ナノファイバー

ナノファイバーとは

ナノファイバ

ナノファイバーとは、1本の直径が1~数百nmであり、長さが直径の100倍以上の繊維状物質のことです。

ナノテクノロジーの代表的な存在で、今後の用途開発に注目を集めている素材の1つです。高い比表面積と空隙率を持ち、高吸水性や透過性、軽量性に優れます。

高分子ナノファイバーをはじめ、植物由来のセルロースナノファイバーや高い導電性と強度を持つカーボンナノファイバーなど多種多様な種類が存在します。

ナノファイバーの使用用途

ナノファイバーは、用途の研究開発が進められている段階です。従来の繊維に比べて、高い強度、軽量性、柔軟性、吸水性、耐熱性、電気伝導性、生体適合性などの優れた特性を持っています。

各素材ごとに特性が異なっており、それぞれ様々な用途で使用されています。

1. セルロースナノファイバー

セルロースナノファイバーは、軽量で強度が高いため、建築材料、自動車部品、スポーツ用品などに使用されています。また、セルロースナノファイバーは、吸水性が高いため、衛生用品や医療用品にも使用されています。

2. カーボンナノファイバー

カーボンナノファイバーは、非常に高い強度と軽量性を持っているため、航空宇宙産業、自動車産業、スポーツ用品などに使用されています。また、カーボンナノファイバーは、熱伝導性が高いため、電子機器や燃料電池にも使用されています。

3. 高分子ナノファイバー

高分子ナノファイバーは、素材とする高分子によって様々な特性を調整できるため、幅広い分野で応用されています。例えば、吸水性や強度を高めたフィルターや、熱伝導性や電気伝導性を高めた電子機器などに使用されています。医療分野での組織再生や、環境分野での浄水フィルターなど、その応用範囲は非常に広いです。

ナノファイバーの原理

ナノファイバーの主要な製造方法はエレクトロスピニング (電界紡糸) 法、複合溶融紡糸法、メルトブロー法の3種類あります。

1. エレクトロスピニング法

紡糸ノズル内の高分子溶液に高電圧をかけることで、ナノファイバーを調製します。印加する電圧は10~40kV程度で充分なため、省エネルギーで生産ができます。直径数nm程度まで製造可能で、現在の主流とも呼べる製造方法ですが、量産化には大量のノズルが必要になります。

2. 複合溶融紡糸法

特殊なノズルから溶融した高分子を押し出し、海島構造の繊維を生成した後、海成分のみを溶解除去してナノファイバーを調製します。直径20nm程度までのナノファイバーしか作れないデメリットがあります。

3. メルトブロー法

溶融した高分子をノズルから押し出すと同時に、熱風で吹きつけて製造します。マスクなどの不織布を製造する際に用いる手法でもあります。ただし、直径0.5μm程度が下限のため、使用範囲が限られてきます。

ナノファイバーの種類

ナノファイバーには、その製造方法や使用される素材により、様々な種類が存在します。

1. セルロースナノファイバー

セルロースは、木や草などの植物に含まれる成分で、自然界で最も豊富に存在する有機物の1つです。セルロースナノファイバーは、このセルロースをナノレベルまで細かくしたもので、軽さと強度を兼ね備えています。また、植物由来の素材なので環境負荷が低く、リサイクルも可能です。

2. カーボンナノファイバー

カーボン、つまり炭素を主成分としたナノファイバーで、非常に高い強度と軽さを持っています。さらに、電気をよく通す性質もあります。

3. 高分子ナノファイバー

高分子ナノファイバーは、合成された高分子化合物を素材として使用します。ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステルなど、要求される特性によって使い分けることが可能です。

その性質は、使用される高分子の種類により異なりますが、一般的には軽量であること、強度が高いこと、化学的な安定性を持つことなどが特徴です。

参考文献
http://www.aichi-inst.jp/other/up_docs/no79_02.pdf
https://www.shinshu-u.ac.jp/project/leading/future/nanofibers.php
https://www.nipponpapergroup.com/research/organize/cnf/

デジタル粉塵計

デジタル粉塵計とは

デジタル粉塵計とは、屋内作業場において空気中の粉塵濃度測定を行うために使用する小型の測定機器です。

具体的には、労働安全衛生法第65条に基づき作業環境測定が義務付けられている物質である土石、岩石、鉱物、金属、炭素が測定の対象となっています。デジタル粉塵計は、単位時間当たりの粉塵カウント数 (cpm) × K値 (質量濃度変換係数:  mg/m3/cpm) を計算して、粉塵濃度 (mg/m3) を正確かつ簡単に測定することができます。

K値 (質量濃度変換係数: mg/m3/cpm) とは、粉塵のカウント数を粉塵濃度に変換する係数です。同じ種類の粉塵の散乱光量 (cpm) と濃度 (mg/m3) は直線的に比例することを利用して求められた直線の傾きです。この機器の仕様はJIS Z 8813に規定されており、粉塵の検出方法には、散乱光法、粒子計数法、吸光光度法、凝縮核粒子計数法などがあります。

デジタル粉塵計の使用用途

デジタル粉塵計を用いる場所は、労働安全衛生法施行令の第21条より、土石、岩石、鉱物、金属または炭素の粉塵を著しく発散する屋内作業場が該当します。そのため、金属の溶接、研磨、切削作業であったり、掘削作業が多かったりするような屋内作業場では、粉塵濃度の管理が重要です。

