サマコバ磁石についての概要、用途、原理などをご説明します。また、サマコバ磁石のメーカー21社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。サマコバ磁石関連企業の2023年3月注目ランキングは1位:株式会社相模化学金属、2位:信越化学工業株式会社、3位:株式会社トーキンとなっています。
サマコバ磁石の正式名称はサマリウムコバルト磁石といいます。 希土類磁石(通称:レアアーズ磁石)のうちの一つで、他にはネオジム磁石があります。 サマコバ磁石はサマリウムとコバルトが主成分となっており、2つの特徴を合わせ持った磁石となっています。 強力な磁力を持ちながら、熱にも強い磁石となっています。サビにも強いためメッキの必要性が無く、非常に使いやすい素材です。 ただし、強度は低く欠けやすいため、非常に脆いです。そのため取り扱いは十分に注意する必要があります。
サマコバ磁石はその特性から、製品の小型化やセンサー類などで使用されていることが多いです。 サマコバ磁石の主な使用用途をご紹介します。
レーザー機械 サマコバ磁石は万能な素材で、様々な用途があります。特に高温に耐える必要がある場所や、小型部品などに強いニーズがあります。
ここではサマコバ磁石の原理を解説します。 サマコバ磁石はサマリウムとコバルトが主成分であるため、サビに強いコバルトの成分とサマリウムの高温に耐える強さの2つが併せ持った磁石です。 サマコバ磁石がなぜ高温に耐えうる理由ですが、それはキュリー温度が高いためであると考えられています。 キュリー温度とは磁石がもつ強磁性体が常磁性体に変化する温度のことを指します。名前は発見者であるピエール・キュリー氏から取られました。 強磁性体がキュリー温度を超えると、磁力が失われるのでキュリー温度が高いほど高温に耐える磁石といえます。 サマコバ磁石はキュリー温度が760℃~860℃なので、かなりの高温に耐えることがわかると思います。 正し、湿度が低いかつ、表面が研磨処理されている場合、低い温度の際に発火する可能性があります。 同じ希土類磁石にネオジム磁石がありますが、磁力はネオジムの方が高い物の、耐熱性や腐食性の面からサマコバ磁石は高温度や湿気の多い場所で使用されるケースが多いです。
また、サマコバ磁石はその希少性から、価格が高く、常に変動するためコストが高くなりがちというデメリットがあります。
サマコバ磁石は熱に強い反面、条件によっては発火するおそれがあるので、取り扱いに注意する必要があります。特に、磁石表面が乾いている状態やきれいに研磨されている状態では発火しやすく、低い温度で燃えてしまう可能性があります。
また、サマコバ磁石は他の磁石と比べて脆く、衝撃によって欠けやすいので、使用方法によってはサマリウムコバルト合金の微粉末が生じる場合があります。この金属粉末は自然発火したり、燃えたりする危険性があります。一般的に、希土類などの金属粉末は表面積が大きく、空気とよく触れるため、燃えやすい性質を有しています。その危険性から、消防法における危険物第二類の可燃性固体に指定されています。発生した金属粉末が摩擦熱などによって発火する可能性があるので、他のものと擦れ合って熱を生じる、サマコバ磁石が摩耗して合金粉末が生じるような状況を避けて、安全に使用する必要があります。
1960~1980年代、サマコバ磁石の研究は世界で進められていましたが、日本の物理学者である俵好夫博士が最高性能を有するサマコバ磁石を開発しました。(俵好夫博士は、歌集「サラダ記念日」で有名な歌人 俵万智さんの父親で、彼女の作品の中にも磁石に関する歌がいくつかあります。)
俵好夫博士が開発したサマコバ磁石は、Sm2(Co、Fe、Cu、Zr)17というサマリウムとコバルトに加え、鉄、銅、ジルコニウムなどの遷移金属元素を含有しています。サマリウム2に対し、コバルト、鉄、銅、ジルコニウムを合わせた組成比が17になるようにつくられています。これがサマコバ磁石の中での最高性能を示し、当初開発されていたSmCo5(サマリウム1に対し、コバルト5の組成比)の性能を遥かに凌駕しました。
サマコバ磁石は高価なコバルトを多く含んでいることから、安価な鉄を主体とした高性能磁石の開発が進められてきました。その後、コバルトの価格が急騰したことで供給の危機に陥り、サマコバ磁石を主題とした研究開発は少なくなっていきました。
参考文献
https://www.magna-tokyo.com/jishaku/smco/smco
https://www.neomag.jp/products_navi/smco/smco_introduction.html
https://www.neomag.jp/mag_navi/mames/mame_seibun.html
https://www.chart.co.jp/subject/rika/scnet/60/Snet60-1.pdf
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サマコバ磁石のカタログ一覧はこちら企業
株式会社トーキン*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年3月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社相模化学金属 |
9.9%
|
2 | 信越化学工業株式会社 |
8.9%
|
3 | 株式会社トーキン |
8.9%
|
4 | Baotou Tianhe Magnetics Technology Co., Ltd. |
6.9%
|
5 | 東芝マテリアル株式会社 |
6.9%
|
6 | 東京フェライト製造株式会社 |
6.9%
|
7 | セイコーインスツル株式会社 |
6.9%
|
8 | 株式会社マグエバー |
5.9%
|
9 | 株式会社下西製作所 |
5.9%
|
10 | 株式会社二六製作所 |
5.9%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年3月のサマコバ磁石ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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