レーザー顕微鏡についての概要、用途、原理などをご説明します。また、レーザー顕微鏡のメーカー15社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。レーザー顕微鏡関連企業の2023年09月注目ランキングは1位:カールツァイス株式会社、2位:オリンパス株式会社、3位:株式会社島津製作所となっています。
レーザー顕微鏡とは光源にレーザー光を走査して試料を観察できる光学顕微鏡の一種です。
一般に共焦点光学系を採用しており、共焦点レーザー顕微鏡やCLSMとも呼ばれます。レーザー顕微鏡は共焦点光学系によって非焦点面からの光を除外できるので、水平方向であるXY方向だけではなく、高さ方向であるZ方向の空間分解能も高いです。
そのため、高さ方向にずらしながら顕微鏡画像を測定することで、3次元画像や全焦点画像を取得することもできます。
レーザー顕微鏡は光を用いた測定であるため、サンプルに触れる必要がありません。そのため、工業分野では半導体や電子部品などの精密機器の三次元形状観察、表面形状観察を行うために用いられ、生命科学分野では蛍光物質で標識された細胞や生体組織の観察に用いられています。
また、メーカーによってはレーザー顕微鏡の測定ステージをカスタマイズできるため、大画面のフラットパネルディスプレイなど大型のサンプルに対しても測定することが可能です。
図1. レーザー顕微鏡の比較
レーザー顕微鏡はレンズやミラーといった一般的な顕微鏡の構成と似ていますが、光源としてレーザーが用いられており、共焦点光学系として設計されています。レーザー光は放出される光の波長、位相が揃っており、単色性、指向性、直進性に優れているのが特徴です。
通常の光では位相、波長がバラバラであるため、光路が揃うことはなく、サンプルに照射して生じる反射光には散乱光が重なってしまいきれいな画像が得られません。一方、レーザー顕微鏡ではレンズの透過、サンプルの反射を経て反射光が集光される位置にピンホールを設置し、散乱光などの余分な光を除去することが可能です。そのため、輪郭がはっきりしたきれいな画像を得ることができます。
また、レーザー顕微鏡で二次元画像を得るときにはステージを動かす方式とレーザー機構を動かす方式があります。それぞれの特徴は以下の通りです。
図2. レーザー顕微鏡のスキャン方法
レーザー顕微鏡でスキャンを行う方法は様々です。例えばガルバノミラーによるスキャンでは機械的にミラーを動かしていますが、MEMSスキャナやレゾナントスキャナー方式によって高速化させることもあります。
スピニングディスク方式は高速測定に対応しており、多数のマイクロレンズ、ピンホールアレイが並べられたディスクにレーザー光を当て、サンプルから反射した多数の光を同時に拾う方法です。この方法は一度に多数の情報を得ることが可能ですが、ある程度広がっても十分な強度を有する高出力レーザーが必要になります。
図3. レーザー顕微鏡と電子顕微鏡の違い
高倍率な顕微鏡として、レーザー顕微鏡の他に電子顕微鏡が挙げられますが、これらの装置の原理は同一ではありません。レーザー顕微鏡では光を用いますが、電子顕微鏡では電子線を用いており、観察倍率、設備、測定技術が大きく異なります。
電子は波長に変換すると可視光に対して非常に短いため、電子顕微鏡の分解能は非常に高く、走査型電子顕微鏡 (SEM) は数ナノメートルの構造まで観察できます。一方で、レーザー顕微鏡は波長よりも短い領域の構造を観察することはできず、分解能は数百ナノメートルです。
レーザー顕微鏡と電子顕微鏡では設備が大きく異なり、電子顕微鏡は電子線を用いるため真空下での測定が必要になります。また、絶縁性の高い材料を電子顕微鏡で測定した場合、電子線によって表面に電荷が蓄積して画像がゆがむなどの制約もあり、サンプル固有の物性がどのようなものか注意が必要です。
また、測定技術としても電子顕微鏡は表面の切り出しや観察条件の最適化などに熟練した技術が求められます。一方で、レーザー顕微鏡は電荷の蓄積がなく、表面の切り出しも精密さを求められないため、電子顕微鏡に比べて汎用的に使用することが可能です。
共焦点のレーザー顕微鏡は、非接触でサンプル表面の粗さを測定することができます。サンプル表面の粗さを測定する方法としては原子間力顕微鏡が挙げられますが、共焦点レーザー顕微鏡は非接触で測定できるというメリットが大きいです。一方で、原子間力顕微鏡とは分解能が異なるため、サンプル表面の粗さによって適切な装置を選定する必要があります。
参考文献
https://www.future-science.com/doi/full/10.2144/000112089
https://www.microscopyu.com/techniques/confocal/introductory-confocal-concepts
http://www.bgu.ac.il/~glevi/website/Guides/Lasers.pdf
https://www.yokogawa.co.jp/library/documents-downloads/technical-information/what-is-confocal-microscopy/
https://www.lasertec.co.jp/products/special/hybrid/solution/sem.html
