ハンガーレール

ハンガーレールとは

ハンガーレール

ハンガーレール(Hanger Rails)は、天井や壁面などに設置して、引き戸や治工具、半製品など多様な吊り種類を吊るすためのレールです。

引き戸などが走行するための軌道としての役割をする物で、トラックの開閉、工場や倉庫の扉の開閉、軽量物の運搬などにも利用できます。

材質はアルミニウム製、ステンレス製、スチール製(鋼板)、 PS発泡材製などがあり、直線レールやカーブレールがあります。

レールの形や長さ、材質によって違いがあり、設置する場所に適したものを選択する必要があります。

ハンガーレールの使用用途

ハンガーレールは工場、倉庫、電設現場、農家、作業場、医療や介護施設などで様々な用途で利用できます。

具体的な使用例は以下の通りです。

  •  工場・倉庫の扉やビニールカーテン等の開閉
  •  工場内の製品、半製品の移動、作業工具吊り
  •  温室や養鶏場の土砂,肥料等の運搬
  •  木製建具引戸用レール
  •  防塵・防音シート、工具・電設資材ケーブルの吊り込み
  •  ゴミ置場や牛舎のドア用レール
  •  体育館・遊技場等外観を重視する所の仕切り
  •  病院・食品工場等清潔を第一とする所の仕切り
  •  浴場や更衣室など隠しカーテンの吊り込み

ハンガーレールの原理

ハンガーレールが設置され軌道役割を果たすには、複数の部品の組み合わせが必要になります。

ハンガーレールを建築物に取付けるブラケット(受)、
ハンガーレールのジョイントに使用する継受、
ハンガーレールの内溝にネジで固定して扉の位置を決める戸当たり、そして吊り下げ荷重や用途に合うように選ばなければならない吊り車、
ブラケットとブラケットの間でレールを連結させる際に使用するレールホルダ、
ハンガーレール端部のブラケットにはめ込む目隠し用サイドカバー、吊り車と扉体を繋ぐ金具であるエプロン、
扉の揺れや風によるあおり止めに使用するガイドローラ、
ガイドレールの当たりとし、扉の位置を決めるボトムストッパー、ガイドレール等が必要です。

頑丈で荷重範囲が広いため使う目的に合わせやすいスチール製は粉体塗装仕上げのため、取り付け後の仕上げ塗装が不要で経費が節約できます。

腐食に強いステンレス製の他、高強度な表面処理鋼板を採用し、頑丈で軽く開閉できる新型レール形状やウレタン樹脂塗料をレールの内外に被覆しており
強力な密着性と色調に仕上げた物、など様々なので設置場所に合ったものを選ぶ必要があります。

参考文献
https://daiken.icata.net/iportal/CatalogViewInterfaceStartUpAction.do?method=startUp&mode=PAGE&volumeID=DAI00001&catalogId=1605300000&pageGroupId=2&designID=DAID01&catalogCategoryId=&designConfirmFlg=&keyword=
http://www.yaboshi.co.jp/seihin2.html

ホース用継手

ホース用継手とは

ホース用継手(Hose Joint / Hose Fitting)とは、機器と機器をつなぐホース配管において、ホースを機器へつなぎ合わせる部品です。

形状は、ストレートやL型のエルボ、T型、Y型、フランジなどがあります。

取り付け方式はねじ込み式やクイックファスナ式、カプラ等があり、材質も耐食性や耐久性に優れたステンレスや真鍮、耐食性に優れた樹脂、
強度や汎用性に富んだ塩化ビニルなどがあります。

材質によって対応可能な流体が異るため、用途によって適したものを選択します。

ホース用継手の使用用途

ホース用継手はホースとネジ配管の接続や分岐、サイズの異なるホースの接続、破損した部分の修復などさまざまなタイプのホースジョイントとして
使われています。

具体的な使用例は以下の通りです。

  • 給水ホースと水栓金具の接続、給水配管に使用
  • レイシーポンプへの接続
  • 自動車用フューエルレギュレーターの配管、自動車オイルライン
  • 発電機の燃料系整備
  • エアー配管の継手に使用
  • ガソリンタンクとホースの接続、軽油燃料タンクのホース接続
  • 冷却水用のホース接続、金型の冷却用
  • 液体圧送ライン
  • ホースとホース間のバルブ設置
  • 床暖房工事
  • コンプレッサの配管
  • 燃料タンクと加温機のホースの接続

