3Dセンサーについての概要、用途、原理などをご説明します。また、3Dセンサーのメーカー12社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。3Dセンサー関連企業の2023年3月注目ランキングは1位:株式会社リンクス、2位:横河電機株式会社、3位:オムロン株式会社となっています。
監修:株式会社リンクス
3Dセンサーとは、3次元形状を捉えるセンサーのことを表します。
一般的なカメラは、平面(2次元)情報を得るためのセンサーですが、3Dセンサーでは、2次元の情報に加えて高さ情報を取得できます。
私たちは、生活のなかで目や耳、手などの五官を通して刺激を受け、情報を取得しています。3Dセンサーは、これらの五感を代替する仕組みであるといえるでしょう。また、この技術は、3Dセンシングと呼ばれています。
3Dセンサーは、計測手法によってさまざまな種類があります。3次元形状を取得するために使われるセンシング技術には、主に時間遅延法、三角測量法、焦点法の3つに大別されます。以下でそれぞれについて解説します。
光を照射してセンサーに返ってくるまでの時間から距離を計測する方法です。
最長で100mを超えるレンジの奥行計測が可能ですが、計測精度は近距離の場合でも数mm程度です。
長距離の計測が可能な時間遅延法では、車の自動運転や自動搬送車(AGV)などに搭載し、人や物を検知する用途が増えています。
また、時間遅延法は、下記のような技術として用いられています。
レーザー光を照射し、反射光や散乱光を検出することで、対象物までの距離や形状を測定する手法の総称です。照射したレーザー光が物体に当たって跳ね返ってくるまでの時間を計測し、物体までの距離や方向を測定します。
LiDAR のうち、パルス波を一定間隔で投光するものがTOFセンサーです。
カメラと組み合わせた TOF カメラとしての利用が多く、一度の光照射で広い視野範囲の情報を取得でき、比較的低コストで利用できます。
ライン状のレーザー光を対象物に照射し、その反射光をカメラで捉え、レーザーラインの変位から対象物の高さを計測する方法です。
1回のスキャンにて、1プロファイル(断面)分のデータを取得するラインスキャンタイプのセンサーで、センサーまたは対象物を移動しながら取得したプロファイルデータを連続的に結合することで、3次元形状を生成できます。
人がものを見るときと同じ原理で、2台以上のカメラで対象物の同じ位置を捉え、その視差から高さの違いを算出します。
エリアカメラ1ショットで、3次元形状が撮影でき、速度・コスト的に有利な手法です。撮影画像内の特徴点同士の視差を比較するため、高低差がテクスチャとなって映る必要があります。
対象物に複数の縞パターンを投影し、別の方向から撮影したパターン分の画像を解析することで高さを計測する手法です。
静止状態で高精度な 3 次元形状を撮影することができます。
複数の波長をもつ白色光を2方向から照射し、その光路長が完全に同じ場合に光が強く干渉するという特性を利用した計測手法です。
白色光をビームスプリッタによって2分割し、一方を対象物に、もう一方を参照ミラーに反射させて、センサーが受光した光の干渉強度から対象物表面の高さ・深さを測定します。
光の波長のオーダーでフォーカス位置を算出することができるため、ナノマイクロメートルレベルの高さ計測が可能です。また、対象物の材質・色を問わず計測できます。
共焦点光学系は、コンフォーカル光学系とも呼ばれ、点光源からの光が対物レンズを通過して対象物の表面に反射し、反射光が再度レンズを通過してセンサーで受光します。
センサーに入光する直前にピンホールと呼ばれる小さな穴があり、焦点の合う位置で反射した光のみが通過し、検出されることでフォーカス位置を判別します。
コントラストの高い鮮明なデータが取得できます。1回の計測では、広い面積の計測ができないため、主にレーザー顕微鏡などの限られた視野を計測する用途で使用されます。
カメラと対象物の距離を少しずつ変動させながら、光学的にフォーカスの合う位置を探索する計測法です。
複数枚の画像を撮像し、焦点ぼけの変化を分析することで、3次元形状を復元します。
Z軸方向に取り込める範囲が広く、面で計測できるため、焦点法のなかでは高速計測が可能ですが、精度は粗くなります。
3Dセンサーは、あらゆる機器に活用されていますが、主にカメラの認識機能を用いて、2次元の画像情報を3次元の距離情報をもつ画像データとして取得する仕組みに利用されています。例として自動車と建設機械を取り上げます。
