています。
各国のロボットケーブルの規格の例を以下の通りです。

日本
電気用品安全法 (PSE) 、JIS規格 / JCS規格で定められています。PSEとは、電気用品安全法の基準に適合した規格で、電線の絶縁性や耐燃性などの安全性について規定されています。JIS規格 / JCS規格は、ケーブル製品の標準化を目的とした規格です。

中国
中国強制認証 (CCC) という規格で、中国国内で販売される製品の安全性、EMC、環境保護などの認証規格です。中国で製品を販売するためにはこのCCCが必須です。

EU
CEマーキングという規格で、取得するとEU加盟国27カ国とEFTA加盟国4ヵ国の合わせて31ヵ国での販売が可能になります。

ドイツ
テュフ認証 (TÜV) というドイツの民間企業であるテュフラインランド社によって定められている製品安全規格です。

アメリカ
UL認証というアメリカ保険業者安全試験所(Underwriters Laboratories Inc.)によって定められている製品安全規格です。取得自体は任意ですが、アメリカで販売される製品のほとんどが取得しているため、事実上必須と言える認証です。

カナダ
CSA認証というThe Canadian Standard Assosiationによって定められた製品規格です。アメリカ同様取得は任意ですが、運用上取得しなければ販売できません。CSA認証を取得していた場合、アメリカではUL認証同等のテスト基準をクリアした製品とみなされます。

2. ロボットケーブルの断線対策

ロボットケーブルの断線対策

図3. ロボットケーブルの断線対策

上図のようなロボット走行軸の上にロボットを設置する場合は、走行軸の可動部にケーブルが巻き込まれて断線するケースが考えられます。

その対策として、ロボットケーブルを保護するケーブルベヤを設置します。ケーブルベヤとは、ロボットケーブルやエアホースなどを収納するラックのようなものです。これによって、移動する装置と固定端間のケーブル・ホースを確実に支持案内し、可動部の巻き込みを防止できます。ケーブルベヤ屈曲部は一定の半径で一方向にのみ曲がるような構造になっています。

参考文献
https://www.taiyocable.com/product/robotcable/difference_robot_general/
https://www.okidensen.co.jp/jp/prod/cable/robot/

電子冷却装置

電子冷却装置とは電子冷却装置

電子冷却素子とも呼ばれるサーモモジュール、いわゆるペルティエ素子(Peltier device)を利用し電気的に温度を下げる冷却装置のこと。素子を構成する2種類の金属の接合部に電流を流すことで熱が一方の金属から他方の金属に移動する現象を利用し、素子と組み合わせたユニットを冷却する。電子的な冷却のためフロンなどの溶媒は不要。また素子自体は加温にも使用できるため、冷却・加温装置として同素子を利用した機器は加温・冷却装置としても設計可能

電子冷却装置の使用用途

ペルティエ素子を利用した電子冷却装置は冷却機構を小型化できるためパソコン内部のCPU冷却やCCDカメラの冷却、ドライブロックバスの冷却機構などに使用される。回路の極性変更により冷却と加温を可能にした冷却・加温タイプのドライブロックバスも販売されている。
通電を利用した電気的な冷却機構のため、振動も騒音も発生しない点で優れる反面、単純に熱交換の原理のため素子周辺はかなりの高温になる。そのため製品への使用には排熱コントロールが必須。

電子冷却装置の原理

放熱板の間に熱半導体と呼ばれるp型とn型の半導体をコの字型に電極とともに交互に直列に接続し、接合部分に直流電流を流すことで一方の導体から他方の導体に熱移動するペルティエ理論をもとに作成されたペルティエ素子を利用し、冷却になるよう電流方向を定めて設計する。これに移動した熱を外部に排熱するための放熱板とファンよりなる。電気を流すだけで冷却するシステムのため特別な駆動部を必要とせず、小型化が容易。またコンプレッサもないため静音性にも優れる。これらの特性からスペースのない場所(部分)での冷却や静音性を必要とする場所での冷却、小型冷却機器で使用される。

