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サーベイメーターについての概要、用途、原理などをご説明します。また、サーベイメーターのメーカー10社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。サーベイメーター関連企業の2024年10月注目ランキングは1位:日本レイテック株式会社、2位:東洋メディック株式会社、3位:株式會社三和トレーデングとなっています。
1975年~1995年株式会社日立製作所勤務>エネルギー研究所にて原子炉材料の放射線照射効果研究に従事。研究成果により、日本・米国原子力学会賞受賞。>1996年~2015年>同生産技術研究所にて半導体デバイスの環境中性子線起因ソフトエラー研究に従事。研究成
サーベイメーターとは、放射線や放射性同位元素を扱う施設で、空間線量率または作業者の服などに付着した放射能 (表面汚染) の量を測定する携帯用及び簡易型放射線測定器です。
放射線には、物質の透過能力の高い順から、中性子線、γ (ガンマ) 線, X 線、β (ベータ) 線、α (アルファ) 線、荷電粒子線が含まれます。透過能力の序列は放射線の種類のみではなく、エネルギーにも依存します。放射性物質の種類や量の測定、被曝線量の測定など、それぞれの目的によって測定機器の選択が必要です。
モニタリングポストが、原子力施設の周辺や各都道府県の指定地点に設置されています。モニタリングポストでは、放射性物質 (塵など) の漏洩を監視するため、空間線量率計やダストモニタに付着した放射性塵からのβ線を測定して放射性塵の量を測定します。
市街地などの線量率が低い場所での測定には、γ線に対する感度の高いシンチレーション式サーベイメータが最適です。放射線作業従事者に対して、被曝線量の測定が法的に定められていて、主にフィルムバッジやTLD線量計 (熱ルミネッセンス線量計) などの個人線量計が使用されます。
物の表面の測定には、β線を測定するGM計数管式サーベイメータ-がよく使用されますが、α線を測定するシンチレーター式測定器やα線、β線を測定する比例計数管式サーベイメータも利用されます。
食品に含まれる放射能汚染の基準値は極めて小さく、高感度のゲルマニウム半導体検出器やシンチレーション検出器と分析装置の組み合わせで使用します。
サーベイメータは機種 (GM係数管式、電離箱方式、シンチレーション式) や放射線の種類 (特に中性子線) によって、基本原子が異なります。
GM計数管は図1に示すように、円筒形の検出器内部にヘリウム、アルゴン等の不活性ガスを満たし、中心陽極と周囲の陰極の間に直流高電圧が加えられます。γ (X) 線は、陰極材料と反応して内部に発生する電子を介して、α線、β線はガスを直接電離できます。電離を引き金にして生じた放電によるパルス数をにより空間線量率測定が可能です。1分間に計数されたパルス数から、0.1μSv/h~10Sv/h程度の実効線量率を求めます。
図1. GM管式サーベイメータの基本構造と測定原理
電離箱検出器は、GM管式サーベイメータと同じ構造の検出器の中に空気やアルゴンが満たされています。検出器の中に放射線が入射すると、空気が陽イオンと電子に電離され、電極間に流れる微少電流を表示する測定器が電離箱式サーベイメータです。電離箱式サーベイメータは、β線、γ線、低エネルギーX線の測定に適しており、形式にもよりますが、1μSv/h~5Sv/hの範囲の実効線量率が測定できます。
図2. シンチレーション式サーベイメータの基本構造と測定原理
シンチレーション式サーベイメータは、図2に示すようにシンチレータと光電子増倍管で構成されます。シンチレータに放射線が入射すると、光電効果などの作用によりシンチレータの結晶物質が励起されます。
基底順位に戻るときに発生する微少な光を光電子増倍管で電流に変換して増幅し、得られるパルス電流を計数します。γ (X) 線用ではNaI (Tl) 、CsI (Tl) などのシンチレータが用いられ、β線用では、プラスチック、α線ではZnS (Ag) のシンチレータが使用される場合が多いです。γ (X) 線用のシンチレータは高感度なので、一般環境等の低レべルの放射線測定に適しています。
図3. 中性子用サーベイメータの基本構造と原理
中性子サーベイメータとしては、図3に示すように陰極、陽極から構成される検出器のなかにBF3ガスや3Heガスを封入します。10B(n,α)9Li, 3He(n,p)3Hの核反応によって発生するα線や、陽子(p)を電離箱と同様の原理で測定します。中性子のエネルギー領域は、熱中性子 (0.025eV) から高速中性子 (10MeV) まで広範囲です。実効線量率としては、0.01μSv/h〜0.01mSv/hが測定範囲とされます。
検出器が球体のものもあり、通常ボナーボール (英: Bonner Ball)と呼ばれます。球の大きさを変えたものを複数用いることにより、中性子のエネルギースペクトル (強度分布) を求めることができます。
個人用被曝線量計としてはフィルムバッジ、TLD線量計などの積分型の線量計が用いられます。フィルムバッジは、写真フィルムの放射線に対する感光作用を利用したもので、プラスチックケースの中に各種のフィルターとフィルムの小片が納められています。
TLD線量計は、CaSO4などの特定の結晶物質が放射線を受けた量に応じて蛍光を発生する性質を利用したものです。