その他、園芸や農業、水産業、船舶などで使用されています。

ホース用継手の原理

ホース用継手の接続部分は、ホースバンド式というホースに継手をねじ込むホースニップル(タケノコ継手)、ナットでホースを固定する袋ナット式、
リブ式などがあります。

タケノコ継手は簡単に取り付けができますが、ホースバンドの締め方が作業者によって違い、締め付けトルクの規定や決まりもありません。
また構造上ホールド力が弱く、ホース抜けにつながりやすいため、ホース継手からの水漏れトラブルやリーク事故が起こりやすいデメリットがあります。

一方、袋ナット式ホース継手はナットを最後まで締めれば、誰でも同じように取り付けが出来るので、作業者によるバラつきが少なく、
バックリングでしっかりホールドされているため、水漏れトラブルやリーク事故のリスクが少ないです。

銅製は水、空気、油用に、ポリアセタールのような樹脂は耐疲労性、耐クリープ性、耐熱性、寸法安定性に優れて料水・産業用水・油・ガソリンなどに、
そして塩ビは軽量で、水、塩水に対して錆びず、腐食することなく、油や有機溶剤、アルカリにも強いため水処理、農業、 海洋、水産、土木、
建設 一般工業などに使えます。真鍮は水、空気、油、他材質に悪影響の無い物に、ステンレスは錆びにくいので 蒸気・空気・ガス・油・脈動水などに
使えます。

流体やホースのさまざまなタイプによって継手の素材も異なりますので、最適なものを選ぶ必要があります。

参考文献
https://flobal.jp/c4.html
http://www.asoh.co.jp/asoh_products/p10-hosefittings.html
http://www.yodoshi.co.jp/work-plumbing

抵抗キット

抵抗キットとは抵抗キット

回路の試作を行ったり、実験を行う場合に抵抗キットは利用されます。

抵抗キットの中には2端子のリード型の抵抗やチップ型の抵抗を0~1MΩくらいまでの抵抗値のものを数十本ずつ収納しています。

抵抗は実験用途に使うことから、リード型の場合にはサイズ的に取り扱いの容易な1/4~1/8W程度のものが好まれて使われます。これは実験用途に使われるブレッドボードと一緒に使われることが良くあるためです。ブレッドボードに容易に差し込むことができるワット数として、これらのサイズが適しているからです。

抵抗キットは一般的に、持ち運びが楽なサイズのプラスチックのケースなどが利用されています。

抵抗キットの使用用途

各種機器の試作や実験用途として抵抗キットを利用する場合、必ずしも室内の作業台もしくは作業可能なスペースで使う場合だけでなく、実験用設備が整っていない室外などの場所で行わなければならないケースもあります。

この様な時に、抵抗キットを利用すれば、最低限必要な抵抗値のものを直ぐに持ち運ぶことが可能なため便利です。

また、工場などで設計作業を行う技術者の場合、工場の試作ラインや量産ラインにおいて、トラブルが発生した場合、機器を実験室に運ぶことができないケースがあります。機器が非常に大きい場合や発生したトラブルシューティングのためには、その場で、発生した不具合が持続している状況で対策を打つ必要があるからです。

この様な場合においても、抵抗キットは機動性高く対応可能なツールとして重宝されます。

抵抗キットの原理

抵抗キットの主たる目的は、機動性良くどこでも回路の検討をおっこなえる環境を提供することにあります。

同様の用途で、抵抗キット以外にも、他の電子部品においても同様の考え方で、コンデンサキットもあります。更に、汎用的な電子部品としてコイルキットなども考えられますが市販されているかどうかは定かではありません。

最後に抵抗キットを構成する固定抵抗器の抵抗値について触れておきます。

固定抵抗の抵抗値は技術的な国際的標準化機関であるISOや国内ではJISにより標準化されています。

その目的は、無数の抵抗値を有する物を用意することは生産コストを考えた場合、得策ではありません。そこで抵抗値を標準化しています。これをE系列という数値で特定の抵抗値のもののみに絞り込んでいます。

こうすることにより、生産すべき抵抗の種類が絞り込まれ、大量生産が可能になりますので、その結果、使用者は安く手に入れることが可能となります。

E系列にはE3系列、E6系列、E12系列、E24系列・・・と多くの系列が存在します。

E3系列の場合、1.0、2.2、4.7、10、22、47、100、220、470、1K、2.2K、4.7K、10K・・・と続き1Ωから1MΩまでの抵抗値を一通り揃えると19種類の抵抗値のみでそろえることができます。

