ジルコニアについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ジルコニアのメーカー19社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。ジルコニア関連企業の2022年4月注目ランキングは1位:第一稀元素化学工業株式会社、2位:東ソー株式会社、3位:日本ガイシ株式会社となっています。
ジルコニアはジルコニウムの酸化物である酸化ジルコニウムの総称です。化学式はZrO2で、セラミックスに分類されます。融点が非常に高く、耐熱性があるので、切削工具や研磨工具、耐火物などの原料として使用されています。
身近な例では、歯科用材料や、セラミックス包丁にも含まれています。
ジルコニアに酸化イットリウム(Y2O3)、酸化カルシウム(CaO)、酸化セリウム(CeO2)、酸化マグネシウム(MgO)などの酸化物を添加すると、強度や靭性に優れた安定化ジルコニアを得ることができます。
ジルコニアは高い融点を持ち、化学浸食に対して強いので、切削工具や研磨工具、るつぼや炉などの耐火物に使用されます。また、ジルコニアは硬さと柔軟性があり、強度も強いので、セラミックス包丁に使用されています。
正方晶ジルコニアはセラミックス原料や電子部品の粉砕用ボールとして使われています。重く、摩耗性も少ないので、コンタミネーションしにくいことが特長です。立方晶ジルコニアは酸素イオン導電性を有しており、燃料電池の固体電解質膜として使われています。
部分安定化ジルコニアのうち、酸化イットリウムを3mol%程度添加すると常温下で正方晶がほぼ100%であるY-TZP(TetragonalZirconia Polycrystal)となり、歯科用材料として活用されています。
なおジルコニアは高硬度の物質であるため、完全に焼結させる加工性が悪くなります。そのため,歯科用に使用されるジルコニア製品においては比較的加工が容易な半焼結の状態にあるブロック体を切削加工し、その後本焼結することにより製品化することが一般的です。
なおジルコニアセラミックスに限らずセラミックス材料を歯科用途で適用する場合には、JIS T 6526(歯科用セラミック材料)およびISO 6872(Dentistry‐Ceramicmaterials)によって規定される基本物性を満たすことが必要となります。
ジルコニウムは原子番号40の元素で、その酸化物である酸化ジルコニウムのことをジルコニアと呼びます。化学式はZrO2で、室温では最も安定な単斜晶の結晶構造を形成しています。一方で、温度を上げていくと正方晶、立方晶へと順次変化します。
ジルコニアに酸化イットリウム(Y2O3)、酸化カルシウム(CaO)、酸化セリウム(CeO2)、酸化マグネシウム(MgO)などの酸化物を安定化剤として添加し反応させると、立方晶が室温でも安定に存在できるようになります。室温で立方晶が安定となったジルコニアを安定化ジルコニア、もしくは部分安定化ジルコニアといいます。
ジルコニアの製造方法は主に湿式精製法と乾式精製法の2種類があります。どちらもジルコン、ハデライトなどのジルコニウム鉱石を原料とします。湿式精製法では、選別した鉱石を苛性ソーダで溶融した後、塩酸で分解、濃縮します。さらに、水洗、濾過などの工程を経て、得られた水酸化ジルコニウムを焼成、粉砕することでジルコニア粉末を製造します。乾式精製法では、鉱石を粉砕して不純物を除去した後、選鉱を繰り返し行うことで、純粋なジルコニアを製造します。
ジルコニア(ZrO2)は、融点が約2700℃であり、低熱伝導率、耐熱性、耐食性、高強度等、多くの機能を有しています。
純粋なジルコニアは、常温から高温になるにつれて結晶構造が単斜晶、正方晶、立方晶へと変化する特性を有しています。すなわち、ジルコニアは、温度変化によって結晶構造が変化し体積変化も伴うため、劣化しやすいという性質があります。
そこでこのような欠点を補うために、安定化剤として酸化イットリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどの酸化物が結晶構造中に固溶させると,立方晶が常温下でも安定状態となります。これを安定化ジルコニアといいます。
安定化ジルコニアは、酸素空格子を多く含むため高温で酸素イオンの良い伝導体となります。また化学的に安定であるため、高濃度 TRU廃棄物の固化母材としての検討が進められています。
