ひずみセンサー

ひずみセンサーとは

ひずみセンサー

ひずみセンサーとは、被測定物のひずみを電気信号の変化として検出し、この電気信号の変化からひずみの量を測定する測定器です。

非常に高精度かつ早い応答の測定が可能なうえ、静的および動的いずれのひずみ測定にも対応しています。

ひずみセンサーの使用用途

ひずみセンサーは、自動車や鉄道、航空機の輸送機、ビルなど建造物の強度や安全性の確認に使用されています。また、臨床医学やリハビリテーション、人間工学などにも使用され、広範囲の分野での物理量計測に重宝されています。

さらに、ひずみセンサーを応用したセンサーとして、加速度センサーやロードセル、圧力センサー、変位センサーやトルクセンサーなどが挙げられます。

ひずみセンサーの原理

ひずみセンサーの一般的な構造は、薄い絶縁膜の上に薄い金属膜よりなるジグザク状の配線が形成された構造です。なお、金属膜よりなる配線はフォトエッチング加工により形成されており、ひずみセンサーは専用の接着剤で被測定物に貼り付けられています。

ひずみセンサーは、サンプル表面のひずみを電気信号として変換することで測定を実施しています。このセンサではサンプルのひずみに応じて電気回路全体の抵抗値が変わるため、抵抗の測定によってひずみを定量することができます。ひずみセンサーを被測定物に貼り付けた状態で被測定物がひずむと、ひずみセンサーのジグザク状の配線はひずみに合わせて伸縮します。

配線が伸びると配線の断面積が小さくなって電気抵抗値が上がり、配線が縮んで断面積が大きくなれば電気抵抗値が下がります。この電気抵抗値変化からひずみ量を測定し、定量化が可能です。このひずみセンサーの微小な抵抗値の変化の検出には、ホーイストンブリッジ回路が利用されています。

ホーイストンブリッジ回路では、ブリッジの入力側に電圧を印加し、出力側では被測定物のひずみにより変化した電圧を測定しています。この差分からひずみセンサーの配線の電気抵抗値の変化を検出し、そこから被測定物のひずみの定量化が可能です。なお、ひずみセンサーの配線は、金属箔よりなるものが主流ですが、半導体からなるものもあります。また、セラミックスの圧電効果を利用したひずみセンサーも存在します。

ひずみセンサーの種類

ひずみセンサーには、ジグザク状の配線を持つ素子が1個のみ配されている単軸のもののほか、2個以上配されている多軸のものがあります。多軸のものでは、2個の素子の一部が重なるように配されています。

ポアソン比の測定に適したものや、3個の素子の一部が重なるように配されて、応力解析に適したものなどさまざまです。また、複数の素子を並列に配したものは、応力集中部のひずみ解析などに好適です。

ひずみセンサーの選び方

被測定物に応じて、ひずみセンサーの種類やひずみ方向の配線部の長さ (ゲージ長) を選択するのはもちろんのこと、ひずみセンサーの線膨張係数を被測定物の線膨張係数に合わせるのが重要なポイントです。

ひずみセンサーのその他情報

1. 被測定物の表面処理

正確に測定するためには、被測定物のサビや塗料などを除去する必要があります。また、被測定物の表面をサンドペーパーなどで整え、ひずみセンサーを接着する面の脱脂をするのも重要です。

2. ひずみセンサーの貼り方

ひずみセンサーを使用して正確に測定するためには、まず被測定物の測定したい位置を正確に決めてマーキングします。その後、ひずみセンサーの裏側に指定の接着剤を付け、被測定物のマークとひずみセンサーのセンターマークを合わせて圧着します。

瞬間接着剤を使用した場合でも、十分な乾燥時間を確保するのが重要なポイントです。

3. ひずみセンサーの精度

ひずみセンサーでは、ジグザグ状の配線部分の電気抵抗値の変化を利用してひずみの量を測定していますが、抵抗値の誤差やひずみセンサーの配線特有の誤差による測定誤差が生じます。また、ひずみセンサーと電源をつなぐリード線の抵抗、試験環境の温度や湿度なども測定誤差の要因です。

そこで、特定のひずみセンサーとデータロガーの組み合わせを使用してこれらの誤差を自動的に修正する装置もあります。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jime1966/16/6/16_6_465/_pdf/-char/ja

CCDセンサー

CCDセンサーとはCCDセンサー

図1. CCDセンサーの上面概念図

CCDセンサー (英: Charge-Coupled Device sensor) とは、電荷結合素子として光の強度を電荷に変える半導体デバイスです。

CCDセンサーはイメージセンサー (撮像素子) の一種で、CCDと呼ばれることもあります。2004年に出荷数でCMOSセンサーに追い越されるまで主流でした。

画素と呼ばれる多数の素子を図1に示すように碁盤目状に並べて構成されています。カメラの画素数とは、この素子の数を指し、ピクセルという単位を使います。実際には何百万ピクセルという数値が一般的です。

