フッ素コーティング剤についての概要、用途、原理などをご説明します。また、フッ素コーティング剤のメーカー13社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。フッ素コーティング剤関連企業の2023年09月注目ランキングは1位:株式会社フロロテクノロジー、2位:AGCセイミケミカル株式会社、3位:巴工業株式会社となっています。
1987年~1991年昭和電線電纜勤務 高分子材料研究室にて電線の被覆材の研究に従事
1991年~1997年小池国際特許事務所にてパテントエンジニアとして勤務
1997年~2005年GE横河メディカルシステムにて知財部員として勤務
現在、ライターとして活動。
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鈴木裕子のプロフィール
フッ素コーティング剤は、被保護物の表面に塗布することにより被膜を形成し、被保護物にフッ素による滑り性や防汚性などの様々な効果を付与するものです。
フッ素樹脂を溶解した溶液状の製品がほとんどで、刷毛や浸漬などで簡単にコーティングでき、室温で乾燥できることも特徴です。
フッ素コーティング剤は、フッ素由来の様々な効果を発揮することから、数多くの製品や分野で使用されています。例えば、撥水撥油効果を必要とするタッチパネルのディスプレイ表面や防水スプレーの原料が挙げられます。また、防水機能を必要とする基板のコーティングや防汚機能を必要とする自動車のボディーやガラスへの使用が代表的です。
フッ素コーティング剤の主成分であるフッ素は、C-F結合が安定しており、分子と分子が引き合う力 (分子間凝集エネルギー) が弱い特性があります。このため、フッ素コーティング剤の表面張力は低くなります。これに対し、被保護物への付着を阻止すべき水や油は分子同士が引き合い、その表面張力はフッ素コーティング剤の表面張力よりも高い値です。
このことから、表面張力の低いフッ素コーティング剤の被膜の上では、表面張力が高い水や油は液滴となり、水と油がはじかれます。また、微生物をはじめとする生物といった付着物も、フッ素コーティング剤の表面張力よりも大きな表面張力を有することから、付着しにくく、これらからの防汚も可能です。
なお、このはじく性質は、ぬれ性を示す接触角であらわされ、液体を固体表面に落としたときにできる液滴のふくらみ (液の高さ) の程度を数値化してあらわした値です。具体的には、固体表面に付着した液を横から観察して測定し、固体表面を基準として液滴の端点における液の角度を測定します。このとき、接触角が90度より大きなものが撥水性とされており、フッ素コーティング剤の接触角も90度より大きい値です。
フッ素コーティング剤には様々な種類があります。代表的なフッ素コーティング剤は以下の通りです。
また、フッ素コーティング剤の中には、撥水性能が非常に高く「超撥水フッ素コーティング剤」と呼ばれるものもあります。一般的な撥水と超撥水の違いは、固体表面に液体が触れた時の接触角の差であらわされ、接触角が140度以上だと超撥水、90度以上だと撥水と呼ばれています。
前述したように、フッ素コーティング剤は様々な製品や分野で使用されています。下記では、フッ素コーティング剤の特性を応用した具体的な導入例について解説します。
1. 撥水撥油性
フッ素コーティング剤は、撥水性能と撥油性能が高いことから、インクを使用する製品や部品に多く利用されています。例えば、ボールペンなどのインクケース部分の内部に塗布することにより、残量の可視化やインクを無駄なく使用することが可能です。
2. 防湿性
フッ素コーティング剤は撥水性能があることから、防湿機能も果たします。このため、湿度により特性が変わってしまう、例えば基板の保護剤として使用されます。フッ素コーティング剤は塗布が可能なので、基板を痛めることなく薄膜が形成でき、基板重量を抑えた形での防湿が可能です。
3. 防汚性
フッ素コーティング剤は、先程述べたように表面張力が小さいことから、水や油分だけでなく、微生物などの付着も防止します。このため、自動車のボディーやガラスのコート剤としても好適です。なお、フッ素コーティング剤による施工は、業者に依頼しておこなうほか、スプレー状のコーティング剤などを利用して自分で行うこともできるのがメリットです。
参考文献
https://www.fluorotech.co.jp/column/fluorine_coating.html
https://cos.cosmo-oil.co.jp/blog-detail/1/1000000454/
https://www.harves.co.jp/products/water-oil_repellent.php
