スクリューフィーダ

スクリューフィーダとは

スクリューフィーダ

スクリューフィーダとは、スクリュー状の羽根を使用して、物資を一定の速度で供給するための機械です。

螺旋状のフライトと呼ばれる部分で構成されており、フライトが回転することで物資を送り出します。対象となる物体は粉体が多く、家畜用餌などのさまざまな物資を送り出すために使用されます。

液体ではバルブの開閉によって流量を制御できますが、粉体の場合は運搬速度を変更する必要があります。また、コンベアなどの速度を1カ所だけ変更すると、棚釣りや噴出が起きる場合があります。そのような不具合を起こしにくく、供給量を制御する装置がフィーダです。

フィーダにはスクリューフィーダの他、電磁フィーダ・テーブルフィーダなど様々な方式があります。供給する粉粒体の粒径・強度や処理量、定量供給性など要求性能によって使い分けられています。スクリューフィーダは比較的定量供給性の高いフィーダです。

スクリューフィーダの使用用途

スクリューフィーダは粉体輸送を目的に様々な用途で使用されます。

代表的な用途は畜産業における飼料供給で、養鶏場などで家畜や鳥類の餌を自動で供給するために使われます。家畜のコンディションや時間帯などに応じて、適切量の餌を供給することが可能です。餌を自動で供給することで、飼育員の負担を軽減し、飼育管理の効率化に貢献します。

また、建築現場などでも使用されます。コンクリートやセメントなどの建材を自動で供給するために使用されます。スクリューフィーダは、建材を一定の速度で供給することができ、作業効率の向上に貢献します。

工場における原料供給にも使用されます。特に、粉状の原料を自動で供給するために有効です。原料の供給を一定の速度で行うことができ、生産ラインの安定した動作を支援します。

スクリューフィーダの原理

スクリューフィーダは螺旋状のフライトと呼ばれる部分で構成されており、フライトが回転することで物資を送り出します。

スクリューフィーダは物資の供給を制御できます。回転速度やフライトの形状、コンテナの傾斜角度などを調整することで供給制御します。回転速度の制御はインバータの採用などで対応します。

また、物資の流れを制御するために、バッフルと呼ばれる板をフライト間に配置する場合があります。バッフルは物資の流れを制御し、均一な供給を実現するために使われます。

スクリューフィーダの構造

円筒形の容器に取り付けられたスクリューと呼ばれる螺旋状のフライトで構成されています。フライトは、円筒形の容器の内側に取り付けられ、フライトが回転することで、物資をコンテナから送り出すことができます。フライトは、左巻きの製品と右巻きの製品があり、物資を送り出す方向に応じて選択されます。

スクリューの形状は羽根式だけでなく軸自体がらせん状であるリボン式などがあります。軸の数も1軸・2軸などさまざまです。これらは輸送する粉粒体の特性に合わせて設計されることが一般的です。

スクリューフィーダの選び方

スクリューフィーダはスクリューと粉粒体の摩擦が輸送の駆動力です。したがって、粉粒体の摩耗や形状破壊が起きる恐れがあり、これを避けるためにはスクリューの耐摩耗処理や羽根形状の適切な選択が必要です。破砕が起きやすい粗大粒子の輸送には適していません。

また、物質の性状に応じて選定する必要があります。使用する物質の性質に応じて、適切な材質のスクリューフィーダを選択する必要があります。腐食性のある物質を扱う場合などは耐腐食性の高いステンレスなどのスクリューフィーダを選択する必要があります。

上記を検討した上で、出力能力を選定します。スクリューフィーダの出力は物質の供給速度に影響します。出力は1時間あたりに供給できる物質の量を表し、単位はL/hやkg/hなどで表されます。

スクリューフィーダのその他情報

スクリューフィーダの設置場所

スクリューフィーダはホッパーと呼ばれる逆円錐型の粉体貯留容器の下部に設置されることが一般的で、スクリューの回転によって粉体を押し出して排出します。スクリューで押していくためある程度上方に傾斜している場合でも輸送することが可能です。

またスクリュー内および前段のホッパーが粉粒体によってシールされるため、大気圧と真空など圧力差のある工程間輸送ができる点も特徴です。配管内の気流に乗せて粉体を運ぶ空気輸送においては、シール性の高いスクリューフィーダが用いられます。

参考文献
https://www.screwfeeder.jp/about/86

ポリエステル樹脂

ポリエステル樹脂とは

ポリエステル樹脂

ポリエステル樹脂とは、エステル基を主鎖に含む高分子の総称です。

多塩基酸と多価アルコールを脱水縮合させることで得られる樹脂で、原料モノマーが異なる様々なポリエステル樹脂が販売されています。代表例としては飲料容器などに用いられているポリエチレンテレフタレート (PET) が挙げられます。

また、主鎖中に不飽和結合を有する不飽和ポリエステルも活用されており、例えばガラス繊維や炭素繊維と不飽和ポリエステルなどの樹脂を混ぜた繊維強化プラスチック (FRP) は建材、航空機やロケットの部品としても使われています。

