SCRとは
SCRはシリコン製半導体です。電圧および電流を整流する素子、半導体スイッチング素子のことです。
所定の電圧をゲート(G)とカソード(C)間に加え電流を流します。これにより電流がアノード(A)からカソードに流れ両者の間はオンします。つまり導通状態となります。アノードとカソード間がオン状態となって電流が流れ始めると、ゲートとカソード間の電圧を印可やめて電流を流さなくしても、電流は流れ続け、アノードとカソード間のオン状態が継続します。
このSCRの特性を自己保持特性と呼びアノードとカソード間の電流がゼロとなって初めてオフ状態となります。つまり非導通状態になります。
SCRの使用用途
SCRは導通状態となると、ゲートとカソード間の印加電圧をオフして電流を流さなくしても、アノードとカソード間の導通状態を維持します。この特性を生かしAC電源における整流回路として使用されます。
比較的大きな電流をSCRは流すことができることから、比較的大きな家電製品であるテレビやエアコンの電源回路、明るさ調整ができる調光器やIH炊飯器、更には電車などにおけるスピード制御装置など、非常に広い範囲で使用されています。
SCRの原理
SCRと同じ様な動作を行うスイッチング素子にトライアックやダイオードがあります。SCRの動作原理を説明するために、これらの素子の動作について比較して説明します。
正方向の電圧を加えることによりダイオードはアノードからカソードに電流を流しますが、電圧を逆方向に印加した途端に非導通となり電流が遮断されます。
SCRはダイオードと同じようにゲートとカソード間に電圧を加えると、電流がアノードとカソード間に流れます。その結果、ゲートとカソード間の電流が減少しゼロに近づいてもアノードとカソード間は継続してオン状態のままとなります。
アノードとカソード間の電流を減少させゼロに近づけていくことにより、オフ(遮断)されます。
2つのSCRを並列に並べてトライアックは作られていますので、その動作は基本的にSCRの動作に従います。プラス方向の電圧をゲートとカソード間へ加えることにより、トライアック内部の一方のSCR素子のアノードとカソード間が導通状態となり、電流が流れます。もう一方のSCR内部の素子のアノードとカソード間はオフ状態のままです。
次に、マイナスの方向の電圧をゲートとカソード間に加えると、それまで導通状態にあったSCRは非導通となり、逆に他方のオフ状態であったSCRがオン状態となり電流が流れます。
以上の通り、正方向または負方向いずれの電圧をゲートとカソード間に加えても、所定値以上の電圧を加えることによりオン状態となります。
参考文献
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1211880607?__ysp=44K144Kk44Oq44K544K%2F44Gu55So6YCU
https://detail-infomation.com/the-difference-diode-and-thyristor-of-triac/
https://engineer-education.com/thyristor/