また安定化ジルコニアよりも酸化物の添加量を減らすと,一部に単斜晶もしくは正方晶が分散した状態となります。これを部分安定化ジルコニアといいます。
部分安定化ジルコニアは高強度・高靭性材料として広く知られています。
ジルコニアと金属の違いは、ジルコニアはジルコニウム金属の酸化物であり、金属結合よりも強固な共有結合によるセラミックスであることです。このことからジルコニウムは金属と比較していくつかの点で優れる特性を持っています。
一つ目は腐食しにくいことです。金属は環境中の酸素や硫黄などの腐食性の元素と結合しやすく、比較的容易に腐食してしまいますが、ジルコニウムはほとんど腐食することがありません。
二つ目は高硬度で耐熱性に優れる点です。ジルコニウムは金属結合よりも強い共有結合で形成されているので、非常に硬く丈夫で変形しずらく、また融点も1,855℃と高温であることからも耐熱性にも優れています。
一方、金属と違い延性がほぼなく伸びないため強い衝撃に弱く、場合にはよっては割れてしまうことがあるので注意が必要です。
ジルコニアは、金属と比較しても硬さと柔軟性があり、また腐食しない性質を持つことから、近年では歯科用に広く利用されるようになってきました。
これまで歯科用に利用されてきた材料としては金属以外にシリカ系のセラミックスが利用されてきましたが、本物の歯と比較した場合に硬さはあっても割れやすいという欠点がありました。
ジルコニアは人口ダイアモンドと呼ばれるほど高硬度で、その硬さは従来のセラミックスの10倍程度と非常に高く、さらに耐久性にも優れています。また、色も白く審美的なので奥歯はもちろん、最近では前歯での利用も広がっていて、歯以外でもインプラントやブリッジなど、高い信頼性が必要な部分にも使える材料です。
色が白く審美的ではありますが、セラミックスに比べると透明性が低くまた色のバリエーションが少ないのがデメリットになります。最近ではバリエーションが増えてきたことで、歯科用途では高い審美的さが求められる前歯にも使用されるようになってきました。
ジルコニアはセラミックスの10倍程度硬さが高いことから、これが逆に噛み合わせる相手の歯を削ってしまいます。また高硬度な分もちろん加工も大変になるので、歯科医の手作業での整形が困難で、基本的にはコンピュータによる機械整形となるため、セラミックスと比較すると精度が落ちることもデメリットになります。
最後に、治療費が高価になる点もデメリットです。これは歯科用に使用する高品質なジルコニア自体の価格が高いことと、保険適用外の自費治療になることが原因です。
参考文献
https://ceramic.co.jp/about/zirconia/
https://www.nanonet.go.jp/magazine/feature/10-9-innovation/41.html
https://www.yamakin-gold.co.jp/technical_support/webrequest/pdf/kzr-cad_zr_rep1707w.pdf
https://www.nirs.qst.go.jp/db/anzendb/NORMDB/PDF/37.pdf
https://www.yamamura-shika.com/treatment/ceramic/ceramic-and-zirconia
http://cuore-dental.jp/16042212894802
https://www.aoyama-east.com/cosmetic/zirconia/
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年4月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 第一稀元素化学工業株式会社 | 17.1% |
2 | 東ソー株式会社 | 10.9% |
3 | 日本ガイシ株式会社 | 8% |
4 | 株式会社NTKセラテック | 6.9% |
5 | 日本軽金属株式会社 | 6.3% |
6 | サンゴバン株式会社 | 5.7% |
7 | 福島製鋼株式会社 | 5.1% |
8 | 西村陶業株式会社 | 4.6% |
9 | 宮川化成工業株式会社 | 4.6% |
10 | 日本ファインセラミックス株式会社 | 4.6% |
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