その他、最近では環境への負荷を減らすため、生分解性を有するポリエステル樹脂も開発されており、代表的なものとしてポリ乳酸が挙げられます。ポリ乳酸は紫外線や水によって主鎖が分解しやすく、廃棄物が環境中で分解するため環境負荷が少ない材料として期待されています。

ポリエステル樹脂の使用用途

ポリエステル樹脂とはエステル基を主鎖に含む高分子の総称です。代表例としてはポリエチレンテレフタレート (PET) が挙げられます。PETは耐熱性や耐寒性に優れており、飲料容器などに用いられています。ポリエステル樹脂は繊維としても用いられており、PETのほかにポリブチレンテレフタレート (PBT) 、ポリトリメチレンテレフタレート (PTT) などもポリエステル繊維として用いられます。

他にも、不飽和結合を分子内に有する不飽和ポリエステル樹脂もあります。こちらはガラス繊維や炭素繊維と混合することで、軽くて強度が高い繊維強化プラスチック (FRP) として用いられます。FRPは航空機などの輸送機の部品や建材、スポーツ用品、ロケットなどの宇宙関係の部品など幅広い業界で使われる材料です。

ポリエステル樹脂のその他情報

1. ポリエステル樹脂の製造法

ポリエステル樹脂はカルボン酸COOHとアルコールOHが脱水縮合してエステル結合を形成する重合反応によって得られます。製法としてはジメチルテレフタレートを原料としたエステル交換法とテレフタル酸を原料とする直接重合法がありますが、現在は直接重合法が一般的に用いられています。

また、重合で用いられる触媒として従来はアンチモン触媒が用いられていましたが、重金属を用いない新たな触媒への転換が進んでおり、現在はチタン触媒、ゲルマニウム触媒などが用いられています。このような新たな触媒は今もなお各社で開発が進められています。

ポリエステル樹脂の製造法

図1. ポリエステル樹脂の製造法

不飽和ポリエステル樹脂は多塩基酸と多価アルコールの脱水縮合による重合反応で得られるベースポリマーに重合性ビニルモノマーを混合し、ラジカル触媒重合させることで得られます。モノマーとしてはビスフェノールなどが用いられており、モノマーの化学構造によって樹脂の性質も大きく変わります。

2. ポリエステル樹脂の安定性とリサイクル

ポリエステル樹脂は他の樹脂と比べて安定性が高い材料です。例えばポリエチレンテレフタレート (PET) は耐熱性、耐薬品性に優れています。一方でPETはエステル結合を有しているため、アルカリ水溶液で加水分解反応を起こします。また、高温高湿下ならば中性の水とも加水分解反応を起こすため、PETのリサイクルへの応用が検討されています。

その他、生分解性機能を付与したポリエステル樹脂も盛んに開発されており、代表的な樹脂としてポリ乳酸が挙げられます。ポリ乳酸は紫外線、水によって主鎖の加水分解が促進され、分子量の急激な低下が起こります。そのため使用後の分解、再成形が可能であったり、廃棄物も環境に残存せずに自然に分解させることができます。

ポリエステルフィルム

ポリエステルフィルムとはポリエステルフィルム

ポリエステルフィルムとは、ポリエステルと呼ばれる合成樹脂を薄く成形加工したフィルム状の素材です。

ポリエステルは、石油や天然ガスなどの石化製品から作られる合成樹脂の一種で、ポリエチレンテレフタレート (PET) 、ポリエチレンナフタレート (PEN) 、ポリブチレンテレフタレート (PBT) などがあります。ポリエステルフィルムは、これらのポリエステルを溶かして押出機で薄く延ばし、冷却して固めたものです。

ポリエステルフィルムの使用用途

ポリエステルフィルムは、透明性、強度、耐熱性、耐薬品性、耐光性などの優れた性質を持ち、さまざまな分野で使用されています。

1. 包装用途

ポリエステルフィルムは、耐熱性、耐薬品性に優れているため、食品や医薬品などの包装材として広く使用されています。また、透明性が高いので商品の見た目もよく、デザイン性に優れています。

2. 工業用途

ポリエステルフィルムは、強度や耐久性に優れているため、磁気テープやフィルムコンデンサなどの工業用部品としても使用されています。また、耐熱性が高く、電子部品や自動車部品の保護フィルムとしても使用されています。

3. 日用品用途

ポリエステルフィルムは、透明性や耐久性に優れているため、光学フィルムなどの日用品としても使用されています。また、耐熱性が高いため、レジャー用品やアウトドア用品としても使用されています。

ポリエステルフィルムの性質

ポリエステルフィルムは、以下のような特徴を持っています。

1. 耐熱性

高温にも耐えられるため、加熱や冷凍にも適しています。一般的に、PETフィルムは約200℃、PENフィルムは約250℃、PBTフィルムは約180℃まで耐えられます。

