感震装置についての概要、用途、原理などをご説明します。また、感震装置のメーカー7社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。感震装置関連企業の2023年5月注目ランキングは1位:パナソニックインダストリー株式会社、2位:オムロン株式会社、3位:竹中エンジニアリング株式会社となっています。
早稲田大学大学院でMBE法による窒化物半導体成長に関する研究に従事。2016年に大学院を修了後、非鉄金属系メーカーへ入社。金属製錬工場における設備保全・エンジニアリングの業務に従事。2022年に化学系メーカーへ転職。同様の業務に従事。
前田 理也のプロフィール
感震装置とは、地震動を検出して作動する装置です。
単位は加速度の単位であるガル (Gal) で、1Galは0.01m/s2です。地震動を感知して設定加速度以上となった際に、接点信号などで出力します。
感震装置は、地震が発生時に2次災害防止を目的に使用します。以下は感震装置の使用設備例です。
主に、発電所や化学プラントなどの大規模施設に使用されます。防災上の重要な役割を果たし、危険物への延焼や機械装置の暴走を防ぐ目的で設定されます。施設内や周辺地域にいる人々の生命や財産を守る重要な機器です。
感震装置は、地震センサーを内蔵しています。地震センサーは加速度計や変位計などの機器を用いて、地震などの外力による揺れを検知します。そして、センサーが一定以上の揺れを検知すると接点出力を発信する仕組みです。
また、感震装置はセンサーの感度を調整することで、建物の揺れの大小に応じて遮断の閾値を調整できます。これによって、揺れが小さい場合には、作動しないように設定することも可能です。
感震装置には、落球式、振子式、電気式などの種類があります。
鉄球をくぼみなどのある受座と呼ばれる台に乗せて、台から鉄球が落ちる時に信号が発せられる仕組みです。機械式感震装置の1種で、鉄球の大きさと受座のくぼみ寸法の比を利用して揺れの設定値を変更可能です。ただし、縦揺れには鈍感です。
本体に固定された振子の先に接点 (または検出器) を設けて、振子の揺れる速度を検出します。機械式感震装置の1種で、振子と接点の距離を調整することで揺れの設定値を変更可能です。ただし、縦揺れには鈍感です。
電気式はセンサー加速度計によって検知する方式で、X軸、Y軸、Z軸に組み込まれています。バネによって固定された振子が振動によって動作し、振子位置検出器が振子の加速度に比例した電流を発生させます。この電流や反作用電流を信号として検知します。
3軸取り付けているため、縦揺れにも横揺れにも対応できる感震装置です。
感震装置を選ぶ際には、感度や信頼性、コストなどを考慮します。感震装置は地震を感知するセンサーを内蔵しており、感度が高いほど微少振動にも反応します。建物の規模や地盤の状態などに応じて、適切な感度の感震装置を選択します。
また、感震装置の信頼性も重要な要素です。災害に備えて設置される装置のため、有事の際には正常動作が必須となります。信頼性が高く、メンテナンスが容易な感震装置が望ましいです。
さらに、感震装置のコストも選定のポイントになります。必要十分かつ安価な感震装置を選定することが大切ですです。
阪神淡路大震災時の建物火災原因は、約6割が電気関連です。停電の復旧時に揺れで散乱した可燃物が、損傷したコードや再加熱された暖房器具と接触して出火します。これらの火災は、感震ブレーカによって防止可能です。
感震ブレーカは、地震が発生すると警報を発報したり、電気を強制遮断します。したがって、大地震発生時も電気火災のリスクを大幅に低減可能です。
重大災害に直結するガス漏れを防止するために、都市ガスにまつわる配管や設備は耐震基準に基づいた設計されます。その中には、感震装置として機能するガス感震装置も含まれます。地震で発生した加速度が基準を超えると、ガスの供給を自動停止させる仕組みです。
ただし、ガス感震装置は長周期地震動を感知しない場合がありました。長周期地震動は速度や変位の変化率が少なく、加速度計による検知が困難なためです。現在では、加速度センサーが改良され、長周期地震動に対応したガス感震器も開発されています。
参考文献
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/houkoku/suidou/dl/121214_022.pdf
https://panasonic.co.jp/ls/plseg/pdf_data/1/009_04_D7H-1.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/safety/7/1/7_62/_pdf/-char/ja
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspe/78/1/78_39/_pdf
https://www2.panasonic.biz/ls/densetsu/denro/compact21/seismic_breaker/
https://www.kenken.go.jp/japanese/research/lecture/h26/pdf/S6.pdf
https://www.akebono-brake.com/product_technology/product/sensor/earthquake_detector.html
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年5月の注目ランキングベスト7
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | パナソニックインダストリー株式会社 |
37.8%
|
2 | オムロン株式会社 |
18.5%
|
3 | 竹中エンジニアリング株式会社 |
10.9%
|
4 | リオン株式会社 |
9.2%
|
5 | 株式会社ホトロン |
9.2%
|
6 | 株式会社アスター電機 |
9.2%
|
7 | 株式会社ネオ・コーポレーション |
5.0%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年5月の感震装置ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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歴史のある会社
Metoreeに登録されている感震装置が含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
非常時への備え、できていますか?感震装置HK-2は、震度5相当(Gal設定)で地震を感知!自動ドア、工場設備、放送設備など幅広い用途に対応します。【主な機...
2023年1月20日
D7G-F121は地震を素早く感知し二次災害を防止する感震装置です。
設定値以上の揺れを検出すると赤色のLEDが点灯し、震度5相当以上の揺れを細かく4段階で設定することができます。
地震波を検出すると同時に信号を出力するため、ガスや石油タンクなどの危険物の緊急処理や地域や構内での緊急通報、構造物や設備の管理などを素早く行うことが可能です。
また、取り付けが簡単でメンテナンスが容易な点も優れています。
HK-1は自動ドアに取り付けるタイプの感震装置です。
自動ドア上部に設置することによって、大きな地震を感知し自動ドアを開放させることができます。
地震発生時には停電を引き起こし自動ドアが動かなくなることがありますが、この感震装置が設定値以上の大きな揺れを感知すると、リレー出力によって自動で扉が開きます。
また、自動ドアへ簡単に取り付けることが可能で、地震発生後の復旧も容易である点も優れています。
D7H-A1は地震動感知方法として一般的に認められている鋼球方式を採用した感震装置です。
一定震度以上の地震を感知すると内部のスイッチが自動でオフになり、電気回路を遮断することができます。
比較的構造が簡単なため、経年劣化が少なく取り扱いが容易であり、誤作動が少なく、水平軸360℃のどの方向でも感震作動することができる優れた特徴を持っています。
また、東京消防庁の性能試験に合格している製品であり、外部からの衝撃から守るための保護ケースが取り付けられています。
D7Hは自然優しい鋼球式を採用した感震装置です。
地震の揺れを素早く感知して、火災や電気機器の故障などの二次災害を低減させることに役立ちます。
また、東京消防庁の認定製品であり、氷結しなければ-10℃~+70℃まで使用ができるという点も優れています。
さらに、保護ケースによって検出装置が守られているので衝撃耐性が高い上に、ケースは半透明であるため取り外しせずに動作状態を確認することができます。