PH計についての概要、用途、原理などをご説明します。また、PH計のメーカー14社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。PH計関連企業の2022年4月注目ランキングは1位:株式会社堀場製作所、2位:東亜ディーケーケー株式会社、3位:日機装株式会社となっています。
博士研究員として大阪府立大学の装置工学グループで全固体電池のための正極複合粒子の製造に関する研究に従事。
長岡技術科学大学では、資源エネルギー循環研究室に所属し、CO2分離を目的としたDDR型ゼオライト膜の開発とそれを用いた下水処理場から発生する消化ガスからのCO2回収に関する研究を実施。
https://researchmap.jp/eiji-hayakawa
論文
https://doi.org/10.3390/membranes11080623
http://www.ijcea.org/index.php?m=content&c=index&a=show&catid=109&id=1177
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1387181119305529?via%3Dihub
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S138358661833154X?via%3Dihub
早川栄二のプロフィール
pH計は液体のpHを測定する装置です。pHは水質を表す指標の一つであり、液体の水素イオン濃度を表すものです。例えば水道水は中性、炭酸水や胃酸は酸性、石灰水やせっけん水などはアルカリ性に分類されます。
簡単な測定方法としてはリトマス試験紙を用いた比色法による測定方法があります。ただし、より正確なpHを知るためにはpH計が必要になります。pH計は主にガラス電極を用いているものが主流であり、これをガラス電極法と呼びます。
主に燃焼を行うゴミ焼却場、ボイラー、火力発電などでのpH測定や、建設土木工事やコンクリート工場での工場排水放水時のpH測定などで用いられます。pH計を設置しておくことで常時測定し、異常なpHにならないか監視する用途でも用いられます。
食品分野ではpHによって味や安全性が変化するものも多々あります。食品それぞれに適したpHがあり、適したpHでないと風味が損なわれたり、異物が混入してしまったりと問題が発生してしまいます。
一般的なガラス電極法でのpH系は、ガラス電極と比較電極の2種類を用いて測定します。この2つの電極の電位差を測定することでpHを測定することができます。
ガラス薄膜の内外にpH差が発生しているとその差に応じた電位差が発生します。理論上では、25℃の溶液においてpH差が1あれば起電力は約59mV発生します。ガラス電極の中の液は通常pHが7の液を用いるため、起電力を測定することで測定対象のpHが分かります。
上記の様に起電力を測定するには、対比となるもう1本の電極が必要となります。これを比較電極と呼びます。比較電極は液絡部を介して電極内部液と被験液が接触しており、被験液が変化しても電位がほとんど変化しません。ただし、液絡部では常に電極内部液が被験液の方に流れることが理想であり、このため測定時は比較電極の内部液補充口を開け、内部液の液面は被験液面よりも高くする必要があります。
pH測定を行うにあたり、必ず標準液を用いた校正を行う必要があります。標準液には緩衝液が用いられます。JISにより決められた5種類の標準液が存在します。シュウ酸塩、フタル酸塩、中性リン酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩の5種類です。pH差が1で約59mVと小さな電位差ですので、まずこれら標準液を用いて校正を行うことでpH差による起電力を測定する際に正確に測定することができます。
一般的にpH計は、電極と温度補償用の温度センサで構成されています。電極にはガラスが用いられ、このガラス電極と比較電極の2本の電極間に生じた電位差を測定することによりpHを確認します。
pH計の測定電極は白金/水素電極が用いられてきましたが、この電極は現在では一般的には使用されていません。一方で、高精度の測定結果を得るための参照電極として使用されています。
現在では多様化している被測定溶液に対応するために、ガラス電極が使用されています。ガラス電極は、pH感度を持つガラス膜内に内部緩衝液を封入し、内部導通用電極を通り、電位を測定します。また、外側の電極管は高い耐アルカリ性をもち、ガラス膜の持つ電気抵抗に比べ数倍の抵抗を持つことが要求されます。
pH計は、ガラス電極(測定電極)と参照電極が対となって、2本の電極を用いて測定するのが多かったのですが、測定電極と参照電極が1つに組み合わされた複合電極が考案され、多くの場で使用されています。
複合電極では、測定電極の外側に同心円状で参照電極が付いている構造となっています。
作物を育てる際に、土壌のpHを確認し、酸性側か、アルカリ性側かを確認する必要があります。
例えば、茶はpHが5で酸性、ジャガイモはpHが6で弱酸性、ほうれん草はpHが7で中性というように各作物で土壌中のpHの領域が異なります。ただし、土壌のpH測定は難しく、溶液のようにガラス電極を地面に刺すこができません。
土壌のpH測定としては、農林水産省がマニュアルを作成し、指示薬を使用した簡易測定法があります。
これは、採取した土壌を自然乾燥させ、水道水と混ぜます。5-10分ほど静置し、上澄液を採取して、指示薬を滴下します。検水の発色を読み取り、対応するpHを確認します。なお、これ以外に、ポータブルのpH測定器もあり、直接地面に刺して、対象となる土壌のpHを測ることも可能になっています。
参考文献
http://www.fkk-net.co.jp/pc/contents19.html