さらに、計測原理によっては、粉塵の種類や形状によって感度が異なる場合があることが知られており、煙やミスト等の全ての浮遊粒子状物質の影響を受けやすい点に留意して測定結果を管理することが求められます。

デジタル粉塵計の原理

デジタル粉塵計に要求される構造や仕様は、JIS Z 8813に規定されています。粉塵の測定には、散乱光法 、粒子計数法、吸光光度法、凝縮核粒子計数法などがあります。

1. 散乱光法

散乱光法は吸引ファンを用いて、空気吸引口から連続的に浮遊粉塵を取り込み、光源として白色光やレーザー光を用いて粉塵に照射します。粉塵から発せられた散乱光の量を連続的に受光部で検知して、その光量を光電変換素子で電気信号に変換します。

この値を単位時間当たりの散乱光量 (cpm: counts per minute ) として扱い、この濃度値にK値 (質量濃度変換係数 ) を掛けた値が粉塵の質量濃度 (mg/m3)です。

2. 粒子計数法

粒子計数法は、極めて清浄な環境の測定に用いられます。細く乱れがない空気の流れを連続的に作り出して浮遊粉塵を取り込み、光源としてレーザー光などの強いビームを照射します。

粉塵1個1個の散乱光を受光部で検知して光電変換素子で電気信号に変換し、この時の散乱光の強さから粒径分布を求め、そのカウント数から単位体積あたりの粒子数 (particle/cm3) とします。この濃度値にK値 (質量濃度変換係数) を掛けた値が粉塵の質量濃度 (mg/m3) です。

3. 吸光光度法

吸光光度法は連続的に浮遊粉塵を取り込み、光源として白色光やレーザ光を用いて粉塵に照射して、粉塵による光の減衰量を光電変換素子で電気信号に変換します。この光の減衰量 (透過率) の対数値に比例する相対濃度を求めて、粉塵濃度 (mg/m3) とします。

4. 凝縮核粒子計数法

凝縮核粒子計数法は、粉塵濃度が低い場合の濃度測定に用います。粉塵を過飽和蒸気雰囲気中で凝縮成長させて、光散乱粒子計数法を適用します。測定値は測定可能な最小粒径以上の総個数濃度なので、粒径情報がないことがデメリットです。

デジタル粉塵計の選び方

1. 測定範囲

測定したい粉塵の種類や濃度に合わせて、粉塵計の測定範囲を確認します。正確な値を測定するためにも測定範囲が適切であることが大切です。まずはデジタル粉塵計をどういった用途に使うか明確にする必要があります。

2. 精度と信頼性の評価

精度と信頼性は、選ぶ際の重要な要素です。高品質なセンサーや正確なデータ処理機能を備えたモデルを探し、信頼性のあるメーカーの製品を検討します。実際に使ったユーザーのレビューがあれば参考にすることが重要です。

3. 使いやすさ

デジタル粉塵計が扱いやすいかどうかを確認します。直感的なインターフェースや使い方の説明がわかりやすいものを選ぶと、日常の使用がスムーズになります。選ぶ前には実際に操作し、使用感を確認することが大切です。

参考文献
https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/000360775.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/juoeh/24/4/24_KJ00000832610/_pdf
https://www.eg.aktio.co.jp/product_pdf/P171.pdf
https://kikakurui.com/z8/Z8813-1994-01.html

デジタルサーモスタット

デジタルサーモスタットとはデジタルサーモスタット

デジタルサーモスタット (英: Digital thermostat) とは、デジタル式の温度調節器です。

熱電対や側温抵抗体、サーミスタなどの温度センサーを用いて対象物を測定し、得られた出力信号から各温度センサーに対応した温度を算出して、対象物を設定値通りに加温や冷却を行う機器を動作させるための電気信号を出します。センサー部の温度を数値で確認して、任意の設定温度を数値で入力します。

ヒーター等の加温機器をON/OFFすることで、対象物を設定温度まで加熱して、その後一定温度に保つ電子機器です。温度制御の方法には、設定温度を下回るとON、設定値になるとOFF信号を発する単純なON/OFF制御があります。

設定温度に近づくに従いOFF信号が長くなり、設定温度から離れるほどにON信号が長くなるPID制御 (英: Proportional-Integral-Differential Controller) があります。

デジタルサーモスタットの使用用途

デジタルサーモスタットは、温度制御が必要な多くの環境で活躍します。温度センサーからの信号を数値で表示する能力により、正確な温度管理が可能になります。自動復帰型制御によって対象物の温度を一定に保ちながら、例えば食品保温や動物保育器の温度制御など、多様なアプリケーションに対応が可能です。

手動復帰型制御機能付きのデジタルサーモスタットは、過昇温防止や異常温度警報器として利用可能であり、特に重要なプロセスや価値の高い資産を管理する際に有用です。水槽の水温調節や家庭での室温制御といった場面で、デジタルサーモスタットはその利便性と効率性により、広範囲な使用用途で信頼されています。

デジタルサーモスタットの原理

デジタルサーモスタットは多くの温度センサーを利用して対象物の温度測定を行い、得られた出力信号を解析し、各温度センサーに基づいた温度を計算します。これにより、対象物の加温または冷却を適切に制御する電気信号の生成が可能です。

温度センサーには、接点に起電力を発生させる熱電対、電気抵抗値の変化を利用する測温抵抗体、または電気抵抗値の変化に基づく電流値を利用するサーミスタが含まれます。デジタルサーモスタットは、各温度センサーに対応する電子回路を必要とします。

