タッチスイッチとは
タッチスイッチとは、ユーザーの指やペンなどで画面をタッチしてON/OFFを切り替えるスイッチです。
静電容量式、抵抗膜方式、赤外線方式など、様々な検出方式があり、用途に合わせて使い分けられています。ボタンやキーに比べて平面上に配置可能でデザイン性にも優れているため、AV機器や産業機器の操作パネル、公共機器の操作部に広く採用されています。
また、スマートフォンやタブレットのようなタッチ操作を主体とする製品が登場する前から、タッチ操作の先駆的な存在でした。最近では、携帯機器の小型化やIoT化に対応するため、より小型で薄型のタッチスイッチが求められるようになっています。
タッチスイッチ開発では、操作感の改善とともに、信頼性やコストパフォーマンスも重要なポイントとなっています。
タッチスイッチの使用用途
私たちが日常生活でよく目にするタッチスイッチは、主に人による操作を目的としています。具体的には、家庭にある電化製品やショッピングモールのエレベーター・自動ドアの押ボタンなどです。また、最近ではスマートフォンやタッチパネルのように、画面に触れるだけで作動する静電容量式のタッチスイッチが主流となりつつあります。
その他、産業用ロボットや工作機械の内部にもタッチスイッチは多く使用されています。工場のような危険の伴う現場では、作業員の侵入・挟まれ防止や工具の破損検知などの安全装置としての役割も担っています。
タッチスイッチの原理
タッチスイッチは、その名前が示す通り、触れることで動作するスイッチです。使用環境や目的に応じて、最も適切なタイプのタッチスイッチを選択する必要があります。
1. 静電容量型タッチスイッチ
静電容量型タッチスイッチは、人の体が電気の伝導体であることを利用しています。指がスイッチの表面に近づくと、静電容量が変わり、この変化を検出してスイッチがオンまたはオフになります。スマートフォンやタブレットのタッチスクリーンによく使われる技術です。
2. 抵抗型タッチスイッチ
抵抗型タッチスイッチは、2つの導電層が存在し、間に絶縁層が挟まれています。ユーザーが表面を触れると2つの導電層が接触し、電流が流れるようになります。この電流の変化を検出して、スイッチの動作を制御する仕組みです。
3. 赤外線型タッチスイッチ
赤外線型タッチスイッチは、赤外線センサーを使用してユーザーの手や指の接近を検出します。センサーは赤外線を放射し、反射された光を検出します。手や指が近づくと、反射される光の量や角度が変わり、これを基にスイッチが動作する仕組みです。
タッチスイッチの種類
タッチスイッチは多くの場面で用いられており、その適用範囲は日々拡大しています。しかし、すべてのタッチスイッチが同じではありません。
具体的な用途や環境によって、最適なタイプを選定することが大切です。
1. 低電力型
電力消費が非常に低いタッチスイッチです。バッテリー駆動のポータブルデバイスに適しています。
2. 高耐久型
長期間にわたって高いパフォーマンスを維持できるタイプです。産業用途や公共施設でよく使用されます。
3. 多点対応型
複数の触点を同時に検出できるタッチスイッチです。スマートフォンやゲーム機器でよく見られます。
4. その他
水分や汚れが多い環境でも安定して動作するタイプは、キッチン家電や医療機器などで有用です。また、中には特定の用途や特殊な環境に合わせてカスタマイズが可能なタイプも存在します。多機能な操作パネルや特殊な工業用途で使用されます。
参考文献
https://emb.macnica.co.jp/articles/9269/
https://www.metrol.co.jp/blog/2020/06/16/13119/
https://emb.macnica.co.jp/articles/9269/
http://www.e-pentel.jp/product/touch_switch/theory.html