光の3原色赤、緑、青 (RGB) またはその補色のシアン・マゼンダ・イエロー・グリーン (CMYG) を透過する画素をモザイク状に並べ、一つ一つの画素から縦横順番に転送しアンプで信号増幅して画像データとして転送されます。この一連の動きはバケツリレーと呼ばれることが多いです。図1では配線が画素の横にあるように表示していますが、実際には配線部は画素の下に配置されます。(図2参照)

CCDセンサーの使用用途

カメラ、ビデオカメラやスキャナーにおいてはCMOSセンサーが主流ですが、CCDセンサーは長時間露光での感度が優れているため、多くの普及型デジタルカメラや天体望遠鏡、顕微鏡などでよく使われています。

近年では携帯電話の内蔵カメラでCCDセンサーを採用するものが増えてきています。光量計測、イメージ計測、DVDのピックアップ、光通信における光信号検出など多くの分野で使われている光検出器です。

CCDセンサーの原理

フォトダイオードの空乏層が光を受光すると内部に電子と正孔対が形成されます。これを光電効果と呼びます。光の強度が上がると蓄えられる電荷の量が増えていきますが、光を当てることで光の強度に応じた電圧が生まれる現象を光起電力効果と呼びます。

電子・正孔対は空乏層の内部電界によって電極収集され、電流が流れます。CCDセンサーは、このように光の強さを電気信号に変換する役割を持ちます。

CCDセンサーの構造

CCDセンサーは図2に断面図を示すように、光の入射側に集光レンズ、特定の波長の光を透過するフィルタと上下に金属電極 (陰極、陽極) で挟まれ、主にシリコンで形成されたp型、n型、i型の半導体の層をもつフォトダイオードで形成されます。

1. マイクロレンズ

光を集光するために画素の最上面にはそれぞれマイクロレンズが配置されます。ガラスまたは樹脂材料を用いて半導体デバイスと同じ方法でウエハー上に形成されるため、オンチップマイクロレンズとも呼ばれます。

2. カラーフィルタ

図2. CCDセンサー画素断面概念図

カラーフィルターは、特定の波長範囲の光だけを選択的に透過させる性質を持つカラーレジスト膜を薄いガラス基板上に形成し、赤 (R,波長640~770nm) 、緑 (G,波長490~550nm) 、青 (B、波長430nm~490nm) の光を直下のフォトダイオードに入射させます。隣同士の色の混入を防ぐため、カラーフィルタ間に薄いブラックマトリックスと呼ばれる黒い仕切りを形成します。半導体ウエハーの上に半導体と同じ製造工程で作られるため、オンチップカラーフィルタとも呼ばれます。

3. フォトダイオード

図3. フォトダイオードの構造と動作概念図

フォトダイオードは上面 (光の入射側) にp型の半導体、下面にn型の半導体で構成され、上面に陽極、下面に陰極を接合します。p型の半導体とn型の半導体の接合部 (pn接合) には、空乏層と呼ばれる電荷のない内部電界が形成されます。

参考文献
https://global.canon/ja/technology/s_labo/light/003/04.html
https://www.tem-inc.co.jp/contents/small-camera/167/

ピストンポンプ

ピストンポンプとは

ピストンポンプ

ピストンポンプ (英: piston pump) とは、ピストンの往復運動により液体や気体を供給・移送するポンプです。

円筒状のピストンが、ポンプ筐体内のシリンダ内部で直線往復運動するときに生じる容積変化を利用して、液体や気体を移動させます。ピストンと2つの弁の組み合わせによる最も単純な構造のピストンポンプは、古くから井戸などに利用されています。高い吐出圧を持つ特性を活かし、工業分野でも広く普及しています。

ピストンポンプは、容積式ポンプの一つです。容積式ポンプには、歯車式・ベーン式・スクリュー式・スクロール式・プランジャ式・ダイアフラム式などがあります。

ピストンポンプの使用用途

構造が比較的単純で取り扱いも容易なピストンポンプは、古くから手動井戸用ポンプや灯油ポンプとして日常生活で身近に利用されています。その他、具体的な使用用途は以下の通りです。

  • 工業的生産ラインにおける排水システム・粘度の高い液体の移送システム・上下水道ライン・高圧ガスライン等
  • 食品油・食品材料・化粧品・薬液・試薬・電解液・シャンプー・リンス・添加剤・香料等の移送や定量充填
  • 油圧ポンプとして建設車両・鉄鋼・造船・工作機械・産業機械等
  • 下水脱水ケーキ・異物を含んだ下水脱水スラッジ・石炭スラリー等の搬送

ピストンポンプの原理

基本的な作動原理はどのポンプでも共通で、吸入と吐出を繰り返すことで液体や気体を移送します。ピストンポンプは、吸入口と吐出口には弁を設け、逆流を防止し、圧力をかけることができます。

ピストンポンプの容量を決める要素は、ピストン径・ストローク・ピストン数の3つです。流量は回転数で決定されます。そして、ポンプの特性は、横軸に流量、縦軸に圧力を表したチャートで示します。液体用途のピストンポンプの特性は、流量に対する圧力の変化が非常に小さいのが特徴です。