なおこのシステムの冷却は一方から他方への単なる熱遷移の機構を応用したものでしかなく、遷移する熱以上に素子自体も発熱するため排熱がうまくいかないと冷却効率が落ちる点で注意は必要。また排熱がうまくいかず高温になりすぎると素子そのものの破損を招くため熱交換システムが必須。

参考文献
https://www.nipponblower.com/thermo-thermocooler/thermocooler.shtml

モーターポンプ

モーターポンプとはモーターポンプ

モーターポンプとは、駆動源にモーターを使用したポンプのことです。ポンプとモーターが一体化した構造の製品を指してモーターポンプと呼称することが多いです。

モーターポンプの基本的な構造は、モーターとポンプの組み合わせです。モーターは電力を供給し、ポンプは液体やガスを移動させる役割を果たします。モーターポンプは電源に接続されて電力を受け取り、モーターが回転することでポンプが作動します。

また、必要に応じて高い圧力と流量を生成することが可能です。長距離の送液や圧力の要求される場面に適しています。給水システムや消防ポンプなどで使用され、大量の水を高い圧力で供給することが可能です。

現在使用されるポンプはほとんどがモーターポンプですが、エアー駆動ポンプやエンジンポンプなども存在します。

モーターポンプの使用用途

モーターポンプの使用用途を挙げると枚挙に暇がありません。以下はモーターポンプの代表的な使用用途一例です。

1. 水道水給水

モーターポンプは水道水の給水に使用されることがあります。特に高層ビルなど、水道水を建物の上層階に供給するために使用されます。高い圧力で水を送ることができる点が特徴です。

また、農地や温室への灌漑システムでもモーターポンプが使用されます。水源から水を吸い上げ、農地に供給するために使用されます。水源には水道水の他にも、井戸水や河川水が使用される場合が多いです。

2. 排水

地下室や地下駐車場では、湧水の排出が必要な場所も多いです。この排水にモーターポンプが使用されます。排水を効率的に屋外や下水道に送り出すことが可能です。

また、日常生活の例としては、浴室やトイレなどの生活排水を排出する際にも使用される場合があります。水を迅速かつ確実に処理し、下水道に送り出します。

3. 産業

液体燃料送液や機器冷却にモーターポンプが使用されます。ボイラーシステムがその一例です。発電所や製造工場で使用されるボイラーは燃料供給にポンプが必要であり、燃料タンクから燃料を燃焼装置に送り出すために使用されます。

また、蒸気タービンの潤滑油循環などにも使用されます。タービンは高速回転部品であり、摩擦や熱によって生じる摩耗を防ぐために潤滑油が必要です。モーターポンプは潤滑油をタービン内部に循環させる役割を果たします。

モーターポンプの原理

モーターポンプはモーター部とポンプ部に分かれます。

モーターは電気を供給すると軸が回転する機械です。モーターポンプ用としては、誘導モーターが使用されることが多いです。誘導モーターは磁界による誘導電流によって軸を回転させる方式で、堅牢かつ保守が容易な点が特徴です。

モーターの軸の先にはカップリングが取り付けられており、ポンプ軸と連結されます。モーターの回転によって連結されたポンプのインペラも回転し、遠心力によって流体を送り出す仕組みです。

インペラの根本にはメカニカルシールグランドパッキンが取り付けられており、ポンプ内の水が外に漏れ出しません。ただし、シール部が破損した際はポンプ内部の水が漏れてしまうため、メカニカルシールやグランドパッキンの定期的な交換が必要です。

