油圧ダンパーのメーカー7社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
油圧ダンパーとは機械や建築構造物などを振動や衝撃から守るための部品のことをいい、ショックアブソーバ(衝撃吸収)とも呼ばれることがあります。
油圧ダンパーはこの衝撃吸収にオイルで満たされたシリンダとピストンを使用したものです。
詳しくは原理のところで説明しますが、オイルの速度に対する抵抗を利用し衝撃・振動による運動エネルギーを熱エネルギーに変換することで物体にかかる振動や衝撃を緩衝・低減するための装置です。
油圧ダンパーは振動を軽減するという観点から様々な工業製品に使用されています。
代表的なものに自動車があります。自動車の足回りに使用されてる、サスペンションと呼ばれる振動抑制機構です。
この油圧ダンパーを使用することで車の走行中に振動・衝撃を吸収し走行を安定化することができるので、自動車にはなくてはならない重要な部品です。
その他にも鉄道車両や航空機などの大型の輸送機にも使用されています。
さらに地震の多い日本では建物の制震・免震構造というものは重要であり、建物の免震対策にも油圧ダンパーは使用されています。
油圧ダンパーの基本原理は流体(液体・気体)の乱流抵抗を利用しており、乱流抵抗とは速度のn乗に比例する抵抗のことです(nは1と2の間の数字)。
油圧ダンパーの基本構造はシリンダとピストンで、ピストンロッドに物体から力が加わりピストンを押すときにシリンダ内に充填されたオイルを押します。
シリンダとピストンの間にはわずかな空間があり(オリフィス)、その空隙に押されたオイルが押し込められる際にピストンの運動エネルギーが熱エネルギーに交換されます。
運動エネルギーの一部が熱エネルギーに変換されるということはもとの運動エネルギー(振動・衝撃)が減少しているということは振動や衝撃が熱エネルギーとして吸収されているということになります。
このオリフィスの幅や数を調節することで油圧ダンパーの緩衝特性を対象物に合わせたものに変えることが可能です。
建築物の免震・制震機構に取り入れる場合油圧ダンパーは小さな揺れから大きな揺れまで対応可能な点がメリットのひとつですが、他のダンパー(鋼材・ゴム)に比べると小型なので十分な機能を発揮させるためには数量が必要になってきます。
参考文献
https://motor-fan.jp/tech/10009556
https://kotobank.jp/word/%E6%B2%B9%E5%9C%A7%E3%83%80%E3%83%B3%E3%83%91-144523
http://www.acecontrols.co.jp/products/hydraulicdamper.html
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
テクノタイヨーでは、顧客側からの構想や案から、油圧ダンパーの開発をおこなっています。
これまで、木造住宅用制振ダンパーや木製トレーニングマシン用オイルダンパー、負荷調整機能付きトレーニングマシン用オイルダンパーなどを開発した実績があります。
構想図から試作、量作の図面、そして量産用の図面までの作成を行うほか、各過程での組立や機能性、動作性、耐久性などの評価も実施しており、開発から設計、試作と試験といったプロセスを一貫して実施していることが特徴です。
B-498オイルダンパーは、鉄道車両や航空機の荷物棚、振動機械に使用される油圧ダンパーです。
ストロークは40㎜あり、その範囲内で適度なダンパーの効果を得ることができます。
ロッドの伸び方向のみに抵抗力が働くことが特徴で、縮み荷重が6N以下、伸び荷重が60Nとなっています。
ポリアセタールを使用しているので、長さが138㎜、重さが14gと、小型、軽量です。
また、専用のブラケットが2種類用意されており、様々な場所での取り付けに対応しています。
ハイビルダムは、超高層から低層まで、あらゆる建築物に対応した、油圧制震ダンパーです。
減衰特性とストローク速度がバイリニア型の関係になっており、大きな地震が起きても、建物の躯体に過大な負荷がかかることを防ぐことができます。
また、振動や温度といった外的要因に対して減衰特性の変化が小さいことも特徴です。
オプションの油量監視棒を使用することで、内部の油量をいつでも確認することができます。
速度の制御や揺れの軽減等に使用する調整式油圧ダンパーです。
信頼性の高い密閉構造を使用しており、メンテナンスフリーとなっています。
ボディ径は12㎜~70㎜から選ぶことができ、ストロークは最大800㎜まで選ぶことができ、様々な減衰力に対応しています。
ロッドの伸縮双方向に減衰力がはたらく標準品の他にも、伸長のみ、収縮のみで減衰力が働くダンパーも用意されており、用途に合わせて選ぶことができます。
介護予防訓練機やフィットネスマシンなどの健康器具に取り付けて使用する油圧ダンパーです。スリムな外観をしており、アブダクションやチェストプレスなどのマシンにも溶け込むデザインとなっています。
切り替え式の調整用ダイヤルで、負荷を6段階に切り替えることができます。
また、マシンの使用者が力を抜くと、その場所で動き続けることなく止まるので、高齢者でも安全なトレーニングが可能です。
用途に合わせて、押し引き双方向で減衰力がはたらくタイプと、片方向のみに減衰力がはたらくタイプを取り揃えています。