レーザー干渉計についての概要、用途、原理などをご説明します。また、レーザー干渉計のメーカー16社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。レーザー干渉計関連企業の2022年4月注目ランキングは1位:レニショー株式会社、2位:東明技研株式会社、3位:株式会社オプセルとなっています。
レーザー干渉計とはサンプルの表面形状を解析するときに利用する装置です。装置の中に組み込まれた光源から出力されたレーザー光はビームスプリッターと呼ばれる特殊なミラーによって2つに分けられます。そして片方は直接サンプルの表面に照射、もう片方はビームスプリッターで一度反射してから照射されます。このとき2つのレーザー光の間の光路長に差が生じます。そして2つの波が重なり合ったとき、波の位相に応じて干渉パターンが変わります。
この干渉パターンは光路長によって変わるので、サンプルの表面の凹凸に応じて敏感に変化します。そのため、干渉パターンからサンプル表面の形状解析が可能となります。
レーザー干渉計は固体サンプルの表面形状の解析に用いられます。例えばカメラのレンズやコンタクトレンズのように精密に形状を制御する必要があるレンズの表面解析やDVDディスクやガラスなどの表面形状測定にも用いられます。レーザー干渉計は平面、球面、半球面など、サンプルの形状によらず測定が可能であるため幅広い分野で表面解析に使われています。
一方で外部の振動やサンプル表面のゆらぎ、粗さなどの影響を受けて測定結果が変動しやすいため、液体サンプルや未研磨のサンプルの測定にはあまり用いられません。
レーザー干渉計は上で述べたように装置内で2つに分けられた光が重なったときの干渉パターンからサンプル表面の解析を行います。光は波の一種であるため、2つの光がお互い山、谷同士で重なった場合は波が強くなり、片方の波が山、もう片方が谷で重なった場合、波は打ち消されます。この2つの光の波のずれを位相差と呼び、位相差が光の波長の倍数と等しいときに重なった波は強くなります。逆に位相差が光の波長の1/2の倍数に等しいときは波が打ち消されます。
レーザー干渉計で使用している光源の波長は630ナノメートル付近であるため、数百ナノメートルの僅かな光路の変化でも干渉パターンは変わります。したがって1マイクロメートル以下の微小な表面の厚みの変化もレーザー干渉計では検出可能となります。
またレーザー光によるサンプルの変性は起こりにくいため、非破壊で表面の測定を行うことが可能であることもレーザー干渉計の大きな特徴の一つです。なおレーザー干渉計は実験台の微小な振動の影響も受けやすいので、装置は防振台の上に設置する必要があります。
参考文献
https://www.fujifilm.com/jp/ja/business/optical-devices/interferometer/knowledge
https://www.global-optosigma.com/jp/application/guide-int02.html
https://www.keyence.co.jp/ss/3dprofiler/keijou/flatness/interferometer/
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年4月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | レニショー株式会社 | 22.9% |
2 | 東明技研株式会社 | 9.4% |
3 | 株式会社オプセル | 9.4% |
4 | キーサイト・テクノロジー株式会社 | 8.3% |
5 | 株式会社マブチ・エスアンドティー | 6.3% |
6 | 富士フイルム株式会社 | 6.3% |
7 | キヤノンマーケティングジャパン株式会社 | 5.2% |
8 | ZYGOJapan | 4.2% |
9 | 太陽計測株式会社 | 4.2% |
10 | ミカサ株式会社 | 4.2% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年4月のレーザー干渉計ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
株式会社アイアールシステムのFizeauタイプ汎用レーザ干渉計は、干渉波面の複数位相を高速撮像によって同時計測することで振動に対する耐震性が向上し、計測時の時間不安定性を解消したFizeau型の干渉計です。
そのため、測定環境に不安がある環境(振動が気になる実験室など)での利用に適しています。
測定精度は、RMS再現性が標準モードでλ/5000以下、RMS測定精度はλ/20以下の高精度を実現しています。
東明技研株式会社のレーザー干渉計は、小口径(φ38mm)から大口径(φ150mm)のレンズの曲率をλ/20の高精度で測定することができるフィゾー型レーザー干渉計です。
小口径(φ38mm)のAK-40ZFレーザー干渉計は、外形寸法サイズがW121xD127xH248mm、重量が約4.5kgの小型化を実現すると同時に6倍ズーム機構(手動)を採用した高精度なレーザー干渉計です。
レンズの曲率測定だけでなく、ガラス平面、ミラー研磨面などの測定評価することも可能です。
富士フィルム株式会社のレーザー干渉計は、レーザーの反射・干渉によって発生する干渉網を計測することにより、サンプルの物理的形状(曲率、平面度、面精度など)を干渉網を高精度で測定することができます。
光学レンズや望遠鏡に使用する反射鏡などの曲率測定、ガラスや金属版の平面度測定など、さまざまな材質のサンプルに対して高精度な測定を実施することができます。
平面測定では、有効径φ60mm,φ102mm,φ150mm、球面測定では、有効径φ60mmに対応し、面精度はλ/20による測定が可能です。
ミカサ株式会社のレーザー干渉計ZUM500は、2周波ヘテロダイン方式のHe-Neレーザーを使用し、干渉光学系にはカール・ツァイス光学系(無限遠光学系)を採用しています。
干渉光学系と解析PCへの信号伝達には光ファイバイーケーブルを利用することで、周辺環境の電磁波による測定誤差の影響を防いでいます。
標準的な測定環境下におけるZUM500の測定精度は約0.15µm/m、分解能5nmを実現しています。
CANONのレーザー干渉計は、高度な光学設計により、あらゆる測定性能の高精度化を実現します。
回折限界までの撮像分解能(~50λ)、0.1%未満の画面歪み(水平方向の測定誤差)、30µm未満の像面湾曲(フォーカス方向の測定誤差)を実現する高精度な測定が可能です。
その他、測定サンプルの傾斜限界を示すフランジと呼ばれる干渉網本数を最大化し、複数の干渉網が重なることによる生じるリトレースエラーを最小限に抑える光学設計を実現しています。