例えば、1つの抵抗値のものを20個ずつ用意しようとした場合、19種類×20個=380個の抵抗を用意すればよいことになります。1本1本の抵抗はとても小さなものですから380個といってもさほどのスペースを必要とせず、コンパクトな抵抗キットのはこの中に収納できるはずです。

参考文献
https://jp.misumi-ec.com/vona2/el_control/E2900000000/E2901000000/E2901010000/
https://www.amazon.co.jp/SFE-COM-10969-%E6%8A%B5%E6%8A%97%E3%82%AD%E3%83%83%E3%83%881-4W-20%E7%A8%AE%E8%A8%88500%E6%9C%AC%E5%85%A5%E3%82%8A/dp/B00C5WMW7U
http://sim.okawa-denshi.jp/keiretu.htm

ジャンパー線

ジャンパー線とは

ジャンパー線

ジャンパー線とは、電子回路や制御盤などにおける2点間を短絡するために使用する線材です。

プリント基板や制御盤、実験用のブレッドボードで使われます。簡単な操作だけで2点間を短絡または開放させることができるため、回路設計の評価などに使用される場合が多いです。複数の回路を簡単に切り替えたい時にも、ジャンパー線を用います。

ジャンパー線の使用用途

ジャンパー線は電気回路で使用されます。具体的な使用用途は、以下の通りです。

  • 電気回路故障時の動作確認用
  • プリント基板や制御盤の動作評価用
  • ブレッドボードを用いた実験用
  • プリント基板内の動作設定用

主に、非定常的な電気回路の構成変更に使用します。ジャンパー線を誤った箇所へ使用すると電源回路を短絡させることもあり、大変危険です。ジャンパー線を使用する場合は、回路図や取扱説明書を十分に確認した上で必要な箇所へ取り付けます。

ジャンパー線の原理

ジャンパー線はほとんどの場合、ビニル絶縁電線が使用されます。ビニル絶縁電線とは、ビニルによって絶縁被覆を施した線です。芯線は撚線の場合と単芯線の場合があり、用途に応じて使い分けます。

先端にはクリップや端子が取り付けられます。具体的には、ミノムシクリップや丸型端子、ブレッドボード用ソケットなどです。用途によっては両端の端子が異なる種類の場合もあります。

ジャンパー線の長さも用途によって異なります。ただし、手元で非定常に短絡させたい場合に使用するため、1m未満の製品がほとんどです。

ジャンパー線の種類

ジャンパー線には、さまざまな種類の端子があります。ジャンパー線の両端に端子やクリップがついたものを、「ジャンパーワイヤー」とも呼びます。ジャンパーワイヤーの端子には多くの種類があり、以下は代表的な端子の一例です。

1. オスピン端子

先端にピンがついたジャンパー線です。ブレッドボートやメス型のソケットに差しやすい形状で、他の線と隣り合って差し込んでも干渉しません。Arduino Unoのように挿し口がメス型のマイコンボードで活用されます。

2. メスピン端子

ピンの差込口があり、ソケットがぴったりと重なります。オス型ジャンパワイヤーを簡単に差し込むことが可能です。RaspberryPiのように端子がピンになっているマイコンボードなどで活用されます。

3. ミノムシクリップ端子

先端に金属のクリップが付いたジャンパー線です。クリップに挟むことで簡単にジャンパーワイヤーの着脱が可能です。太さの違うジャンパーワイヤーなどを繋げることができます。

 

一本のジャンパワイヤーに対して、それぞれの端が「オス」と「メス」であったり両端とも「メス」であったり種類はさまざまです。また、ブレッドボードのように2点が等間隔の場合はコの字型のジャンパワイヤーが用いられることもあります。

ジャンパー線のその他情報

1. ジャンパー線の色

特に電話端子盤内では2芯や4芯のジャンパー線が用いられることが多く、色の指定には以下のような専門用語が用いられます。

  • 2芯では、赤白 (カロ) 、オロ (青白) 、黄白 (キロ) 、橙白 (ダロ) など
  • 4芯では、青白黄灰は「オロキネ」、赤白黒緑は「カロクミ」など

一般的によく利用される色順はありますが、規格として定められているわけではありません。保守の観点から分かりやすいように用いられています。

2. ブレッドボードによる回路定数の設定

ブレッドボードとジャンパー線を利用して、電子回路の最適な定数を決める際に使用されることがあります。設計した回路をブレッドボード上に組み上げて、動作検証を行う場合に使用します。