モーターポンプの種類

モーターポンプには、ポンプ部分の違いによってさまざまな種類が存在します。

1. 渦巻ポンプ

ポンプのケーシング内部に羽根車状のインペラを備えた遠心式ポンプの一種です。ケーシングは渦巻きの形状をしており、ボリュートポンプともいわれます。

液体は中心部の吸込み口から羽根車に入り、回転による遠心作用によって高速で外側へ飛び出します。そして渦巻き室を通過するうちに徐々に減速して圧力に変換されます。

2. ダイヤフラムポンプ

ダイヤフラムと呼ばれる膜を往復動させることで流体を移送させるポンプです。容積式ポンプに分類されます。

ダイヤフラムポンプは強力な自吸能力を有するので、高い揚程を必要とするものや超高粘度液体の移送も可能です。そのため、化学プラントなどで多く使用されます。

3. プロペラポンプ

プロペラポンプはプロペラを使用して流体を押し出すポンプです。円筒形のハウジング内に回転するプロペラを持ち、ポンプの駆動力となるモーターによって回転させられます。プロペラは複数の羽根から成り、液体を吸い上げて加圧します。

プロペラポンプの特徴的な利点は、高い流量能力と効率性です。大量の液体を比較的低い圧力で効率的に移動することができます。ただし、圧力の増加には制限があり、高圧用途には適していません。

参考文献
https://www.tacmina.co.jp/products/pump/motor/about/
https://www.elepon.co.jp/products/cate1_1.html

ダボ錐

ダボ錐とは

ダボ錐とは、木材を組み合わせる際に穴を開けるためのドリルビットです。

木材の板を組み合わせる際に、円筒形の木片 (ダボ) を噛み込ませることで接合する方法をダボ継ぎと呼びます。このダボを噛み込ませるために開ける穴がダボ穴です。ダボ錐はダボ穴を開けるための専用工具です。

ダボ錐を使用することで、正確な位置と角度でダボ穴を開けることができます。これにより、木材を正確に組み合わせることが可能です。また、ダボと穴のフィット感を最適化することができ、接合部が強固になります。

ダボ錐の使用用途

ダボ錐は主に木工において使用されます。以下はその主な一例です。

1. 家具

家具製作において、ダボ錐は部品同士を正確に組み合わせるために使用されます。例えば、椅子や机の脚部分など、家具の組み立てにおいてダボ錐は欠かせません。ダボ穴を正確に開けることで、部品同士の組み合わせが綺麗かつ強固になります。

2. 建築

建築現場では、木材を組み立てて構造を形成する際にダボ錐が使用されます。木造住宅や木製屋根などでは、木材を接合する際にダボ錐が活躍します。正確な位置にダボ穴を開けることで、建築構造の強度や安定性を向上させることが可能です。

3. 伝統工芸

伝統的な木工技術や工芸品の製作においても、ダボ錐は重要な役割を果たします。和風家具や茶道具などの伝統工芸品の製作において、ダボ継ぎは一般的な技法です。ダボ錐を使って、伝統的な木工製品の部品を組み立てることも多いです。

4. その他

木工の修理やDIYなどにおいても使用される場合があります。木製の小物製作などにダボ錐を利用することが可能です。ダボ錐を使用することで、木工作業の効率性と品質を向上させます。

ダボ錐の原理

ダボ錐の原理は非常にシンプルです。ダボ錐を木材の表面に当てて本体を回転させながら力を加えることで、中心軸の錐状の先端が木材に穴を開けます。ガイドピンが正確な位置を指示し、中心軸の回転によって穴が形成される仕組みです。

ダボ錐には一般的に鋼材や硬質合金が使用されます。耐摩耗性が高く、熱に対しても耐性がある点が特徴です。耐摩耗性や耐腐食性を向上させたい場合には、チタンコーティング鋼が使用されることがあります。

近年では、電気の力で回転させるダボ錐が主流です。コンセントやバッテリーからの給電で動作する製品が多いです。これにより、手動作業よりもはるかに迅速かつ効率的に穴を開けることが可能です。

ダボ錐の穴サイズには規格があり、呼称サイズとして6、8、10、12mmなどがあります。これにより、既製品のダボなどを使用しても木材を接合させることが可能です。もっとも一般的な径は8mmおよび10mmです。

