アルニコ磁石についての概要、用途、原理などをご説明します。また、アルニコ磁石のメーカー11社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。アルニコ磁石関連企業の2023年1月注目ランキングは1位:株式会社マグナ、2位:カネテック株式会社、3位:株式会社二六製作所となっています。
アルニコ磁石 (英:alnico magnet) とは、アルミニウム、ニッケル 、コバルトなどを原料とする磁石です。
銅などを添加物として加えることがあり、強い永久磁石として利用されます。原料の供給不安などから、フェライト磁石のように一般的ではなく、減磁し易い欠点があります。キュリー温度が高いため、高温に強く、また割れにくい点など、機械的強度に優れています。
アルニコ磁石の製造法は、鋳造と焼結です。
アルニコ磁石は、キュリー温度がキュリー点850℃と高いため、温度による磁性変化が少なく、高温での使用が可能です。また、割れにくいといった優れた機械的特性から、各種メーター・計器類・積算電力計・防犯用機器などに利用されています。
・計測機器用マグネット:電流計、電圧計、ワットメーター、スピードメーターなど
・音響機器用マグネット:レベルメーター、ピークメーター、イヤホーン、スピーカー、エレクトリック・ギターのマグネティック・ピックアップなど
・回転機器用マグネット:コアレスモーター、ステッピングモーター、サーボモーターなど
・通信・計測・制御:リードスイッチ、センサー、リレーなど
・応用機器:ソレノイドなど
変わった用途は、5cmくらいの棒状のアルニコ磁石を、牛に飲み込ませて、第3胃内の針金など鉄片を束状に吸着させ、創傷性心膜炎の予防に使用することです。
アルニコ磁石には長所と短所があります。
・強い磁力:ネオジム磁石などの希土類磁石と同じくらいに強い磁力
・温度による磁性変化が少ない:キュリー温度が高い、高温で使用可能
・強度が強い:他の磁石と比べ、 強度が強く、割れにくい、機械的強度大
・希望寸法での製造が可能:使用用途によってオーダーが可能
・価格が不安定:主原料であるコバルト、ニッケルの価格が不安定
・減磁しやすい:保磁力がそれほど大きくないため、外部磁場や機械的な衝撃などで 減磁、反磁界の大きい薄板形状では自己減磁、保持力を補うには磁化方向の長さ拡大
アルニコ磁石には、3つの形状があります。
・バー型:丸棒型で、外径の小さなものは、3mmφ、外径×長さで表示
・リング型:外径×内径×高さで表示
・角型:幅×高さ×長さで表示
1931年に三島徳七は、鉄、ニッケル、アルミニウム合金を主成分とするMK鋼を発明しました。このMK鋼をきっかけとして、磁性体材料に合金を活用する流れがより大きくなったと言えます。
その後、三島徳七は、MK鋼にコバルトや銅を添加することで、磁性の向上を目指し、これがアルニコ磁石の土台です。1934年に本多光太郎・増本量・白川勇記らはMK鋼にチタンを添加し、保持力の高いNKS鋼を開発しました。
1938年、アメリカのGE社は、NKS鋼に銅を加えたアルニコ磁石を発表し、広く普及するようになりました。このときのアルニコ磁石の組成は、アルミニウム8wt%、ニッケル14wt%、コバルト24wt%、銅3wt%、残りは鉄です。
アルニコ磁石は、経年劣化、温度、外部磁場などの影響を受けて、磁力が低下します。アルニコ磁石は、ネオジム磁石やサマリウムコバルト磁石などの他の永久磁石と比較して、保磁力が小さいため、製造から時間が経過することで、磁力が低下しやすいのが欠点です。
アルニコ磁石を長期間使用する場合は、磁力が低下していないかを定期的に確認する必要があります。また、アルニコ磁石のキュリー温度は高く、熱に強いが、高温では磁力が弱まります。また高温になりすぎると、冷却時に磁力が回復しないことがあるので、適正温度内での使用が必要です。
アルニコ磁石は保磁力が小さいので、外部磁場の影響を強く受けます。そのため、強い磁場があると磁力を保持できなくなり、磁力の低下に繋がります。また、錆や変形などの部分的なダメージにより、磁石全体の磁力を維持できなくなってしまうのもデメリットです。
アルニコ磁石は、JIS規格では、以下の組成の合金としています。
アルミニウム8~13%、ニッケル13~28%、コバルト5~42%、銅2~6%、チタン0~9%、ニオブ0~3%、シリコン0~0.8%、鉄が残部
参考文献
https://www.kinkimagnet.com/products/alnico/
https://www.nihonjisyaku.co.jp/arnico.php
http://www.mmtc.co.jp/ja/products/metalmagnets.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jfes/68/3/68_265/_pdf/-char/ja
https://www.neomag.jp/mag_navi/history/history_21.html
https://www.neomag.jp/
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年1月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社マグナ | 16.7% |
2 | カネテック株式会社 | 14.8% |
3 | 株式会社二六製作所 | 11.1% |
4 | 川上磁石株式会社 | 9.3% |
5 | ネオマグ株式会社 | 9.3% |
6 | 日本磁石工業株式会社 | 9.3% |
7 | 中国磁石販売株式会社 | 7.4% |
8 | 株式会社マグエバー | 7.4% |
9 | 七星通株式会社 | 5.6% |
10 | キャナック電子工業株式会社 | 5.6% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年1月のアルニコ磁石ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社