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パーマロイについての概要、用途、原理などをご説明します。また、パーマロイのメーカー17社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。パーマロイ関連企業の2024年10月注目ランキングは1位:大同特殊鋼株式会社、2位:第一金属株式会社、3位:ステラ株式会社となっています。
1987年~1991年昭和電線電纜勤務 高分子材料研究室にて電線の被覆材の研究に従事>1991年~1997年小池国際特許事務所にてパテントエンジニアとして勤務>1997年~2005年GE横河メディカルシステムにて知財部員として勤務>現在、ライターとして活動
パーマロイはニッケル-鉄合金の一種で、特にニッケルの含有量が35-80%のものです。
パーマロイという名前は通称で、日本工業規格JIS C 2531が定める正式名称では鉄ニッケル軟質磁性材料と言います。パーマロイは、保磁率が低くて高い透磁率を有しており、磁気シールド効果が高く、集磁作用が高いという特性があります。
また、微細な磁場の印加によって高い磁化を発揮できることや、交流回路におけるインピーダンスを高めることも特性の一つです
パーマロイは、テレビやパソコン、ビデオテープ、ハードディスクなどの磁気記録装置に設置されている磁気ヘッドの磁気漏れを防ぐために使用されています。パーマロイは、前述したような特性を持つため、磁気シールド材料に好適です。
また、近年注目されている次世代の診断法である生体磁気計測では、極めて微弱な磁気の計測を行う必要があり、環境磁場の影響を遮断しなければなりません。そこで、パーマロイで磁気シールドを施した磁気シールドルームを設け、環境磁場の影響を受けないように工夫されています。
パーマロイは、ニッケル-鉄合金の一種で特にニッケルの含有量が35-80%のものを言いますが、未加工のパーマロイはさほど高い透磁率を持っているわけではありません。パーマロイは「磁性焼鈍」と「歪取り燃焼」という処理を行います。
磁性焼鈍とは、パーマロイ中の原子の磁気モーメントが揃っている磁区の動きを妨げる酸化被膜などを除去する熱処理です。1000℃以上の高温下で水素を用いた還元的環境の熱処理を行うと、パーマロイ中に含まれ、磁区の動きを妨げる酸化皮膜や酸化物微粒子の酸素分子を除去できます。
この不純物の除去により、外部磁界磁場を印加したときの磁壁の移動や磁区の回転が促され、軟磁性が向上します。なお、磁性焼鈍処理後のパーマロイの透磁率は、磁性焼鈍処理前のパーマロイの約100倍です。
歪取り燃焼とは、磁性焼鈍より低温で行われ、再結晶させることで残留応力を取り除くための処理です。加工しやすくすることを目的としています。なお、モリブデンや銅、クロムなどの添加によって、更に高い透磁率を達成することも可能です。
パーマロイには、複数種あり用途により使い分けられます。中でもよく使用されるのは、パーマロイB (PB) とパーマロイC (PC) の2種類です。PBは鉄とニッケルの二元合金からなり、PCは鉄とニッケル、モリブデン (Mo) 、Cu (銅) の多元合金からなります。
磁性材料においては、磁気力の絶対値を示す飽和磁化Bsが大きいほど、強磁界対応の磁気シールド向きです。一方、透磁率μが大きい (飽和磁化Bs付近の最大透磁率が大きい)ほど、弱い磁界の変化にも対応するため、弱磁界での磁気シールドに適しています。
このとき、上述のPBとPCそれぞれの最大透磁率はPBで50,000、PCで180,000、飽和磁化BsはPBで1.55T、PCで1.72Tです。すなわち、飽和磁化が大きいPBが、強磁界のシールドに適しており、透磁率が大きいPCは、微弱磁界のシールドに適しています。
パーマロイには、これまで述べた様な磁気シールドとしての機能のほかに、微弱な磁界を検知し磁束を増大させて出力するコアとしての機能もあり、電流センサーやトランスのコアとして使用されています。電流センサーとは電流を測定するためのセンサーのことです。導体に電流が流れると磁束がコアに誘導され、その磁場の大きさから電流値を計測します。
トランスとは電圧の変換や回路間の絶縁を行う装置のことです。1つのコアに入力側のコイルと出力側のコイルをそれぞれ独立させて巻いた構成で、入力側のコイルに電流が流れると電磁誘導の性質で出力側のコイルに電圧を出力されます。透磁率が高いパーマロイを使用することで、トランスの小型化が可能です。
パーマロイは、柔軟に変形し、加工性に優れています。他の金属と同様に、曲げや切削、プレス、打ち抜きといった加工が可能です。ただし、パーマロイも含まれるニッケル合金は一般的に切削加工が難しいと言われる素材の代表です。このため、パーマロイの切削加工には、高い技術力が必要となります。
パーマロイは、磁気シールドや計測器、磁気ヘッド、音響機器、通信ケーブルなど幅広く使用されており、その用途に合わせて、円筒状や板状、リング状、線状、箔状など、多彩な形状に加工されて使用されています。
参考文献
https://www.ohtama.co.jp/whats.html
https://www.ohtama.co.jp/products/shield_room.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieiej/26/10/26_767/_pdf/-char/en
https://www.ohtama.co.jp/products/sensor.html
https://www.kitagawa-denki.co.jp/products/about/theory/
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
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1 | 大同特殊鋼株式会社 |
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2 | 第一金属株式会社 |
24.1%
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3 | ステラ株式会社 |
11.1%
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4 | 株式会社プルータス |
7.4%
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5 | 株式会社プロテリアル金属 |
5.6%
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6 | 株式会社光栄 |
5.6%
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7 | 日本高周波技研工業株式会社 |
3.7%
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8 | VACUUMSCHMELZE GmbH&Co. KG |
3.7%
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9 | 富士興産株式会社 |
3.7%
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10 | 諏訪金属株式会社 |
1.9%
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