観察機器とは
観察機器 (英: Observation device, Monitoring device) とは、対象物の状態や変化を観察するために使用する機器の総称です。
一般には、対象物の表面や内部の微細な形態・構造を観察するために使用する顕微鏡やマイクロスコープなどの機器を指します。対象物の変化を連続的あるいは定期的に観察するための機器を指す場合もあります。
観察機器の種類
代表的な観察機器として挙げられるのが顕微鏡です。
顕微鏡には様々な種類がありますが、単に顕微鏡と言う場合には、対象物に光を照射して拡大像を観察する光学顕微鏡を指します。光学顕微鏡は、試料を透過した照明光で観察する透過型 (生物顕微鏡) と、試料が反射した照明光で観察する反射型 (工業用顕微鏡) に区別され、それぞれ生命科学分野や金属・半導体などの製造で利用されます。
試料が発する蛍光を観察する蛍光顕微鏡、対象物の長さや座標測定に用いる測定顕微鏡、レーザー光を 光源とするレーザー顕微鏡・コンフォーカル顕微鏡・形状解析レーザー顕微鏡もこの一種です。また、対象物を立体的に観察することができる双眼実体顕微鏡も光学顕微鏡に分類され、医療現場での手術や解剖、製造現場での組み立てや検査に使用されます。
拡大像の形成に光を用いる光学顕微鏡に対し、電子線を用いる電子顕微鏡は、光学顕微鏡より微細な構造を可視化できます。また、X線や超音波、赤外線を用いるX線顕微鏡、超音波顕微鏡、赤外顕微鏡は、試料表面だけでなく内部構造も非破壊で観察できます。X線顕微鏡で取得した画像を3D構成するのがCTスキャナやX線CT装置であり、いずれも医療や製品の内部検査などの現場で活用されています。
針のような細いプローブで試料をなぞって観察する走査型プローブ顕微鏡は、上述の各種顕微鏡とは異なり、試料とプローブの間の力学的・電磁気的相互作用を利用しています。走査型トンネル顕微鏡 (STM) や原子間力顕微鏡 (AFM) などの種類があり、幅広い分野で原子レベルの観察に用いられています。
観察機器の種類
光学顕微鏡にデジタルカメラの機能を搭載したものをマイクロスコープと呼びます。血流スコープ、ハンディスコープ、ファイバースコープなどがあり、用途に応じて使い分けられます。