ブレッドボードは、電子素子を差し込むための穴が等間隔あけられたボードです。この穴を利用して部品を組み込み、回路を組み上げて実験を行う目的で作られています。

回路上のある抵抗の定数を0、1、2、3KΩのいずれが最適かを確認したいとします。まずは3本の抵抗全て1KΩを直列に並べて動作確認を行います。その後、各抵抗に順次ジャンパー線を接続することで0、1、2KΩとして動作確認を行います。以上によって4種類の実験結果を簡単に得ることが可能です。

参考文献
https://blog.rittal.jp/1300/
https://www.finecs.co.jp/dictionary/dictionary010.html
https://www.indetail.co.jp/blog/8431/
https://lan-cables.com/jyanpairo.html
https://blog.rittal.jp/1300/
https://dotstud.io/docs/jumperwire/

コンテナバッグ

コンテナバッグとは

コンテナバッグ

コンテナバッグは主に粉体や粒体をひとまとめにかつ大量に運ぶことができる容器になります。袋状の梱包資材となっており、柔らかく丈夫で、カバンの様に持ち手が付いており非常に持ちやすくなっています。また、ボトムには排出口が付いており、持ち手を吊り上げて下から抜き出せる構造になっています。

コンテナバッグの使用用途

コンテナバッグは非常に簡易な構造をしていることから幅広い業界で用いられています。主には粉体・粒体を入れています。

用途としては、粒状プラスチック、大豆、薬品、お米、小麦粉などを入れる容器として用います。また、中に土を入れることで土嚢としても用いられます。その際には対候性の大型のコンテナバッグを用います。

一般的には丸型を用いますが、積んだ時に安定させるのに角型を用いることもあります。また、こぼれを防止するためには内袋付きのものも利用します。

コンテナバッグの原理

材質は ポリプロピレンポリエチレンなどの合成繊維を用いて編み込んで作られます。対候性の化学繊維を用いていることから丈夫で軽量な特徴をもっています。また、使用しない時には折りたたむことができるため場所を取らない利点があります。耐荷重は1トン程度にもなります。また材質がポリプロピレンやポリエチレンなので燃やしても有害物質が出ません。

デメリットは材質の関係から熱に弱いことが挙げられます。また同様の理由で紫外線劣化しやすいことも挙げられます。コンテナバッグにはUV剤というものを少しだけ混ぜて劣化を防ぐようにしています。またそれでも劣化を防ぎたい場合はUVカットカバーを上から被せなければなりません。

使い方としては、フォークリフト吊りベルトを用いて持ち上げ、抜き出し口の紐をほどき、ボトムから排出します。またコンテナバッグの上部から吸引して抜き出す機器も多くの会社が販売しています。そのような製品は主に真空吸引によるものが多いです。

参考文献
https://www.koizumiseima.co.jp/column/2012/10/blog-post_11-19/
https://www.monotaro.com/s/pages/productinfo/flexiblecontainers/
https://www.softbag.jp/info/useful/fibc-material-features.html

SCR

SCRとは

SCRはシリコン製半導体です。電圧および電流を整流する素子、半導体スイッチング素子のことです。

所定の電圧をゲート(G)とカソード(C)間に加え電流を流します。これにより電流がアノード(A)からカソードに流れ両者の間はオンします。つまり導通状態となります。アノードとカソード間がオン状態となって電流が流れ始めると、ゲートとカソード間の電圧を印可やめて電流を流さなくしても、電流は流れ続け、アノードとカソード間のオン状態が継続します。

このSCRの特性を自己保持特性と呼びアノードとカソード間の電流がゼロとなって初めてオフ状態となります。つまり非導通状態になります。

SCRの使用用途

SCRは導通状態となると、ゲートとカソード間の印加電圧をオフして電流を流さなくしても、アノードとカソード間の導通状態を維持します。この特性を生かしAC電源における整流回路として使用されます。

比較的大きな電流をSCRは流すことができることから、比較的大きな家電製品であるテレビやエアコンの電源回路、明るさ調整ができる調光器やIH炊飯器、更には電車などにおけるスピード制御装置など、非常に広い範囲で使用されています。

SCRの原理

SCRと同じ様な動作を行うスイッチング素子にトライアックやダイオードがあります。SCRの動作原理を説明するために、これらの素子の動作について比較して説明します。

正方向の電圧を加えることによりダイオードはアノードからカソードに電流を流しますが、電圧を逆方向に印加した途端に非導通となり電流が遮断されます。

SCRはダイオードと同じようにゲートとカソード間に電圧を加えると、電流がアノードとカソード間に流れます。その結果、ゲートとカソード間の電流が減少しゼロに近づいてもアノードとカソード間は継続してオン状態のままとなります。