しかし、同じ種類の温度センサーであれば、熱電対はJIS C 1602、測温抵抗体はJIS C1604、サーミスタは JIS C 1611に準拠した製品を利用することで、どの製造元の温度センサーでも互換性が保たれ、交換が可能です。

デジタルサーモスタットの種類

デジタルサーモスタットは、主にその機能や制御方式によっていくつかの種類に分類されます。各種類のデジタルサーモスタットは特定の状況や要件に適しており、家庭やオフィス、産業施設など様々な環境で温度管理の要件に応じて選択されます。

1.  単純ON/OFF制御型

この種類のデジタルサーモスタットは、設定温度を下回ると加温装置をONにし、設定温度に達するとOFFにする基本的な制御を提供します。

2. PID制御型

PID制御を用いて、より精密な温度制御を提供します。PID制御は設定温度に対する実際の温度の差に応じて制御信号を調整し、温度変動を最小限に抑えます。

3. プログラマブルデジタルサーモスタット

この種類のデジタルサーモスタットは、特定の時間や日にわたって異なる温度設定をプログラムすることができます。これにより、エネルギーの節約や、特定の時間帯における快適な温度設定を実現することができます。

4. Wi-Fi / スマートデジタルサーモスタット

Wi-Fiまたはスマートデバイスと連携して、リモートで温度設定や監視を行うことができるデジタルサーモスタットです。アプリを利用することで、外出先からでも温度制御を行うことができます。

5. 学習型デジタルサーモスタット

この種類のサーモスタットは、ユーザーの温度設定のパターンを学習し、自動で最適な温度設定を提供することができます。

参考文献
http://www.asahikeiki.co.jp/images/catalog/WhatsThermostatcatalog.pdf

テープヒーター

テープヒーターとは

テープヒーターとは、加熱や保温をするための帯状のヒーターです。

形状が複雑な配管やバルブなどに巻き付けて使用します。電圧を印加することで、簡単に加熱が可能です。

また、温度コントローラーと組み合わせると、任意の温度に達するように対象物を加熱できます。一方で、自己制御型ヒーターも存在し、この場合は温度変化に合わせて常に一定温度となるように、ヒーター自体が調整する製品も販売されています。

テープヒーターの使用用途

テープヒーターは、産業機器やインフラなどに幅広く使用される機器です。以下はテープヒーターの使用用途一例です。

  • パイプやポンプの過熱
  • 電池の保温
  • 水道管や道路などの凍結防止・融雪
  • 飲料工場における液体加熱
  • ガスタンクや油圧ユニットの加熱

水道管などでは配管内を流水が流通しており、屋外に設置されます。屋外配管は気温が低い日などには凍結する場合があり、内部の水が膨張して配管を破裂させる事故が発生します。このような凍結事故を防止する目的で、テープヒーターを配管に沿わせて使用されます。

工場などでは燃料にLPGやLNGが使用されることがありますが、これらは液化貯蔵するのに対して使用する際にはガス化が必要です。ガス配管内で液化すると凍結時と同様に配管へ負荷が掛かるため、テープヒーターなどで加熱して使用します。

被加熱物と密着性を高めたい場合には、外側から断熱材を巻く、あるいは耐熱素材のテープで止めるなどの工夫が必要です。

テープヒーターの原理

テープヒーターはリード線、発熱体、外装などで構成されます。

1. リード線

リード線は、外部電源とヒーターを接続する部品です。ヒーター温度に応じてテフロン電線やニッケルシリカ電線が使用されます。端末が丸端子の状態で販売させることも多いです。

2. 発熱体

発熱体は、電気を流通させることで発熱する部品です。ニッケルクロムの合金であるニクロム線やカーボン線などが使用され、温度に応じて径を調整します。電気が導通する部品である発熱体は、絶縁体である外装で覆われる構造が一般的です。

3. 外装

外装は、発熱体を絶縁しつつ伝熱する部品です。素材に応じて耐熱温度が異なります。耐久性向上などを目的に、絶縁素材以外に金属テープや網状金属を被覆する場合もあります。

テープヒーターの種類

テープヒーターは、外装材料によって耐熱温度が異なります。ヒーターを使用する環境や加熱温度によって、適切なクロスの素材を選択する必要があります。

以下はテープヒータの外装種類一例です。

1. シリカガラスクロス

シリコンガラスを外装に用いたテープヒーターです。シリカガラスは石英ガラスの別称で、高い電気絶縁性と伝熱性を有する材料です。耐熱温度が高い点も特徴で、700℃まで耐えることができます。

また、酸に対しても強いため、酸性液体を移送する配管などに使用される場合もあります。

2. ガラスクロス

ガラス繊維から作ったガラスクロスと呼ばれる織布を外装としたヒーターです。耐熱温度も比較的高く、400℃に耐えます。シリカガラスクロスよりも耐熱性は低い反面、ガラスクロスの方が安価です。

3. ファイバークロス

PTFEなどを材料とした織物を被覆としたヒーターです。耐熱耐熱温度は260℃と低いですが、摩耗や飛散が少ないためにクリーンルームでの使用が可能です。

4. シリコンゴム

シリコンゴムを外装としたヒーターです。シリコンコードヒーターとも呼ばれます。絶縁性や耐湿性に優れ、多くの場所で使用されます。屈曲も自由で入り組んだ場所にも使用可能です。ただし、耐熱性は200℃またはそれ以下であり、ガラスクロスなどの外装と比べて低いのが欠点です。