放射線作業従事者は放射線量が5年間につき100mSvを超えないこと、かつ1年間につき50mSvを超えないようにする必要があります。女性や妊婦についてはそれよりも少ない限度が法令によって定められています。一般人は、1年間の実効線量で1mSv以下が基準です。
環境モニタリングにおける正しい測定結果を得るためには、定期的な校正 (指示値のずれの修正) と日常点検、バッググラウンドの測定をし、異常や故障時の目安にします。放射線作業従事者が事故により重大な死亡事故につながる事例が世界各国で報告されおり、原子力施設等での事故は構造の欠陥や作業員の手順逸脱などがあり、施設の安全管理や作業員の手順の順守などが求められています。
素粒子物理研究などに用いられる高エネルギーイオン加速器では、陽子をW (タングステン) や、Li (リチウム) などのターゲットに入射することにより、高エネルギー中性子源としても用いられます。LINAC(線型電子線加速器) などを用いた高エネルギー電子線はタイヤの硬化処理などに用いられます。
241Am (アメリシウム) などのα線源は、半導体デバイスのα線ソフトエラー (1, 0のデータが反転する現象) 評価に用いられます。殺菌や、じゃがいもの発芽防止、各種の照射効果研究に用いられる60Co (コバルト)を用いたγ線照射装置では、作業者、研究者の放射線被曝の管理が求められます。
以上の研究・試験設備は通常は「放射性同位元素等の規制に関する法律」上の「管理区域」に該当し、物や作業者・研究者の被曝・表面汚染、放射性同位元素の搬出入は厳しく管理されます。
京都大学やMIT (マサチューセッツ工科大学) 、ノルウェーのハルデン炉などの実験用原子炉では、低エネルギー中性子が脳腫瘍治療などに用いられます。この時、生体や周辺の機器が放射化される場合があります。
一方、通常運転の商用原子炉は原子炉建屋・機器の定期点検を約1年に1回行うことが義務付けられています。点検時は、原子炉は停止しているため中性子線はありません。一方、運転中の原子炉炉心では、構造材料などの放射化で60Coなどの放射性同位元素が生成します。
放射性物質は原子炉の冷却水に溶け出し、原子炉冷却系配管内面に吸収され、作業者の外部被曝の原因となります。機器を分解修理する場合などは表面汚染も注意が必要ですので、サーベイメータは作業時の必携品です。
参考文献
https://www.jaea.go.jp/04/ntokai/houkan/monitor/b_2.html
https://www.jaea.go.jp/04/ntokai/houkan/monitor/b_2.html#b2_3
https://www.env.go.jp/chemi/rhm/kisoshiryo/attach/201510mat1s-01-4.pdf
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/data_reliance/maff_torikumi/pdf/rad_kensyu.pdf
https://www.ene100.jp/fukushima/7549
https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detail_09-04-03-03.html
https://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-2/hor1-2-32-2-0.htm
https://www.jemima.or.jp/activities/file/SimpleMeasurementOfRadiation_Guideline.pdf
https://www.fujielectric.co.jp/products/radiation/servy/nsn.html
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
2024年10月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 日本レイテック株式会社 |
17.1%
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2 | 東洋メディック株式会社 |
17.1%
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3 | 株式會社三和トレーデング |
11.4%
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4 | 株式会社応用技研 |
11.4%
|
5 | 株式会社近畿レントゲン工業社 |
8.6%
|
6 | 株式会社日本環境調査研究所 |
8.6%
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7 | 株式会社千代田テクノル |
8.6%
|
8 | セイコー・イージーアンドジー株式会社 |
5.7%
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9 | 株式会社アクティオ |
5.7%
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10 | 富士電機株式会社 |
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