ダボ錐の選び方

ダボ錐を選ぶ際は以下の要素を考慮することが重要です。

1. 穴サイズ

ダボ錐は様々なサイズの穴を開ける製品が販売されています。用途に応じて適切な穴サイズを選択することが重要です。使用するダボのサイズに合わせて、適切なダボ錐を選びます。

2. 軸形状

ダボ錐の軸形状も重要な要素であり、六角軸と丸軸の2種類が一般的です。

六角軸のダボ錐は軸が六角形状になっています。ドリルチャックにしっかりと取り付けることができ、回転力が一定に保たれます。回転中に滑ることが少ない点が特徴で、より安定した穴あけが可能です。

丸軸は円形状のダボ錐です。電動ドリルなどに取り付けることができ、多くの種類のツールと互換性があります。ただし、ドリルチャックにしっかりと固定しないと、回転中に滑りやすい場合があります。

3. 材質

ダボ錐の材質はその耐久性や性能に影響します。一般的な材質としてはHSSやチタンコーティング鋼または硬質合金などがあります。耐久性を重視した製品にはダイヤモンドコーティングなどもあるため、要件や予算に応じて適切な材質を選択することが重要です。

4. 操作性

ダボ錐の操作性も重要な要素です。デザインや重量またはバランスなどが作業の快適さと効率性に影響します。適切なサイズとデザインのダボ錐を選ぶことで、作業効率を向上させることが可能です。

参考文献
http://cadiy3d.com/wp/archives/4894/
https://wawawork.work/workerstrend/skills/1350/
https://www.starminfo.com/jp/product/kagutategu/70.html

タッピングマシン

タッピングマシンとは

タッピングマシン

タッピングマシンとは、金属やプラスチックにネジを加工する機械です。

工業製品や建設物などの製造工程において使用される機械であり、素材の表面に対して高速でねじを切削することが可能です。これにより、生産性が向上し、製品の製造時間を短縮することができます。また、コンピュータ制御を使用する場合は非常に正確なねじ穴を作製できるため、製品の品質が向上します。

タッピングマシンの使用用途

タッピングマシンはネジ加工するために使用されます。適用される産業は建設業から製造業まで様々です。以下はその主な一例です。

1. 自動車産業

エンジン部品やシャシー、ボディパネルなどの金属部品には、数多くのねじ穴が必要です。タッピングマシンはこれらの部品にねじを切り込むために使用されます。また、自動車の組み立てラインで、ねじが取り付けられる工程にも使用されます。

2. 建設業

鉄骨構造や鋼製フレームなどの金属構造物の製造や組み立てにおいて、ねじ穴を作製するためにタッピングマシンが使用されます。これにより、部品の組み立てが簡素化され、強度や耐久性を向上させることが可能です。木造建築においては一般的に木ネジが使用されますが、稀にタッピングマシンが使用される場合があります。

3. 電子工業

電子機器の基板には部品やコネクタなどを取り付けるためのねじ穴が必要です。タッピングマシンはこれらの基板に精密なねじ穴を作るために使用されます。また、電子機器のケースやハウジングにも適用することが多いです。

4. 家具製造業

木製家具には組み立てや取り付けのためのねじ穴が必要な場合があります。タッピングマシンは木製の部品にねじ穴を作製し、家具の組み立てに使用されます。また、金属部品を使用する場合も同様です。

タッピングマシンの原理

タッピングマシンは基本的に素材にねじを切削する工程を自動的に行う機械です。

最初に加工する素材を適切に固定します。これは加工の精度や安全性を確保するために重要です。一般的に素材は、工作機械の台座やクランプによって固定されます。

タッピングマシンには、ねじを切削するための適切な工具が取り付けられます。これにはタップと呼ばれる専用の工具をしようすることが多いです。タップにはねじ山が切削されており、素材にねじを切る役割を果たします。

次に、数値制御 (CNC) システムなどによって工具を正確な位置に配置します。工具が素材に接触した後、タップを回転させながら素材に押し付け、ねじ穴を形成する仕組みです。この際に、素材と工具の摩擦によって熱が発生するため、対象物に切削油を付けながら作業をする製品が多いです。

