熱流体解析とは
熱流体解析とは、実際に起きている風や熱の現象をコンピュータ上で数値計算を行い、現象の再現と検証を行うツールです。
様々な分野において、製品の高性能化および高機能化の開発が求めらています。加えて短い開発期間の中で、信頼性のあるものづくりが求められています。熱流体解析を用いれば、実証試験の手間が減少し、開発工数が短縮します。また、実測不可能な場所におけるデータが既知となったり、機器の構造の最適設計が可能となります。
このように、熱流体解析は近年のものづくりにおいて、欠かせない解析ツールの一つとなっています。
熱流体解析の使用用途
熱流体解析を通じて、試作回数が低減し、開発の手戻りが抑制されます。また、実験に危険を伴う場合や計測が困難な現象に関してコンピュータ上でシミュレーションを行い、事前検証が可能となります。
例えば、機械のエンジンルーム内の熱流体解析では、部品の熱的信頼性や冷却性能の評価に活用されています。
設計の事前検証や現象の可視化が可能であるため、自動車、航空機、船舶、半導体、建設機械、農業機械、建築など様々な分野で用いられています。
熱流体解析の原理
熱流体の基礎方程式として、連続の式(質量保存)、運動方程式(運動量保存)、エネルギー方程式(エネルギー保存)の3つの方程式があります。これらの物理法則にしたがって、様々な物理量をとくことが出来ます。
- 連続の式(質量保存)
野球のボールを例にとって紹介します。野球のボールは砂ではないので、ボールは移動中に分裂はせずに質量は変化しません。ボールの質量は時間変化による質量変化がありません。これを式で表したのが連続の式(質量保存)になります。 - 運動方程式(運動量保存)
これはニュートンの運動方程式・第2法則に基づいています。F=maである力の釣合いを考えることで運動方程式を作ります。また、その系の運動量の総和は不変である運動量の保存則からも導くことができます。 - エネルギー方程式(エネルギー保存)
これははすべてのエネルギーの総和が保存されるという式です。
内部エネルギー、運動エネルギーなど、すべてのエネルギーが含まれています。