窒素ガス発生装置とは
窒素ガス発生装置とは、窒素ガスを生成するための装置です。
窒素は大気中の主要な成分であり、多くの産業や実験室でさまざまな目的で使用されます。窒素ガス発生装置はこれらの需要に応じて、必要な量の窒素ガスを生成することが可能です。窒素ガス発生装置は、必要なときに必要な量の窒素ガスを供給できるため、プロセスの安定性と効率を保つのに役立ちます。連続的な供給が可能なため、作業の中断や運転停止を最小限に抑えることが可能です。
また、大気中に豊富に存在する窒素を利用してガスを生成しており、他の窒素供給方法に比べてコスト効率が高いです。特に大量の窒素を必要とする産業やプロセスにおいて、コスト削減に貢献します。高圧ガスボンベも使用する必要がないため、取り扱いの際の安全性も向上させることが可能です。
ただし、窒素ガスは無色・無臭で、酸素よりも重く、漏れた際に低い位置に滞留する可能性があります。十分な通風と換気を確保して、ガスが溜まることなく安全に取り扱うことが重要です。
窒素ガス発生装置の使用用途
窒素ガス発生装置は、さまざまな産業や研究分野で幅広い用途に使用されています。以下は窒素ガス発生装置の使用用途です。
1. 電子工業
電子工業では、窒素ガスは酸素や湿気を取り除くために使用されます。半導体製造プロセスでは微細な回路を作成する際に微小な不純物や酸化物の存在が影響を与えるため、クリーンルーム内での作業が一般的です。
窒素ガスはクリーンルーム内の環境を制御し、プロセスの安定性と製品の品質を確保します。
2. 食品工業
食品工業では、窒素ガスは食品の鮮度保持や酸化防止のために使用されます。食品の包装や保存容器内に窒素ガスを注入することで酸化や変質を抑制し、食品の品質を維持することが可能です。特に、生鮮食品や冷凍食品などの長期保存に利用されます。
3. 医療
医療分野では、窒素ガスが液体窒素や低温貯蔵に使用されることが多いです。液体窒素は医療凍結治療や生体組織などの保存に用いられます。これにより、組織や生体試料の保存期間を延ばしたり、移植可能な状態を保ったりすることが可能です。
4. 薬品・化学工業
化学工業や薬品製造では、窒素ガスは酸化反応を防ぐために使用されます。窒素ガスを反応容器内に供給することで、反応過程の制御や生成物の品質向上が可能です。特に高温での反応や酸化を避ける必要がある場合に利用されることが多いです。
窒素ガス発生装置の原理
窒素ガス発生装置の原理は、主に窒素を取り出すための空気からの分離や化学反応を利用する方法に基づいています。
1. メンブレン分離
空気中には主に窒素と酸素が含まれています。メンブレン分離は、この空気中の窒素と酸素を分離するプロセスです。特殊な選択性を有するメンブレンを使用して、酸素分子よりも小さな窒素分子を通過させることで窒素ガスを取り出します。
2. アンモニア分解
アンモニア(NH3)は窒素と水素から成る化合物です。アンモニアを加熱して分解させ、窒素ガスと水素ガスに分解する方法を使用することがあります。
3. 冷却
空気を冷却して窒素を分離する方法です。窒素の沸点は-195.8℃、酸素の沸点は-183℃、アルゴンの沸点は-185.7℃です。これら沸点の違いから高純度の窒素を生成することができます。
窒素ガス発生装置の選び方
窒素ガス発生装置を選ぶ際には、いくつかの重要な要因を考慮する必要があります。
1. 生成方法
まず、窒素ガスの生成方法を選択することが重要です。空気からの分離、アンモニア分解、液体窒素の蒸発など、異なる生成方法があります。用途や需要に合った生成方法を選びます。
2. ガス圧
使用するプロセスや装置の要件に応じて、必要なガス圧を考慮することが必要です。一般的に、高圧の窒素ガスが必要な場合は、装置が高い圧力を生成できることを確認します。逆に、低圧の窒素ガスが必要な場合は、低圧の生成能力を持つ装置を選ぶことが重要です。
3. 流量
生成される窒素ガスの流量は、使用するプロセスや実験のニーズに合わせて選択する必要があります。大量の窒素ガスが必要な場合は、高流量の装置を選ぶことが重要です。一方で、小規模な実験やプロセスには低流量でも十分な装置が適しています。
4. 純度
窒素ガスの純度は、使用する用途によって異なります。高純度の窒素ガスが必要な場合は、装置が要求される純度を達成できるかどうか確認することが重要です。一般的に純度はパーセントで示され、高いほど純粋な窒素ガスとなります。
参考文献
https://shinko-airtech.com/equip_n2_psa.html
https://shinko-airtech.com/equip.html
https://www.fukuhara-net.co.jp/product_n2_psa.html