ピストンポンプのうち、アキシャル形やラジアル形では、容量を連続的に変化させることができます。必要容量が変化しても、回転数を変えずに容量が変えられるため、制御が容易で省エネにもなります。

ピストンポンプの特徴

1. 高い圧力に対応可能

ピストンポンプは、他の形式のポンプに比べ耐圧が高く、50MPaクラスまで対応できます。ポンプ効率も高い特徴があります。

2. 可変容量形への展開

アキシャル形やラジアル形のピストンポンプは、可変容量形への展開が比較的容易です。

3. モーターとしての利用

アキシャル形やラジアル形は、ポンプとモータとは基本的に同一設計であり、モーターとしても使用できます。そして、ポンプとモータとを接続して動力伝達ができます。

ピストンポンプの種類

ピストンポンプは、アキシャル形・ラジアル形・レシプロ形の3種類に大きく分類されます。

1. アキシャル形

複数のピストンを駆動軸に近い方向に配置しているもので、ピストンが往復運動する方法により、斜軸形と斜板形の2種類に分けられます。また、同じ構造でモータにもなるので、容積式ポンプの中で最も多く使われています。

アキシャルピストンポンプは、斜軸や斜板の角度を変えることにより、ピストンによる押しのけ容積を変えて、可変容量形にすることが可能です。ゼロから最大容積まで連続的に変化できます。

2. ラジアル形

複数のピストンを駆動軸に対し、ラジアル方向に環状配置して、偏心カムリングやカムによりピストンを往復運動させる方式です。偏心したカムリングを使った偏心ラジアルポンプは、ピストンとシリンダブロック全体が回転することにより、ピストンが往復運動します。モーターとしても使用できます。

偏心ラジアルポンプは、カムリングの偏心量を変えることにより、可変容量形になり、応答性も優れています。

3. レシプロ形

レシプロ形は、クランク軸やカムを駆動して、ピストンを往復運動させる方式です。単動単ピストン・複動単ピストン・並列複数ピストンなどの種類があります。吸入口・吐出口に弁があり、モーターの用途には不向きです。構造的に大きさ・重量が大きくなりますが、他方式に比べ、比較的高圧に対応できます。

参考文献
https://www.apiste.co.jp/column/detail/id=4599
https://xn--zck0cra1cf9c3c.jp/knowledge/detail08/
https://monozukuri.sqcd-aid.com/

プランジャーポンプ

プランジャーポンプとは

プランジャーポンプ

プランジャーポンプとは、液体や気体を供給、移送する目的で利用されるポンプの一種類です。

円筒状のピストン(プランジャ)が、ポンプ筐体内のコンパートメント内部で直線往復運動するときに生じる容積変化を利用して液体や気体を移動させる構造です。

作動原理および構造上

  •  吐出量の正確な調整が可能である
  •  高い吸込吐出圧の設定が可能である

などの特徴を持つため、高い定量性の求められる機器や、高い吐出圧が必要な機器に利用されています。

プランジャーポンプの使用用途

吐出量の正確な調節が可能なため、下記のような高い定量性が求められる場所で利用されています。

  •  化学実験装置
  •  インスリンポンプ療法などに使用される医療用薬剤注入器
  •  自動車の燃料供給
  •  医薬品製造ラインにおける液体の混合
  •  食料品製造ラインにおける材料の注入
  •  上水道施設における塩素投入
  •  貯水槽の水質管理用機器

また高い吐出圧を実現することが可能で、その特性を活かし家庭用高圧洗浄機や高圧ガス機器にも使われています。

プランジャーポンプの原理

基本的な作動原理はどのようなポンプでも共通で、“吸込み”→“吐出”の過程を繰り返すことで液体や気体を移送します。この過程を繰り返すために、筐体にあるコンパートメント(小部屋)内の容積を変化させ、内部の液体または気体に圧力をかけることで移送に十分なエネルギーを与えます。このような作動原理を持つものを容積式ポンプと呼びます。

容積式ポンプは容積変化を誘起する内部のメカニズムの違いにより、往復ポンプと回転ポンプの2種類に大別されます。

往復ポンプは注射器と同じ原理で、可動部を直線往復させることで液体や気体の吸込み・吐出を行います。

回転ポンプは羽根車やローターなどが回転する際に、一定量の液体や気体を移動させる仕組みになっています。

その作動原理と構造が持つ特性から、容積式ポンプは定量ポンプとも呼ばれ、高い精度で一定量の液体や気体を吸込み・吐出することが可能です。

プランジャーポンプは往復ポンプの一種類で、その名の通りプランジャの直線往復運動によりコンパートメント内の容積変化を実現しています。

参考文献

https://xn--zck0cra1cf9c3c.jp/knowledge/detail07/

https://www.apiste.co.jp/column/detail/id=4599

https://www.monotaro.com/s/pages/productinfo/teiryou_ponpou/

ペルチェモジュール

ペルチェモジュールとは

ペルチェモジュール

ペルチェモジュールとは、熱電効果を利用して熱と電気を相互に変換するための装置です。

ペルチェ効果と呼ばれる現象を利用して、電流が通ることで一方向に熱が移動します。ペルチェ効果は、19世紀にフランスの物理学者ジャン=シャルル・アサユール・ペルチェによって発見されました。

