調節計についての概要、用途、原理などをご説明します。また、調節計のメーカー45社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。調節計関連企業の2023年3月注目ランキングは1位:神港テクノス株式会社、2位:オムロン株式会社、3位:アズビル株式会社となっています。
早稲田大学大学院でMBE法による窒化物半導体成長に関する研究に従事。2016年に大学院を修了後、非鉄金属系メーカーへ入社。金属製錬工場における設備保全・エンジニアリングの業務に従事。2022年に化学系メーカーへ転職。同様の業務に従事。
前田 理也のプロフィール
調節計とは、機械の出力を自動調節するための装置です。
指示調節計または温度調節計という名称で製品販売されている場合が多いです。温度調節計として販売された機器でも、温度以外を調節可能な製品も多くあります。
温度・湿度・圧力・流量などの物理的なパラメーターをセンサーから入力して値を指示します。これが設定した目標値と同じになるようにフィードバックをかけます。調節したいパラメーターの現在値と設定値をモニタするディスプレイを有した製品が一般的です。
ディスプレイがアナログ指針の場合はアナログ調節計と呼ばれ、7セグメント表示の場合はデジタル調節計と呼ばれます。現在は、デジタル調節計が主流です。アナログ指針の場合は現在値表示が省略されている場合もあります。
調節計は産業機器から家電製品まで広く使用されます。以下は、調節計の使用用途一例です。
パラメーターを一定に保ちたい場合に利用されます。また、コンピューターと連携して、モニターしたデータをロギングする場合もあります。
調節計はセンサー部分、処理演算・モニタ部分、出力部分で構成されます。センサー部分は、物理量を入力する部分です。温度なら温度計、湿度なら湿度計と調節したい物理量のセンサーを使用します。
処理演算・モニタ部分では、値をモニタしながら出力値を調節します。測定値と目標値は回路に組み込まれたコンパレータなどで大小の比較を行い、出力値を決定して出力部分へ送ります。フィードバックを行うための制御動作にはさまざまな方式があります。
測定値が目標値と比べて低いときは出力をONに、高いときはOFFにする動作です。この動作を繰り返すことで測定値を目標値付近に保ちます。
目標値との差に比例した制御出力を行う動作です。ON/OFF動作よりもなめらかな動作が可能ですが、目標値付近で比較的大きく変動します。目標値から少しずれたところで安定してしまうことをオフセットと呼び、積分動作などで調整します。
目標値と測定値における差の時間積分値を基に制御する動作です。比例動作でオフセットが出現した際、オフセットをなくすために使用することが多いです。比例動作と組み合わせて使用します。
測定値の変化率 (微分値) に応じて出力する動作です。現在値が急激に変化した場合に即座にもとに戻すような出力量を与えます。P、I、D動作それぞれを組み合わせたものをPID動作と呼び、各動作のメリットを合わせた効果が得られます。
調節計は取付サイズ、入力仕様、出力仕様、通信方式などに応じて選定します。
取付サイズは、調節計を取り付けるパネルの大きさです。一般的に調節計は、金属製制御盤の表面パネルに取り付けることが多いため、取り付けスペースに応じて製品を選定します。多くの調節計を並べたい場合は、小型の製品を選定します。
入力仕様は、入力信号と入力点数などの仕様です。制御したい物理量に応じて選定します。入力信号が温度の場合は、測温抵抗体や熱電対が使用されるケースが多いです。
測温抵抗体は主にPT100Ω仕様が多く、熱電対は使用温度に応じてK、R、Bなどから使い分けられます。温度以外の場合は、4-20mA入力や1-5V入力の機器を繋げるケースが多いです。
入力信号は導入できる信号の数です。制御対象機器には制御ループを2つ組み合わせた「カスケード制御」を実施したい場合もあり、入力が2点以上必要となることがあります。
出力仕様は出力機器へ伝送する信号の仕様です。アナログ制御の場合は4-20mAまたは1-5V出力が一般的です。ON-OFF制御の場合は接点出力またはトランジスタ出力が多いです。出力先の機器仕様に応じて選定します。
通信方式はコンピュータと通信するための方式です。通信によってコンピュータへ測定値や出力値を伝送したり、コンピュータから目標値を変化させたい場合に使用します。