テープヒーターのその他情報

テープヒーターの使い方

テープヒーターは、温度調節器によって任意温度に設定できます。ただし、被加熱物とヒーターの間にすき間があると、加熱効率の低下やヒーターの異常過熱を生じます。

そのため、使用する際はヒーターの上から断熱材で覆うなどして、ヒーターと被加熱物との密着性を高める必要があります。

参考文献
https://sakaguchi-dennetsu.co.jp/lineup/heater/beltheater_index/creibom_tape_heater.html
https://www.threehigh.co.jp/products/index.php?dispatch=categories.view&category_id=15
https://sakaguchi-dennetsu.co.jp/lineup/heater/beltheater_index/techeater100_01.html
https://www.threehigh.co.jp/blog/2017/08/3ribbon-heater.php

テフロンシール

テフロンシールとは

テフロンシール

テフロンシールとは、テフロンまたはPTFE (ポリテトラフルオロエチレン) と呼ばれるフッ素樹脂を素材として、密封性を保持するために利用される材料 (シール材) です。

シールは密封するために気体や液体の漏れをふさぐ可塑性のある材料を広く指しますが、他にパッキンやガスケットとも呼ばれます。パッキンとガスケットは接合部の密閉性を高めるために挟む部品を意味します。

しかし、「シール」は部品に限られず、接合部に巻くテープも含まれます。

テフロンシールの使用用途

テフロンシールは、例えばテープ状のものを配管の接合部のネジに巻き、密閉を確実にする用途で用いられます。これは「ねじ山シールテープ」とも呼ばれるものです。

また、真空フランジを封じて大気流入を防ぐためのガスケットとしても用いられます。そのほか、外部からのダストの侵入防止 (ダストシール) も用途の1つです。

このように、テフロンシールは主に油や水といった流体の漏れを防ぐ目的で、油圧や水圧機器などに対して、低圧から高圧までの条件下で幅広く使用されています。

テフロンシールの特徴

テフロンシールの幅広い用途を支えるテフロンの特徴は、優れた耐熱・耐寒性 (熱的特性) 、絶縁性 (電気的特性) 、さまざまな化学薬品に対する強い耐性・化学的安定性 (化学特性) です。他の工業材料にはないテフロンの性質を利用して、真空から高圧環境といった過酷条件下などに利用されています。

テフロンは酸やアルカリ、有機溶媒に対して安定性が極めて高く、腐食したり、膨潤したりすることがほとんどありません。オゾンガスに対しても強い耐性を示します。また、テフロンは、分子の構造の対称性から電気的な極性を有しません (無極性) 。

そのため、誘電率や力率といったパラメータは、温度や周波数によらず一定であり、絶縁抵抗も極めて高い数値を示します。数10kVという高電圧の下であっても絶縁性を失わずに性能を発揮します (→テフロンコーティングの原理と同様) 。

テフロンの分子構造

テフロンは、フッ素元素と炭素鎖からなる熱可塑性 (熱によって軟化し、成形できる性質) ポリマーです。その特異な化学特性や電気特性や熱的特性は、テフロン自体が持つ分子構造によるものです。

フッ素は、テフロン中に含まれる炭素鎖と安定的に結合しています。このフッ素と炭素の結合の安定性と、分子構造の対称性がテフロンの性能の源です。

ある温度までは加熱しても脱離することがなく、テフロンとしての性質がほとんど失われません。ただし、テフロンの融点は、327℃であり、これ以上の温度ではゲル状となるため、機械的性質は急激に低下します。

テフロンシールの種類

テフロンシールの形態には、パッキン、ガスケット、テープなど多種多様です。テープには、バルカーテープと通称されるものもあります。

これは株式会社バルカーが製造しているテープ型のシール材のことで、製品名はテープシール®です。バルカー社以外のシール用テフロンテープを指して「テフロンシール」と呼ぶ場合も多いです。テープ型のシール材のほか、細糸型のシール材もあります。

テフロンシールのその他情報

1. 名称としてのテフロンとPTFE

テフロン®は、1930年代に米国デュポン社によって開発された製品名です。一般にはポリテトラフルオロエチレン (polytetrafluoroethylene, PTFE) からなる樹脂を指します。

現在、「テフロン」がPTFEの通称として通用してはいますが、あくまで製品名です。デュポン社の製品でないもの、あるいはデュポン社が許諾していない用途ではテフロンの名称は使用されることはなく、PTFEと表記されます。

2. テフロンシールの「ねじ山シールテープ」として使用する場合

ねじで接合する配管などのねじ山部分にテープを薄く巻き、そのうえで接合部品をねじ込みます。このようにすることでテフロンが高い可塑性のために変形し、ねじの隙間をぴったりとふさぎ、高性能なシールとなります。

テフロンの摩擦が少ないため、ねじ込むときに必要な力も許容できる範囲です。

参考文献
http://www.taf-tr.com/teflon/teflon.html

テフロンコーティング

テフロンコーティングとはテフロンコーティング

テフロンコーティングとは、材料の表面処理の一種で、フッ素樹脂である「テフロン™」を使用してコーティングする表面処理の方法です。

この「テフロン™」は、旧デュポン社、現在の米国ケマーズ社により商標登録された商品です。そのため、「テフロン™」のブランド、名称を使用できるのは、ケマーズ社が認定してライセンス契約を締結した加工メーカーだけになります。

