ペルチェ素子 (英: Peltier element ) とは、接合した2種の異なる金属に電流を流すと、接合部での熱の移動が起きるペルチェ効果を利用した素子です。
現在実用化されている効率の良いペルチェ素子は2つの金属ではなく、n型半導体、金属、p型半導体の3種類の素材で作られています。熱の移動を利用して、通常は冷却装置として利用されますが、電流の方向を変えれば熱の移動方向も変わるので加熱装置としても利用できます。
ペルチェ素子は、ヒートポンプなどと異なり、電流を流すだけで冷却効果が得られるので、騒音や振動などが発生しないメリットがあります。また、冷媒が不要で、腐食性液体などを使用しないので、環境負荷が低い冷却装置です。
ペルチェ素子は、クリーンな冷却素子として幅広い分野で使用されます。
ペルチェ素子は小型・清潔・安全です。食品ショーケース、小型ドリンクケース、ミルククーラー、ホテルパンなどに使われます。
産業分野の機器は、例外なく水に弱いものですが、温度をコントロールして結露発生の少ない冷風を供給したり、結露ドレーンを内蔵したりするなどの対策をしています。操作盤の冷却、監視カメラの冷却、制御盤内部部品の局所冷却、成形金型の冷却、恒温湿エア供給装置などの用途があります。
限られたスペースでのデバイスの冷却に、ペルチェ素子が多く使われます。具体的には、発熱源の直接冷却、小型中継ボックスの冷却、光検出素子の温度制御、レーザーダイオードの温度制御、CCDカメラ・プロジェクター・複写機・監視カメラの冷却、レーザー等の冷却水などです。
振動や騒音が全く無く、また冷却機構が小型であるという利点を生かして、病院やホテル客室向けの業務用冷蔵庫としてペルチェが使われます。小型冷蔵庫、クーラーボックス、ビールサーバー、ワインセラー、水槽の水の温度管理、コンピュータCPUの冷却、除湿器、空気清浄機、ドライヤー、美顔器のマイナスイオン発生装置などです。
計測・分析分野、半導体分野、医用・理化学分野などにおいても、ペルチェ素子が冷却・加熱に使用されます。
ペルチェ素子は、現在は金属ではなくp型半導体とn型半導体を使用します。エネルギーレベルの低いp型半導体から、エネルギーレベルの高いn型半導体に電子の移動が起きるには、外部からエネルギーを取り込む必要があり、この際に吸熱が起き、温度が下がります。
このとき、電流を流す方向を逆転させると、今度はエネルギーの高い方から低い方へ電子の移動が起きるので、余剰なエネルギーを放出する発熱が起きます。したがって、ペルチェ素子は、流す電流の向きによって、冷却装置としても、加温装置としても利用が可能です。
ただし、ペルチェ素子を用いた熱変換は、電力消費の割に効率が良くないので、あまり大掛かりな冷却や加熱には向いていません。効率よく冷却を行うためには、フィンやファンを用いた放熱・排熱機構と合わせて用いるのが、効果的です。
一般に冷却装置は、冷媒と呼ばれる冷却ガスを用いることで熱交換を行います。この冷媒は、少なからず地球温暖化に影響する温室効果ガスの1つであるため、環境負荷は無視できません。
一方、ペルチェ素子を用いた電子冷却は、冷媒を必要としないため、環境負荷の低い冷却システムであると言えます。また、冷媒を用いる冷却装置ではコンプレッサが必要で、これにより騒音や振動の発生は避けられないが、電子冷却はこうした心配がありません。
ペルチェ素子の特性を利用することにより、冷却の機能の実現が可能です。ペルチェ素子にDC電流を流すことで、低温側では吸熱が、高温側では発熱が起きます。この現象を利用したのが、ペルチェ素子の冷却機能です。
市販されているものは、マイナスの温度まで冷却することが可能です。保冷ボックスやパソコンのCPUの冷却などに利用されます。
ペルチェ素子の性質を利用したウェアブルデバイスが開発されています。販売されているウェアブルデバイスの中には、首を温めたり冷やしたりすることができるデバイスがあります。
このデバイスは、首に触れる位置にあるパネルを温度制御することにより、温かさや冷たさを感じることが可能です。
参考文献
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/B0080431526018222
https://www.z-max.jp/peltier/about/
http://ham-ham-ham.com/pc.technical.nagamoti.html
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1907/22/news071.html
https://www.apiste.co.jp/nrc/feature/
http://scnt.co.jp/
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年08月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
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1 | 株式会社タイセー |
23.7%
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2 | ヤマハ株式会社 |
11.8%
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3 | 株式会社ジーマックス |
11.1%
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4 | アイシン精機株式会社 |
9.2%
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5 | 京セラ株式会社 |
8.1%
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6 | 株式会社シーユーアイ・ジャパン |
8.1%
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7 | 株式会社ビックス |
4.7%
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8 | 株式会社高木製作所 |
4.0%
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9 | 株式会社コウデン |
4.0%
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10 | 日本ブロアー株式会社 |
3.6%
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注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年8月のペルチェ素子ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
UT-2020CE-Mは、20mm角の3.2Aペルチェ素子です。
セラミック基板を使用しないスケルトン構造により、加熱と冷却の繰り返しに強い、耐久性に優れた熱電冷却素子となっています。
また、針状単結晶により高速応答が実現、効率的な駆動方式であるPWMによる制御が可能となっており、従来ペルチェ製品に比べ冷却性能を25%向上させています。
パフォーマンスと耐久性の高さで、幅広いアプリケーションに対応します。
ペルチェ素子と放熱・排熱機構が一体化した、シール構造が特長の冷却ユニットです。
CPMシリーズでは、6.0A、7.0A、8.5Aペルチェ冷却ユニットが用意されています。
このシリーズでは、熱電モジュールの熱疲労現象に対抗する独自のarcTEC構造が組み込まれており、従来の熱電冷却デバイスを超える信頼性、耐久性、性能が実現しています。
強制空冷が利用できない冷却環境や密閉型環境、高密度、高電力の医療および産業用途に最適です。
スタンダードシリーズのペルチェ素子は、小型化を追求したミニタイプ、モジュールの中心部に他の素子を設置できる穴が開いたホールタイプなど、用途に応じたラインナップとなっています。
単結晶構造の為、冷却性能が向上し、急速冷却が可能となっています。
また、構造の見直しにより耐熱性が向上しており、同時に±25μmという厚さ精度を実現しています。
素子のカスタマイズにも対応しており、幅広いアプリケーションが可能となっています。
アズワンでチェック
ミスミでチェック