2. 耐光性

紫外線や可視光にも耐えられるため、色あせや劣化が少ないです。特に、PENフィルムは紫外線に対する耐性が高いです。

3. 耐薬品性

酸やアルカリなどの薬品にも耐えられるため、汚れや腐食が少ないです。ただし、強い酸やアルカリには注意が必要です。

4. 強度

引っ張りや圧縮などの力にも耐えられるため、破れや変形が少ないです。特に、PBTフィルムは機械的な強度が高いです。

5. 透明性

光を通す能力が高く、高い透明性を有します。特に、PETフィルムは透明性が高いです。

ポリエステルフィルムの種類

1. PETフィルム

PETフィルムは、テレフタル酸とエチレングリコールから作られるポリエステルフィルムです。最も一般的に使用されているポリエステルフィルムで、包装用や工業用、日用品用などの用途に使用されています。

また、PETフィルムにシリコンコーティングを施して剥離性を付与したものはシールや粘着テープの台紙、プレス成形用のセパレータなどに使用されます。

最近ではその優れた光学特性により、PETフィルムは液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどの薄型テレビの表面保護・反射防止用フィルムとしても用いられています。

2. PENフィルム

PENフィルムは、ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールから作られるポリエステルフィルムです。PETフィルムよりも耐熱性と耐薬品性に優れており、電子部品や自動車部品などの工業用部品に使用されています。PENフィルムは、電子部品や回路基板などの絶縁材料として使われることが多いです。

3. PBTフィルム

PBTフィルムは、テレフタル酸と1,4-ブタンジオールから作られるポリエステルフィルムです。PETフィルムよりも耐熱性と耐久性に優れており、機械部品や構造部品などの工業用部品に使用されています。PBTフィルムは、工業用のベルトやギアなどの部品として使われることが多いです。

ポリエステルフィルムのその他情報

ポリエステルフィルムの製造方法

1. 樹脂合成
ポリエステル樹脂はジカルボン酸とジアルコールとを脱水縮合させることで作成されます。ジカルボン酸はPET、PBTの場合はテレフタル酸、PENの場合はナフタレンジカルボン酸で、ジアルコールはPET、PENの場合はエチレングリコール、PBTの場合は1,4-ブタンジオールです。

合成した樹脂をペレット状に加工して取り出すか、溶融状態のまま、次のフィルム化工程に移ります。

2. フィルム化
ポリエステル樹脂のフィルム加工は、一般的に次のように行われます。最初に原料であるペレット状のポリエステル樹脂をホッパーに投入後、押出し機内で完全に溶解させます。その後、押出・急冷固化させることでフィルム状に加工し、それから縦と横の2方向に延伸します (2軸延伸) 。

フィルム状に延伸することでPETの場合、耐熱温度を200℃程度にまで向上できることが知られています 。そのため、耐熱性が必要となる用途には延伸したものが用いられることが多いです。 

延伸したフィルムに所望の特性を与えるために各種薬品を塗布した後、塗布成分を乾燥・硬化させます。その後、裁断や巻き取りを実施して加工が完了します。

参考文献
https://ono-plus.com/blog/
https://www.neion.co.jp/blog/useful/film
https://www.smcworld.com/products/subject/ja-jp/film/
https://www.tanimura.biz/dictionary/pet_film.html
https://www.finepack.co.jp/products/petfilm/
http://kagakucafe.org/ouchi080301.pdf

熱交換塗料

熱交換塗料とは

熱交換塗料とは、主に太陽光による熱による温度の上昇を抑えるための遮熱塗料の1つです。

温度の上昇を抑制する塗料には光を反射させるメカニズムの製品もありますが、熱交換塗料は光反射とは違ったメカニズムで遮熱を行います。建築物の外壁に塗布することによって、外部からの熱の侵入を防ぐための塗料を、遮熱塗料とよびます。

一般的な遮熱塗料は外部からの太陽光を反射させることで遮熱を行いますが、この場合だと塗装面の汚れにより太陽光の反射率が落ちたり、反射した光が周囲に影響を及ぼしかねません。一方で熱交換塗料では、塗料内の熱交換物質が太陽光エネルギーを運動エネルギーに変化させることで遮熱を行います。

太陽光を反射させず周囲の環境に与える影響が非常に少ないため、熱交換塗料は環境に優しい塗料です。

熱交換塗料の使用用途

熱交換塗料は、遮熱と環境負荷の両方を考慮した優れた塗料です。そのため、遮熱が必要な建築物・設備などに多く使用されています。

具体的には、一般住宅やビルの屋根・外壁などです。建物以外にも、アスファルトの歩道、テニスコート、サッカー場、学校のグラウンド、農業用ビニールハウスの屋根、プールサイド、子供の遊具などにも使用されています。生コン車ドラムも用途の1つです。

熱交換塗料の原理

熱交換塗料の内部には、光エネルギーを運動エネルギーに変換する物質 (熱交換物質) が含まれています。太陽光は様々な波長の光の集合体ですが、熱交換物質が反応するのはこのうち可視光~赤外線領域の光です。

太陽光が熱交換塗料に当たると、熱交換物質が可視光~赤外線領域の光に反応して塗料内部の熱交換物質が振動します。つまりこの時点で、太陽光エネルギーは熱交換物質の運動エネルギーに変換されていることになります。この運動エネルギーは熱交換物質が動くことで消費されます。つまり、光エネルギーを塗料内部で、ほぼ全て消費することが可能です。

