セラミック塗料とは
セラミック塗料とは、ウレタン塗料やシリコン塗料中にセラミック粒子が配合された塗料です。
高い耐久性や耐熱性、防水性、耐薬品性などを持ち、広範囲にわたる用途に使われます。セラミック粒子は二酸化ケイ素やアルミナなどの酸化物から作られ、高い耐久性と耐熱性を有します。塗料にこれらのセラミック粒子を添加することで、塗料が硬くなり、耐摩耗性や耐薬品性が向上します。
車の塗装や船舶の塗装など、耐久性が求められる場所で使われることが多いです。特に高温下での使用に適しています。また、家庭用品や建築物の外壁塗装など、防水性が求められる用途でも使われます。
セラミック塗料の使用用途
セラミック塗装は耐久性や防水性などの特性から幅広い産業の塗料に使用されます。
1. 移動機器産業
移動機器産業では、車両の外装や内装に使用されます。その耐久性と軽量化の特性から高級車やスポーツカーなどで使われることが多く、長期間美しい状態を保ちます。船舶の防水や耐摩耗性を向上させるためにも使用され、耐久性向上を目的に船底の塗装にも使われます。
2. 建設
建屋の外壁に使用されることもあります。水に対して非常に強いため、建物の外壁を雨水などから守ることができます。熱の反射率も高く、夏場には建物内部の温度上昇を抑えることが可能です。
3. その他
その他、工業製品や家庭用品の塗料として用いることもあります。特に、高温下で使用される製品の塗装に適しています。家庭用品としては、キッチン器具やバスルーム用品の塗料として使用されます。
セラミック塗料の原理
セラミック塗料は、一般的な塗料と比較してセラミック粒子が配合されている点が異なります。セラミック粒子、顔料、樹脂などから構成されます。セラミック粒子は、二酸化ケイ素やアルミナなどの酸化物から作られています。これらは非常に硬く耐熱性があり、塗料に混ぜることで塗膜の硬度や耐薬品性などが向上します。
セラミック塗料には一般的な塗料と同様に樹脂が配合されており、樹脂は塗料の粘性や塗膜の柔軟性を調整するために使用されます。一般的に、アクリル樹脂やウレタン樹脂が材料です。
色を付けるための顔料も配合されます。セラミック塗料には、天然顔料や人工顔料が使用され、これらの顔料はセラミック粒子と同様に均一に分散されているため、塗膜の色合いが均一で美しく仕上がります。
セラミック塗料の種類
セラミック塗料には、以下のような種類があります。
1. シリコンセラミック塗料
シリコン樹脂とセラミック粒子を配合した塗料です。高い耐久性や耐熱性、防水性、耐薬品性を持っています。特に高温下での使用に適しており、高層ビルや工場などの建物の外壁に使用されることが多いです。
2. アクリルセラミック塗料
アクリル樹脂とセラミック粒子を配合した塗料です。耐候性や耐摩耗性が高く、カラーバリエーションも豊富です。主に住宅の外壁塗装に使用されます。
3. ウレタンセラミック塗料
ウレタン樹脂とセラミック粒子を配合した塗料です。耐候性や耐摩耗性が高いほか、耐水性や耐薬品性も優れています。主に工場や商業施設など、厳しい環境下での使用が求められる場所で使用されます。
4. ガラスセラミック塗料
ガラスフレークやセラミック粒子を配合した塗料です。塗膜が硬く、耐久性や耐薬品性が高い点が特徴です。プラントや海洋構造物などの厳しい環境下での使用に適しています。
セラミック塗料のその他情報
セラミック塗料の塗布方法
セラミック塗料で外壁を塗装する場合は、ローラー工法と吹き付け工法のどちらかを用います。
ローラー工法は合成繊維などを巻き付けた専用のローラーで塗装する方法で、塗膜厚を厚くできるため耐久性を重視したい場合に用いられます。凹凸面や平滑面で使用するローラーを使い分ける必要があり手間がかかります。また、手作業で塗装しなければならず、塗装に時間がかかります。
吹き付け工法は専用のスプレーを使用して塗料を吹き付けて塗装します。機械を使用することで短時間かつ低コストで塗装できますが、使用する塗料の量が多くなることや騒音の問題が発生します。細かい塗装には不向きであり、塗装しない箇所には養生する手間もかかります。
参考文献
https://gaiheki-tatsujin.com/6961
https://hapisumu.jp/wall-merideme-a045583/
https://gaiheki-kakekomi.com/home/ceramic/