応力測定器のメーカー11社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
応力測定器は素材にどのような応力がかかっているかを調べる機器です。
応力には圧縮応力と引張応力とがありますが、どちらの応力でも高すぎると破損や膜剥がれなどに繋がってしまいます。熱処理や成膜などを行うと応力が変化しますので、均一な品質を保つためにしっかりと測定して管理しておく必要があります。
応力を測定する手法もいくつかあり、曲率半径の測定、複屈折率の測定、エックス線回折の利用などです。どの方法も得意分野と不得意分野がありますのでそれぞれの用途に合わせて適切な応力測定器が選択されています。
成膜分野やガラス強化などの応力が重要な役割を果たす分野では応力測定器は必須の機器です。
半導体産業ではシリコンウェハ上に各種薄膜の成膜が行われますが膜剥がれを起こしてしまう場合があり、この際には膜により高い応力が発生したためであることが多いです。このような以上が異常が発生したかどうかを調べるために応力測定器が使用されます。
ガラスを強化すると表面付近の圧縮応力が増大することで強度が上がりますので、強化処理後の応力測定も行われます。
応力は物体の一部分に、例えばガラスではガラス表面が膨張しようとする力、もしくは収縮する力がかかっていることを示しており、物体全体ではゼロになります。
基板となるシリコンウェハ上に薄膜を製膜した場合、製膜した膜が縮もうとするとウェハがその応力に引っ張られて曲がってしまいます。つまりウェハの曲率半径が成膜前後で変化してしまいますので、この変化分から応力が計算されます。この場合の曲率半径はレーザーでウェハをスキャンすることで得られます。
ガラスを強化した場合も強化前後の曲率半径の違いから応力は計算できるのですが、ガラスは透明ですので複屈折の測定を行うことで応力が計算できます。応力がかかると方向によって屈折率が異るようになります。これを複屈折と呼んでいますが、高い応力がかかっているガラス中に光が入射すると応力がかかっていない場合に比べて複雑な屈折及び干渉をしますので、これらを測定して応力値を算出しています。
結晶の場合は光の回折が起こるので応力測定はエックス線回折を用いることで測定可能です。応力がかかっている部分は応力に従って格子間の伸縮がありますのでこの伸縮具合を測定します。この方法の利点はエックス線回折を利用しますので平面でなくてよく、複雑な形状でも実施可能な点です。
参考文献
https://jtla.co.jp/service/analysis_product/x-stress/
https://www.toho-tec.co.jp/products/inspection/inspection/flx/
https://www.jpu.or.jp/products-index/bi-ref-index/
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社