熱交換塗料は冬場 (5℃~25℃程度) だと機能しません。交換塗料を用いると冬場は外部からの太陽光エネルギーを建物内に取り込むことができるため、暖房機器の必要性が低下して省エネにつながります。一般の遮熱塗料の場合は冬場でも太陽光を反射してしまうため、このような省エネ効果は得られません。この点からも、熱交換塗料は自然に優しい塗料であるといえます。

熱交換塗料の特徴

1. 周辺環境への影響が少ない

熱交換塗料は光の反射によらないため、周辺へ熱害を与えることがありません。都市のヒートアイランド現象を助長せずに済みます。

2. チョーキングがおきにくい

チョーキングとは、外壁の表面が白亜化という自己崩壊によって白い粉を吹く現象です。手で触るとチョークのような白い粉が付着します。チョーキングの原因は塗料中の二酸化チタニウムの光触媒作用ですが、熱交換塗料はチョーキングの発生を遅らせる性質があります。

3. 汚れが影響しない

光の反射を利用した遮熱塗料は、汚れると遮熱効果も減少してしまいますが、熱交換塗料なら汚れが影響しません。長期間にわたって使用可能で、塗り替えサイクルも長くなります。

4. 輻射熱を抑制できる

輻射熱とは赤外線で伝わる熱のことで、建物の内部を温めているのも輻射熱です。熱交換塗料は輻射熱を抑制するため室温の温度上昇も少なくし、冷房の効率を向上させることができます。

5. 建築部材の耐久性を向上させる

熱交換塗料と施工すれば、塗装した部材の温度上昇も抑えられるため、屋根材などの耐久性向上にも貢献します。

6. 保温効果もある

熱交換塗料の効果は25度以上から発揮されるため、冬場は熱を逃すことはありません。光の反射を使った遮熱塗料では冬場でも熱を反射してしまうため、むしろ暖房費を増やしてしまう可能性があります。

参考文献
https://oacis.repo.nii.ac.jp/
http://www.yoshidakenso.co.jp/coat/index.html#a01
http://www.kyc.co.jp/products/development/tough-coat.html
http://www.arbar.co.jp/products/hep
http://www.mihashitoso.com/

光ファイバーケーブル

光ファイバーケーブルとは

光ファイバーケーブル

光ファイバーケーブル (英: optical fiber cable) とは、光信号により情報を伝える光ファイバーに保護皮膜を施したケーブルです。

光ケーブルとも呼ばれます。光ファイバーと呼ばれる繊維を複数束ねて被覆を施し、屋内外での使用に耐える構造にしたものが光ファイバーケーブルです。電気信号ではなく、半導体レーザーやLED等の光によって通信します。現代のインターネットは、電話回線通信から光ファイバー通信へと移行しています。

光ファイバーは高純度のガラス繊維やプラスチックからできた透明度の高い繊維であり、遠距離でも光信号をほぼ減衰させずに伝搬できます。そのため、電話回線よりも長距離で高速な通信が可能です。

光ファイバーケーブルの使用用途

光ファイバーケーブルの主な使用用途は、インターネット用光回線による通信をはじめ、各種計測器やイルミネーションなどの照明、医療用・工業用のファイバースコープなどです。

ファイバースコープは、アクセス困難な装置や人体の内部を観察するために使用されます。医療用の内視鏡もファイバースコープの一種であり、光ファイバーを伝搬する光情報を基に、患部をリアルタイムで確認することが可能です。

光ファイバーケーブルの原理

光ファイバーケーブルを構成する光ファイバーは、中心部の「コア」とその周囲の「クラッド」という2種類のガラスから作られています。コアは高屈折率、クラッドはやや低屈折率のガラスなどで作られるため、ケーブル内の光信号はコアとクラッドの境界で全反射します。これにより、光信号をほぼ減衰させずに、遠くまで伝播が可能です。

光ファイバーケーブルは、中心にはテンションメンバがあり、敷設時にファイバに掛かる張力を緩和します。テンションメンバを中心にして光ファイバーを集合し、その外側に緩衝材や押え巻き、外被を施した構造をしています。

光ファイバーケーブルの種類

光ファイバーケーブルを構成する光ファイバーは、コアの直径によりシングルモードファイバーとマルチモードファイバーの2種類に分類されます。

1. シングルモードファイバー

コアの直径が小さい (10μm程度) 光ファイバーです。ある一定の角度で全反射する光のみを伝えます。光の到着速度が一定なので、長距離でも安定して大容量の通信を行うことができます。

2. マルチモードファイバー

コアの直径が大きい (50μm程度) 光ファイバーであり、全反射角度が異なる複数の光を同時に伝えます。各光の到着速度が異なるため長距離には適さず、近距離の中・小容量通信における使用がメインです。

光ファイバーケーブルのその他情報

1. 光ファイバケーブルの接続方法

光ファイバーの接続方法は大きく分けて、融着による方式とコネクタによる方式の2種類があります。それぞれ特徴が異なるため、用途に応じた接続方法を選定します。

融着方式
光ファイバーの先端部を加熱して融解し、光ファイバー同士の先端部を接着します。融着方式は接続部の信号減衰が小さいことから、接続のために必要なスペースも小さい特徴があります。接続部は衝撃に弱くなり折れやすいため、心線補強にファイバー保護スリーブを被せた加熱処理が必要です。

