CCDセンサーとは
図1. CCDセンサーの上面概念図
CCDセンサー (英: Charge-Coupled Device sensor) とは、電荷結合素子として光の強度を電荷に変える半導体デバイスです。
CCDセンサーはイメージセンサー (撮像素子) の一種で、CCDと呼ばれることもあります。2004年に出荷数でCMOSセンサーに追い越されるまで主流でした。
画素と呼ばれる多数の素子を図1に示すように碁盤目状に並べて構成されています。カメラの画素数とは、この素子の数を指し、ピクセルという単位を使います。実際には何百万ピクセルという数値が一般的です。
光の3原色赤、緑、青 (RGB) またはその補色のシアン・マゼンダ・イエロー・グリーン (CMYG) を透過する画素をモザイク状に並べ、一つ一つの画素から縦横順番に転送しアンプで信号増幅して画像データとして転送されます。この一連の動きはバケツリレーと呼ばれることが多いです。図1では配線が画素の横にあるように表示していますが、実際には配線部は画素の下に配置されます。(図2参照)
CCDセンサーの使用用途
カメラ、ビデオカメラやスキャナーにおいてはCMOSセンサーが主流ですが、CCDセンサーは長時間露光での感度が優れているため、多くの普及型デジタルカメラや天体望遠鏡、顕微鏡などでよく使われています。
近年では携帯電話の内蔵カメラでCCDセンサーを採用するものが増えてきています。光量計測、イメージ計測、DVDのピックアップ、光通信における光信号検出など多くの分野で使われている光検出器です。
CCDセンサーの原理
フォトダイオードの空乏層が光を受光すると内部に電子と正孔対が形成されます。これを光電効果と呼びます。光の強度が上がると蓄えられる電荷の量が増えていきますが、光を当てることで光の強度に応じた電圧が生まれる現象を光起電力効果と呼びます。
電子・正孔対は空乏層の内部電界によって電極収集され、電流が流れます。CCDセンサーは、このように光の強さを電気信号に変換する役割を持ちます。
CCDセンサーの構造
CCDセンサーは図2に断面図を示すように、光の入射側に集光レンズ、特定の波長の光を透過するフィルタと上下に金属電極 (陰極、陽極) で挟まれ、主にシリコンで形成されたp型、n型、i型の半導体の層をもつフォトダイオードで形成されます。
1. マイクロレンズ
光を集光するために画素の最上面にはそれぞれマイクロレンズが配置されます。ガラスまたは樹脂材料を用いて半導体デバイスと同じ方法でウエハー上に形成されるため、オンチップマイクロレンズとも呼ばれます。
2. カラーフィルタ
図2. CCDセンサー画素断面概念図
カラーフィルターは、特定の波長範囲の光だけを選択的に透過させる性質を持つカラーレジスト膜を薄いガラス基板上に形成し、赤 (R,波長640~770nm) 、緑 (G,波長490~550nm) 、青 (B、波長430nm~490nm) の光を直下のフォトダイオードに入射させます。隣同士の色の混入を防ぐため、カラーフィルタ間に薄いブラックマトリックスと呼ばれる黒い仕切りを形成します。半導体ウエハーの上に半導体と同じ製造工程で作られるため、オンチップカラーフィルタとも呼ばれます。
3. フォトダイオード
図3. フォトダイオードの構造と動作概念図
フォトダイオードは上面 (光の入射側) にp型の半導体、下面にn型の半導体で構成され、上面に陽極、下面に陰極を接合します。p型の半導体とn型の半導体の接合部 (pn接合) には、空乏層と呼ばれる電荷のない内部電界が形成されます。
参考文献
https://global.canon/ja/technology/s_labo/light/003/04.html
https://www.tem-inc.co.jp/contents/small-camera/167/