ストレーナ

ストレーナとは

ストレーナ

ストレーナは、液体や気体の中から細かい異物を除去する部品です。類似部品にラインフィルタがありますが、用途が異なります。ストレーナは機器の上流に挿入して機器保護を目的として設置されるのに対して、ラインフィルターは流体をろ過し正常化する目的で設置されます。

ストレーナの使用用途

ストレーナは民生品の場合、自動車などに使用されます。エンジン保護を目的としており、エンジンオイル配管のエンジン上流に設置されます。他の使用用途には、下水道配管などがあります。

産業用途としては、プラントや油圧ユニットなどに使用されることが多いです。主に異物の噛み込み防止を目的に、減圧弁やポンプなどの機器上流に設置します。

また、ストレーナには内部スクリーンを定期掃除する製品とテンポラリーストレーナの2種類があります。テンポラリストレーナは使い捨てするストレーナです。基本的には配管工事後に配管内の汚れを除去し、以降は取り外されます。テンポラリーストレーナにはコーン型や差込み型などの種類があります。

ストレーナの原理

ストレーナーは本体、Oリング、スクリーンなどから構成されます。本体の中にスクリーンが入っており、Oリングで配管と漏れがないように接続されます。最も重要なのがスクリーンで、網目状のパンチングメタルやメッシュからできた部品です。

網目粗さを選定して除去する異物の大きさ決定します。異物が大きい場合はスクリーンの目を粗くし、小さい場合はスクリーンの目を細かくします。また、ストレーナーにはY型やU型などがあります。基本的には流量の小さなものにY型を使用し、大きなものにU型を使用します。

ストレーナーの圧力損失に注意が必要です。ストレーナを設置すると圧力損失が発生するため、ポンプの入口に目が細かいストレーナを設置するとキャビテーションが発生する恐れがあります。

ストレーナのその他情報

1. ストレーナの清掃

ストレーナは流体中のゴミをフィルターで除去するため、内部にゴミが堆積します。定期的に清掃しなければフィルターの目詰まりが発生し、さまざまな不具合が発生します。内部フィルターを取り外して水洗する清掃方法が一般的です。

ストレーナの入出口のバルブで縁切りして清掃作業を実施します。ラインを容易に停止できない場合は、あらかじめストレーナにバイパスラインを設けて清掃します。ライン内ポンプの吐出圧力を監視することでストレーナのつまりを発見します。また、長期停止後はライン内の異物がストレーナに流入することがあるため、稼働前にストレーナの点検を行うことが重要です。

2. ストレーナのメッシュ

ストレーナにおいてフィルター粗さは一般的にメッシュという数値で表されます。メッシュとは、1インチ中にある網目の数です。仮に1インチの中に網目が10個あれば10メッシュということになります。実際には1インチ×1インチの正方形の中にそれぞれ10個の網目なので、1インチ角中に100個の網目があることになります。

2重構造フィルターを持つストレーナも販売されています。二重構造フィルターでは、外側に目の粗いフィルターを取り付け、内側に目の細かいフィルターを取り付けます。ストレーナの粗さや構造は、メーカーとの協議や過去実績を基に選定します。

参考文献
https://www.tlv.com/ja/steam-info/steam-theory/other/1001filter/
https://jp.misumi-ec.com/vona2/mech/M2000000000/M2007000000/M2007030000/
https://www.wasinokiki.co.jp/product/f02.pdf
http://www.vth.co.jp/strainer

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