顕微鏡でコアの中心軸が一致するよう位置決めして接続する「コア調心方式」と、多心ファイバーを固定V溝に並べて溶融時の表面張力で融着する「固定V溝調心方式」があります。

コネクタ方式
専用コネクタを使用して接続する方法です。融着方式では1度接続すると取り外せませんが、コネクタ方式は繰り返し着脱が可能です。光サービスの運用、保守など切り替えポイントが必要な場所で使用されます。コネクタの先端形状は自由に選択できるため、機器に直接接続できる点もメリットです。

2. 光ファイバーケーブルの断線

光ファイバーケーブルは細いガラス素材でできているため、金属ケーブルに比べると、曲げに弱く折れやすい性質があります。

外部からの衝撃による断線
光ファイバーケーブルに衝撃が加わって断線する最もシンプルなケースです。細いガラス素材の光ファイバーケーブルは、衝撃によって破損する場合があります。人通りが多い場所などには配線はしないよう注意が必要です。

災害による電柱への衝撃による断線
光回線を引き込んでいる電柱に衝撃が加わることで、断線する場合もあります。地震や事故などで電柱が衝撃を受けると、接続している光ファイバーケーブルが損傷します。

動物による断線
動物がかじったりなどして断線するケースもあります。ペットを飼う場合はペットの動線上に配線しないようにするか、ペットが通れない措置を講じる注意が必要です。

参考文献
https://global.canon/ja/technology/s_labo/light/003/08.html
https://www.sanwa.co.jp/product/network/hikaricable/index.html
https://www.panduit.co.jp/column/naruhodo/4390/

シリコン樹脂

シリコン樹脂とは

シリコン樹脂シリコン樹脂はケイ素と酸素からなるシロキサン結合(Si-O-Si)を主骨格とした樹脂で、一般にシリコーンとも呼ばれます。側鎖には有機基が導入されており、シリコン樹脂は無機的な性質と有機的な性質両方を示します。また、側鎖の官能基の種類によって様々な物性を示します。
シロキサン結合はプラスチックの主鎖を形成する炭素-炭素結合に比べて結合エネルギーが大きいため、シリコン樹脂は耐熱性、耐候性、電気絶縁性などが一般的なプラスチックに比べて優れます。

シリコン樹脂はシリコンオイル、シリコンゴムに分類され、液状シリコン樹脂の場合、製品として成形する際には射出成形や押出成形などの方法が用いられます。また最近では3Dプリンターによる成形も行われています。

シリコン樹脂の使用用途

シリコン樹脂はケイ素と酸素が繰り返し結合した樹脂です。耐熱性、耐候性、電気絶縁性などの様々な長所を活かして、シリコンオイルまたはシリコンゴムとして使われています。
例えば耐熱性の高いオイルとして熱媒体として使われたり、温度変化の激しい環境での防振油などの工業用途でも使われます。その他、哺乳瓶のゴムや各種パッキン、シャンプーなどにも使用されています。

また、建築分野ではコーティングの劣化を防ぐための保護剤やガスケットなどに使用されています。その他、車両の各種部品にもシリコン樹脂は使われています。

シリコン樹脂の特徴

シリコン樹脂で形成されるケイ素と酸素が連続したシロキサン結合はガラスや石英などの無機物と同じ種類に属します。シロキサン結合は有機物の主要な結合である炭素-炭素結合に比べて結合エネルギーが高く、化学的に安定です。これがシリコン樹脂の耐熱性、耐候性が高い理由の一つです。

シロキサン結合は無機物の性質を示すのに対して、シリコン樹脂は側鎖に炭素などの有機の官能基も有するため、無機と有機両方の性質を示します。また、側鎖にはメチル基、アルコキシ基、アミノ基など様々な有機官能基を導入することが可能で、官能基によって異なる性質を発現させることができます。さらに、側鎖に結合している官能基の数によってもシリコン樹脂の性質は異なり、例えばケイ素に酸素が3つ以上結合したシリコン樹脂は3次元網目状の構造を示し、特に優れた耐熱性、耐候性を示します。
シリコン樹脂 特徴

シリコン樹脂とプラスチックの違い

シリコン樹脂は加工性が高く、加熱によって柔らかくなるなどプラスチックと似た特徴を持っていますが化学的には異なる物質です。シリコン樹脂はケイ素原子を主骨格に多く含むのに対して、エポキシ樹脂のようなプラスチックは主に炭素原子から主鎖骨格を構成しています。

プラスチックの主骨格である炭素-炭素の結合に比べてシリコン樹脂の主骨格のケイ素-酸素結合の結合エネルギーは高く、反応性は低いため一般的にプラスチックよりも耐薬品性や耐熱性に優れています。そのため、日用品やキッチン用品、工業用品などでシリコン樹脂は広く用いられています。なお、強酸や強アルカリと接触すると分解、劣化を引き起こす可能性があるため薬品を使用する場合は注意が必要です。