テフロンコーティングの使用用途

テフロンコーティングは、以下のように様々な分野で使用されています。

  • 身近な家庭製品
  • 航空宇宙機器
  • 自動車の部材
  • 電線の被覆

特に、エンジンにより高温となる自動車の変速機シール材ブレーキパッドベアリングはなどの表面処理に好適です。

テフロンコーティングの原理と特性

1. テフロンコーティングの原理

テフロンコーティングは、「テフロン™」 というフッ素系樹脂によりコーティングをする技術です。「テフロン™」テフロンは耐熱性と耐溶剤性に優れており、電気的に無極性という特性があります。このため、テフロンコーティングのコーティング膜は「テフロン™」の特性を反映しています。

なお、「テフロン™」以外のフッ素系樹脂も様々な企業で製造されており、これを使用したコーティングもテフロンコーティングと称されるのが慣用的です。

「テフロン™」とは?
「テフロン™」 (以下、「テフロン」と表記します) とは、フッ素元素と炭素鎖からなる熱可塑性ポリマーで、熱によって軟化し、成形できる性質を持ちます。テフロン中のフッ素は炭素鎖と安定的に結合しており、テフロンの優れた化学特性や電気特性、熱的特性や機械特性はこの分子構造に起因するものです。

なお、テフロンの種類は、「PTFE (ポリテトラフルオロエチレン) 」や「PFA (パーフルオロアルコキシアルカンポリマー) 」や「FEP (パーフルオロエチレンプロペンコポリマー) 」などの9種類です。

2.テフロンコーティングの特性

テフロンには、耐熱性と耐溶剤性に優れており、電気的に無極性という特性があるため、テフロンコーティング膜の特性はこれを反映したものとなります。

1.耐熱性
テフロンコーティングのコーティング膜は高い耐熱性を持ち、温度変化によって変形しにくい性質を持ちます。これは、テフロンが、フッ素と炭素鎖と安定的に結合している構造であり、ある程度の温度までは特性が変化しないためです。

このことから、エンジンから発生する高温に耐えうる耐熱性と温度変化により変形しにくい特性が求めらる自動車部材の表面処理に使用されています。

ただし、テフロンの融点である327℃以上の温度ではゲル状となるため、コーティング膜の機械性質は急激に低下します。

2.耐溶剤性
テフロンコーティングのコーティング膜は高い耐溶剤性を持ちます。これは、テフロンが、酸やアルカリ、有機溶媒に対しても安定性が極めて高い特性を有しているためです。

3.電気特性
テフロンコーティングのコーティング膜は、電気的に無極性です。これは、テフロンが、分子の構造の対称性から、電気的な極性をもたないためです。テフロンの誘電率や力率といったパラメータは、温度や周波数からの影響を受けず一定であり、絶縁抵抗も極めて高い数値を示します。

このことから、テフロンコーティングは、パソコンやロボット、航空機の電気系統にて使用される電線の被覆にもよく使われています。

テフロンコーティングのその他情報

1. テフロンコーティングの一般的な工程

テフロンコーティングする方法には、テフロンの種類、塗布する基材や母材の材質、使用する目的により、色々な方法や工程があります。一般的な工程は以下の通りです。

  1. 事前診断
    塗布する母材に問題となりそうな傷、打痕、溶接箇所などを点検します。
  2. 脱脂、空焼き
    油分、付着物を取り除くために、脱脂してから高温 (300℃程度) で空焼きをします。このとき、熱による歪が問題となる場合は、注意が必要です。
  3. 粗面化
    母材の汚れ、空焼きによる酸化皮膜を取り除くために、アルミナ研磨材でブラスト処理をします。
  4. プライマ (下塗り)
    母材とテフロンコーティングを接着させるための接着剤を塗布します。自己接着性のあるフッ素樹脂塗料の場合は、プライマの必要はありません。
  5. 乾燥
    100℃程度で乾燥を行います。プライマによっては、200℃以上の高温焼成が必要です。
    なお、テフロンコーティングの種類によっては、後工程のトップコートの前にミドルコートが必要な場合もあります。
  6. トップコート(上塗り)
    スプレーガン粉体塗装など所定の方法で、テフロンコーティング剤を塗布します。
  7. 焼成
    テフロンコーティング剤を硬化させるために、所定の温度と時間により焼成します。
  8. 検査
    テフロンコーティング膜の外観、膜厚、ピンホールなどの検査をします。

2. テフロンコーティングの膜厚について

上述のような工程を経て生成されるテフロンコーティング膜の膜厚は、使用目的により様々です。一般的には、金型の離型性向上といった非粘着目的であれば20~50㎛、外観の機能維持といった耐食目的であれば300㎛~2mmぐらいまでコーティング膜を生成することもあります。

また、非常に特殊なコーティングでは、1㎛といった非常に薄い膜厚のコーティング膜を生成します。テフロンコーティングにおいて、コーティング膜のピンホールは非常に重要な課題です。このため、あえて膜厚を厚くし、ピンホールを防ぐ場合もあります。例えば、250㎛以上の膜厚でのコーティングは「ライニング」と呼ばれます。

参考文献
https://www.yumoto.jp/technology/onepoint/teflon-coating
https://www.meikou.jp/fluororesin-2.html
https://www.fluorocoat.co.jp/more-fcc/
http://www.nf-technocoat.com/faq/

テスラメーター

テスラメーターとは

テスラメーターとは、空間中の磁場 (磁束密度) を測定するための計測器です。

磁束密度を単位面積当たりで測定します。テスラメーターは、ホール効果と呼ばれる半導体の電気特性を利用して、磁束密度をガウスまたはテスラの単位で表示します。

一般的に、据え置きタイプが高精度・高分解能であり、強い磁場に対しても測定可能です。研究開発・学術用途だけでなく、製造や品質保証などでも磁場の強さを検証するために利用されます。