この効果は、異種の導電体を接触させた場合、電流が流れることで熱の移動が生じる現象です。一般的には、セラミックやセミコンダクタ材料で作られた複数のペルチェ素子から構成されます。

ペルチェモジュールは比較的小型であり、高い制御性能を持つため、電子機器の冷却や熱管理にも利用されます。機械的な部品を使わないため騒音を発生させず、部品の消耗などに考慮する必要がありません。ただし、効率の面では改善の余地があり、他の冷却・加熱技術が効果的である場面も多いです。

ペルチェモジュールの使用用途

ペルチェモジュールは、さまざまな用途で使用される部品です。以下はペルチェモジュールの使用用途一例です。

1. 電子機器の冷却

ペルチェモジュールは、電子機器内で発生する高熱を効果的に排熱するために使用される装置です。コンピュータの中のCPUやグラフィックスカードは、高負荷時に大量の熱を発生します。ペルチェモジュールは、これらの部品に直接取り付けられ、冷却を行うことが可能です。

一方の側に電流を通すことで、他方の側が冷却されます。これにより、電子機器の動作温度を下げ、性能の安定性や信頼性を向上させることが可能です。

2. 冷蔵庫・冷却装置

一部の小型冷蔵庫や冷却装置には、ペルチェモジュールが使用されています。ペルチェモジュールは、小型で静音性が高く、移動が容易な点が特徴です。

そのため、個人用の小型冷蔵庫や冷却装置、ホテルの客室向け冷蔵庫として使われることがあります。ただし、大容量の冷却や高効率の冷却が必要な場合には、圧縮冷凍機などが適していることが多いです。

3. 光学機器の冷却

ペルチェモジュールは光学機器の冷却にも使用されます。望遠鏡やレンズなどの光学装置部品は、熱による膨張や収縮で光学特性が変化することも多いです。光学素子を冷却することで温度変化を最小限に抑え、光学系の安定性や精度を向上させることができます。

また、半導体レーザーなどは駆動によって温度が高くなることがあります。過熱による故障を防止するために、ペルチェモジュールで冷却する場合も多いです。

ペルチェモジュールの原理

ペルチェモジュールの原理は、熱電効果と呼ばれる現象に基づいています。熱電効果は、異種の導電体を接触させた場合に電流が流れることで熱の移動が生じる現象です。ペルチェモジュールは、この熱電効果を利用して熱と電気を相互に変換する装置です。

ペルチェモジュールの素材は、P型半導体とN型半導体および金属によって構成されます。2枚の金属板の間に、P型半導体とN型半導体が交互に接合された構造です。N型半導体からP型半導体に電流が流れると接合されてる金属板は冷却をされ、P型半導体からN型半導体に電流が流れると加熱をされます。

なお、ペルチェモジュールに温度差を印加すると、電圧が発生します。この現象はゼーベック効果または逆ペルチェ現象です。熱電対温度計などに応用されます。

ペルチェモジュールの選び方

ペルチェモジュールを選ぶ際は、動作電圧、発生温度差・吸熱量、寸法などを考慮します。

1. 動作電圧

動作電圧は、ペルチェモジュールが許容可能な電圧です。DC電源を供給する必要があり、30V以下の低電圧製品が多いです。選ぶべき動作電圧は使用する電源や制御システムの仕様に合わせる必要があります。

2. 発生温度差・吸熱量

ペルチェモジュールは、冷却または加熱を実現するために温度差を発生させます。必要な冷却・加熱能力に応じて、モジュールの発生温度差と吸熱量を選定することが必要です。大きな温度差と高い吸熱量が必要な場合は、それに対応する能力を持つモジュールを選択します。

3. 寸法・形状

使用する環境や装置の制約に基づいて、ペルチェモジュールの寸法と形状を選ぶことが必要です。空間の制約や設置場所の形状を考慮し、適切な寸法と形状のモジュールを選択します。特に、小型のモジュールや特殊な形状が必要な場合は、それに合致したモジュールを選定します。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/micromechatronics/48/1/48_KJ00001061035/_pdf/-char/ja
http://mcm-www.jwu.ac.jp/~physm/buturi18/perutye/WPE.htm

ボンド磁石

ボンド磁石とは

ボンド磁石は、微粒子状に砕いた磁石をゴムやプラスティックなどに練り込んで加工成形された磁石の総称です。

通常のフェライト磁石を使ったものは、冷蔵庫やショーケースのドアシールに使われたり、板状にして表面をプラスティック加工することでホワイトボードとして利用されています。

また、ネオジム磁石をはじめとした磁力の高い希土類磁石を用いたものは、さまざまなかたちに成形され小型モーターや電子部品、電車の駆動モーターなど工業的にも利用されています。