シリコン樹脂の安全性

シリコン樹脂は生理活性が極めて低く、人体への影響がほぼ無いと考えられています。また、経口摂取しても健康への影響は低く、急性毒性や遺伝毒性に関する調査でも、陰性であることが報告されています。

シリコン樹脂は食器や調理器具などに使用されますが、極めて安定な樹脂であるため、調理時の高温環境下でも食品と反応することはありません。ただし過加熱や空焚きなどで異常な高温となるとシリコン樹脂が融けたり、変色したりする可能性があるので、使用温度に注意する必要があります。

一方で、スプレーなどに含まれるシリコン樹脂は非常に小さい粒子であるため、吸引によって呼吸器系の中毒症状を引き起こす可能性があります。撥水スプレーなど家庭用の商品を使用する際も換気の良いところで使用する、人体に直接使用しないなどの取り扱いに注意が必要です。また、使用前には説明書や安全データシート(SDS)を熟読する必要があります。

参考文献
https://www.silicone.jp/info/begin1.shtml
https://www.kda1969.com/materials/pla_mate_si.htm
https://www.silicone.jp/info/begin4.shtml
http://www.siaj.jp/ja/pdf/siaj.pdf
https://www.silicone.jp/catalog/pdf/Automobiles_j.pdf
https://www.fsc.go.jp/sonota/factsheets/130617_silicone.pdf
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/anzen/kyougikai/r2/documents/r2kyogikai-1_handout02.pdf

ストレーナ

ストレーナとは

ストレーナ

ストレーナは、液体や気体の中から細かい異物を除去する部品です。類似部品にラインフィルタがありますが、用途が異なります。ストレーナは機器の上流に挿入して機器保護を目的として設置されるのに対して、ラインフィルターは流体をろ過し正常化する目的で設置されます。

ストレーナの使用用途

ストレーナは民生品の場合、自動車などに使用されます。エンジン保護を目的としており、エンジンオイル配管のエンジン上流に設置されます。他の使用用途には、下水道配管などがあります。

産業用途としては、プラントや油圧ユニットなどに使用されることが多いです。主に異物の噛み込み防止を目的に、減圧弁やポンプなどの機器上流に設置します。

また、ストレーナには内部スクリーンを定期掃除する製品とテンポラリーストレーナの2種類があります。テンポラリストレーナは使い捨てするストレーナです。基本的には配管工事後に配管内の汚れを除去し、以降は取り外されます。テンポラリーストレーナにはコーン型や差込み型などの種類があります。

ストレーナの原理

ストレーナーは本体、Oリング、スクリーンなどから構成されます。本体の中にスクリーンが入っており、Oリングで配管と漏れがないように接続されます。最も重要なのがスクリーンで、網目状のパンチングメタルやメッシュからできた部品です。

網目粗さを選定して除去する異物の大きさ決定します。異物が大きい場合はスクリーンの目を粗くし、小さい場合はスクリーンの目を細かくします。また、ストレーナーにはY型やU型などがあります。基本的には流量の小さなものにY型を使用し、大きなものにU型を使用します。

ストレーナーの圧力損失に注意が必要です。ストレーナを設置すると圧力損失が発生するため、ポンプの入口に目が細かいストレーナを設置するとキャビテーションが発生する恐れがあります。

ストレーナのその他情報

1. ストレーナの清掃

ストレーナは流体中のゴミをフィルターで除去するため、内部にゴミが堆積します。定期的に清掃しなければフィルターの目詰まりが発生し、さまざまな不具合が発生します。内部フィルターを取り外して水洗する清掃方法が一般的です。

ストレーナの入出口のバルブで縁切りして清掃作業を実施します。ラインを容易に停止できない場合は、あらかじめストレーナにバイパスラインを設けて清掃します。ライン内ポンプの吐出圧力を監視することでストレーナのつまりを発見します。また、長期停止後はライン内の異物がストレーナに流入することがあるため、稼働前にストレーナの点検を行うことが重要です。

2. ストレーナのメッシュ

ストレーナにおいてフィルター粗さは一般的にメッシュという数値で表されます。メッシュとは、1インチ中にある網目の数です。仮に1インチの中に網目が10個あれば10メッシュということになります。実際には1インチ×1インチの正方形の中にそれぞれ10個の網目なので、1インチ角中に100個の網目があることになります。

2重構造フィルターを持つストレーナも販売されています。二重構造フィルターでは、外側に目の粗いフィルターを取り付け、内側に目の細かいフィルターを取り付けます。ストレーナの粗さや構造は、メーカーとの協議や過去実績を基に選定します。

参考文献
https://www.tlv.com/ja/steam-info/steam-theory/other/1001filter/
https://jp.misumi-ec.com/vona2/mech/M2000000000/M2007000000/M2007030000/
https://www.wasinokiki.co.jp/product/f02.pdf
http://www.vth.co.jp/strainer