タッピングマシンの選び方

タッピングマシンを選ぶ際は、以下の選定要素を考慮することが重要です。

1. 手動・自動

手動タッピングマシンは低コストであり、比較的単純な操作が可能です。小規模な作業やカスタマイズが必要な場合に適しています。自動タッピングマシンはCNC制御や自動化機能を備え、高い生産性と精度が求められる大量生産や高度な加工作業に有利です。

2. 適用材質

タッピングマシンの加工可能な材質も考慮することが重要です。一般的には鋼鉄やアルミニウム、真鍮などの金属材料に使用されます。アクリルやポリカーボネートなどのプラスチック材料にも使用される場合があります。

3. 適用ネジ径

タッピングマシンは加工可能なねじ径に制限があります。必要なねじ径に対応できるタッピングマシンを選択することが重要です。また、ねじの種類もミリネジやインチネジがあるため、注意して確認する必要があります。

4. 加工速度

タッピングマシンの加工速度は、作業効率に大きな影響を与えます。生産量や加工精度に応じて適切な加工速度を選択する必要があります。大量生産が必要な場合は高速なタッピングマシンを選択する必要がありますが、精密な加工が必要な場合は精度を重視する必要があります。

5. 冷却・潤滑

加工中の熱を制御するための冷却・潤滑システムが重要です。これにより、工具の寿命が延び、加工品質が向上します。適切な冷却・潤滑システムを備えたタッピングマシンを選択する必要があります。

参考文献
https://blog.goo.ne.jp/marui_0101/e/493d5256deca530904cb2b9442e2b4d4
http://nippon-tapper.co.jp/Products-PAC.html
http://www.nippon-tapper.co.jp/Products.html

サーキットテスタ

サーキットテスタとは

サーキットテスタ

サーキットテスタとは、車載電装品やバッテリーなどの電流や電圧や、抵抗などを測るために使用する道具のことです。

電流が流れているかどうかだけがわかる検電テスタとは異なり、測定した電流や電圧などの数値まで計測することができ、その値の表示を針で表示するタイプのアナログテスターと、数字をモニターに示すデジタルテスターがあります。

サーキットテスタの使用用途

サーキットテスタは、主に車両のメンテナンス時に使用します。

検電テスタは、通電しているプラス線のみを検知できますが、サーキットテスタはマイナス線も検知することができ、消費電流を調べることが可能なため、適切なアンペアのヒューズを入れる際などに使用することが可能です。

また、リレーやスイッチを使用する際に、許容する電流値を超えていないかを調べることも可能です。

サーキットテスタの原理

サーキットテスタには、日本語表記が付いており、2000カウントで使いやすい大型ロータリースイッチも装着しています。マニュアルレンジは広い測定レンジを装備したマニュアルDMMで、暗い所での測定に便利なバックライトを備えており、LCD装備でDC10Aレンジが付いています。

サーキットテスタは電圧と抵抗を自動的に探知して測定可能で、壁の中や天井裏の活線探知ができるうえ、大きくはっきりした表示で読み取り易さ抜群です。

1台で様々な電装系チェックに対応可能で、ダイレクトイグニッションタイプ、ハイテンションコードタイプのエンジン回転数の測定が可能です。超薄型で、軽量DMMなので携帯に優れており、各レンジとスイッチを色分けしており、操作性が高いです。また、テストリード固定機能付きのホルスタで、テスタを置けない場所での測定に適しています。

様々な測定に対応しており、バッテリー電圧・オルタネータ充電電流・暗電流の測定のほか、水温センサーチェック・導通試験・ダイオードテスト・ノイズ防止用コンデンサーチェック・各種抵抗チェックも可能で、また、温度測定も可能ですので、エアコン吹き出し口の温度測定にも利用できます。

参考文献
https://www.goo-net.com/knowledge/15107/
https://www.diylabo.jp/column/column-498.html
https://www.kaise.com/j_car_kt2022.html

