防湿コーティング剤についての概要、用途、原理などをご説明します。また、防湿コーティング剤のメーカー10社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。防湿コーティング剤関連企業の2024年3月注目ランキングは1位:ダイキン工業株式会社、2位:エア・ブラウン株式会社、3位:日東シンコー株式会社となっています。
防湿コーティング剤とは、防湿が必要とされる被保護物の表面に塗布することにより被膜を形成し、被保護物に防湿性能を付与するものです。
プリント基板の防湿保護膜の形成によく使用されます。
防湿コーティング剤は、電気製品や電子機器に使用されている基板および基板上の実装部品の保護によく使用されています。これら基板や基板上の実装部品は、厳しい環境下での湿気や腐食、酸化などにより、短絡や断線、電流漏れを起こすことがあります。これらは電気製品や電子機器の動作不良や故障の大きな一因です。空気中の成分から電子部品を保護するために、防湿コーティング剤を基板や実装部品表面に均一に被覆することをコンフォーマルコーティングと呼んでいます。
防湿コーティング剤としては、フッ素系、アクリル系やウレタン系、シリコン系およびオレフィン系などの種類があります。防湿効果が高いフッ素系の防湿コーティング剤は、フッ素樹脂を溶解した溶液状の製品がほとんどであるため、刷毛や浸漬などで簡単にコーティングでき、室温で乾燥できることから多く使用されています。
防湿コーティング剤においては、塗布したときの膜の表面張力が低くなるよう調整されています。一方で、大気中の水分は分子同士が引き合って、その表面張力は、防湿コーティング剤の膜よりも高い値です。このため、表面張力の低い防湿コーティング剤よりなる膜の上では、表面張力が高い水は液滴となり、はじかれ、防水効果を果たします。
基板用の防湿コーティング剤として多く用いられるフッ素系防湿コーティング剤では、主成分であるフッ素のC-F結合が安定しています。このため、分子と分子が引き合う力(分子間凝集エネルギー)が弱くなり、フッ素系防湿コーティング剤の表面張力は水の表面張力と比較してかなり低い値です。
防湿コーティング剤には、アクリル系・ウレタン系や、シリコン系およびオレフィン系の他、フッ素系などがあります。順番に解説します。
アクリル系・ウレタン系の防湿コーティング剤は、基板用防湿コーティング剤として一般的なものです。自動車のECU基板などで長く使用されています。しかしながら、以下のようなデメリットがあります。
膜厚を厚くする必要がある
防湿性が比較的高くないアクリル系・ウレタン系の防湿コーティング剤では、保護機能を得るために厚い膜厚が必要です。その結果、基板が重くなってしまうデメリットがあります。
耐酸性が高くない
アクリル系・ウレタン系の防湿コーティング剤には、耐酸性が高くないというデメリットがあります。このため、基板を環境中の硫化水素などの酸性物質から保護するのは不可能です。
取り扱いに注意が必要
アクリル系・ウレタン系の防湿コーティング剤では、引火性有機溶剤が使用されており、火災や爆発の危険性や中毒などの健康影響などがあります。このため、消防法や労働安全衛生法により管理が義務付けられていて、取り扱いには十分注意が必要です。
シリコン系防湿コーティング剤は、一液型のRTVゴムが中心です。ポッティング剤として使用できるものもあり、多種類の製品が展開しています。形成される膜はゴム状の柔軟な膜であり、低温でもしなやかさを保持するためクラックを生じる可能性が低く、様々な分野で使用されています。ポッティングにより膜を形成する方法を用いれば、基板全体をブロック状に覆い固めることが可能です。ブロック状とすることから、高い防水性を確保できます。しかしながら、以下のようなデメリットがあります。
シリコン系防湿コーティング剤の中には、低分子の環状シリコン化合物(オイル状物質)が発生し、基板周辺に拡散することがあります。このオイル状物質のスイッチ接点などへの付着は、接触不良の一因です。
オレフィン系防湿コーティング剤は、ゴム状の膜を形成します。防湿性が高く、低温下でもクラックが発生しにくいことが特徴です。しかしながら、有機溶剤を含むというデメリットがあります。有機溶剤を含有していることから、取り扱い時には、消防法や労働安全衛生法に基づいた管理が義務付けられています。取り扱いには注意が必要です。
フッ素系防湿コーティング剤は、溶液状の製品がほとんどであるため、刷毛や浸漬などで簡単にコーティングでき、室温で乾燥できることから多く使用されています。また、以下のようなメリットがあります。
必要な膜厚が薄い
フッ素系防湿コーティング剤は、他のタイプと比較して、防湿性や耐酸性は数倍以上です。このため、ほかのタイプよりも薄い膜で防湿効果を達成可能です。塗布後の基板重量の増加が少ないこともメリットです。
耐酸性が高い
フッ素系防湿コーティング剤は、耐酸性が高い特徴があります。この特徴により、基板をリチウム電池電解液や硫化水素などから保護できます。
安全性が高い
アクリル系・ウレタン系の防湿コーティング剤では、引火性有機溶剤が使用されており、火災や爆発の危険性や中毒などの健康影響などがあります。このため、消防法や労働安全衛生法により管理が義務付けられていて、取り扱いには十分注意が必要です。
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
2024年3月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | ダイキン工業株式会社 |
21.8%
|
2 | エア・ブラウン株式会社 |
14.5%
|
3 | 日東シンコー株式会社 |
12.7%
|
4 | 株式会社ハーベス |
12.7%
|
5 | 株式会社フロロテクノロジー |
10.9%
|
6 | 富士化学産業株式会社 |
10.9%
|
7 | AGCセイミケミカル株式会社 |
7.3%
|
8 | カントーカセイ株式会社 |
3.6%
|
9 | 株式会社極東商会 |
3.6%
|
10 | 有限会社新昭和コート |
1.8%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2024年3月の防湿コーティング剤ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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株式会社フロロテクノロジー
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返信の早い企業
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2種類の品番
Metoreeに登録されている防湿コーティング剤が含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
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