ステンレス鋼管

ステンレス鋼管とは

ステンレス鋼管

ステンレス鋼管とは、ステンレス鋼を材料とする配管のことです。

ステンレス鋼の中でもSUS304のようなオーステナイト系のステンレスは、含有されるクロムにより表面が不導体膜で保護されているので、錆が発生しません。そのため、錆が問題になるような配管に使用されます。高温・低温に強いのもステンレス配管の特徴です。

また、内面を光輝焼鈍 (無酸化焼鈍) や電解研磨により仕上げたものは、高純度な製品が必要な半導体工場や食品工場でも使用可能です。

ステンレス鋼管の使用用途

ステンレス鋼管は工場やプラントで多く使用されます。具体的な使用用途は以下の通りです。

  • 高温反応を有する化学プラント
  • 超低温の液体を搬送する産業ガスプラント
  • 異物やバクテリアの発生が厳禁な食品・医薬品プラント
  • 高純度な製品が必要とされる半導体工場
  • 硫酸プラントや苛性ソーダプラント
  • 石炭火力発電プラント
  • 液体酸素・液体窒素の移送配管

錆が発生すると困る配管に幅広く使われており、純水や蒸気配管に使用されることもあります。

ステンレス鋼管の原理

ステンレス鋼管でもオーステナイト系ステンレス製の配管は、クロムによる不導体被膜によって錆が発生しません。ただし、溶接時の熱による鋭敏化という現象により耐食性が低下することがあります。

特に、溶接部近辺ではクロムが炭化クロムとなり、不導体被膜を形成するのに十分なクロムが無くなることがあります。この現象を避けるために、溶接時の熱管理が必要です。

また、内部を光輝焼鈍 (無酸化焼鈍) や電解研磨に仕上げたステンレス鋼管は、見た目もきれいでコンタミの原因となる残存部がありません。そのため、食品業界や半導体工場などで多用されます。ステンレス配管は溶接方法を誤ると、液だまりの発生や溶接部の凸凹などが発生します。そのため、ステンレス鋼管の能力を完全に発揮するには正確な施工が必要です。

ステンレス鋼管のその他情報

1. 配管用ステンレス鋼管と一般配管用ステンレス鋼管の違い

配管用ステンレス鋼管 (JIS G 3459:2016) は、耐食用や低温用などの配管に用いるステンレス鋼管です。外径の範囲は、10.5mm〜660.4mmである場合が多いです。

一方で、一般配管用ステンレス鋼管 (JIS G 3448:2016) は、給水用や給湯用水に用いるステンレス鋼管です。従来のステンレス鋼管に比べて薄肉であり、SUS304、SUS315J1、SUS315J2、SUS316の4種類に分類されます。外径は9.52mm〜318.5mmです。

2. 水道とステンレス鋼管

一般配管用ステンレス鋼管 (JIS G 3448:2016) に類似した規格で、水道用ステンレス鋼管(WWA G 115:2012) があります。水道用ステンレス鋼管 (JWWA G 115:2012) は、日本水道協会規格の定めた規格で、最高使用圧力1.0MPa以下の水道に使用します。

肉厚は一般配管用ステンレス鋼管と同じであり、SUS304とSUS316の2種類で規定しているのが特徴です。外径は15.88mm〜48.60mmの管があります。

3. ステンレス鋼管の継手

ステンレス鋼管の継手とは、ステンレス鋼管同士をつなぎ合わせるための部品です。継手を使用することにより、ステンレス鋼管の方向を変えたり外径のサイズを変えたりすることができます。

継手の代表的な種類は以下があります。

  • エルボ
    配管の方向を45°, 90°, 180°に変える
  • チーズ
    配管の合流や分岐をさせる
  • レジューサー
    外径の異なる配管をつなぎ合わせる
  • ブッシング
    径の異なる配管の外ネジと内ネジを接続する
  • ニップル
    配管の内ネジ同士を接続する
  • ソケット
    配管の外ネジ同士を接続する
  • フランジ
    配管と配管を接続する

つなぎ方は主に、溶接式とネジ込み式の2種類です。溶接式には突合せ溶接式管継手と差込み溶接式管継手があり、ネジ込み式にはネジ込み式管継手があります。また、ネジ込み式管継手は、溶接で固定しないので補修メンテナンスがしやすい点が魅力です。

参考文献
https://www.mory.co.jp/product/stainless/circle/02.html
https://jis.jts-tokyo.com/stainless-pipes-standards/

ステンレス継手

ステンレス継手とは

ステンレス継手とは、ステンレス鋼管同士をつなぎ合わせるために使用されるものです。

多くの場合、SUS304のステンレス鋼です。ステンレス鋼は錆びにくいという特徴があるため、錆の混入を防止したい配管や水などの配管でよく使用されます。

また、SUS304などのオーステナイト系ステンレス鋼は、極低温でも低温脆性が発生せず、むしろ強度が上昇します。そのため、液体窒素 (-196℃) の配管などにも使用されます。

ステンレス継手の使用用途

ステンレス継手は、錆を発生させたくない配管などに使用されます。具体的な使用用途は以下の通りです。

  • 上水道配管
  • 硫酸移送配管
  • 強アルカリ液移送配管
  • 液体窒素移送配管
  • 液体酸素移送配管
  • 蒸気移送用配管

ステンレス継手の原理

ステンレス継手は前述した通り、ステンレス鋼製です。その中でも、オーステナイト系のステンレスにはクロムが含まれており、不導体被膜の形成により錆を防止します。そのため、錆が問題になる配管の継ぎ手として使用可能です。