アノードとカソード間の電流を減少させゼロに近づけていくことにより、オフ(遮断)されます。

2つのSCRを並列に並べてトライアックは作られていますので、その動作は基本的にSCRの動作に従います。プラス方向の電圧をゲートとカソード間へ加えることにより、トライアック内部の一方のSCR素子のアノードとカソード間が導通状態となり、電流が流れます。もう一方のSCR内部の素子のアノードとカソード間はオフ状態のままです。

次に、マイナスの方向の電圧をゲートとカソード間に加えると、それまで導通状態にあったSCRは非導通となり、逆に他方のオフ状態であったSCRがオン状態となり電流が流れます。

以上の通り、正方向または負方向いずれの電圧をゲートとカソード間に加えても、所定値以上の電圧を加えることによりオン状態となります。

参考文献
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1211880607?__ysp=44K144Kk44Oq44K544K%2F44Gu55So6YCU
https://detail-infomation.com/the-difference-diode-and-thyristor-of-triac/
https://engineer-education.com/thyristor/

基板用端子台

基板用端子台とは

基板用端子台

基板用端子台はプリント基板上に設置され、他の基板や部品とワイヤーやケーブルを経由して電気的に結合させることを目的として作られた部品です。

基板用端子台とワイヤーやケーブルとの接続方法は様々です。
一例としてワイヤーの先に取り付けた圧着端子等を介してねじで止めるタイプや、基板端子台の各端子にスプリングが内蔵されていて、各端子の所定の場所を押しながら ワイヤーを挿入することでワイヤーを締め付けて固定するタイプなどがあります。

いずれのタイプにおいてもワイヤーやケーブルと基板端子台を接続するためのはんだ付けが不要になるため、ハンダ付けの技能を持たない人でも利用することができます。

基板用端子台の使用用途

基板端子台は、複数のプリント基板同士、もしくはプリント基板と部品を接続する際に利用しますが、これにより、例えば、ある機能単位毎に、基板を分けたり、部品を分離したりすることによるメリットについて説明します。

例えば、A,B,Cの3種類の基板に分けて回路設計を行います。この際、A基板を基本機能を実現するための基板、B基板を付加機能①、C基板を付加機能②を夫々実現する基板という分け方にします。

その結果、A基板のみが搭載された製品、A基板とB基板が搭載された製品、A基板とC基板が搭載された製品、A,B,C基板全ての基板が搭載された製品というように、基板の組み合わせを変えるだけで、異なる製品を作り上げることが可能となります。

基板端子台を利用して、基板設計を分けることにより以上の様な利点があります。

基板用端子台の原理

基板端子台は用途により材質、絶縁抵抗値、使用温度範囲、適合プリント基板の厚さ、更に各種法令やきせいへの対応を考えなければなりません。

基板端子台を含め各種製品や部品を国内で販売するには、国内の法令や規制に合わせて製品の設計を行う必要がありますが、欧州に製品や部品を輸出する場合にはROHS指令(Restriction of Hazardous Substances(危険物質に関する制限))という規制への対応が必須となります。

特に基板端子台を含め、各種部品においては注意を要します。

ROHS指令では電気・電子機器への有害な特定の化学物質の含有の濃度が一定以下であること及び鉛はんだフリー(鉛成分を含まないハンダを使用すること)であることが求められています。

特定の化学物質とは鉛、水銀、六価クロム、カドミウム、ポリ臭化ビフェニル、 ポリ臭化ジフェニルエーテル、フタル酸ジ-2-エチルへキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジ-n-ブチル、フタル酸ジイソブチル、以上の10種類の物質で、これら夫々の含有量が0.1%以下に定められています。

これはROHS指令が、電気・電子機器のリサイクルを容易にすることおよび電気・電子機器廃棄時にこれらの有害物質が人体に悪影響を及ぼさないことを目的としているからです。

参考文献
https://jp.rs-online.com/web/p/pcb-headers/7330620/?cm_mmc=JP-PPC-DS3A-_-yahoo-_-DSA_JP_JP_Connectors_New-_-Pcb_ConnectorsPcb_HeadersProducts&yclid=YSS.1000425305.EAIaIQobChMIwtTqx8307QIVvMEWBR0wpgkkEAAYAiAAEgIJ9PD_BwE&gclid=CJKsw-LP9O0CFQwgvAodVggE2Q&gclsrc=ds
https://jp.rs-online.com/web/c/connectors/terminal-blocks/pcb-terminal-blocks/
https://www.marutsu.co.jp/GoodsListNavi.jsp?path=2100490022
https://www.monotaro.com/g/00161881/