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エドモンド・オプティクス・ジャパン株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年09月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
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1 | カールツァイス株式会社 |
11.5%
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2 | オリンパス株式会社 |
11.5%
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3 | 株式会社島津製作所 |
10.4%
|
4 | 株式会社日立ハイテクサイエンス |
9.4%
|
5 | レーザーテック株式会社 |
8.3%
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6 | アンドール株式会社 |
7.3%
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7 | 株式会社キーエンス |
7.3%
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8 | ショーシンEM株式会社 |
5.2%
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9 | 株式会社マクシスエンジニアリング |
5.2%
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10 | 株式会社日立ハイテク |
5.2%
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注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年9月のレーザー顕微鏡ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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歴史のある会社
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エドモンド・オプティクス売れ筋の光学関連製品が見やすく掲載されたカタログ。アプリケーションノート(技術解説)や10以上の選定ガイドも掲載。※エドモンド...
2023年3月29日
OLS5100は最先端のアルゴリズムを採用することで、観測精度と観測スピードの両面での向上を実現しています。
スタートボタンを押すだけで、自動で調整を行ってくれるため操作者のスキルに依存しない観測結果を得ることができます。
拡張フレームを用いることで、最大高さ210mmまでのサンプルを計測することができます。
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VK-X1000は1ナノから50ミリまで正確に測れる形状解析レーザー顕微鏡です。
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本装置は非接触高速3D測定装置であり、最速5秒で3D測定できます。
AI Scanにより、スキャンを自動化し誰でも再現性の高い測定が行なえます。
OPTELICSR HYBRID+はレーザーコンフォーカル、白色コンフォーカルをベースに位相シフト干渉測定、垂直式白色干渉測定、反射分光膜厚測定、微分干渉観察などの6つの機能を1台に搭載しており、今まで複数の装置を使わないと実現できなかった測定がこれ一つで可能になります。
自動欠陥検査ソフトやAI検査機能を搭載しており、ワンクリックで自動測定を行うことができます。
一般的なレーザー顕微鏡では単一波長しか選択できない装置が多いですが、この装置は複数の波長から最適なものを選択して測定することができます。
ZEISS LSM 980は4Dイメージング用として最適な共焦点顕微鏡です。
Airyscan2というエリア検出器を採用しており、従来品よりも低ダメージで短時間に高精度なデータを取得することができます。
最新のソフトウェアヘルプツールを用いることで簡単な操作を実現し、再現性の向上も可能になります。
ZEN connectにより、実験中や実験後のデータをすべて記録・共有することができ、スムーズな状況把握が可能です。
LEXTOLS5000は高い空間分解能と広い汎用性で様々な対象物の三次元情報を取得できるレーザー顕微鏡です。
新開発のMEMSスキャナーにより、高い精度の高速スキャンを行うことができ、4Kスキャンにも対応しています。
専用レンズを搭載しており、球面収差を極限まで抑えています。
独自の画像処理アルゴリズムにより、微細構造の情報を失うこと無くノイズリダクションを行うことができ、信頼性の高いデータ取得が可能です。