リニアサーボモーターについての概要、用途、原理などをご説明します。また、リニアサーボモーターのメーカー31社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。リニアサーボモーター関連企業の2022年6月注目ランキングは1位:株式会社安川電機、2位:THK株式会社、3位:株式会社アイエイアイとなっています。
リニアモーターとは、軸を内蔵していない電気モーターのことを指します。一般的なモーターは回転型の運動をするのに対して、リニアモーターは一般的に直線型の運動をします。リニアモーター自体は駆動装置です。一方、サーボモータはサーボ機構において位置、速度等を制御する用途に使用するモーターです。これまで、産業機械や測定器の直動システムにおいて、サーボモーターは主流でしたが、近年は永久磁石から発生する磁束とコイルに流れる電流との作用(フレミングの左手の法則)により動くリニアサーボモーターが注目されています。
サイズによって使用用途は異なります。
小径(Φ4~12mm):デスクトップタイプの装置に使われます。工業製品や生物バイオ関連などの観察用途が主です。高解像度化が進む画像とその画像処理が求められている分野では、シャフトモーターの高度な分解能が求められています。
中経シャフト(~Φ35mm):このサイズは最も多く採用され高推力、高精度かつ高速であることが求められている分野、工作機械や半導体などに使用されています。
大径(~Φ60mm):その他大きな加速水力が必要とされる特殊な機械に使用されます。
磁石を軸としたシャフトと、コイルが入った可動子から構成されています。鉄心とモータコイルを組み合わせた一次側と、永久磁石と取付け板を組み合わせた二次側から成り立っています。シャフトはステンレスでできたパイプの中に磁石を等間隔に詰め、可動子は、シャフトをの周りを覆うように巻かれた3相のコイルで構成されています。可動子はシャフトと接触せず、組み込まれても推力自体には影響はなく、取付けは簡単なことが特徴です。永久磁石から生じる磁気誘導束とコイルに流れる電流との作用によって推力が発生することで作動します。シャフトを使用したモーターの特徴として、精度の高いリニアスケールを使用することで高精度の位置決めが可能で、バックラッシュがないこと、コアがない状態であるため、コギング(モータにおいてシャフトと可動子との磁気的な引力が回転角度に依存して、細かく振動すること)がほとんど発生しないこと、などが挙げられます。ねじやナットなどの機械構造を内部に持たないため、高速運動を可能としています。運動精度が優れている一方で、固定されている側と運動する側が接触していないために剛性は低く、抵抗が大きい重切削には不適です。半導体などの電子部品や医療部品などの加工に使用される機器に使用されています。小型で、構造もシンプルであることが機器に組み込む際の利点です。
参考文献
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年6月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社安川電機 | 11.4% |
2 | THK株式会社 | 6.2% |
3 | 株式会社アイエイアイ | 5.7% |
4 | 株式会社ソディック | 5.2% |
5 | 山洋電気株式会社 | 4.1% |
6 | 住友重機械工業株式会社 | 4.1% |
7 | Rockwell Automation, Inc. | 4.1% |
8 | 日本トムソン株式会社 | 4.1% |
9 | FAULHABER Group | 3.6% |
10 | ハイウィン株式会社 | 3.6% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年6月のリニアサーボモーターページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
安川電機はACサーボモータ&コントローラで世界シェアNo.1をとっており、トップレベル性能のリニアモータをラインナップし、その中でも∑-7シリーズは性能面・使い勝手・環境性能・安全面・サポート面・対応ラインナップ数・互換性の7項目を極めた最新シリーズのリニアサーボモータとなっています。
∑-7シリーズのリニアサーボモータには、大きく3種類のモデルがあり、独自の磁気吸引力相殺構造を取り入れたコア付きSGLTモデル、狭小空間でも取付を可能にする扁平構造を採用したコア付きSGLFモデル、コギングレスを実現したコアレスのSGLGモデルがラインナップされています。
マルチヘッド構成を活用した、ディスプレー製造における検査、リペア装置、高精度かつ大型な駆動構成が必要な半導体製造装置や大型ディスプレー製造装置などへの使用が期待されます。
従来モデルよりも高さ、コイル重量ともに約30%ダウンという小型化を実現し、それでもなお推力は最大53%、定格では約90%の向上を実現したソディック社最新型のコアレスモータです。
高速動作かつ高い応答性を特徴に、最大推力220N,440N,660Nをそれぞれフィン有りモデルとフィン無しモデルの計6種類のモデルを用意し、マシニングセンタなどの工作機械から液晶ディスプレー製造装置といった産業機器まで多くの用途に対応することが可能です。
パナソニック製A5Lの汎用ドライバを使用することもでき、またソディック社オリジナルのPWM方式(パルス幅変調方式)のアンプと組み合わせて使用することにより、高精度な位置決め動作を行うことが可能になります。
三菱電機のMELSERVO-J5シリーズのリニアモータは、三菱電機の最新世代のACサーボシリーズJ5のラインナップになっており、イーサネットを使った従来のCC-Link IEシリーズよりも性能面、機能面を拡充したCC-Link IE TSNに対応した機種になっています。
タンデム構成をとることで2軸同士の同期制御を高精度に行うことができ、大型のスクリーン印刷機やディスプレイ製造装置における塗布装置、精密な動作が求められる電子部品組み立て装置などに活用することが期待できます。
大きく4種のシリーズがラインナップされており、コギングレスを実現したコアレスモデルのU2シリーズ、液冷を可能にすることで連続推力をさらに確保できるFシリーズ、磁気吸引力の相殺構造を採用し低騒音&長寿命を実現したK2シリーズ、最大速度3m/sに対応したコンパクトモデルH3シリーズがあります。
永久磁石をシャフトの内部配置し、さらにそれを囲むようにコイルを設置した円筒型のリニアモータシステムとなっており、この形状によってコイル全周を使って磁束を補足することを可能にし、小径の小径シャフトでも高推力を実現することができます。
他社製と大きく差別化を図っている点が、独自の制御技術となっており、シャフトより発生した磁束を使った位置検出を可能にすることで、位置センサやリニアスケールを設置することなく使用することができます。
シャフト径はφ16mm,φ25mmをラインナップし、それぞれ定格11N~25N、28N~118Nの推力の計7種類のモデルを用意しており、また防水、防塵仕様でもあることから食品及び初期品容器の製造、検査装置から大型ディスプレーの製造装置まで幅広い分野で使用することが期待されます。
サーボ性能を決めると言っても過言ではない速度応答性は応答周波数2kHzという業界最速クラスを実現し、動作指令に対し抜群の追従性を持った動作を可能とする、オムロンの最新サーボシリーズ、G5シリーズの商品になっています。
位置決め時の振動を抑える機能を強化しており、制振周波数を設定(最大4点まで設定可能)することにより、装置の起動や停止の際に発生する振動を抑えたり、また振動を除去することを可能にし、高度に精密な駆動をすることができるモデルになっています。
R88D-KN□-ECT-Lはサーボドライバ、R88L-ECはリニアモータのモデル型式となっており、リニアモータにはコアレス、コア付きタイプ、そしてそれぞれに可動子、固定子タイプをラインナップしており、モータ推力も26.5N~760Nと幅広いラインナップが用意されています。
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