ボンド磁石の使用用途

ボンド磁石は自由に設計・製造できることに加え、製造後の加工成形も可能です。

フェライト磁石を使ったものは、磁石テープ、磁石シートとして日常生活で手軽に利用されているほか、冷蔵庫のドアに使われたりホワイトボードとして利用されています。

ネオジム磁石やサマリウム鉄窒素磁石などの極めて磁力の高い磁石を用いたものは、小型モータにくみこまれハードディスクに利用されたり、自動車や電車、エレベータなどの駆動モーターとしても活用されています。

ボンド磁石の原理

現在工業的に使用されている永久磁石は、鋳造磁石、焼結磁石、ボンド磁石に大別されます。

このうちボンド磁石(Polymer bonded magnet)は、高分子樹脂やゴムなどのバインダーにフェライト磁石や希土類磁石の微粒粉末(磁粉)を高濃度で練り混ぜて分散させた磁石コンパウンドから製造されます。

製造後、精度よく複雑な構造に加工成形することも可能で、割れにくい、欠けにくい等、優れた機械的特性を持つだけでなく、鋳造磁石、焼結磁石では不可能な金属との一体成形、薄型化や長尺広幅化も容易に実現できます。

量産も可能で工業材料としてたくさんの優れた長所を持っています。

特に高い磁力を持つ希土類磁石を利用したものは、現在広く使われている小型モーターや電子部品には不可欠で、ボンド磁石自体の高性能化によりさらなる小型化、効率化が可能になります。

また発電機の小型化・ハイパワー化にも希土類ボンド磁石は有用で、今後エネルギー生成分野での活用も広がると期待されています。

ボンド磁石と焼結磁石の違い

ボンド磁石は磁性粉末を樹脂で固めて作られます。それに対して焼結磁石は、磁性粉末をプレス成形した上に高温で焼き固めることにより作られます。

磁気特性と耐熱性という観点から比較すると、樹脂を混ぜて製造されているボンド磁石よりも、そうではない焼結磁石の方が優れています。これは、ボンド磁石に混合されている樹脂が、非磁性の物質であるためです。

しかし、寸法の精度に関しては、複雑な加工が可能なボンド磁石の方が優れています。なぜならば、焼結磁石は製造の過程での焼結収縮が大きいためです。

ボンド磁石がモータの進化を支える

環境問題が深刻化する今日、モータの市場も大きく変化しています。モータは、自動車や家電など、様々なシーンで使用されており、日本国内の総消費電力に占めるモータの割合は大きいものとなっています。このモータに使う電力を節約することは、低炭素社会を実現するためにとても重要な課題であるといえます。

そうした背景の中、需要が高くなっているのがPMモータです。PMモータとは、ロータ(回転子)部分に永久磁石を使用した同期モータのことです。

永久磁石を使用するPMモータは、そうではないモータ(誘導モータなど)と比較すると省エネルギーかつ高効率です。なぜならば、PMモータはロータに2次電流が流れないようになっているため、ロータにロスが発生しないからです。

PMモータは、ロータ部分の構造によってさらに2種類に分けられます。SPMモータとIPMモータです。SPMモータはロータ部分に永久磁石を「貼りつけた」もので、IPMモータはロータ部分に永久磁石を「埋め込んだ」ものです。磁石を埋め込む構造のIPMモータの方が、高速回転が可能で機械的な安全性が高くなっています。

これらのPMモータの技術を支えているのは磁力の強い希土類磁石ですが、希土類磁石は中国の輸出規制などで価格の高騰や供給量の不安定さなどの調達リスクが指摘されています。

しかし近年、希土類磁石ではないサマリウムを原料としたボンド磁石を活用したIPMモータが発明されるなど、新技術の開発が進んでいます。ボンド磁石は、モータの進化を支えているのです。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/adhesion/49/6/49_6-4/_pdf/-char/ja
https://www.shinetsu-rare-earth-magnet.jp/design/words/sintered_m.html
http://www.htc.co.jp/12cyuseishi/kaisetsu/Glossary/21j070.pdf
https://www.e-mechatronics.com/mailmgzn/backnumber/201904/mame.html
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1901/25/news047.html

熱流体解析

熱流体解析とは

熱流体解析とは、実際に起きている風や熱の現象をコンピュータ上で数値計算を行い、現象の再現と検証を行うツールです。

様々な分野において、製品の高性能化および高機能化の開発が求めらています。加えて短い開発期間の中で、信頼性のあるものづくりが求められています。熱流体解析を用いれば、実証試験の手間が減少し、開発工数が短縮します。また、実測不可能な場所におけるデータが既知となったり、機器の構造の最適設計が可能となります。

このように、熱流体解析は近年のものづくりにおいて、欠かせない解析ツールの一つとなっています。

熱流体解析の使用用途

熱流体解析を通じて、試作回数が低減し、開発の手戻りが抑制されます。また、実験に危険を伴う場合や計測が困難な現象に関してコンピュータ上でシミュレーションを行い、事前検証が可能となります。