コンピュータと通信を行う場合は、以前は、RS422やRS485などのシリアル通信が一般的でした。近年では、LANケーブルによるEthernet通信が主流です。
参考文献
https://www.fa.omron.co.jp/guide/technicalguide/53/103/index.html
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年3月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
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1 | 神港テクノス株式会社 |
11.8%
|
2 | オムロン株式会社 |
11.8%
|
3 | アズビル株式会社 |
10.3%
|
4 | 株式会社鷺宮製作所 |
8.8%
|
5 | 株式会社チノー |
8.8%
|
6 | 横河電機株式会社 |
7.4%
|
7 | 株式会社三社電機製作所 |
4.4%
|
8 | 富士電機株式会社 |
4.4%
|
9 | 株式会社トーケミ |
2.9%
|
10 | 東邦電子株式会社 |
2.9%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年3月の調節計ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
Metoreeに登録されている調節計が含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
掲載内容 ◆UTAdvancedシリーズは、見やすい 14セグメントカラー大型 LCD 表示とナビゲーションキー採用により、監視・操作性を大幅に向上させた調節計です。 ...
2022年4月4日
YS1700はユーザープログラマブルな指示調節計で様々なアプリケーションに応用することができます。
TFT液晶を採用しているので環境光の影響によらず、視認性の高い表示が可能で、メータ表示、バー表示、アラーム表示など、様々な表示形式に対応しています。
従来どおりのテキスト方式のプラグラミングに加えて、グラフィカルなプログラミング方式もサポートしているので誰でも簡単に制御プログラムを設計することができます。
パラコンXPシリーズは単相・三相それぞれで20~600 Aまで対応した豊富なラインナップを揃えた調節計です。
源流機能や過電流検出、速断ヒューズなど、従来オプションであった機能を標準搭載し、充実した保護機能を持っています。
異常検出機能に優れており、内容に対応したエラーコードを各項目ごとに表示できるのでメンテナンスを容易にします。
スリムでコンパクトな設計なので実装の自由度が高く、変流器や変圧器を内蔵することも可能です。
G3PWは従来モデルよりも電力調整機能・性能が向上した多機能の調節器です。
多点ヒータを使用した装置の性能に大きな影響を及ぼす断線もヒータ一本レベルで検出が可能で、ヒータのトラブル監視に最適です。
LEDデジタル表示器を搭載し7つの項目の状態や設定を4つのキー操作で簡単に行え、複数の機器の分配制御にも対応しています。
幅50mmのコンパクトな設計で制御部の省スペース化を実現しており、密着取り付けも可能です。
C7Gは、信頼性の高いPID制御を始めプロセスデータの切り出しや、データロガーとしての機能を持っており、製造装置の予防保全に貢献します。
特に、ヘルスインデックスという調節計内部データを元にした独自の制御特性パラメータを指標にすることで装置の状態を即座に把握することができます。
表示部と本体部分を分離することができるので自由度の高い設置が可能です。
イーサネットやmicroSDカード、シリアル通信、USB通信などの多彩なインターフェースを標準装備しています。
CN616Aはマルチチャンネルの温度調節器でPIDコントロールが可能です。
広い温度範囲を高精度で調節可能で入力、電源、通信がそれぞれ分離されているので信頼性の高い調節が可能な製品です。
RS232C、RS485のシリアルポートインターフェースを搭載し、背クリティパスワードを設定することでフロントパネルの改ざんを防ぐことができます。
付属のソフトウェアを使用すればすべてのオプションを選択可能で、ジャンパー設定のために機械的な操作を必要としません。
モノタロウでチェック
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