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株式会社フロロテクノロジー 株式会社イー・スクエア アドバンス有限会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年09月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
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1 | 株式会社フロロテクノロジー |
35.6%
|
2 | AGCセイミケミカル株式会社 |
13.7%
|
3 | 巴工業株式会社 |
9.6%
|
4 | AGC株式会社 |
8.2%
|
5 | 三菱ガス化学トレーディング株式会社 |
6.8%
|
6 | 株式会社極東商会 |
6.8%
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7 | 株式会社クリスタルプロセス |
5.5%
|
8 | 株式会社セントラルコンクリート |
4.1%
|
9 | 有限会社新昭和コート |
2.7%
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10 | 株式会社ハーベス |
2.7%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年9月のフッ素コーティング剤ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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歴史のある会社
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Metoreeに登録されているフッ素コーティング剤が含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
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企業
株式会社フロロテクノロジー 株式会社イー・スクエア アドバンス有限会社Shieldsシリーズは、反応硬化型塗料に硬化型フッ素樹脂を配合させた、反応硬化型フッ素系クリアコート剤です。
塗料の硬化とともにフッ素樹脂も硬化されるため、高い撥水・撥油性・防汚性が長時間持続します。
アセトン・トルエン・酢酸エチル・IPA(イソプロピルアルコール)・MEK(メチルエチルケトン)などの溶剤に対しても、高い耐溶剤性を示します。
その他、耐薬品性、耐アルカリ性、耐サンスクリーン性に優れます。
SUS(ステンレス)、ガラス、ABS樹脂、PC(ポリカーボネート)に対して、優れた密着性を示します。
DURASURFは、粘度が低く、常温速乾性の高性能な工業用フッ素コーティング剤です。
電子部品、金属、回路基板上のマイグレーション防止、コンフォーマルコーティング、モバイル機器の表面処理などデリケートな箇所の保護コーティングに適しています。
物理吸着によりコーティングするフッ素系ポリマータイプは、膜厚1~20µmと薄膜で、防湿性・絶縁性・防錆性に優れます。
化学吸着によりコーティングするフッ素系短分膜タイプは、膜厚20nm以下で防汚性、耐指紋性、耐摩耗すべり性に優れます。
巴工業株式会社の環境対応型フッ素系高機能製品は、国際的な規制で製造・使用禁止が検討されているPFOS・PFOP・PFOAを使用しない、オゾン破壊・地球温暖化に配慮した環境対応型フッ素系コーティング剤です。
絶縁性に優れ、熱的化学的に安定性が高いため、比較的高い金型温度の樹脂金型離型剤として使用することができます。
コーティング皮膜は防水性、防湿性、撥水性、撥油性、耐酸性、耐腐食性、絶縁性を有します。電子部品の防水処理だけでなく、塩酸・硫酸・亜硫酸ガス・電池の電解液などから金属部分を保護します。
エスエフコート(SFCOAT)は、特に電子部品に対するコーティング剤として多く用いられます。
高湿度環境で使用される電子部品には、防水性・防湿性・撥水性に優れるSFE-DP02HまたはSNF-DP20H、小型モーターなどの回転軸や摺動部の摩擦を軽減するためのグリスの拡散防止には、SFE-B002HまたはSNF-B200Aが適しています。
電子部品のはんだ付けの際の部品内部への侵入を防ぐには、SCV-X008またはSFE-X008、電子部品の目的箇所以外への封止樹脂の付着を防ぐには、SR-4000Aが適しています。
その他、防汚処理や離型剤として使用することができます。