例えば、機械のエンジンルーム内の熱流体解析では、部品の熱的信頼性や冷却性能の評価に活用されています。

設計の事前検証や現象の可視化が可能であるため、自動車、航空機、船舶、半導体、建設機械、農業機械、建築など様々な分野で用いられています。

熱流体解析の原理

熱流体の基礎方程式として、連続の式(質量保存)、運動方程式(運動量保存)、エネルギー方程式(エネルギー保存)の3つの方程式があります。これらの物理法則にしたがって、様々な物理量をとくことが出来ます。

  • 連続の式(質量保存)
    野球のボールを例にとって紹介します。野球のボールは砂ではないので、ボールは移動中に分裂はせずに質量は変化しません。ボールの質量は時間変化による質量変化がありません。これを式で表したのが連続の式(質量保存)になります。
  • 運動方程式(運動量保存)
    これはニュートンの運動方程式・第2法則に基づいています。F=maである力の釣合いを考えることで運動方程式を作ります。また、その系の運動量の総和は不変である運動量の保存則からも導くことができます。
  • エネルギー方程式(エネルギー保存)
    これははすべてのエネルギーの総和が保存されるという式です。
    内部エネルギー、運動エネルギーなど、すべてのエネルギーが含まれています。

参考文献
https://www.irii.jp/staff/home/sintan/bcfd01.pdf

油圧モーター

油圧モーターとは

油圧モーター

油圧モーターとは、油圧エネルギーを使用して回転力を発生する装置です。

油圧エネルギーは、基本的に油圧ポンプなどから供給されます。油の向きを変えることで、逆回転も可能な仕様の製品が多いです。

出力に対して体積が小さく、コンパクトな設計が可能です。基本的には油を流すだけのため、構造がシンプルで小型化することができます。小さな体積で大きな力を出せるので、大きな力が必要な用途に使用されます。

また、構成部品のほとんどが金属であり、高温多湿・粉塵の多い場所でも使用することが可能です。工事用重機などに多く使用され、水中で使用できる場合もあります。構造も簡単なため、故障しても修理が容易です。

油圧モーターの使用用途

油圧モーターはさまざまな用途で使用される機器です。以下は油圧モーターの使用用途一例です。

1. 建設機械

ブルドーザーやラフタークレーンなどの建設機械において、油圧モーターは駆動源として使用します。これらの機械は、地面の掘削や建築資材の運搬などの重い作業を行います。油圧モーターによって高いトルクとパワーを生み出し、作業効率を向上させることが可能です。

2. 農業機械

農業業界では、油圧モーターがトラクターやコンバインなどの機械の動力源として利用されることが多いです。トラクターでは、耕作機やトレーラーなどのアタッチメント駆動のために油圧モーターが使用されます。また、コンバインでは収穫作業において、穀物の刈り取りや籾摺り機構の駆動にも油圧モーターが重要です。

3. 航空機や船舶

航空機や船舶においても、軽量で大トルクを生み出す油圧モーターが使用されることが多いです。航空機では、主翼のフラップや降着装置の展開・格納に油圧モーターを駆動源とする場合があります。

また、船舶では舵の制御やクレーンの動力源として、油圧モーターが利用されます。船舶の舵は大きな力と正確な制御を必要とするため、油圧モーターが最適です。

油圧モーターの原理

油圧モーターは、液体の圧力エネルギーを機械的な回転力に変換する装置です。ポンプや圧力変換装置によって油圧モーターに油が供給されます。供給された油によって、油圧モーターに必要な流体力学的な力を作り出します。

油圧モーターには内部に動作部品があります。一般的な構成要素は、ピストン、ギア、ローターなどです。これらの部品は液体の流れを受け、回転力を発生させる役割を果たします。

液体が油圧モーターに供給されると、液体は圧力を持ちます。この圧力によって動作部品が駆動し、回転力が発生します。具体的な動作メカニズムは油圧モーターの種類によって異なりますが、一般的には圧力によるピストンの押し出しやギアの回転などが行われることが多いです。

油圧モーターの種類

油圧モーターの種類としては、ピストンモーター、歯車モーター、べーンモーターなどが存在します。

1. ピストンモーター

内部に配置されたピストンで回転力を生み出す装置です。液体の圧力によってピストンが前後に動き、内部機構によって回転力へ変換されます。効率と出力トルクが高いため、大容量の油圧システムで使用されることがあります。

2. 歯車モーター

内部に配置された歯車で回転力を生み出す装置です。油圧によって歯車が回転し、出力軸から回転力が得られます。コンパクトでシンプルな構造を持ち、高速回転が可能です。

3. ベーンモーター

内部に配置された羽根車によって回転力を生み出す装置です。液体の圧力によって羽根車が回転し、出力軸から回転します。耐久性があり、静音性に優れている点が特徴です。

油圧モーターのその他情報

油圧モーターの回転数

油圧モーターの回転数は、油圧モーターを通過する油流量や押しのけ容積、容積効率から求めます。油の流量については油圧ユニットによって決定され、その他2つは油圧モーターの特性から求めることが可能です。

