蛍光顕微鏡のメーカー7社・12製品を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
蛍光顕微鏡は顕微鏡の一種であり、対象の蛍光を観察することができる装置です。
主に蛍光を発する物質で標識された生体組織・細胞などを対象としています。蛍光を用いることで空間分解能や時間分解能が良いことから、定量性のある情報が取得可能です。
生命科学だけでなく、病理などの分野でも利用されており、応用範囲は広いです。
現在、蛍光顕微鏡は共焦点レーザー顕微鏡や多光子顕微鏡などに進化しているものの、原理は共通する部分がありその重要性は揺らぎません。
蛍光顕微鏡は主にバイオイメージングに用いられます。具体的な対象は細胞や組織であり、以下のような技術との組み合わせで成立しています。
これら技術により、標的タンパク質や発現遺伝子の局在などが観察できます。
また、特定の物質に反応して蛍光を発する薬剤やタンパク質が開発されており、神経の活動や細胞内の物質動態の可視化が可能です。
蛍光物質は光をエネルギーとして吸収して、再び光として放出する物質です。吸収する光を励起光と呼び、励起光の照射により速やかな発光が起こります。蛍光の波長は励起光の波長よりも長く、これらの波長は蛍光物質により異なります。蛍光顕微鏡は特異的な蛍光を観察するために、以下から構成されるフィルターユニットを有しています。
フィルターユニットを変えることにより、様々な蛍光物質を同じ標本から観察することが可能です。
顕微鏡の分解能とは、二つの近接した点を異なる点と認識し見分けることが可能な最小の距離のことを意味しています。
顕微鏡では倍率も重要なポイントで、レンズを組み合わせることで無限に倍率をあげることは可能です。
しかし、光を使用してサンプルを観察する光学顕微鏡の場合、光の波が重なり合う回折が原因で、光の波長のおよそ半分の大きさが分解能の限界となります。
これが光の分解能の理論的な限界とされていましたが、この光の分解能の限界を打破した技術が開発され、開発者は2014年にノーベル化学賞を受賞しました。
その技術が「超解像顕微鏡法」と呼ばれる手法です。
超解像顕微鏡法が開発されるまでの蛍光顕微鏡分解能の限界はおよそ250nmでしたが、超解像顕微鏡法を用いた場合だと、15~100nmまでの高分解能が得られます。
ただし、理論的な限界を超えたからといって、超解像顕微鏡は光の物理的法則自体を変えたわけではありません。
光の物理法則の制約がある中で、あくまで分解能を制限する要因を回避するという手法で結果として分解能を向上させたのです。
分解能を飛躍的に向上させ、ノーベル化学賞を受賞した超解像顕微鏡法には、「PALM」や「STED」といった手法があります。
「PALM」、「STED」は、特殊な光学系や特殊な色素を利用することにより、蛍光顕微鏡分解能の限界を突破することを実現しました。
蛍光顕微鏡の利点は、特殊な蛍光色素を利用することで観察者にサンプルの視覚的詳細を鮮明に提供できる点です。
特定のタンパク質や抗体を利用した場合、蛍光顕微鏡を用いることで細胞内の構造や各分子を強調することもできます。
複数の色素を利用して対象物を観察することも可能です。例えば、赤色と緑色のマーカーを使用した場合に、黄色を示した部分があれば、細胞内の同じ場所に局在する2つのタンパク質を観察することが可能となります。"
"蛍光顕微鏡の利点は、特殊な蛍光色素を利用することで観察者にサンプルの視覚的詳細を鮮明に提供できる点です。
特定のタンパク質や抗体を利用した場合、蛍光顕微鏡を用いることで細胞内の構造や各分子を強調することもできます。
複数の色素を利用して対象物を観察することも可能です。例えば、赤色と緑色のマーカーを使用した場合に、黄色を示した部分があれば、細胞内の同じ場所に局在する2つのタンパク質を観察することが可能となります。
参考文献
https://www.yodosha.co.jp/yodobook/book/9784897069302/
http://www.nict.go.jp/publication/shuppan/kihou-journal/houkoku66-1_HTML/2020B-03-04.pdf
https://www.thermofisher.com/jp/ja/home/life-science/cell-analysis/cell-analysis-learning-center/molecular-probes-school-of-fluorescence/imaging-basics/fundamentals-of-fluorescence-microscopy.html
https://www.keyence.co.jp/ss/products/microscope/beginner/microscope/
https://www.orangescience.co.jp/what-is-fluorescence-microscope
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
3D Cell Explorer-fluoは3D屈折率イメージングと2D蛍光イメージングの機能を備えた蛍光顕微鏡です。
本シリーズは標識した蛍光イメージを屈折率イメージと重ねる機能と、さらに特定の屈折率を染色するデジタル染色機能により、蛍光標識した場合と同じ染色イメージを得る構成処理を行うことができます。
校正されたデジタル染色を 3D屈折率イメージに適用し、 無染色で細胞内小器官などの 3次元的な分布状況を可視
化することができます。
MT6300L/PE-300LITEは光源部に英CoolLED社のLED照明を採用した新モデルで、水銀ランプ搭載のモデルと異なり電源を入れてすぐに観察することが可能な蛍光顕微鏡です。
LED照明は長寿命設計なのでランニングコストを抑えられます。また、NDフィルターを使わずに無段階の調光が可能です。独自設計のセミアポクロマート対物レンズを標準で搭載しており、コントラストの良い観察像と紫外域での高い透過率を実現できます。
THTシリーズは微小な蛍光を発する生物サンプルを低倍率で観察するための蛍光顕微鏡です。
レンズの組み合わせによって総合倍率が約0.19倍から6.3倍となります。大口径で高開口数のレンズを採用しているので高感度で信号を検出することができ、より高いS/N比で撮影することが可能です。
本体ポートは通常、励起用光源を接続して同軸落射照明装置として使用しますが、ポートにレンズとカメラを接続し、2カメラを用いた2波長蛍光同時計測することも可能となっています。
XJF100シリーズは均一な照度分布を実現する非球面ケーラー照明を採用しており、高NAプラン・アクロマ-ト蛍光対物レンズとWF10X/25接眼レンズにより鮮明な観察像が得られる蛍光顕微鏡です。
反射光源はB(Blue), G(Green), BV(Blue Violet), Y(Yellow), V(Violet), U(Ultra Violet)の6波長帯を切り替え可能です。透過観察も可能であり。コストパフォーマンスが良いシリーズです。
HM-1000は蛍光色素を用いた分子検出技術と画像解析技術を組み合わせ、従来の蛍光顕微鏡よりも高空間分解能を実現しています。
従来の蛍光顕微鏡は光の回折限界が200nm程度ですが、HM-1000はそれ以上の40nmとなっているので拡大しても鮮明な画像を撮影することができます。
蛍光色素の明滅の性質を利用して撮像することで撮像手順を単純化し超解像画像を得ており、例えばタンパク質や細胞内の構造物を高精細画像で解析することができます。
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