テスラメーターの使用用途

テスラメーターの使用用途は、研究開発・学術用途のみならず、製造や品質保証の場面で磁場の強さを検証する時などです。例えば、加速器施設では強力な電磁石 (~10T) を使っており、その計測にテスラメーターは利用されます。

また、製品の品質管理の際に、滞留磁気や漏れ磁束、あるいは磁気材料の特性などの計測も用途として挙げられます。さらに、微弱ではありますが、地球も磁場 (~nT) を保持しているため、地磁気の測定にも有用です。測定したい磁場の大きさ、種類、必要な精度などに応じて、適切な計測器を選択する必要があります。

テスラメーターの原理

テスラメーターの原理は、ホール効果を利用して磁場を測定することです。ホール効果とは、半導体を流れる電流に垂直方向に磁場を加えると、電流と磁場に垂直な方向に電界が生じる現象です。

ホール素子と呼ばれる素子が磁場を計測するプローブとして使用されます。トランスバース型とアキシャル型の2種類があり、トランスバース型では、平板に対して垂直方向の磁場を測定します。薄板であるため、狭いギャップしかなくても、プローブの挿入により磁場を計測可能です。

一方、アキシャル型では、プローブ端面に垂直方向の磁場を測定します。小さなソレノイドコイルなどに挿入して内部の磁場を計測できます。これらのプローブを使用して、プローブと測定したい磁場の角度、対象物との距離、対象物の大きさなどを考慮した正確な磁場の評価が重要です。

また、ホール素子の特性には温度依存性があります。そのため、高温環境下での測定など、温度が変化する環境下での測定には、注意が必要です。一般的に、ホール素子による測定には、定温装置を使用して素子を一定温度に保つ必要があります。

テスラメータの種類

テスラメーターには、用途に応じてさまざまな種類があります。

1. ハンディタイプ

最も一般的なのは、AC/DC両用のハンディタイプのテスラメーターです。操作が簡単で持ち運びが容易であるため、フィールドワークなどで広く使用されています。

2. 据え置きタイプ

大型の高磁場測定用のものや、高感度微小磁場測定用のものなどがあります。高感度微小磁場測定用のテスラメーターは、特に地球磁場の測定などで使用されます。

3. 3軸テスラメータ

磁場分布を測定するための3次元テスラメーターもあります。3次元テスラメーターは、複数のプローブを組み合わせて使用し、3次元空間内の磁場分布の高精度な測定が可能です。医療分野や材料開発などで使用されることが多いです。

4. 超伝導量子干渉素子テスラメーター

高精度かつ高速に磁場を測定できる超伝導量子干渉素子を利用したテスラメーターの開発が進んでいます。超伝導量子干渉素子は、従来のホール素子に比べて測定速度が高く、より高感度な磁場測定が可能です。

テスラメーターの選び方

テスラメーターを選ぶ際には、以下のような要素を考慮する必要があります。

1. 磁場の大きさ

測定対象の磁場の大きさ、測定したい磁場の大きさに応じて、適切な測定範囲のテスラメーターを選択する必要があります。大きな磁場を測定する場合には、高精度で高測定範囲を持つ据え置きタイプのテスラメーターが適しています。

2. 測定精度

測定精度は、測定対象の磁場の大きさや用途に応じて選択します。磁場が微弱である場合には、高い分解能を持つテスラメーターが必要です。

3. 測定環境

テスラメーターを使用する環境によっても、選択するテスラメーターの種類が異なります。例えば、高温や低温、高真空環境での測定を行う場合には、それに耐えうるテスラメーターを選択する必要があります。

参考文献
https://www.macome.co.jp/technology/fromzero2.html
https://www.toyo.co.jp/files/user/img/products/material/pdf/7166_ext_06_0.pdf
https://www.toyo.co.jp/material/faq/detail/id=4184

タッチプローブ

タッチプローブとは

タッチプローブ

タッチプローブとは、工作機械のツールや加工ワークの寸法を高精度に測定するための接触型センサーです。

NC工作機械の主軸あるいは刃物台に取付けられ、スタイラスと呼ばれる検出子を対象物に接触させることで、ミクロン単位の精度で計測した座標値をNCにフィードバックします。加工プログラムに組み込む際は、測定時の数値が許容範囲を超えた場合にエラーを出す設定にしておきます。これにより、加工不良を瞬時に判別することが可能です。

また、測定した数値は順次NCに蓄積されていきます。この数値を解析すれば、生産性や加工精度の向上にも応用できます。

タッチプローブの使用用途

タッチプローブは、元々は3次元測定器用として開発されたものでしたが、現在はマシニングセンタタレット旋盤などのCNC工作機械に多く使用されています。タッチプローブは多方面からの接触ができるという特性から、様々な形状測定が可能です。

例えば、ワークの両端面を計測すれば2点間の距離が分かると同時に、両面の平面度や平行度などの幾何形状も測定できます。また、その他にもワークの穴の内径や振れ、複数穴の中心間距離、旋削ワークの外形の測定などにも使用されます。

タッチプローブの原理

タッチプローブのスタイラスが対象物に接触すると信号が受信機に伝達され、その時の機械原点をNCにフィードバックすることで寸法を測定します。プローブからの信号を伝達する方法には、インダクティブ方式や赤外線方式、無線方式などがあります。