計算式は油流量に容積効率を掛け合わせ、押しのけ容積で除します。流量が既知の場合は必要回転数を代入して、油圧モーターの仕様を計算することが可能です。油圧モーターが決まっている場合、必要回転数を満足する流量を計算して油圧ユニットを選定します。

油圧モーターは回転数以外に出力トルクも算出する必要があります。計算式は出入口の圧力差に押しのけ容積と機械効率を掛け合わせ、2πで除した数値です。出入口の圧力差は油圧ユニットの仕様で決まり、その他2つは油圧モーターの特性から決定します。

参考文献
https://www.nachi-fujikoshi.co.jp/tec/pdf/27D1.pdf
http://www.mekatoro.net/digianaecatalog/nop-orb/book/nop-orb-p0014.pdf

酸素濃度計

酸素濃度計とは

酸素濃度計

酸素濃度計とは、空気中の酸素濃度を測るために使用する機器です。

産業や医療、環境モニタリングなどのさまざまな分野で使用されています。用いられている方式としては、大きく分けて電磁気式分析計・電気化学式分析計があります。

さらに、防爆などの特殊加工が施されることも多いです。使用の目的や測定する環境に合わせて機器が選定されます。

酸素濃度計の使用用途

酸素濃度計は、さまざまな分野で使用される機器です。

1. 工場現場

工事現場などでの酸素欠乏事故の防止を目的としたガス濃度のモニタリングに使用されます。空気中の酸素濃度が約18%を下回ると酸欠を起こします。そのため、空気の入れ替えが少ない場所や液体窒素などを取り扱う空間で利用されることが多いです。

そのほか、工業炉での燃焼管理などにも活用されています。燃焼ゾーン内の酸素濃度を測定し、空燃比 (燃料と酸素の比率) を調整するのに役立ちます。正確な空燃比制御により、燃料の効率的な燃焼と排気ガスの最適化が可能です。

2. 医療現場

医療現場でも広く使用される機器です。酸素療法を受ける患者の酸素濃度を監視し、適切な酸素供給を確保します。また、登山や高地での活動中に酸素濃度が低下するため、酸素濃度計を使用して酸素補給の必要性を判断することも多いです。

酸素濃度計の原理

酸素濃度計の原理は、一般的には酸素センサーを使用して測定されます。酸素センサーにはいくつかの種類がありますが、最も一般的なタイプは酸素透過率を測定するセンサーです。

これらのセンサーはセラミックスなどを使用して作られており、酸素がセンサーを通過する際に材料内で起こる化学反応に基づいて酸素の量を測定します。測定結果は、デジタルディスプレイやアナログメーターを通じて表示することが一般的です。

また、一部の酸素濃度計は、酸素濃度が一定の範囲を超えた場合に警告やアラームを発する機能を備えていることもあります。酸素濃度計で測定するための酸素を収集する方法として、拡散式と吸引式の大きく2つに分けられます。

拡散法は自然拡散状態の酸素濃度を測定する方法で、実験室などの酸素濃度変化を観察したりするために使用されます。吸引法はポンプなどで気体を収集して測定する方法で、狭い場所などでの酸素濃度測定が可能です。

酸素濃度計の種類

酸素濃度計にはいくつかの種類が存在します。

1. 磁気式酸素計

試料ガスに磁界を加えると、磁石と同じ原理で酸素が引きつけられます。その際に発生する圧力を、センサーで検知して酸素濃度を測る方式です。可燃性ガスが含まれていても測定できますが、他の方式と比べて高価です。

2. ガルバニ電池式酸素濃度計

電解液に酸素を拡散させると、各電極で酸化・還元反応を起こし酸素濃度に応じた電流が電解液を流れます。この電流から酸素濃度を求める酸素濃度計です。小型かつ安価で購入できる長所がありますが、使用の有無に関わらず劣化するため定期的に部品の交換が必要です。

3. ジルコニア式酸素濃度計

ジルコニアは高温になると、酸素イオンによって通電性を示します。したがって、ジルコニアでできた電極に発生する酸素濃淡電池の起電力をセンサーで濃度を検出する酸素濃度計です。手軽に構成できる長所がありますが、可燃性ガスが含まれていると結果に誤差を生じます。

4. 溶存酸素濃度計

溶存酸素とは水中に溶けている酸素のことで、これを測定する濃度計です。溶剤酸素計やDOセンサーと呼ばれることも多いです。溶剤酸素の測定は、滴定により測定する方法、隔膜電極法、蛍光式溶存酸素計などがあります。

滴定法は調合された試薬から酸化還元反応を利用して滴定して、その結果を元に算術する方法です。酸化性や還元性の物質の影響を受けやすいという欠点があります。

隔膜電極法は隔膜電極を用いて測定する方法です。滴定法と比較すると溶存酸素をすぐに測定できるという利点があります。ただし、高頻度のメンテナンスや校正が必要という欠点があります。