https://www.horiba.com/jp/application/material-property-characterization/water-analysis/water-quality-electrochemistry-instrumentation/the-story-of-ph-and-water-quality/the-story-of-ph/measurement-of-ph-in-many-fields/foods-medicines-cosmetics-and-medical-care/
https://www.horiba.com/jp/application/material-property-characterization/water-analysis/water-quality-electrochemistry-instrumentation/the-story-of-ph-and-water-quality/the-basis-of-ph/measuring-ph-using-a-glass-electrode/
https://www.horiba.com/jp/application/material-property-characterization/water-analysis/water-quality-electrochemistry-instrumentation/the-story-of-ph-and-water-quality/the-basis-of-ph/measuring-ph-using-a-glass-electrode/reference-solution/
https://www.tactec.co.jp/download/hamilton_dl/hamilton_pH_info_1.pdf
https://www.toadkk.co.jp/support/useful/useful05.html
https://www.toadkk.co.jp/support/useful/useful03.html
https://www.suzuken-ltd.co.jp/choose/soil/
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PH計のカタログ一覧はこちら企業
富士精密電機株式会社 メトロームジャパン株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年4月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社堀場製作所 | 21.4% |
2 | 東亜ディーケーケー株式会社 | 14.4% |
3 | 日機装株式会社 | 10.7% |
4 | 株式会社竹村電機製作所 | 7.5% |
5 | 株式会社テストー | 6.4% |
6 | 株式会社吉野計測 | 5.9% |
7 | 富士精密電機株式会社 | 5.9% |
8 | 株式会社佐藤商事 | 4.8% |
9 | メトラー・トレド株式会社 | 4.3% |
10 | 株式会社池田理化 | 4.3% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年4月のPH計ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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サトテック Bluetooth対応防水pHメーター HJ-PH60-Zは、Bluetoothを搭載しており、スマートフォンやタブレットに測定データを送信可能なPH計です。スマートフォンなどに収集したデータはPCにCSV出力できるので、手動入力と異なりヒューマンエラーのリスクが抑えられています。
IP67規格に準じた防水機能が備わっており、水没による故障の心配がありません。軽量でコンパクトなタイプであり、水耕栽培工場や養殖場・プールなど、測定を行う現場への持ち運びが簡単です。
testo 206-1 - 液体用pH計は、飲料・熱湯などをはじめとする液体全般の測定に適した、温度計一体型の高機能PH計です。温度計を内蔵したことで正確な温度補正を実現しており、測定結果の信頼性が向上しています。
プローブの保存にはゲル状の比較電極液を使用しているため、キャップから液がこぼれる心配はありません。付属のプロテクターを装着すると水や衝撃から本体を保護できるので、さまざまな使用環境での測定に対応可能です。
HM-42Xは、オプションの電極を利用することでORPや各種イオンの測定も行うことができるなど拡張性に優れたPH計です。上水道や食品産業・水族館など、さまざまな場所における測定で活躍しています。
2000検体分のデータ記録機能・標準装備のUSBポートを用いたPC接続機能など、データを取り扱いやすくする機能が充実しているのが特徴的です。別売のターンテーブル「TTT-710」に接続することにより自動測定を行えるため、検体数が多いユーザーに適しています。
pH計9794型は、主にボイラプラントや純水製造システムで利用される、溶液のオンライン連続測定に特化したPH計です。実装されている温度補償機能は5種類と豊富であり、あらゆる測定対象溶液に対して正確な測定を行えるように設計されています。
電極出力が安定しているかをチェックする機能が備わっており、標準液校正における個人差が生じません。任意の上下限値を設定できる警報機能が標準装備されていることも特徴的です。
PHC-6Bは、測定方式としてガラス電極方式を採用した、パネル取付けタイプのPH計です。上限値および下限値をあらかじめ設定しておくと測定値が設定値に達した場合に警報で知らせる機能があり、継続的な監視を行うケースで利用されています。
測定値はアナログ方式で表示されますが、警報設定値についてはデジタル表示が採用されており容易に確認が可能です。電源電圧はAC90Vから240Vと対応範囲が広いため、電源の確保に困ることはありません。