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分取HPLCについての概要、用途、原理などをご説明します。また、分取HPLCのメーカー12社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。分取HPLC関連企業の2024年11月注目ランキングは1位:日本ビュッヒ株式会社、2位:株式会社島津製作所、3位:株式会社ワイエムシィとなっています。
1993年~2019年に日本化薬株式会社医薬研究所にて医薬品の研究開発、各種生体試料の分析に従事。危険物取扱者、放射線取扱主任者として施設管理業務も担当。2019年に同業他社に転職、現在まで同様の業務を担当。専門書執筆・翻訳・校閲活動も行っている。>LinkedIn: h
分取HPLCとは、成分の分離・採取ができる高速液体クロマトグラフィー (HPLC) のことです。
主成分の精製による純度の向上や、試料に含まれる不純物などの微量の成分の採取ができます。分取HPLCの原理は通常のHPLC分析と同一であるため、適切なカラムを選択すれば化学構造や分子量、立体構造など化合物の様々な特徴で各成分を分離、精製することが可能です。
また、カラムのサイズや装置構成を変えることによって、分取HPLCではミリグラムからキログラムオーダーまで目的物の取得量を変えることができます。
分取HPLCの特徴は、HPLCの高い分離能力を活かせる点です。HPLC上で分離したピークが得られれば、それぞれ別に分取して得ることができます。
有機化学や生化学などの分野で、化学合成や生体触媒合成で得られたサンプルの中には主成分の他に不純物や副生成物など多数の微量成分が含まれています。通常のカラム精製や再結晶などの一般的な精製方法では、選択的に1つの成分だけを抽出することは困難です。一方、分取HPLCではHPLC分離さえできれば分取できる可能性が高いです。
分取HPLCではHPLCで分離した各ピークを別々のフラクションとして収集できるため、主成分、不純物をそれぞれ高純度で選択的に採取することができます。高純度サンプルの用途として、例えば素材業界では分取HPLCによって得られた高純度の目的物を用いた材料、物性評価が行われています。
また、化学業界では高純度の不純物、副生成物の構造解析を通して反応系で発生している副反応の解析が行われています。
生物系の分野では、分取HPLCがサイズ排除クロマトグラフィー (SEC) カラムを使用したタンパク質の精製に使用されています。高分子の分野でも、SECカラムを使用した高分子の精製、分子量分画を行い、各成分の物性評価を行っています。
HPLCの高い分離能を利用して、様々な化合物が含まれている天然物のサンプルから目的物を抽出することもあります。分離能力の高い逆相カラムが良く用いられます。
分取HPLCの分離機構は、分析HPLCと同様です。他の精製法である通常のカラム精製や再結晶と異なり、分析とほぼ同じ分離能力で精製ができることが分取HPLCの強みです。
HPLCカラムには、多孔性のシリカゲルや、アルキル基などの官能基が表面に修飾されたシリカゲルなどが充填されています。充填された物質は固定相と呼ばれ、最も多く用いられているのはオクタデシル (ODS, C18) 基修飾シリカゲルです。カラムに試料溶液を注入すると、試料の各成分が固定相と相互作用するか、固定相に分配されます。
この相互作用の強さ、または分配の度合いは各成分の物理化学的性質によって異なるため、カラムを通過する間に各成分は分かれていきます。このようにして、各成分を分離するのがHPLCの原理です。
カラムの固定相のはたらきは、固定相によって異なります。例えば、シリカゲルを固定相とし、有機溶媒を移動相とするものは順相モードと呼ばれる分離原理です。
シリカゲルは多孔質の担体で表面に物質を吸着させる性質を持ち、吸着の強さが物質によって異なるため、試料がカラムを通過する間に分離が達成されます。シリカゲルは親水性のものを強く吸着するため、親水性のものが遅く溶出します。
C18カラムのようにアルキル基が修飾された固定相を用い、含水有機溶媒を移動相とする場合は、逆相モードと呼ばれる分離原理です。含水有機溶媒は水、C18は油に相当し、物質がどちらに親和性が高いか (親水性か親油性か) によって分配が決まり、親油性の物質は固定相に分配されるため、遅く溶出してきます。このようにして、親水性か親油性かによって分離されます。
分取HPLCは、HPLC装置の後ろにフラクションコレクターと呼ばれる装置を連結することができます。フラクションコレクターとは、HPLCの溶出液を一定の時間などで区切って採取する装置です。
フラクションコレクターによって分けられた各溶出液を濃縮することで高純度の目的物を得ることが可能になります。
リサイクル分取HPLC装置は、カラムの後ろに切り替えバルブを搭載しており、一度カラムを通過した溶出液を再度同じカラムに通液させることができます。
一般的にカラムが長いほどHPLCの分離能は向上します。したがって、何度もカラムに通液させることで、カラムを何本も繋げて長くしたのと同じこととなり、1回では分離しなかった成分も分離、回収することが可能になります。ただし、切り替えバルブを設ける装置の構成上、通常のHPLC装置とは別で専用の装置を用意する必要があります。
参考文献
https://www.gls.co.jp/product/topics/plc/
https://www.gls.co.jp/technique/technique_data/lc/usage_of_prep/
https://www.an.shimadzu.co.jp/hplc/support/faq/prep/index.htm
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
2024年11月の注目ランキングベスト9
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 日本ビュッヒ株式会社 |
31.6%
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2 | 株式会社島津製作所 |
21.1%
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3 | 株式会社ワイエムシィ |
10.5%
|
4 | 株式会社池田理化 |
10.5%
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5 | 日本分析工業株式会社 |
5.3%
|
6 | 柴田科学株式会社 |
5.3%
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7 | 日本分光株式会社 |
5.3%
|
8 | ジーエルサイエンス株式会社 |
5.3%
|
9 | アジレント・テクノロジー株式会社 |
5.3%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2024年11月の分取HPLCページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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