ゴムシール

ゴムシールとはゴムシール

ゴムシールとは、機器の保護とパッキンの機能維持を目的として、外部からのダストなどの侵入を防止するためのシールのことです。

一体溝に装備することが可能で、油のかき出し防ぐための、ダブルリップのゴム単体のダストシールもあります。ゴムシールの材料には、ニトリルゴムフッ素ゴムなどが使用されているため、広い温度範囲で利用可能です。

ゴムシールの使用用途

ゴムシールは、様々な個所をシールして適度な封をするのに用いられています。ゴムシールの用途の一例は、以下のとおりです。

  • 各種機械のグリース
  • ダストのシール
  • 往復運動用のダストシール
  • 隙間用
  • ころがり軸受用プランマブロックのグリースシール
  • 自動車の防振及び風切音の防止
  • ヘルメットボックスのパッキン

ゴムシールの原理

ゴムシールのうち、接触型ゴムシールである (DDUまたはLLU) は、摩擦トルクが大きいです。高速性に限界がありますが、グリース密封性は非接触型ゴムシールよりもやや良く、防塵性は最も優れていて、防水性も良好です。

これに対して、ゴムシールのうち、非接触型ゴムシールである (VVまたはLLB) は、摩擦トルクは小さく、高速性は良好と言えます。グリース密封性はシールドより良好で、防塵性もシールドより良好ですが、防水性は不適です。

一方、シールド (ZZ) は摩擦トルクは小さく、高速性は良好でとなっています。また、グリース密封性や防塵性も良好ですが、防水性は不適です。接触式ゴムシールは、ゴムのシール板を外輪にはめ込む構造をしていてます。

ゴムシールが内輪と接触するため、外部からのゴミの侵入を極めて少なくできます。シール材料は主にNBRで、限界使用温度範囲は−40~+120℃程度です。

ゴムシールの種類

1. Oリングシール

Oリングシールは、円形の断面を持つ環状のゴムシールです。一般的にゴムの耐久性と圧縮性により、液体や気体の漏れを防止するために使用されます。

配管や接合部など、狭いスペースに適応できるシンプルな構造を持っています。液体や気体の圧力によってゴムが圧縮され、周囲の部材との隙間を埋めることでシール効果を発揮する製品です。

2. フラットゴムシート

フラットゴムシートは、シート状のゴムを使用したシール材で、様々な厚さやサイズがあります。特定の形状や寸法に合わせてカット加工できるため、特殊な用途に適したシール材として利用できるゴムシールです。

建築、車両、産業機械など様々な分野で使用され、防水性や振動吸収性に優れた性質を持ちます。また、電気絶縁材としても利用されることがあります。

3. エクスパンションジョイント

エクスパンションジョイントは、ゴム製の伸縮性のあるシール材です。建築物や橋梁、パイプラインなどの構造物に使用され、温度変化や振動による変位を吸収する役割を果たします。

温度の変化による膨張や収縮に対応し、構造物のクラックやダメージを防止します。耐久性や耐候性が求められるシール材として、長寿命化や安全性確保に効果的です。

4. ダイヤフラムシール

ダイヤフラムシールは、薄く柔軟なゴム製の膜状のシールです。外部からの圧力変化に応じて変形し、液体や気体の制御弁、ポンプ、計器などの装置で使用されます。

高い柔軟性と耐久性を持ち、高精度な制御が必要な場所で利用されます。また、薄くて軽量な構造が、装置の効率と性能を向上させる製品です。

5. スポンジゴムシール

スポンジゴムシールは、ゴム素材を発泡させた軟質なシール材です。不均一な表面に密着しやすく、防水性や防塵性に優れています。

電子機器、車両、家具などの組み立て部で使用され、振動吸収性が求められる場面や隙間を埋めるためのパッキング材として広く利用されます。スポンジゴムシールは柔軟で形状に応じて自在に使えるため、様々な工業製品の設計に適したシール材です。