NFC

NFCとは

NFC

NFC (Near Field Communication) とは、近距離無線通信のことです。

ごくごく短い距離間のデータ通信を行う規格であり、その技術を指します。端末をかざすだけで、機器間でデータ通信を行うことが可能です。

この規格は全世界で標準化され、日本でも様々な場所で利用されています。同様の技術として「おサイフケータイ」に使われているFelicaがありますが、これはNFC規格の中の1つです。

NFC規格は1つだけではなく複数の規格タイプから構成されており、Felicaはその中のタイプFという規格に該当します。

NFCの使用用途

NFCは、Suicaやスマートフォン、クレジットカードなどで使用されています。Suicaを例に挙げると、駅の改札を通過するだけでゲート通過の可否判断や料金の自動支払い、更にオートチャージまで実行可能です。

Suicaカードと駅のゲートに組み込まれたシステム間でNFCによる通信を行うことにより、この様な処理をごく限られた時間内で実現できます。その他、スマートフォンやクレジットカードにおいても同様に、NFCの技術を活用することで自動的な決済処理を行えます。

NFCの原理

NFCの規格

図1. NFCの規格

NFCは技術規格の国際的な標準機関であるISO (International Organization for Standardization: 国際標準化機構) およびIEC (International Electrotechnical Commission: 国際電気標準会議) にて標準化が行われています。NFC規格はタイプA、B、FやISO/IEC15693などいくつかの種類から構成されています。

1. タイプA

タイプAはオランダの企業「NXP Semiconductors」が開発した規格です。比較的安価であり、taspoなどに利用されています。

2. タイプB

タイプBはアメリカの企業”Motorola”が開発した規格です。CPUを内蔵することにより高速処理が可能で、さらに高セキュリティであることから免許証、住民基本台帳カードなどに使用されています。

3. タイプF

タイプFはソニーが開発した規格であり、Felicaはこの規格に則った技術を指します。通常のNFCの通信速度が424Kbpsであるのに対して、タイプFの場合、その倍の848Kbpsと高速でデータ通信を行うことができることから、Suicaなどの交通系ICカードで利用されています。

4. ISO/IEC15693

ISO/IEC15693規格は、物流のICタグなどに使われています。

 

NFCはキャッシュレス決済をサポートし、キャッシュレス社会の実現やICタグ、ICラベルへの対応によりIOT化促進への貢献が期待できます。また、NFCの標準化を進める業界団体としてNFCフォーラムがあります。ノキア、ソニー、フィリップスが主体となり、NFC間のデータ互換性の実現などを目的として2004年に発足しました。

NFCのその他情報

1. NFCタグとリーダー

NFCによる通信の仕組み

図2. NFCによる通信

NFCの技術を利用する際には、基本的にNFCタグとNFCリーダーを用います。NFCタグには情報を書き込むことが可能で、NFCリーダーはそれを読み取ることができます。

製品よって違いはありますが、NFCタグには数百バイトや数キロバイト程度の情報が書き込めることが一般的です。NFCタグはSuicaやPASMOといった電子マネーに用いられていることをはじめ、バーコードの代わりとして商品につけられているケースもあります。シール形式で販売され、一般のユーザーも利用できるようになっています。

NFCリーダーは、製品や規格にもよりますが数メートルから数センチ程度離れたところからタグに書き込まれた情報を読み取ることが可能です。最近では、スマートフォンもNFCリーダーとして利用できるようになり、スマートフォンを用いた忘れ物防止サービスや、商品の注文処理の自動化、スマートホームへの活用なども行われるようになりました。

2. NFCのペアリングとハンドオーバー

ペアリングとハンドオーバー

図3. ペアリングとハンドオーバー

NFCには、Bluetoothと同様にペアリングを行う機能があります。大容量のデータをやり取りする際などには、NFCで機器間のペアリングを行ったうえで、別の規格により通信を行います。

このように、通信をNFCから他の規格に引き継ぐことをハンドオーバーといいます。NFCが実現するハンドオーバーは、BluetoothハンドオーバーとWi-Fiハンドオーバーの2種類です。通常であれば、BlutoothやWi-Fiの認証のためには認証情報を入力する必要がありますが、NFCを用いることでタグに認証情報を埋め込めるため、それらを省略することができます。

NFCは低コストで設置し、タグの情報を読み取ったり書き込んだりすることができますが、高速度・大容量の通信に向いた規格ではありません。ペアリングとハンドオーバーを利用することで、NFCの欠点を補うことができます。