蛍光式は、照射された紫外線によって蛍光する特殊な物質を用いて測定する方法です。蛍光強度が水中の溶存酸素の量によって減少することを利用して溶存酸素を測定します。メンテナンスや校正が簡単なため、隔膜電極に変わる溶存酸素を測定する方法として期待されています。

参考文献
https://www.yokogawa.co.jp/library/resources/faqs/an-oxy-01-method/
https://www.awi.co.jp/business/industrial/gas/o2.html
https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/8376/ltc143_27.pdf
https://www.yokogawa.co.jp/solutions/products-platforms/process-analyzers/gas-analyzers/oxygen-analyzers/
https://www.iijima-e.co.jp/products/o2.html
https://www.jemima.or.jp/tech/1-01-05-01.html
https://www.new-cosmos.co.jp/product/?fb=b30
https://www.gastec.co.jp/technology/detector_tube/measurement/
https://www.iijima-e.co.jp/knowledge/glossary_do_1.html#wc_anc00002
https://www.mlit.go.jp/river/shishin_guideline/kasen/suishitsu/pdf/s03.pdf

熱流センサー

熱流センサーとは

Fig1 熱流センサの原理

図1. 熱流センサとは

熱流センサーとは、熱量を検知するためのセンサーです。

熱は高温度部位から低温度部位へ移動します。その熱の移動量が熱流 (熱流束) です。熱流を計測することにより熱の移動量がわかり、その後の温度変化なども推測することができます。

熱流センサーは、センサーを通過した熱量を電気信号に変換しています。フレキシブルで曲面への貼り付けが可能なものや防水のものなどがあり、用途に応じて選択可能です。

熱流センサーの使用用途

熱流センサーは、住宅設備の断熱性能の評価や検査などに使われています。近年は、センサーの小型化、フレキシブル化により住宅設備以外での用途も増えてきました。代表的例として、放熱対策を検討することが挙げられます。

電子部品の内部に熱流センサーを設置することで、電子部品の発熱量を測定可能です。自動車での用途では、エンジンルーム内での熱ロス、車室内でのシートヒーター、エアコンの評価などにも使われています。

熱流センサーの活用では、相変化中の物質の熱流出入量の計測技術に関する情報が報告されています。この計測技術においては、袋状にした熱流センサーの中に測定対象物を封入して、その測定物の熱の流出入量を計測することができます。

また、この袋状の熱流センサーに保冷剤を入れ、熱の流入量を計測して外部端末に保冷能力の残量や保冷効果が持続する残り時間を表示するシステムが開発されています。

熱流センサーの原理

Fig2 熱流センサの原理

図2. 熱流センサの原理

熱流センサーは、センサーの表裏面の温度差からフーリエの法則によって算出される熱流束をゼーベック効果によって発生する電圧で検出することで測定します。フーリエの法則とは、単位断面積あたり、単位時間あたりに流れる熱量は、温度勾配に比例するという法則です。

ゼーベック効果は、ある物質の両端に温度差を与えるとその両端間に電圧が生じる現象を指します。熱流センサ内部の構造は、ゼーベック効果を発揮するN型半導体とP型半導体や熱電対に用いられる銅とクロメルアルメルなどの異種金属を交互に直列に接続することで、1つ1つは小さい電圧しか発生しなくとも複数加算で電圧を増幅して検出を行っています。

熱流センサーのその他情報

熱流センサーの使い方

Fig3 熱流センサの使い方

図3. 熱流センサの使い方

熱流センサーは、設置場所に適したものを選定する必要があります。使用にあたっては、使用可能な温度の上下限を確認し、仕様の範囲内の条件で使用してください。範囲外の温度条件下での使用は、接着面が剥がれてしまうなどの不具合の原因となります。

熱測定対象物に対して設置面に埋め込むか、設置面に貼り付けることにより取り付けます。測定物に熱流センサーを貼り付けると接触熱抵抗の影響により、誤差が発生してしまいます。これを低減するために、接着剤や熱伝導性の高いシリコングリースなどを使用しますが、長期間の取り付けか、短期間の取り付けかによって適宜選択が必要です。

固定する際には、取付面に空気や異物が入らないようする必要があります。なお、熱流センサーを設置する前には、熱流計に温度差をつけて熱流フラックスの方向と熱流計出力の極性を確認します。

参考文献
http://www.etodenki.co.jp/ht_flux/
https://www.denso.com/jp/ja/products-and-services/industrial-products/energyeye/about/
https://www.hioki.co.jp/file/cmw/hdTechnicalData/411/attached_file/?action=browser&log=0&lang=jp&nr=t
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjtp1987/9/1/9_1_54/_pdf
http://www.techno-office.com/file/principle.pdf
https://eko.co.jp/wp-content/uploads/51a43726f8ef43443e195aab5f10f284.pdf
https://www.denso.com/jp/ja/products-and-services/industrial-products/energyeye/info/usage.html
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2019/pr20190129_2/pr20190129_2.html