自動運転車は、自己の位置や周辺情報の識別を行うために3Dセンサーを利用しています。位置情報は「全球測位衛星システム:Global Navigation Satellite System(GNSS)」を利用して行うこともできますが、リアルタイムによる認識には、3Dセンサーが必要不可欠です。
建設機械では、GPSが使用できない環境下において真価を発揮しています。3Dセンサーを搭載することで、作業員の検出や対象の寸法計測などが可能となり、無人化による施工を推進することができます。
さらに、運搬物の搬送経路を追跡し、保管場所の記録も可能です。その結果、搬送中の問題や資材の場所、在庫状況などの把握が容易になります。
このほかにも高速センサーを使用して3次元画像を取得することに特化した製品や生産ラインなどで、対象物の3次元測定に特化した製品も販売されています。
センサーは、測定方法や測定対象などによってさまざまな種類があります。3次元のデータを取得するために使われるセンシング技術から大別すると、受動的手法と能動的手法の2種類に大別されます。この2つの手法は、光を投射するか否かで分類できます。
以下でそれぞれについて解説します。
受動的手法は、照明下で物体像を撮像し、測定対象から電磁波などを受信することで対象を検出する方法です。
大分類として単眼視や両眼視、多眼視があり、これらは非接触により3次元の情報を得るための方法です。さらに細かく分類を行うと、単眼視では、焦点調節や陰影からの形状抽出(Shape from shading)、テクスチャからの形状抽出(Shape from Texture)、輪郭からの形状抽出(Shape from Contour)があります。
両眼視は、両眼でステレオ視を行います。多眼視は、多眼によるステレオ視と運動領域に注視したステレオ視を行います。
受動的手法は、2つ(両眼)もしくは複数のカメラを用いて画像の対応づけが必要なため、処理に時間がかかる点が問題として挙げられます。また、ステレオカメラ方式が受動的手法に分類されます。
能動的手法は、電磁波を測定対象に投射することで、その反射を利用して距離を計測します。
この手法の大分類は、光レーダー法や光投影法、モアレ法、照度差ステレオ法です。
モアレ法と照度差ステレオ法には、細かな分類がありません。
光レーダー法は、時間差計測法と位相差計測法を活用します。
光投影法は、スポット光やスリット光、傾斜光を使用し、各種の符号化によるパターン(空間内符号および時系列符号のパターン投影法)も活用します。
能動的手法は、測定環境や計測対象が限定されるといった問題点があります。
例えば投光のために必要な機構がある点や屋外などの明るい環境下では、遠距離の撮像には向かない点などが挙げられます。以上のことからToF(Time of Flight)方式は、能動的手法に分類されます。
ひとくちに3Dセンシングといっても、あらゆる測定方法やセンサーの種類があるため、必要なケースに合わせて選定を行うことが大切です。
本記事は3Dセンサーを製造・販売する株式会社リンクス様に監修を頂きました。
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企業の並び替え
2023年3月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社リンクス |
18.7%
|
2 | 横河電機株式会社 |
12.0%
|
3 | オムロン株式会社 |
12.0%
|
4 | ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 |
10.7%
|
5 | コグネックス株式会社 |
9.3%
|
6 | SICK |
6.7%
|
7 | 株式会社YOODS |
6.7%
|
8 | インフィニオンテクノロジーズジャパン株式会社 |
6.7%
|
9 | 旭化成エレクトロニクス株式会社 |
6.7%
|
10 | Automation Technology GmbH |
5.3%
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注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年3月の3Dセンサーページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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