AMR(自律走行搬送ロボット)についての概要、用途、原理などをご説明します。また、AMR(自律走行搬送ロボット)のメーカー11社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
監修:Industry Alpha株式会社
AMR(自律走行搬送ロボット)とは、倉庫や製造現場などで搬送業務を行うロボットの一種です。
AMRは、周囲の環境地図を作成することができ、現在位置を推定して自動で経路探索をしながら目的地まで走行することができます。AGV (Automatic Guided Vehicle) と異なり事前にガイドを設置する必要はなく、障害物や人を自動で避ける機能があります。AMRとは、Autonomous Mobile Robotの頭文字を取った略語です。また、協働型搬送ロボットと呼ばれる場合もあります。
AMRは重量物を扱う工場や倉庫などを中心に搬送業務を代行することに使用されています。人と作業エリアを共有して協働し、複雑なルートで搬送を行うことに用いられることが多いです。主な用途には下記のようなものがあります。
AMRは、人との協働を前提に開発されていることから、例えば、倉庫などでは作業者が商品をピッキングし、AMRが搬送を担うなどの役割分担が行われています。また、ピッキング作業ができる、アーム状協働ロボットを組み合わせたAMRも活用されます。
AMRは、搭載されたセンサーで周囲の状況を把握し、機体に荷物を載せられて自律移動する仕組みです。AGVが磁気テープやランドマークなどの誘導体を必要とするのとは異なり、AMRは、SLAM (英: Simultaneous Localization and Mapping:スラム) 機能を搭載し、周囲の環境地図を作成して自動で経路探索すると共に、人や障害物をセンサーで感知して回避しながら目的地まで走行します。
また、タブレット端末などで指示した目的地に向かわせたり、進入禁止領域を設定したりすることも可能です。
前述した自律走行を実現するため、AMRには複数のセンサーが搭載されています。AMRはこれらの高精度かつ複数のセンサー情報を融合することで、精度の高いルート作成を行い、運用されています。まず、基本となるセンシング技術は、レーザーを用いた距離センサー (LiDAR) や3Dカメラです。これらを用いて、機体から周囲の壁や柱までの距離を推定し、周囲の2次元や3次元の環境地図を作成しています。
また、更に
などの情報を組み合わせることで、現在位置の推定や機体の姿勢などを算出することが可能です。これらの情報をもとにSLAM技術を用いて目的地までの最適な走行ルートが算出されます。安全面では、LiDARやカメラで人や障害物を即時に感知して、自動回避、停車するようにプログラムされています。
AMRは、製品の種類によって搭載されているセンサーが異なったり、また用途に合わせて機能が異なっていたりします。例えば、大きさでは最小通行幅80cm程度のコンパクトなものもあり、このような製品は狭い製造現場に最適です。積載量は製品によって大きく異なり、積載量100kg、300kgなどの製品から2500kgまで耐えられる製品まで様々なものがあります。
広い現場をターゲットとして販売されている製品では、複数台同時制御に対応しており、多いものでは最大200台の同時制御が可能です。また、特定の機能に特化している製品もあります。ピッキング用のアームが付いている製品では、
の4つのステップを全自動で完了させることが可能です。用途や現場、目的に合わせて適切な製品を選定することが必要です。
本記事はAMR(自律走行搬送ロボット)を製造・販売するIndustry Alpha株式会社様に監修を頂きました。
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