参考文献
https://www.sbbit.jp/article/cont1/25675
https://www.wantedly.com/companies/company_9259596/post_articles/199562
https://www.hivelocity.co.jp/blog/26821/

窒素ガス発生装置

窒素ガス発生装置とは

窒素ガス発生装置

窒素ガス発生装置とは、窒素ガスを生成するための装置です。

窒素は大気中の主要な成分であり、多くの産業や実験室でさまざまな目的で使用されます。窒素ガス発生装置はこれらの需要に応じて、必要な量の窒素ガスを生成することが可能です。窒素ガス発生装置は、必要なときに必要な量の窒素ガスを供給できるため、プロセスの安定性と効率を保つのに役立ちます。連続的な供給が可能なため、作業の中断や運転停止を最小限に抑えることが可能です。

また、大気中に豊富に存在する窒素を利用してガスを生成しており、他の窒素供給方法に比べてコスト効率が高いです。特に大量の窒素を必要とする産業やプロセスにおいて、コスト削減に貢献します。高圧ガスボンベも使用する必要がないため、取り扱いの際の安全性も向上させることが可能です。

ただし、窒素ガスは無色・無臭で、酸素よりも重く、漏れた際に低い位置に滞留する可能性があります。十分な通風と換気を確保して、ガスが溜まることなく安全に取り扱うことが重要です。

窒素ガス発生装置の使用用途

窒素ガス発生装置は、さまざまな産業や研究分野で幅広い用途に使用されています。以下は窒素ガス発生装置の使用用途です。

1. 電子工業

電子工業では、窒素ガスは酸素や湿気を取り除くために使用されます。半導体製造プロセスでは微細な回路を作成する際に微小な不純物や酸化物の存在が影響を与えるため、クリーンルーム内での作業が一般的です。

窒素ガスはクリーンルーム内の環境を制御し、プロセスの安定性と製品の品質を確保します。

2. 食品工業

食品工業では、窒素ガスは食品の鮮度保持や酸化防止のために使用されます。食品の包装や保存容器内に窒素ガスを注入することで酸化や変質を抑制し、食品の品質を維持することが可能です。特に、生鮮食品や冷凍食品などの長期保存に利用されます。

3. 医療

医療分野では、窒素ガスが液体窒素や低温貯蔵に使用されることが多いです。液体窒素は医療凍結治療や生体組織などの保存に用いられます。これにより、組織や生体試料の保存期間を延ばしたり、移植可能な状態を保ったりすることが可能です。

4. 薬品・化学工業

化学工業や薬品製造では、窒素ガスは酸化反応を防ぐために使用されます。窒素ガスを反応容器内に供給することで、反応過程の制御や生成物の品質向上が可能です。特に高温での反応や酸化を避ける必要がある場合に利用されることが多いです。

窒素ガス発生装置の原理

窒素ガス発生装置の原理は、主に窒素を取り出すための空気からの分離や化学反応を利用する方法に基づいています。

1. メンブレン分離

空気中には主に窒素と酸素が含まれています。メンブレン分離は、この空気中の窒素と酸素を分離するプロセスです。特殊な選択性を有するメンブレンを使用して、酸素分子よりも小さな窒素分子を通過させることで窒素ガスを取り出します。

2. アンモニア分解

アンモニア(NH3)は窒素と水素から成る化合物です。アンモニアを加熱して分解させ、窒素ガスと水素ガスに分解する方法を使用することがあります。

3. 冷却

空気を冷却して窒素を分離する方法です。窒素の沸点は-195.8℃、酸素の沸点は-183℃、アルゴンの沸点は-185.7℃です。これら沸点の違いから高純度の窒素を生成することができます。

窒素ガス発生装置の選び方

窒素ガス発生装置を選ぶ際には、いくつかの重要な要因を考慮する必要があります。

1. 生成方法

まず、窒素ガスの生成方法を選択することが重要です。空気からの分離、アンモニア分解、液体窒素の蒸発など、異なる生成方法があります。用途や需要に合った生成方法を選びます。

2. ガス圧

使用するプロセスや装置の要件に応じて、必要なガス圧を考慮することが必要です。一般的に、高圧の窒素ガスが必要な場合は、装置が高い圧力を生成できることを確認します。逆に、低圧の窒素ガスが必要な場合は、低圧の生成能力を持つ装置を選ぶことが重要です。

3. 流量

生成される窒素ガスの流量は、使用するプロセスや実験のニーズに合わせて選択する必要があります。大量の窒素ガスが必要な場合は、高流量の装置を選ぶことが重要です。一方で、小規模な実験やプロセスには低流量でも十分な装置が適しています。