1. インダクティブ方式

機械内部の受信機とプローブに信号伝達用のモジュールを設置し、電磁コイルによって信号を伝達する方法です。受信機とプローブを接近させる必要があるため、配置レイアウトはかなり制限されます。

一方で、プローブ側の電力供給はモジュールを介して行うことができるので、プローブ本体の電源が不要になるというメリットもあります。

2. 赤外線方式

赤外線を利用して信号を伝達する方法です。インダクティブ方式と比べると、信号伝達範囲が格段に広くなったことから、レイアウトの制限という問題が解消されています。現在でも多くの場面で使用される伝達方式です。

3. 無線方式

赤外線方式の信号伝達範囲をさらに向上させたものが、電波を用いた無線方式です。こちらは、大型加工機や5軸加工機などのツーリングゾーンが広い機種にも対応可能です。

タッチプローブの種類

タッチプローブは様々な工作機械に導入されています。

1. 研削盤用タッチプローブ

研削盤で使用されるタッチプローブで、円筒研削の砥石の摩耗検出や研削対象のワーク高さ計測にも使用されます。研削盤を手動で工具交換するため、ケーブル通信式のタッチプローブが広く採用されています。

2. NC旋盤用タッチプローブ

NC旋盤に使用されているタッチプローブで、ワークの内径、外径、端面測定を行います。タレットに接続するため、ワイヤレス式のタッチプローブが主流です。

3. 簡易型タッチプローブ

主に汎用工作機械で用いたり、ワークの段取り補助として使用されるタッチプローブで、アナログ式のものを指します。ダイヤルケージで数値を読み取ったり、LEDで接触を示したりするものがあります。

タッチプローブのその他情報

1. 手動測定の三次元測定機との比較

タッチプローブが登場する前に三次元測定機は存在していましたが、手動で測定子を被測定物に押し付けてオペレータがボタンを押すことでデータ取得する方式でした。この方法ではオペレータが被測定物に押し付けるため、オペレータの裁量で値に誤差が生じる問題があります。

現在のタッチプローブは手動の際に発生する精度誤差の問題はなく、常に高い精度で測定が可能です。

2. タッチプローブのメリット

タッチプローブは現在、マシニングセンターなどの工作機械に搭載されることが多いです。タッチプローブの機上測定メリットには以下のものがあります。

作業時間の短縮
加工機から測定機への移動が無くなり、また測定機上での原点出しが不要になるため作業時間の短縮が可能です。加工機上でワークの測定ができるので測定完了後に再加工を行うこともできます。

作業者の負担軽減
加工機から測定機へのワーク移動が無くなるため原点位置は変わりません。前述の通り原点出し作業が不要になり、作業者の負担が軽減されます。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspe/75/11/75_11_1273/_pdf

タッチスイッチ

タッチスイッチとは

タッチスイッチ

タッチスイッチとは、ユーザーの指やペンなどで画面をタッチしてON/OFFを切り替えるスイッチです。

静電容量式、抵抗膜方式、赤外線方式など、様々な検出方式があり、用途に合わせて使い分けられています。ボタンやキーに比べて平面上に配置可能でデザイン性にも優れているため、AV機器や産業機器の操作パネル、公共機器の操作部に広く採用されています。

また、スマートフォンやタブレットのようなタッチ操作を主体とする製品が登場する前から、タッチ操作の先駆的な存在でした。最近では、携帯機器の小型化やIoT化に対応するため、より小型で薄型のタッチスイッチが求められるようになっています。

タッチスイッチ開発では、操作感の改善とともに、信頼性やコストパフォーマンスも重要なポイントとなっています。

タッチスイッチの使用用途

私たちが日常生活でよく目にするタッチスイッチは、主に人による操作を目的としています。具体的には、家庭にある電化製品やショッピングモールのエレベーター・自動ドアの押ボタンなどです。また、最近ではスマートフォンやタッチパネルのように、画面に触れるだけで作動する静電容量式のタッチスイッチが主流となりつつあります。

その他、産業用ロボットや工作機械の内部にもタッチスイッチは多く使用されています。工場のような危険の伴う現場では、作業員の侵入・挟まれ防止や工具の破損検知などの安全装置としての役割も担っています。

タッチスイッチの原理

タッチスイッチは、その名前が示す通り、触れることで動作するスイッチです。使用環境や目的に応じて、最も適切なタイプのタッチスイッチを選択する必要があります。

1. 静電容量型タッチスイッチ

静電容量型タッチスイッチは、人の体が電気の伝導体であることを利用しています。指がスイッチの表面に近づくと、静電容量が変わり、この変化を検出してスイッチがオンまたはオフになります。スマートフォンやタブレットのタッチスクリーンによく使われる技術です。

2. 抵抗型タッチスイッチ

抵抗型タッチスイッチは、2つの導電層が存在し、間に絶縁層が挟まれています。ユーザーが表面を触れると2つの導電層が接触し、電流が流れるようになります。この電流の変化を検出して、スイッチの動作を制御する仕組みです。

3. 赤外線型タッチスイッチ

赤外線型タッチスイッチは、赤外線センサーを使用してユーザーの手や指の接近を検出します。センサーは赤外線を放射し、反射された光を検出します。手や指が近づくと、反射される光の量や角度が変わり、これを基にスイッチが動作する仕組みです。