ただし、鋭敏化には注意が必要です。鋭敏化とは、ステンレス継手を溶接する時に酸化クロムが形成されてしまい、クロムが欠乏する現象を指します。溶接時の熱管理や固容化熱処理などを行い、不導体被膜が形成されるように処理をする必要があります。

また、オーステナイト系のステンレスは、低温だとマルテンサイト系の組織になるため、引張強さが上昇します。したがって、ステンレス継手は極低温の配管にも問題無く使用可能です。

ステンレス継手の接続方法

ステンレス継手には、継手の形状によって接続する方法に種類があります。

1. ねじ込み形

ねじ込み形とは、ステンレス継手自体にねじ溝がある継手です。溶接と違って完全に固定されないため、メンテナンス性が高いという利点があります。

2. 溶接

溶接により配管と継手を接続する方法です。溶接式の継手には、先端同士を突合せて溶接する突合せ溶接 (SW) と、使用する配管を継手に差し込んで溶接する差し込み溶接 (BW) があります。

3. フランジ

配管と継手の端部のフランジを突合せて、ガスケットを間に挟んでボルトとナットで固定する接続方法です。ねじ込み形と比べると強度や作業性などの面で信頼がおけるだけでなく、メンテナンスがしやすいという利点があります。

ステンレス継手の種類

ステンレス継手は配管を接続する目的によって分類されています。

1. エルボ

曲がっていることが特徴の継手です。流れの向きを変えることが可能で、45°, 60°, 90°など曲がる角度を用途によって選択することができます。特に、L字型の90°の継手は床や天井などの直角になっている場所で使われます。

2. チーズ

チーズとはT字型の継手です。2本の配管を流れている流体を合流させたいときや、2つに分岐させたいときに使用されます。Y字型のラテラルと呼ばれる水頭損失が少ないものが使用されることもあります。

3. レジューサー

レジューサーとは配管の直径が異なるとき、2つの配管を接続したいときに使用される継手です。1つの継手で配管の直径に対応できない場合は、2つ以上のものが同時に使われる場合もあります。

4. ニップル・ソケット

ニップルとは内ネジの配管同士を接続するときに使用される継手です。一方で、ソケットとは外ネジの配管同士を接続するときに使用される継手です。それぞれ、同じ型の配管を延長したいときなどに使用されます。

参考文献
https://www.riken.co.jp/products/piping/stainless.html
https://www.kagaspring.com/keyword/item_1564.html
http://www.hkpnote.com/hk/hk06.html
https://www.monotaro.com/s/pages/productinfo/pipe2/
https://40chousennsya.com/weld54

サニタリー継手

サニタリー継手とは

サニタリー継手はその名の通り清浄性が求められる配管に使用される継手となります。つまり食品、医薬品及び化粧品など人体へ直接摂取したり、人体に作用する物を作る業界で多く使われている継手となります。

通常の配管継手はその継手部にたまりなどが発生しますが、大きな問題とはなりません。

しかし、清浄性が求められる業界では溜りの部分で発生するバクテリアや異物が大きな問題となるので、サニタリー継手が多く使われています。

サニタリー継手の使用用途

サニタリー継手は食品、医薬品及び化粧品などの業界で非常に多く使われています。

使われる箇所としては異物混入やバクテリアの発生が厳禁となる箇所です。そのような部分では定置洗浄(CIP)や定置殺菌(SIP)等も行いますので、苛性ソーダや次亜塩素酸ナトリウムなどの薬品、及び蒸気の高温高圧にも耐えれる継手が必要です。

そのような所でサニタリー継手は採用されています。

他にもサニタリー継手は分解しやすい構造なので、分解性を求められる箇所にも使用されています。

サニタリー継手の原理

ほぼすべてのサニタリー継手はステンレス鋼の1種であるSUS304で製作されており、SUS304よりもグレードの高いSUS316Lで製作されることもあります。

これらの材料の特長はまず錆びる事が無いので、それによる汚染や異物混入の心配がありません。また、苛性ソーダや次亜塩素酸ナトリウムなどの定置洗浄(CIP)に使用される薬品にも耐性を持っています。さらに内面を磨きあげる事で液の溜り部分を無くす事により、バクテリアの発生も極力低くしています。

継手自体は特殊なガスケットとクランプで挟み込むようになっており、そのガスケットも液溜ができないような設計になっています。

ガスケットの材質もEPDMやNBRのようなゴムやPTFEのような樹脂からエアラブ事ができ、そのすべてがポジティブリストに適合しているので直接食品などと触れても安全な素材です。

また、クランプで接続する事により分解が非常に行いやすくなっているので、配管を分解しての洗浄も非常に行いやすい構造になっています。

参考文献
https://www.osaka-sanitary.co.jp/product/fitting.html
https://www.monotaro.com/s/pages/cocomite/511/