真空シールについての概要、用途、原理などをご説明します。また、真空シールのメーカー11社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。真空シール関連企業の2022年6月注目ランキングは1位:株式会社フェローテックマテリアルテクノロジーズ、2位:NOK株式会社、3位:理学メカトロニクス株式会社となっています。
真空シールとは、磁性流体を用い、空気やガス、微粒子などが侵入することを防ぎ、真空環境を維持するための密封装置のことです。
磁性流体とは磁性を持つ微粒子を界面活性剤で安定して分散させた液体で、強い磁性を持ちます(強磁性体)。
真空シールに備えられた磁石によって磁性流体を保持することで、装置との結合部分のすき間を密封します。
磁性流体の保持される力は磁石の強さ(磁力)によって決まるため、磁力が強ければ磁性流体のリングの耐圧は大きくなります。
真空シールは、高真空を有する製造業、例えば半導体や太陽電池、あるいはスマートフォン向けの有機ELパネル製造において利用されます。
半導体製造では、スパッタリング装置、CVD装置、イオン注入装置に利用されています。
これらは均一な薄膜を形成したり、イオン注入により半導体の電気的特性を制御したりする上で、真空シールによる高い真空環境が必要とされます。
有機ELでも有機EL素子の薄膜形成のために真空蒸着を行う上で真空シールが必要とされています。
真空シールは磁性流体と呼ばれる液体を使用します。
磁性流体とは、磁性を持ったナノサイズの微粒子(磁性微粒子)、界面活性剤、水や油などのベース液の3成分から構成されます。
通常、磁性微粒子どうしは磁石のように互いに凝集してしまうため(スパイク現象)、これを防ぐために界面活性剤を使用しています。
その結果、コロイド溶液として安定した磁性流体を作成することができます。
さらに真空シールでは、磁性流体に加え、永久磁石と回転軸(シャフト)を用います。
永久磁石により回転軸と磁極材の間に磁力線が形成され、その磁力線に沿って磁性流体が保持されます。
これにより回転軸と磁極材や永久磁石との接触を防ぐことができます。
回転軸と液体の接触であるため、回転軸を摩耗させることなく任意に回転させることができます。しかも磁性流体が磁力線に沿って隙間を塞いでいるため、真空環境も維持することも可能です。
磁性流体は不活性で蒸気圧も低いため、長期間にわたり真空シールを利用することができます。
参考文献
https://ft-mt.co.jp/product/ferrofluidics_seal/
https://www.ferrotec.co.jp/php/download.php?f=jp/5dbb9e0143529.pdf
https://www.rigaku-mechatronics.com/technology/
https://www.nok.co.jp/technology/seal/commentary/magnetic.html
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年6月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社フェローテックマテリアルテクノロジーズ | 37.5% |
2 | NOK株式会社 | 12.5% |
3 | 理学メカトロニクス株式会社 | 10% |
4 | 日本シール精工株式会社 | 7.5% |
5 | 柴田科学株式会社 | 7.5% |
6 | 株式会社バルカー | 7.5% |
7 | 株式会社協同インターナショナル | 7.5% |
8 | 三菱マテリアルトレーディング株式会社 | 2.5% |
9 | ヤマト科学株式会社 | 2.5% |
10 | シールテック株式会社 | 2.5% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年6月の真空シールページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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