4. 純度

窒素ガスの純度は、使用する用途によって異なります。高純度の窒素ガスが必要な場合は、装置が要求される純度を達成できるかどうか確認することが重要です。一般的に純度はパーセントで示され、高いほど純粋な窒素ガスとなります。

参考文献
https://shinko-airtech.com/equip_n2_psa.html
https://shinko-airtech.com/equip.html
https://www.fukuhara-net.co.jp/product_n2_psa.html

油圧アクチュエータ

油圧アクチュエータとは

油圧アクチュエータ

油圧アクチュエータとは、流体による力を機械的な運動エネルギーに変換する油圧機器です。

油圧アクチュエータが変換する運動方向には、直線運動と回転運動があります。油圧シリンダは、直線方向の運動である前進と後退の動きをする油圧アクチュエータです。

回転方向の運動は、さらに回転と揺動の運動に分類されます。油圧モーターは回転運動の用途に使用され、ロータリアクチュエータは揺動運動の用途に使用されます。

空気圧機器でも同様のアクチュエータがありますが、それらと比較すると油圧の場合、出力や速度、精度が高く、耐久性にも優れています。

油圧アクチュエータの使用用途

油圧アクチュエータは、油圧ショベルやクレーンなどの建設機械に使用されてます。大きな動力を発生させることができるため、車両や航空機、フォークリフトなどの産業機械や旋盤やフライス盤などの工作機械にも使用されています。

油圧アクチュエータを運動させる作動油に、圧力を生み出す源となるのが油圧ユニットです。油圧ポンプとそのポンプを回すエンジンまたは電動機、作動油を蓄えるオイルタンクなどが1つのユニットになっています。

油圧アクチュエータの前進・後退や右回転・左回転などの運動方向を操作するには、ソレノイドバルブや手動弁を使用して作動油の流れを切り替える必要があります。また、動作する速さを調整するために必要となるのが、作動油の流量をコントロールするための絞り弁です。

以上のシステムが、油圧アクチュエータを動作させるために最低限必要な機能です。

油圧アクチュエータの原理

油圧アクチュエータの動力は、油圧システムにおいて閉じられた油圧回路内の作動油によって伝達されます。油圧シリンダの受圧面積 × 圧力によって算出できるのが油圧シリンダの推力です。

システムを設計する際は、まず発生させたい推力を決定したのちに、油圧ポンプより発生させることができる圧力に応じて受圧面積を算出し、シリンダー内径を決定します。油圧モーターは、作動油の流入により回転トルクを発生させ、回転トルクは油圧モータの押しのけ容積に比例します。

油圧アクチュエータの種類

1. 油圧シリンダ

油圧シリンダには単動形と複動形があります。

単動形
単動形は、シリンダの往復運動のうち、仕事させたい方向のみに作動油を送り込みます。一方向のみに圧力をかけるため推力の発生は片側のみになり、戻り方向に動作させるにはスプリングなどの外力が必要です。

複動形
複動形は、往復両方の運動に使用できます。シリンダの構造上、伸びるときの受圧面積の方が縮むときの受圧面積より大きいので、圧力差を考慮して油圧システムを設計する必要があります。

 

油圧シリンダーの取付け方は、さまざまな形がありますが、機械にどのような動きをさせるかによって取付け方が変わります。

2. 油圧モーター

油圧モーターは、ピストンモーター、歯車モーター、ベーンモーターなどがあります。揺動モーターの種類は、シングルベーン形とダブルベーン形です。

ダブルベーン形は、シングルベーン形の2倍の回転トルクを得ることができますが、ダブルベーン形の方が回転角が小さくなります。

油圧アクチュエータの選び方

油圧シリンダの場合は、必要な推力と作動油の圧力によって選定することができますが、その他にも必須なのが耐力の確認です。作動油の圧力に油圧シリンダ自体が耐える必要があります。また、油圧シリンダの物理的強度である座屈強度なども確認します。

油圧モータの場合は、必要トルクによって選定できますが、油圧シリンダと同様に耐圧の確認が必要です。その他、油圧モーターには最大流量が定められています。必要に応じて流量制御弁を油圧システム内に組み込み、流量を調整します。

油圧アクチュエータの運動の種類には直線運動と回転運動がありますが、2種類の動作を組み合わせると、さらに複雑な動作を行うことも可能です。

参考文献
https://www.nachi-fujikoshi.co.jp/tec/pdf/27D1.pdf
https://www.horiuchi.co.jp/products/p_model.php