参考文献
https://www.monotaro.com/s/q-%83S%83%80%83V%81%5B%83%8B/
http://www.bea.hi-ho.ne.jp/m-seki/zvd.htm
https://www.ezo-brg.co.jp/product/document-detail04.html
https://okayasu-rubber.co.jp/products_07_1.html

コネクターキャップ

コネクターキャップとは

コネクターキャップ

コネクターキャップとは、コネクターのメス部分 (受け側) を保護する役割を果たし、異物の侵入や損傷を防止するアクセサリーです。

多様な用途や形状があり、データセキュリティやウイルス感染防止に寄与します。一方、コネクターカバーは、コネクターのオス部分 (ケーブルのプラグ) を保護する目的で使用されるものです。

両者は、それぞれ異なる部分を保護するために活用されています。使用目的や対象となるコネクター部分が異なる点に注意が必要です。これらの違いを理解し、適切な保護アクセサリーを選択することで、コネクターの寿命を延ばし、安全性も向上します。

コネクターキャップの使用用途

コネクターキャップの主な用途は、誤挿入防止やコネクター端子の保護、セキュリティ対策です。その他、以下のような目的で使用されています。

1. 異物の侵入防止

接続部分用のキャップは、コネクターの嵌合部を保護し、結線部分用のキャップは、ワイヤーが接続されている部分を保護します。これらのキャップは、未使用のコネクターに装着されることにより、結合部にほこりや異物が混入するのを防止します。また、通電部の接触事故を防ぐ役割も果たします。

2. 誤挿入防止

コネクターキャップを使用することで、USBメモリやその他のデバイスが誤って挿入されるリスクを簡易的に抑制できます。

3. セキュリティ対策

データ漏洩やウイルス感染防止の目的で使用します。

4. アクセサリーとして

コネクターキャップは、コネクターの保護だけでなくスマートフォンやタブレット、ノートパソコンなどのアクセサリーとして利用されることがあります。各デバイスに対応したUSBタイプやオーディオジャックタイプに接続し、個性や趣味を表現することができます。また、プレゼントやギフトとしても喜ばれることが多いです。

コネクターキャップの種類

コネクターキャップには、接続部分用と結線部分用の2種類が存在します。また、機器やインターフェースに応じてさまざまなタイプが存在します。以下はその一例です。

  • PC用
  • PDA用
  • USB-Aタイプ用
  • USB-Bタイプ用
  • ネットワークLANモジュラージャックコネクター用
  • モバイル機器用
  • カードリーダ用
  • スマートデバイス機器用
  • マイクロタイプ小型USB機器用
  • ハンディUSB機器用
  • メモリカードリーダ用
  • 電話モジュラージャックコネクター用
  • デジタル映像機器用のVGAやDVIコネクター用

コネクターキャップの構造

コネクターキャップは、一般的にコネクタに挿入する形状をしています。しかし、最近では機器と一体化したスライド型カバーも提案されています。

このカバーは機器本体に一体化されており、コネクターの端子部分を保護しながら、必要に応じて簡単に開閉できるのが特徴です。スライド機能を活用することで、カバーが邪魔にならず、コネクターの使用が容易になります。

また、カバーが機器本体に一体化されているため、取り外しや紛失の心配がなく、常に適切な保護が提供されます。このようなコネクターカバーは、電子機器の耐久性や信頼性を向上させるために非常に役立ちます。特許では、様々な電子機器に適用可能であることが強調されており、広範な市場での利用が期待されています。

コネクターキャップのその他情報

コネクターカバーとの相違点

コネクターキャップは、機器のメスコネクタを保護するために使用されます。一方コネクターカバーは、ケーブルのプラグ部分 (オスコネクター) を保護するために使用されます。

しかしながら、区別されずに呼ばれることも多いため、文章や会話では文脈からどちらの部品を取り扱っているのか注意する必要があります。

参考文献
https://www.monotaro.com/g/00410425/
https://www.technoveins.co.jp/c/products/portcap/