タッチスイッチの種類

タッチスイッチは多くの場面で用いられており、その適用範囲は日々拡大しています。しかし、すべてのタッチスイッチが同じではありません。

具体的な用途や環境によって、最適なタイプを選定することが大切です。

1. 低電力型

電力消費が非常に低いタッチスイッチです。バッテリー駆動のポータブルデバイスに適しています。

2. 高耐久型

長期間にわたって高いパフォーマンスを維持できるタイプです。産業用途や公共施設でよく使用されます。

3. 多点対応型

複数の触点を同時に検出できるタッチスイッチです。スマートフォンやゲーム機器でよく見られます。

4. その他

水分や汚れが多い環境でも安定して動作するタイプは、キッチン家電や医療機器などで有用です。また、中には特定の用途や特殊な環境に合わせてカスタマイズが可能なタイプも存在します。多機能な操作パネルや特殊な工業用途で使用されます。

参考文献
https://emb.macnica.co.jp/articles/9269/
https://www.metrol.co.jp/blog/2020/06/16/13119/
https://emb.macnica.co.jp/articles/9269/
http://www.e-pentel.jp/product/touch_switch/theory.html

セラミック塗料

セラミック塗料とは

セラミック塗料とは、ウレタン塗料やシリコン塗料中にセラミック粒子が配合された塗料です。

高い耐久性や耐熱性、防水性、耐薬品性などを持ち、広範囲にわたる用途に使われます。セラミック粒子は二酸化ケイ素やアルミナなどの酸化物から作られ、高い耐久性と耐熱性を有します。塗料にこれらのセラミック粒子を添加することで、塗料が硬くなり、耐摩耗性や耐薬品性が向上します。

車の塗装や船舶の塗装など、耐久性が求められる場所で使われることが多いです。特に高温下での使用に適しています。また、家庭用品や建築物の外壁塗装など、防水性が求められる用途でも使われます。

セラミック塗料の使用用途

セラミック塗装は耐久性や防水性などの特性から幅広い産業の塗料に使用されます。

1. 移動機器産業

移動機器産業では、車両の外装や内装に使用されます。その耐久性と軽量化の特性から高級車やスポーツカーなどで使われることが多く、長期間美しい状態を保ちます。船舶の防水や耐摩耗性を向上させるためにも使用され、耐久性向上を目的に船底の塗装にも使われます。

2. 建設

建屋の外壁に使用されることもあります。水に対して非常に強いため、建物の外壁を雨水などから守ることができます。熱の反射率も高く、夏場には建物内部の温度上昇を抑えることが可能です。

3. その他

その他、工業製品や家庭用品の塗料として用いることもあります。特に、高温下で使用される製品の塗装に適しています。家庭用品としては、キッチン器具やバスルーム用品の塗料として使用されます。

セラミック塗料の原理

セラミック塗料は、一般的な塗料と比較してセラミック粒子が配合されている点が異なります。セラミック粒子、顔料、樹脂などから構成されます。セラミック粒子は、二酸化ケイ素やアルミナなどの酸化物から作られています。これらは非常に硬く耐熱性があり、塗料に混ぜることで塗膜の硬度や耐薬品性などが向上します。

セラミック塗料には一般的な塗料と同様に樹脂が配合されており、樹脂は塗料の粘性や塗膜の柔軟性を調整するために使用されます。一般的に、アクリル樹脂やウレタン樹脂が材料です。

色を付けるための顔料も配合されます。セラミック塗料には、天然顔料や人工顔料が使用され、これらの顔料はセラミック粒子と同様に均一に分散されているため、塗膜の色合いが均一で美しく仕上がります。

セラミック塗料の種類

セラミック塗料には、以下のような種類があります。

1. シリコンセラミック塗料

シリコン樹脂とセラミック粒子を配合した塗料です。高い耐久性や耐熱性、防水性、耐薬品性を持っています。特に高温下での使用に適しており、高層ビルや工場などの建物の外壁に使用されることが多いです。

2. アクリルセラミック塗料

アクリル樹脂とセラミック粒子を配合した塗料です。耐候性や耐摩耗性が高く、カラーバリエーションも豊富です。主に住宅の外壁塗装に使用されます。

3. ウレタンセラミック塗料

ウレタン樹脂とセラミック粒子を配合した塗料です。耐候性や耐摩耗性が高いほか、耐水性や耐薬品性も優れています。主に工場や商業施設など、厳しい環境下での使用が求められる場所で使用されます。

4. ガラスセラミック塗料

ガラスフレークやセラミック粒子を配合した塗料です。塗膜が硬く、耐久性や耐薬品性が高い点が特徴です。プラントや海洋構造物などの厳しい環境下での使用に適しています。

セラミック塗料のその他情報

セラミック塗料の塗布方法

セラミック塗料で外壁を塗装する場合は、ローラー工法と吹き付け工法のどちらかを用います。

ローラー工法は合成繊維などを巻き付けた専用のローラーで塗装する方法で、塗膜厚を厚くできるため耐久性を重視したい場合に用いられます。凹凸面や平滑面で使用するローラーを使い分ける必要があり手間がかかります。また、手作業で塗装しなければならず、塗装に時間がかかります。

吹き付け工法は専用のスプレーを使用して塗料を吹き付けて塗装します。機械を使用することで短時間かつ低コストで塗装できますが、使用する塗料の量が多くなることや騒音の問題が発生します。細かい塗装には不向きであり、塗装しない箇所には養生する手間もかかります。

参考文献
https://gaiheki-tatsujin.com/6961
https://hapisumu.jp/wall-merideme-a045583/
https://gaiheki-kakekomi.com/home/ceramic/