薄型スイッチとは
薄型スイッチとは、薄いシート状で多機能かつ高信頼性の電子スイッチです。
ポリエステルやポリカーボネートなどの薄いフィルムを重ね合わせ、フィルム内に回路や絶縁構造を構成します。外装が連続したシートで覆われているため、粉塵や水分が内部に侵入しにくい防塵・防水構造です。また、表面シートへシルク印刷で自由に色や図柄を追加でき、LED や抵抗などのチップ部品を直接実装してバックライトやインジケータを組み込む応用例もあります。
フィルム自体が軽量で曲面への追従性に優れるため、従来のスイッチでは難しい薄型筐体や可搬機器への組み込みも容易です。押した感触もカスタマイズ可能で、軽快なクリック感から静かなソフトタッチまで幅広い操作感を実現できます
。こうした特徴から、薄型スイッチは軽くて薄くかつ丈夫な入力デバイスとして定着しています。
薄型スイッチの使用用途
薄型スイッチは以下のような用途で使用されます。
1. 産業機器
製造装置や計測器のフロントパネルでは、油分や金属粉が舞う環境下でも誤動作なく長期間稼働するスイッチが必要です。薄型スイッチは連続したシート構造により粉塵が浸入しにくい点が特徴です。また、薬品で清掃しても印刷面が剥離しにくい加工が可能です。さらに、LED を併設した発光キーによって運転状態を即座に確認できるため、作業効率と安全性の向上に寄与します。
2. ヘルスケア機器
血圧計などの医療機器は、アルコールなどによる拭き取り清掃が日常的に行われます。薄型スイッチは段差や隙間が少なく、表面をフラットに設計できるため、清掃時に汚れが残りにくく衛生面で優位です。大きなアイコン印刷とバックライトを組み合わせ、高齢者や医療従事者の誤操作を防止する仕様も採用できます。
3. 家庭用機器
電子レンジや炊飯器などの家電では、製品デザインと使いやすさの両立が不可欠です。薄型スイッチは曲面や段差のある意匠パネルに沿わせて貼り付けられるため、筐体全体を滑らかな曲線でまとめるデザインが可能です。操作部を薄く軽量にでるため、IoT 化が進む家電の小型・高機能化にも貢献します。