ジャンパー線とは
ジャンパー線とは、電子回路や制御盤などにおける2点間を短絡するために使用する線材です。
プリント基板や制御盤、実験用のブレッドボードで使われます。簡単な操作だけで2点間を短絡または開放させることができるため、回路設計の評価などに使用される場合が多いです。複数の回路を簡単に切り替えたい時にも、ジャンパー線を用います。
ジャンパー線の使用用途
ジャンパー線は電気回路で使用されます。具体的な使用用途は、以下の通りです。
- 電気回路故障時の動作確認用
- プリント基板や制御盤の動作評価用
- ブレッドボードを用いた実験用
- プリント基板内の動作設定用
主に、非定常的な電気回路の構成変更に使用します。ジャンパー線を誤った箇所へ使用すると電源回路を短絡させることもあり、大変危険です。ジャンパー線を使用する場合は、回路図や取扱説明書を十分に確認した上で必要な箇所へ取り付けます。
ジャンパー線の原理
ジャンパー線はほとんどの場合、ビニル絶縁電線が使用されます。ビニル絶縁電線とは、ビニルによって絶縁被覆を施した銅線です。芯線は撚線の場合と単芯線の場合があり、用途に応じて使い分けます。
先端にはクリップや端子が取り付けられます。具体的には、ミノムシクリップや丸型端子、ブレッドボード用ソケットなどです。用途によっては両端の端子が異なる種類の場合もあります。
ジャンパー線の長さも用途によって異なります。ただし、手元で非定常に短絡させたい場合に使用するため、1m未満の製品がほとんどです。
ジャンパー線の種類
ジャンパー線には、さまざまな種類の端子があります。ジャンパー線の両端に端子やクリップがついたものを、「ジャンパーワイヤー」とも呼びます。ジャンパーワイヤーの端子には多くの種類があり、以下は代表的な端子の一例です。
1. オスピン端子
先端にピンがついたジャンパー線です。ブレッドボートやメス型のソケットに差しやすい形状で、他の線と隣り合って差し込んでも干渉しません。Arduino Unoのように挿し口がメス型のマイコンボードで活用されます。
2. メスピン端子
ピンの差込口があり、ソケットがぴったりと重なります。オス型ジャンパワイヤーを簡単に差し込むことが可能です。RaspberryPiのように端子がピンになっているマイコンボードなどで活用されます。
3. ミノムシクリップ端子
先端に金属のクリップが付いたジャンパー線です。クリップに挟むことで簡単にジャンパーワイヤーの着脱が可能です。太さの違うジャンパーワイヤーなどを繋げることができます。
一本のジャンパワイヤーに対して、それぞれの端が「オス」と「メス」であったり両端とも「メス」であったり種類はさまざまです。また、ブレッドボードのように2点が等間隔の場合はコの字型のジャンパワイヤーが用いられることもあります。
ジャンパー線のその他情報
1. ジャンパー線の色
特に電話端子盤内では2芯や4芯のジャンパー線が用いられることが多く、色の指定には以下のような専門用語が用いられます。
- 2芯では、赤白 (カロ) 、オロ (青白) 、黄白 (キロ) 、橙白 (ダロ) など
- 4芯では、青白黄灰は「オロキネ」、赤白黒緑は「カロクミ」など
一般的によく利用される色順はありますが、規格として定められているわけではありません。保守の観点から分かりやすいように用いられています。
2. ブレッドボードによる回路定数の設定
ブレッドボードとジャンパー線を利用して、電子回路の最適な定数を決める際に使用されることがあります。設計した回路をブレッドボード上に組み上げて、動作検証を行う場合に使用します。
ブレッドボードは、電子素子を差し込むための穴が等間隔あけられたボードです。この穴を利用して部品を組み込み、回路を組み上げて実験を行う目的で作られています。
回路上のある抵抗の定数を0、1、2、3KΩのいずれが最適かを確認したいとします。まずは3本の抵抗全て1KΩを直列に並べて動作確認を行います。その後、各抵抗に順次ジャンパー線を接続することで0、1、2KΩとして動作確認を行います。以上によって4種類の実験結果を簡単に得ることが可能です。
参考文献
https://blog.rittal.jp/1300/
https://www.finecs.co.jp/dictionary/dictionary010.html
https://www.indetail.co.jp/blog/8431/
https://lan-cables.com/jyanpairo.html
https://blog.rittal.jp/1300/
https://dotstud.io/docs/jumperwire/