テスラメーター

テスラメーターとは

テスラメーターとは、空間中の磁場 (磁束密度) を測定するための計測器です。

磁束密度を単位面積当たりで測定します。テスラメーターは、ホール効果と呼ばれる半導体の電気特性を利用して、磁束密度をガウスまたはテスラの単位で表示します。

一般的に、据え置きタイプが高精度・高分解能であり、強い磁場に対しても測定可能です。研究開発・学術用途だけでなく、製造や品質保証などでも磁場の強さを検証するために利用されます。

テスラメーターの使用用途

テスラメーターの使用用途は、研究開発・学術用途のみならず、製造や品質保証の場面で磁場の強さを検証する時などです。例えば、加速器施設では強力な電磁石 (~10T) を使っており、その計測にテスラメーターは利用されます。

また、製品の品質管理の際に、滞留磁気や漏れ磁束、あるいは磁気材料の特性などの計測も用途として挙げられます。さらに、微弱ではありますが、地球も磁場 (~nT) を保持しているため、地磁気の測定にも有用です。測定したい磁場の大きさ、種類、必要な精度などに応じて、適切な計測器を選択する必要があります。

テスラメーターの原理

テスラメーターの原理は、ホール効果を利用して磁場を測定することです。ホール効果とは、半導体を流れる電流に垂直方向に磁場を加えると、電流と磁場に垂直な方向に電界が生じる現象です。

ホール素子と呼ばれる素子が磁場を計測するプローブとして使用されます。トランスバース型とアキシャル型の2種類があり、トランスバース型では、平板に対して垂直方向の磁場を測定します。薄板であるため、狭いギャップしかなくても、プローブの挿入により磁場を計測可能です。

一方、アキシャル型では、プローブ端面に垂直方向の磁場を測定します。小さなソレノイドコイルなどに挿入して内部の磁場を計測できます。これらのプローブを使用して、プローブと測定したい磁場の角度、対象物との距離、対象物の大きさなどを考慮した正確な磁場の評価が重要です。

また、ホール素子の特性には温度依存性があります。そのため、高温環境下での測定など、温度が変化する環境下での測定には、注意が必要です。一般的に、ホール素子による測定には、定温装置を使用して素子を一定温度に保つ必要があります。

テスラメータの種類

テスラメーターには、用途に応じてさまざまな種類があります。

1. ハンディタイプ

最も一般的なのは、AC/DC両用のハンディタイプのテスラメーターです。操作が簡単で持ち運びが容易であるため、フィールドワークなどで広く使用されています。

2. 据え置きタイプ

大型の高磁場測定用のものや、高感度微小磁場測定用のものなどがあります。高感度微小磁場測定用のテスラメーターは、特に地球磁場の測定などで使用されます。

3. 3軸テスラメータ

磁場分布を測定するための3次元テスラメーターもあります。3次元テスラメーターは、複数のプローブを組み合わせて使用し、3次元空間内の磁場分布の高精度な測定が可能です。医療分野や材料開発などで使用されることが多いです。

4. 超伝導量子干渉素子テスラメーター

高精度かつ高速に磁場を測定できる超伝導量子干渉素子を利用したテスラメーターの開発が進んでいます。超伝導量子干渉素子は、従来のホール素子に比べて測定速度が高く、より高感度な磁場測定が可能です。

テスラメーターの選び方

テスラメーターを選ぶ際には、以下のような要素を考慮する必要があります。

1. 磁場の大きさ

測定対象の磁場の大きさ、測定したい磁場の大きさに応じて、適切な測定範囲のテスラメーターを選択する必要があります。大きな磁場を測定する場合には、高精度で高測定範囲を持つ据え置きタイプのテスラメーターが適しています。

2. 測定精度

測定精度は、測定対象の磁場の大きさや用途に応じて選択します。磁場が微弱である場合には、高い分解能を持つテスラメーターが必要です。

3. 測定環境

テスラメーターを使用する環境によっても、選択するテスラメーターの種類が異なります。例えば、高温や低温、高真空環境での測定を行う場合には、それに耐えうるテスラメーターを選択する必要があります。

参考文献
https://www.macome.co.jp/technology/fromzero2.html
https://www.toyo.co.jp/files/user/img/products/material/pdf/7166_ext_06_0.pdf
https://www.toyo.co.jp/material/faq/detail/id=4184

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