災害用浄水器

災害用浄水器とは

災害用浄水器とは、自然災害時に安全な飲料水を確保するための非常用装置です。

災害により水道が断水すると、生活に不可欠な水の供給が困難になります。こうした緊急時に、河川水、雨水、井戸水、池の水などをろ過し、飲用可能な水に変えるのが災害用浄水器の役割です。

一般的な浄水方式には、0.1ミクロン以下の中空糸膜フィルター、活性炭フィルター、ウイルス除去フィルターなどがあり、細菌やウイルス、不純物、臭気などを除去できます。ポンプ式や重力式、携帯型や大型装置など、さまざまなタイプが存在し、使用場所や人数に応じて選べます。

電源不要の製品も多く、防災備蓄品として個人・家庭・自治体での需要が高まっています。被災時の水の確保は、命を守る上で最優先される事項の一つであり、災害用浄水器はそのための有効な対策となります。

災害用浄水器の使用用途

1. 避難所での飲料水確保

災害発生後、避難所では数十人〜数百人が共同生活を送ることになりますが、水道が復旧するまでには時間がかかることが多くあります。この間、飲料水や調理用水を確保するために、活躍するのが災害用浄水器です。大型の浄水器であれば、近くの川や池の水を大量に浄化し、複数人で安全に使用できます。災害時に広く使用されている事例として、各地の自治体が避難所に配備するケースが増えています。

2. 個人や家庭での非常時備蓄用

家庭で災害用浄水器を備えておくことで、断水時でも安全な水を確保することが可能です。携帯型や手のひらサイズのモデルは、ペットボトルなどに装着して使うことができ、持ち出し用の非常袋にも収納しやすいのが特長です。備蓄している水が尽きた場合でも、雨水やため水を浄化して飲用できるため、家族の命を守る備えになります。

3. アウトドア・遠隔地での利用

山間部や河川周辺での登山、キャンプ、野外活動においても災害用浄水器は有用です。現地の水を浄化して飲むことで、飲料水を持ち運ぶ負担を減らせるほか、万が一の遭難や災害発生時にも即座に対応できます。アウトドア用途で使い慣れておくことで、実際の災害時にも慌てず操作できるというメリットもあります。